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10キーレス並みにコンパクトなフルキーボード「S.T.R.I.K.E. 11」をMad Catzが発表。新型低遅延ヘッドセットには思わぬ落とし穴が?
2022年12月に国内発売となったアーケードスティック「T.E.3 Arcade Stick」のように,CES 2023開幕以前に発売済みの製品が展示の大半を占めていたが,そんな中にも,今回で初めてお披露目となるゲーマー向けキーボードとゲーマー向けヘッドセットがあった。
本稿では,それら未発売の新製品を簡単に紹介したい。
ほぼフルキーでコンパクトなキーボード
S.T.R.I.K.E. 11
まずは,新型キーボードの「S.T.
STRIKE 11は,2.4GHz帯の独自方式ワイヤレス接続と,Bluetooth 5.0接続,そしてUSBによるワイヤード接続の3方式でPCと接続できる英語配列キーボードである。
写真を見ても分かるように,最大の特徴は,ほぼフルキーに近い100キーでありながら,幅と奥行きがコンパクトなことだ。一般的なキーボードでよくあるメインキーと10キーやファンクションキーの間にある隙間を一切なくしてキーをびっしり詰め込むことで,10キーレスキーボード並みの366(W)×119(D)×41(H)mmというコンパクトなサイズを実現している。
キースイッチを天板上に並べた,いわゆるフローティングタイプのキーボードであるが,キーがびっしり並んでいるので,天板はほとんど見えない。
ちなみに,省略したキーは[End]キーや[Scroll Lock]キー,右[Windows]キーやアプリケーションキーなど,ゲームはもちろん,一般的なPC作業でもあまり使う人がいなさそうなキーばかりなので,キーを省略した実害はあまりないだろう。
もうひとつの大きな特徴は,基板を収納している本体部分が非常に薄いうえ,アルミニウム合金の底板によって強度を確保している点にある。試作品ということで,正確な重さは分からなかったが,見た目のコンパクトさに反して,手に持つとかなりずっしりした重量感を感じる。これなら,ゲームをプレイ中にエキサイトして,キーボードが不意に動いてしまうことはなさそうだ。
ほかにはあまりない配列のキーボードだけに,日本語配列モデルが登場するかどうかはなんとも言い難いが,「英語配列でもかまわないので,とにかく机の上で邪魔になりにくいワイヤレスフルキーボードが欲しい」という人にとって,STRIKE 11は,響くところのある製品ではないだろうか。
5.8GHz帯を使う低遅延ワイヤレスヘッドセット
P.I.L.O.T. PRO
もう1つの未発売新製品の目玉は,ゲーマー向けヘッドセットの「P.I.
PILOT PROは,独自方式ワイヤレスおよびUSBやアナログオーディオケーブルによるワイヤード接続に対応するヘッドセットであるが,最大の特徴は,ワイヤレス接続に5.8GHz帯の電波を使う点にある。
キーボードやマウス,ヘッドセットやゲームパットといったPCやゲーム機で使われるワイヤレス接続の周辺機器は,そのほとんどが2.4GHzの周波数帯を使用している。Bluetoothや無線LANでも2.4GHzは使われるので,非常に混雑する周波数帯となってしまっており,同時に通信する機器が多いと通信が途切れたり,遅くなったりすることもあるのだ。その点,5.8GHz帯はPCやゲーム機,スマートフォンではほとんど使われていないので,通信を邪魔される可能性が低い。
また,5.8GHz帯を使うと,2.4GHz帯よりも高速な通信がしやすいという利点もある。5.8GHz帯におけるこうした利点を生かすことで,PILOT PROは低遅延(約30ms未満)かつ混信のないワイヤレス通信ができるというわけだ。
しかし5.8GHz帯には,日本においては電波法によって,一般消費者が自由に使うことを禁じられているという大きな問題がある。法改正によって,自由に使えるようになる可能性もあるのだが,少なくとも本稿執筆時点において,PILOT PROのワイヤレス機能は,日本国内で特別な許可なしに使うことはできない。
最大の特徴が残念なことになってしまったが,それ以外の特徴も見ておこう。PILOT PROは,バッテリー駆動時間の長さも特徴である。
1400mAhのバッテリーを内蔵しており,イヤーキャップ(エンクロージャ)側面に組み込まれたカラーLEDイルミネーションをオンにした状態では最大約10時間しか保たないが,オフにすると最大123時間もの動作が可能だ。
また,スタンバイ状態では最大3か月間バッテリーが保つという。これだけバッテリー駆動時間が長いと,週に1度くらい充電しておくだけで,ゲームをプレイ中にバッテリー切れとなる心配は,ほとんどなくなるだろう。
現状の法規制下ではどうにもならないが,法改正で使用できるようになれば,Mad CatzとしてはPILOT PROを国内に投入したいという意向にあるようなので,気長に待ちたいところである。
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