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これは戦国時代のゲームではない……ですと!? 歴史RTS「トータルウォー:ショーグン2 日本語版」レビュー
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印刷2011/11/26 11:00

レビュー

11年ぶりに“戦国時代”が題材のトータルウォーが登場

トータルウォー:ショーグン2 日本語版

Text by 徳岡正肇


 2011年9月30日にズーから日本語版が発売された「トータルウォー:ショーグン2」(以下,TWS2)は,会戦級〜戦略級RTS「トータルウォー」シリーズに属する作品だ。

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 「2」がついていることからも明らかなように,日本の戦国時代を舞台としたTWS2には前作が存在しており,本作はシステムからグラフィックスまで,あらゆる面をリニューアルした新バージョンといえる。
 トータルウォーは今や会戦級RTSでは鉄板ともいえる作品であり,新作が出たらとりあえず遊んで損はない安定感を持ったシリーズだ。しかしながら,日本の戦国時代を,海外のデベロッパがゲームにするということになると,やはりどうしても一抹の不安を抱かずにはいられない。今回はそのあたりも含めて,簡単にレビューしていきたい。

「トータルウォー:ショーグン2 日本語版」公式サイト



海外産にしては意外とおとなしい戦国ゲーム


 TWS2は,1545年から1575年までの日本,つまり戦国時代を舞台としたストラテジーゲームだ。プレイヤーは戦国大名となり,天下統一(厳密には勢力ごとによる指定領地の支配+一定数以上の領国支配)を目指す。

チュートリアルはかなり充実している。マニュアルなしでも困らないだろう。陸戦だけでなく,海戦の基本も学べる
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 シングルプレイは大きく2つ,戦略パートと合戦パートに分かれている。戦略パートでは内政や外交,技術開発,交易ルートの確立,徴兵などを行い,合戦パートでは鍛え上げた軍を率いて敵軍を撃破する。
 戦略パートはターン制で進行する。1年は4ターンで構成されており,四季がそれぞれ1ターンに相当。合戦パートはリアルタイム,いわゆるRTSとなっており,プレイヤーの素早い判断が要求される――とはいえシングルプレイでは随時ポーズをかけられるので,アクション性はさほど高くない。
 戦闘は,陸戦だけでなく海戦も存在する。海上交易による富は決して無視できない規模に達するので,自然と制海権は重要になってくる。とはいえ四国以外は船なしで往来が可能なので,総合的には陸軍のほうが重要度が高いといえるだろう。

海戦は本作のメインではないが,海の表現は非常に美しい。DirectX 11にも対応しているので,パワーのあるPCならば最高のグラフィックスで楽しめる
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 プレイヤーが選べる大名は,長宗我部・島津・北条・毛利・織田・伊達・武田・徳川・上杉の9大名。拡張パックによってプレイできる大名の数は増える(海外版のみ)。もちろんプレイ可能な大名以外として中小大名もゲーム内に存在しており,決して“戦国大名が9家しかゲームに出てこない”わけではない。
 島津は侍の雇用費・維持費が安かったり,武田は騎兵が強かったりするなど,それぞれの家は固有の能力を持っている。なかには歴史的に見てどうなのかなと首を傾げる能力もあるが,そのあたりは「そういうものだ」と割り切るべきだろう。

基本セットで選択できる大名は9家。「この能力設定はどうなの?」と思う大名もいるが,「そういうものだ」と考えたほうが無難
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 なお,TWS2の前作である「ショーグン:トータルウォー」では,わりと洋ゲーテイストにあふれたオリエンタル戦国時代だったが,TWS2ではそこまでぶっ飛んだオリエンタリズムは存在しない。忍者は登場するが,索敵や破壊工作がその任務の中心であり,このあたりは「よくある」戦国ゲームと言っていいかもしれない。


「トータルウォー」といえば野戦


 TWS2の華は,やはり合戦である。TWS2はキャンペーン以外にも,歴史的な合戦だけを切り出した「シナリオ」や,オンラインでの「マルチプレイ対戦」などが存在しているが,これらはいずれも合戦だけを扱うモードだと言ってほぼ間違いない。

迫力ある戦闘シーン。言うまでもないが,ここまでカメラを寄せることは滅多にない,というか絶対にない
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 合戦の基本は,操作したいユニットを選択し,移動先あるいは攻撃先を選択するという,ごくありふれたRTSそのものだ。複数のユニットをまとめて選択したり,ユニットをグループ化してショートカットを割り付けたりすることも可能。また自軍のユニットはすべて画面下に一覧表示されているので,そちらから選んで命令していくこともできる。
 ユニットの種類は非常に多いが,おおまかに分類すると,騎兵・槍・刀・薙刀・弓・鉄砲に分けられる。槍が騎兵に強かったり,刀が近接戦に強かったり(一方で騎兵には手が出ない),薙刀は攻撃力が大きいが防御に弱かったり,弓や鉄砲は近づかれさえしなければ戦場を支配できたりと,ユニットごとの相性やユニットにあった戦術が存在する。これらは一度に覚えようとすると大変なので,シングルプレイで少しずつ体感していくのがいいだろう。

