SteelSeries Siberia v3 Gaming Headset
メーカー:SteelSeries
問い合わせ先:窓口一覧ページ
直販価格:1万2960円(※2014年12月27日現在)
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ついに,定番ヘッドセットシリーズであるSiberia(シベリア)の最新世代モデルが,日本市場で発売となった。
白いオーバーヘッドタイプのヘッドセットである“無印”Siberiaは,SteelSeriesにとって最も古い製品シリーズの1つだ。2007年以前,Soft Tradingという社名を名乗っていた頃の同社が,「白いIcematと黒いSteelSeries」といった感じで,2つのブランドを同格に扱っていたというのはもはや昔話の類いだと思うが,その頃に「
Icemat Siberia」として存在していたSiberiaという製品には,そこから始まる歴史がある。そして実際,世界市場はもちろんのこと,日本においてもユーザーの数は多い。
仮に使ったことがなかったとしても,ゲームショップやPCショップなどの店頭で,その白い外観を目にしたことがあるというケースは少なくないだろう。
Siberia v2の黒モデル
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そんなSiberiaだが,第2世代モデル「
Siberia v2 Full-Size Headset」(以下,Siberia v2)が登場したのは2009年のこと。それからなんと5年もの間,モデルチェンジは行われなかった。カラーバリエーションモデルや,ゲーム,あるいはプロゲームチームとのコラボレーションモデルが次々と登場し,細々とマイナーチェンジも入ったが,根幹は何も変わらないまま,5年も現役だったのだ。
そんなSiberiaが完全リニューアルというのだから,これはもう,文句なしに一大事だ。4Gamerでは,新世代Siberiaにおける主力モデルとなる「
Siberia v3 Gaming Headset」(以下,Siberia v3)を入手できたので,Siberia v2との比較を交えながら,その実力に迫ってみたい。
伝統の意匠はそのままに,大人びた新世代Siberia
操作系はぐっとシンプル化
Siberia v3は白と黒の2モデル展開
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SteelSeriesは,新世代Siberiaシリーズを,日本国内において4種6モデル展開している。本稿の主役となるSiberia v3は伝統の白モデルと,黒モデルの2製品。そのほかに,LEDイルミネーションを付け,さらにUSBサウンドデバイスを付属させた濃いグレーのSiberia v3的な存在となる「
Siberia v3 Prism Gaming Headset - Cool Grey」(以下,Siberia v3 Prism)と,シリーズ最上位モデルで白黒2モデル展開となる「
Siberia Elite Prism Gaming Headset」(以下,Siberia Elite Prism),そしてSiberia v2時代にはなかった白い廉価版「
Siberia Raw Prism Gaming Headset」(以下,Siberia Raw Prism)というラインナップである。
Siberia v3がシリーズの主力だという話を冒頭でしたばかりだが,あえていえば,4グレードの上から3番めに位置する製品ということになる。
Siberia v3シリーズのフルラインナップ。6製品なのに箱が7つある! と思った人もいると思うが,SteelSeriesは,海外の一部市場で,Siberia Raw PrismからLEDイルミネーションを省いた「Siberia Raw Gaming Headset」(※写真後列左から4番め)も展開しており,今回は特別にその製品ボックスも借りたので,7製品になっている
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さて,そんなSiberia v3だが,「弧を描く2本のパイプで,網目加工された見た目に反して密閉型のエンクロージャが接続され,さらに,2本の金属糸でつながれるスエード調のヘッドバンドを持つ」というその意匠は,伝統のSiberiaシリーズそのままだ。従来製品のユーザーであれば,一目でシリーズの新型だと分かるデザインになっている。
弧を描く2本のパイプでエンクロージャが結ばれるデザインと,外側にSteelSeriesロゴがプリントされた“宙に浮くヘッドバンド”の組み合わせは,Siberia伝統のスタイルだ
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Siberia v3の白モデルと黒モデル。マットな質感,という点は両製品で共通だ。エンクロージャの網目部分とイヤーパッド,ヘッドバンドは,白モデルのほうが明るい
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ただ,Siberia v2と横に並べてみると分かるのだが,白モデルでは,エンクロージャの網目部分とイヤーパッド,ヘッドバンドの黒系色が明るい。Siberia v2の白モデルは,白と黒のコントラストが強い個性となっていたのが,Siberia v3では黒が灰色になったことで,コントラスト感が抑えられ,ぐっと落ち着いた印象になっている。
また,白モデル黒モデルとも,エンクロージャ部やエンクロージャとパイプをつなぐ機構のプラスチックは,Siberia v2だと光沢感があったのに対し,Siberia v3ではマットな質感となった。総じて,従来製品と比べて,かなり大人びた印象だ。
外観で大きく変わった点はもう1つ,スピーカードライバーの径がSiberia v2の50mmからSiberia v3で40mmへと小型化したことで,エンクロージャの直径も実測100mmから97mmへと若干短くなったことが挙げられるだろう。
