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  • 発表日:2010/05/25
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[COMPUTEX]NVIDIAブースレポート〜正体不明のノートPC向けGPUと「CUDA for Mac」の衝撃
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印刷2010/06/02 12:14

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[COMPUTEX]NVIDIAブースレポート〜正体不明のノートPC向けGPUと「CUDA for Mac」の衝撃

NVIDIAの“特設テント”に入ると,この文字列がお出迎え。ブース自体のテーマは全然タブレットじゃないのだ
画像集#001のサムネイル/[COMPUTEX]NVIDIAブースレポート〜正体不明のノートPC向けGPUと「CUDA for Mac」の衝撃
 基調講演で,NVIDIAの社長兼CEO,Jen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏があれだけ「タブレットPCが来る!」と強調していた割に,特設テントで展開されるNVIDIAブースにスレート(slate,石板の意)型タブレット端末の姿はなし。一般来場者に分かりやすい展示を心がけた結果なのか,ブースは立体視一色という感じであった。
 ブース内に展示されていた,目を引く製品については基調講演レポートのほうで紹介済みなので,本稿では,そこに盛り込めなかった面白ネタを拾ってみたいと思う。

GeForce GTX 480Mの下位モデル?

CUDA Core 192基のノートPC向けDX11世代GPU


 基調講演で,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,「3D Vision」を標準採用したPC製品群を積極的に投入していくと宣言していたが,NVIDIAのブース内にさりげなく展示されていたASUSのノートPC「G73Jw」も,そんな一つだ。

ASUSの立体視対応ノートPC「G73Jw」
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 G73Jwは,ハイスペックのゲーマー向けノートPCとして,ゲーマー向け製品ブランド「R.O.G.」で展開される製品。NVIDIAブースでは,G73Jwと接続した立体視対応テレビ側に,立体視対応ゲームを表示させるデモ機として置かれていた。ただ,この製品だけ,GPUの型番が非公開となっていたのだ。
 そこで,NVIDIAコントロールパネルを開いてみると,以下に示す画面が映し出された。

NVIDIAコントロールパネルを開いてみたところ
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NVIDIA日本語Webサイトに掲載されているGTX 360Mのスペック(※日本時間2010年6月1日23:57にキャプチャ)
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 GPU名は「N11E-GS」。素直に受け止めるならば,これはGT215コアを採用した「GeForce GTS 360M」(以下,GTS 360M)ということになる。
 ただ,それにしてはどうもおかしい。NVIDIAの日本語Webサイトによれば,GTS 360Mが搭載するCUDA Core数は96基。一方,G73Jwが搭載するGPUのそれは192基。2倍だ。
 コアクロックは675MHz,シェーダクロックは1350MHzで,これもノートPC用GPUとしてはかなり高い。また,メモリインタフェースは192bitとなっており,GDDR5メモリの採用により,メモリクロックは2.5GHz相当(実クロック625MHz)まで達している。

 全体から見えてくるのは,ハードウェアの世代が,GTS 360Mよりも新しいということだ。謎のGPUを,GTS 360Mや,「GeForce GTX 480M」(以下,GTX 480M)と比較してみると,少なくともそのスペックは後者のほうにより近いといえる。

 ブースにいたNVIDIA関係者に聞いてみると,「これは未発表のノートPC向けGPUである」としか答えてくれなかったが,状況証拠から想像するに,これは,GTX 480Mの下位モデルに位置する,GF100世代のノートPC用GPUではないかと思われる。
 DirectX 11世代のノートPC向けGPUラインナップは,ようやっとGTX 480Mが発表されたのみで,明らかに不足している。それだけに,この謎のGPUへの期待は高まるところだ。


「Adobe Premiere Pro CS5」のMPエンジンがCUDAベースに?


 もう一つ,ゲーム用途と直接の関係はないのだが,これまたさりげなくデモ展示されていたもののなかに,興味深いモノがあったので紹介したい。
 それは,プロフェッショナル向けビデオ編集ソフト「Adobe Premiere Pro CS5」(Premiere CS5)の関連展示だ。

3D Visionを活用しての立体視ビデオ編集が可能に
画像集#007のサムネイル/[COMPUTEX]NVIDIAブースレポート〜正体不明のノートPC向けGPUと「CUDA for Mac」の衝撃
 一つは,立体視映像の編集に対応させるプラグインソフトのデモ。これは「プレビューを立体視しながらの立体視対応ビデオリアルタイム編集」を可能にするという,なかなかに画期的なモノだ。
 開発はCineFormという企業が行っており,プラグイン名は「Neo3D」。立体映像生成にはOpenGLを採用しており,立体視プレビューに3D Visionを利用できる。3D Visionを,ゲーム用でもビデオ&写真鑑賞用でもなく,ビデオ編集用に利用するというアイデアは面白い。

 もう一つは,Premiere CS5の映像制御エンジン「Mercury Playback Engine」(以下,MPエンジン)そのものについてのデモだ。
 MPエンジンは,GPUアクセラレーションに対応することがかなり初期からアナウンスはされていたが,「実際にどうインプリメントしていくのか」については,あまり情報が公開されていなかった。

Premiere CS5のMPエンジンはNVIDIA製GPUアクセラレーションとなった。ちなみにMacでは,「GeForce GTX 285 Mac Edition」や「Quadro FX4800」などで動作が確認されているとのこと
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 Adobeは,Adobe Premiereシリーズにおいて,Mac版とWindows版で大きな機能差を設けないポリシーがあることから,このMPエンジンのアクセラレーションにはOpenGLか,あるいはOpenCLが利用されると予測されていた。Macでは,DirectX 11のDirectComputeを利用できないこと,Appleが純正GPGPUプラットフォームとしてOpenCLを推奨していることを考えると,OpenCLが本命,といったところだろうか。
 ところがフタを開けてみれば,AdobeはMPエンジンのアクセラレーションにCUDAを採用してきた。これはちょっとしたセンセーションである。
 
 OpenCLがメインプラットフォームとなるMacでは,CUDAをインストールしているユーザーが圧倒的に少ないため,Adobe Premiereユーザーには明示的にインストールを促すようになっているとのこと。
 MPエンジンのNVIDIA製GPUアクセラレーションを有効にすると,いわゆる“4K2Kビデオ”(3840×2160ドットの映像)の編集がスムースに行えるだけでなく,複数のフルHDストリームをマルチトラックに割り当てたリアルタイム編集も楽々こなすほどパフォーマンスが高くなる。試しにCUDAアクセラレーションを切って,CPUによる4K2KビデオやフルHDマルチトラック編集を体感させてもらったところ,コマ落ちがひどい状態となった。

 それにしても,MPエンジンはGPUアクセラレーションではなく,実質的にはNVIDIA製GPUアクセラレーションになったわけで,NVIDIAとしては思わぬ追い風を得たということになる。
  • 関連タイトル:

    GeForce 400M

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