ユニットの種類は多く,パラメータも細かく設定されている。一見すると強いユニットにも意外な弱点があったりするので,データはよく見ておきたい
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 戦闘を決する要素としては,ユニットの強さや相性もあるが,地形や指揮官の指揮範囲,部隊の士気なども重要な要素となる。斜面を駆け降りる攻撃は同じ斜面を駆け上がってくる敵を粉砕するし,指揮官の指揮範囲を超えたところで戦っている部隊は戦闘力を十分に発揮できなかったりする。また足軽部隊は簡単に士気が崩壊するため,実被害よりも指揮崩壊によって戦線が崩れてしまうこともしばしばだ。
 また,ユニットには陣形があり,これによって戦闘の効率が変わってくる。槍足軽の群れであっても,密集陣形を取ることで騎兵突撃に対して劇的な効果を発揮するのだ。こうした細かいケアも,野戦指揮官にとっては欠かせなくなってくる。

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本作において指揮官は重要なポジションを占める。戦闘経験を詰むことで強化もできるので,大切に使っていきたい
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跡継ぎが指揮官として就任。積極的に前線に出して経験を積ませたいところ

 慣れるまでは,やることが多くて動いていない部隊などが出がちだが,分かってくるとTWS2の合戦は面白い。互角かやや不利くらいの合戦を制したときの達成感や満足度は非常に高く,モニターの前でしてやったりの笑みが浮かべられること請け合いだ。戦略パートとのバランスとしては,「敵の主力野戦軍を撃破すると,ほぼその国も滅ぼせる」という塩梅で,報酬の大きさも勝利の喜びを倍増してくれる。

 AIの挙動もなかなか見事で,騎兵は迂回して弓兵隊の列に側面攻撃を仕掛けようと狙ってくるし,防御側のときは無理に攻めず有利な地形をキープしようとする。戦っていて楽しいAIといえるだろう。

指揮官のスキル。指揮官自ら突撃して攻撃することを考えるか,それとも指揮に専念するかでスキルの配分は変わってくる
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 先述のとおり,TWS2の合戦は陸戦だけではなく,海戦もカバーしている。
 陸戦と異なり,海戦は船の挙動を考えた指揮を執ることが重要になる。この時代の日本の軍船は基本的に手こぎであるとはいえ,急なバックや旋回はできないのだ。また戦闘の基本は弓兵による攻撃になるが,乗り込み戦闘も重要なファクターを占める。戦闘員の多い船に接舷されて乗り込まれると,弓兵で固めた軽い船はひとたまりもないので,操作には一層の慎重さが求められることになる。

 加えて,陸戦の範疇ではあるが,攻城戦も存在する。門をめぐる戦闘になりがちかと思いきや,石垣をよじ登っていく展開もしばしばで,攻め手・守り手ともになかなか考えどころが多い。
 門の開閉は門の支配権を持っている側が行えるので,隠密行動ができる忍者隊を忍び込ませて守りの薄い門を開き,そこから別働隊に奇襲させるといったことも可能だ。

城攻めを開始。ここまであからさまに戦力差があるなら,自動戦闘でもいいのだが
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 合戦パートのカメラコントロールはW/A/S/Dキーでカメラ移動,Q/Eキーで回転という方式で,個人的には非常に使いやすく感じた。この操作方式最大の問題,「画面端のユニットが捉えにくい」という点については,カメラを引けるラインを深くとっているためか,類作よりもずっと快適だ。

戦闘が決着。場合によっては逃げていく敵兵士を追うという選択肢もあるが,今回は攻城戦なので敵軍は全滅
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シンプルな戦略パート


 戦略パートは合戦パートに比べると,あっさりした仕上がりだ。
 基本的なインタフェースは「動かしたい軍隊をクリックして,動かしたい先をクリック」あるいは「操作したいオブジェクトをクリックして,メニューから操作を実行」という直感的なもの。移動した先に敵軍がいれば野戦になるし,敵の城に軍隊をぶつければ攻城戦になる。

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戦略パートでは,軍隊を目的地に向かわせることで索敵も行える。索敵は忍者に任せたほうが効率的だが,忍者は対忍者ユニットに狩られることもある
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軍隊を選択し,攻撃目標を右クリックすれば,軍隊がそこまで移動して行って戦闘が始まる。1ターンで移動しきれない場合,次のターンに持ち越し

 マップは国単位で分割され,国には必ず城があるほか,田畑や特産品の生産施設などが広がっている。これらの施設は,予算と時間を投じることでアップグレードが可能で,アップグレードするとより大きな収益や利便性が得られるようになる。
 一方,闇雲にアップグレードすればいいかというとさにあらず,城や市場などはアップグレードによってより多くの兵糧を消費するようになる。このため農業生産高を上げておかないと飢饉が蔓延しがちになり,これは住民反乱を招く元凶となる。

占領した国では城の増築のほか,開墾や港の建設などさまざまな内政が行える
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 住民反乱対策は本作においてそれなりに頭の痛い問題で,基本的には米の収量に気を使っていれば良いのだけれど,ここに宗教の問題や占領地政策の問題,あるいは敵軍による田畑の焼き討ちなどが加わると話がこじれていく。
 不満が高まってきた場合,税金を下げるというのが一番手っ取り早い不満解消法になるが,不満が高まった国に軍隊を駐留させるというのも良い方法になる。「ヴィクトリア」と同じで,この軍隊は万が一に対する備えになるだけでなく,「そこに軍隊がいる」ということ,そのものが反乱抑制材料になるのだ。
 とはいえこの方法は,駐留させる軍隊の維持費が馬鹿にならない(それだったら税金を下げたほうがトータルで見て安い)ことも多いので,できれば税金を下げてもなお不満が抑え切れない場合に限りたいところだ。

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国の状況を確認できる。なかでも「治安」は反乱発生のバロメータとなっているので,十分に注意したいところ
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戦闘ユニットを生産する施設は,城のスロットに対して割り付けていく。強いユニットは,それを生産する施設も高いのでなかなか大変
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豊後に反乱の兆し。キリスト教が広がると,キリスト教徒による反乱対策が非常に厄介
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果たしてキリスト教徒による反乱。軍隊を駐留させたり,税率を下げたり,対策はいろいろだが,どうしても手に負えないなら鎮圧したあと臣従大名に統治させるという手も

 建造物アップグレードの背景には,「技術」というバックボーンがある。技術開発は,ツリーから開発する技術を選択し,一定時間後に開発完了というシンプルなシステムだが,おおまかに見て軍事と内政でツリーが分かれており,軍事ばかりに手をかけていると,増大する軍隊の維持費を賄えなくなるという事態を迎えかねない。
 加えて,軍事技術をアップグレードしてより強力なユニットを生産できるようになったとしても,そういう強力なユニットは生産コストが高いし,またユニットを生産するための施設にもコストがかかる。強力な軍隊は,強力な経済力なしには養えないのだ。
 かといって,経済的に強力なだけでは押し寄せる敵軍隊の前に無力だし,ではバランスが大事という結論にたどり着けば「より大きな予算でバランスを保っている勢力に勝てない」という現実に行き当たる。このあたりの采配は,プレイヤーのセンスが問われるところだ。

技術ツリー。左が軍事,右が内政。内政を軽視しすぎると経済的に煮詰まったり兵糧が限界に達することもしばしばなので,バランスが重要
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 戦争に勝って敵国を滅ぼしたあとにも選択肢があり,普通に領国を自領として統治するだけでなく,元の支配者を自分の配下とし,その領地の支配を任せるということができる。後者は難度が低いうちはあまり魅力的ではない選択だが,高難度になってくると,おそらくこれなしでは勝ち抜けないのではないだろうか。

キャンペーンゲームの最中には,こういった「ミッション」が発生することがある。ミッションを達成するとボーナスがあるので狙っていきたいが,費用対効果が合わないことも
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お手軽マルチプレイ


 TWS2のマルチプレイは,基本的にはオンラインでの対戦プレイになる。部屋を作ってルールを決め,友人を招いて勝負することもできるが,一番多いのはボタン1つでマッチアップが自動的に組まれる対戦だろう。

マルチプレイは「ボタン1つで対戦開始」のお手軽システム。先に軍隊を編成しておくといいだろう
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 この方式では,1対1やチーム戦が用意されているほか,いまTWS2のシングルモードをプレイしているプレイヤーが戦っている合戦の,“敵AIの代わり”として参戦するということもできる(シングルプレイを遊んでいるプレイヤーが「乱入」を許可している場合に限る)。
 マルチプレイでは,マルチプレイ専用の経験点が用意されており,レベルが上がるとプレイヤーが使えるスキルをアンロックしていくことができる。また「マルチプレイ用全国マップ」があり,占領地域が広がるにつれて使えるユニットの種類が増えていく。

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使用できるユニットを増やすために,この戦略マップ上で占領地を増やしていくことになる。占領したい地方で対戦を行い,勝利すると占領できる
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マルチプレイでレベルが上がると,スキルを取得していく。自分のプレイスタイルにあったスキルを選んでいきたい

 自動マッチアップはレベルの近いプレイヤーが選ばれる……ことになっているが,時間帯によっては「これはまず勝てませんね」という相手と戦うこともある。とはいえ1戦に必要な時間は短いし,負けても経験点は入るので,敗北を恐れずどんどん挑戦したい。


シミュレーションの「不気味の谷」


 総じて言うと,TWS2は面白いゲームだ。合戦はとにかく面白く,敗色が漂ってきたところからの逆転劇も十分にあるので,プレイしていて飽きない。
 しかしながら,不満がないわけでもない。

歴史上の戦いを再現したシナリオ。陸戦だけでなく,海戦シナリオもある
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 最大の不満は,「これは戦国時代のゲームではない」ということだろう。ヒストリカルリサーチの甘さはいかんともし難いし,ゲーム上のさまざまなシステムやギミックにしても,「俺の知っている戦国時代と違う」と言わざるを得ないところが多い。
 なかでも最も気になったのが,「領土分割」というイベントだ。これはおそらく「天下分け目の戦い」を意味しているのだと思われるが,プレイヤーが勝利を目前にすると,あらゆる国がプレイヤーに敵対するようになる。戦争で配下にした臣従大名まで反旗を翻すこともあり,準備ができていないと相当苦戦することになる。
 この「領土分割」イベント,ゲームとしてはアリだと思う。「そういうことが起こる」ことを前提として行動するのはどうなのか,という話はなきにしもあらずだが,ゲームの最後の盛り上がりとしては一つのアイデアとしてアリだろう。だが身内まで含めたあらゆる大名がプレイヤーに敵対するという構図を,天下分け目とは言わないように思う。同様に,その状況をもって「領土分割」と言われても,何がなにやらである。

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 一方,まったくもって歴史再現性を持たないゲームなのかといえば,そうでもない。少なくとも日本のデベロッパが奇想天外な戦国ゲームを量産しているいま,それら講談調の作品に比べれば明らかにヒストリカルだ。
 だが,個人的にはそこが,どうにも引っかかる。TWS2は,「ここまでやられちゃ仕方ない」というネタ的な飛び抜け方をしているわけでもなく,かといって「こういう歴史解釈もあったか!」と唸らせられるほど歴史考察が掘り下げられているわけでもない。いわばシミュレーションの「不気味の谷」に位置してしまっているのだ。

桶狭間の戦いのシナリオ。現在の歴史研究においては桶狭間は奇襲ではなかったと考えられているが,このシナリオでは奇襲説に近い
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 TWS2がシミュレーションにおける不気味の谷にあると感じるのは,おそらく筆者が戦国時代にある程度まで慣れ親しんでいるからであろう。実際,海外のレビューを見ると,TWS2は軒並み高評価を得ている。そしてこの何とも言えない微妙なヒストリカル性を除けば,TWS2はシングルもマルチも実に良くできた作品なのだ(訓練されたパラドゲーマーをして,ちょっと微妙な表情になるくらいにゲームが強制終了するという問題もあるが,この点は環境依存の可能性も高いため断言できない。「滅多に落ちない」という報告もある)。

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敵軍の略奪によって生産施設が破壊された場合,修理コストを払って修復させねばならない。とくに米の生産量へのダメージは痛い
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征服した国へは略奪を仕掛けることも可能。略奪は選択肢としてはあまり考えにくいが,焦土戦術としてはありうるか
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落城させた城は,まずは修復しないことには使い物にならない
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これくらいの戦力差があれば,自動戦闘でけりをつけてしまうのも手。というか,五分五分かちょっと不利,という勝負でもなければ自動戦闘でいいだろう

 ともあれTWS2を楽しむにあたっては,割りきりが欠かせない。ゲームとしてのTWS2は,ストラテジーゲームが好きなら間違いなくお勧めできる作品だ。
 ただ,できればもうちょっと「どちらか」にぶっ飛んでいたほうが,より楽しめる作品になっていたかもしれない,というモヤモヤは感じざるを得ない。MODコミュニティはかなり盛んなので,どうしても不満であれば自己責任が前提となるが,MODを導入することを考えても良いだろう。

きわどい戦いなれど,なんとか敵軍主力を敗走させることに成功。主力が崩壊すると,小さい勢力であればほぼそのまま滅亡に一直線。長宗我部はかなり大きな勢力だったが,この一戦の後,中国地方の領地をすべて失うことになる
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