一般論としては,スピーカードライバーは大きいほうがダイナミックレンジに優れており,簡単にいうと高域と低域が出やすくなる。その意味でSiberia v3の仕様はやや不利ということになるが,果たしてどうか。実際の音は後段で検証したい。
Siberia v3本体からは長さが実測約1.2mのケーブルが伸び,別途,製品ボックスには同2mの延長ケーブルも付属している。しかし,そのいずれにもインラインリモコンは用意されていない
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操作系にも,大きな変化が生じている。なんと,Siberia v3にはインラインリモコンがない。なら本体はというと,左耳用エンクロージャの“網目の外周部”,装着したとき下側,後方寄りのところにスライド式のマイクミュート切り替えスイッチがあるだけだ。つまり,
Siberia v3側に音量調整機構は用意されないのである。
これはなぜか。SteelSeriesのCTO(最高技術責任者)である
Tino Soelberg(ティノ・ソルバーグ)氏にメールで問い合わせたところ,氏からは,「
インラインリモコンは多くのゲーマーにとって邪魔で,また,音量ボリュームは別のところで調整できる。そこで『ユーザーが音量調整の場所を探す』という混乱を避けるべく,操作系をシンプルにした」という回答が返ってきた。
マイクミュート切り替えスイッチは,装着した状態から左手の親指で操作可能。装着した状態ではもちろん確認できないのだが,マイクミュートを無効化した状態では,溝の奥に赤色が見えるようになる
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PCであれば,ゲーム上で音量は調整できるだろう。最近のゲーマー向けキーボードを使っているなら,そこに用意された音量調整機能を使うこともできるはずだ。あるいはスマートフォンやタブレット,携帯ゲーム機なら,本体側で音量調整を行える。
Soelberg氏によれば,SteelSeriesによる調査でも,PCゲーマーはキーボード上の音量調整機能を使うケースが多かったという。ならば,マイクミュートの切り替え機能を,インラインリモコン側でなく,本体側に用意してしまえばいいではないか,というわけである。
インラインリモコンがないため,インラインリモコンをどこかに固定することを考えなくていいというのは,いざ使ってみると結構楽だ。
接続インタフェースのクローズアップ
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ちなみに,Siberia v3から伸びるケーブル自体の接続インタフェースは4極の3.5mmミニピン端子で,大多数のスマートフォンやタブレット,携帯ゲーム機,PlayStation 4(以下,PS4)の「DUALSHOCK 4」と直接接続できる(※XboxシリーズとWiiシリーズは非対応)。そして,付属の延長ケーブルを使えば一般的なゲームPCのサウンド入出力端子とも接続できるという仕掛けだ。インタフェースだけで言うなら,基本的にはモバイルおよびPS4向けで,変換するとPCでも使えるヘッドセット,ということになる。
装着感はSiberia v2より明らかに上
マイクの秀逸な設置しやすさは変わらず
従来比でよりコンパクトになったSiberia v3だが,実際の装着感はどうか。結論から先に述べると,装着感は明らかにSiberia v2より上である。
端的に述べて,装着感は良好だ
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イヤーパッド自体はSiberia v2と同じものか,ほぼ同じものだと思われるが,肌触りはとてもソフトで,ここは今回も変わらず好感が持てる。変わったのは側圧で,2014年に販売されているゲーマー向けヘッドセットとして見た場合,Siberia v2は,装着時にエンクロージャの下側が浮いた感じになりがちなのが,Siberia v3では非常にかっちりした。
その理由だが,おそらくは,ヘッドバンドとエンクロージャの接続部分がより低くなったためだろう。キツすぎないながらもしっかりした側圧があるためソフトなイヤーパッドとの組み合わせにより,柔らかで,かつ安定した装着感が得られるようになっている。
左エンクロージャに収納できるブームマイクは,SteelSeriesによればスリムになったとのことだが,こちらはいい意味でSiberia v2と変わらない印象。
使わないときは簡単に収納でき,使うときは引っ張り出せば狙ったところにほぼきっちり固定できるのは,相変わらず見事だ。
従来製品比で若干の小型化を実現したマイク部。単一指向性とされており,見る限りはモノラル仕様だ
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迫力の中低域と,音源に忠実な高音を持つSiberia v3。ゲームとの相性もよい
肝心の音はどうだろうか。4Gamerにおけるサウンド系のメインライターである
榎本 涼氏によるアドバイスを受け,さらに一部のテストでは実際に氏の自宅スタジオへ持ち込んで波形を取るなどしつつ,実際に音楽やゲームで試聴を行い,またマイクの入力テストを行った結果をお伝えしたいと思う。
今回,Siberia v3と組み合わせてテストに用いたデバイスは,Creative Technology製サウンドカード「Sound Blaster ZxR」を差し,Razer製のバーチャルサラウンドサウンド出力用ソフトウェア「Razer Surround Pro」(旧称:Razer Surround)を利用できるようにしたデスクトップPCと,PS4,Newニンテンドー3DS LL(以下,3DS LL),iPad Air 2,そしてAndroidベースの携帯音楽プレイヤー「Walkman NW-ZX1」の5種類だ。
音楽試聴はPC上のiTunesおよび携帯音楽プレイヤー上で行い,ゲームのテストでは,まず,榎本氏のヘッドセットレビューに準じる形でPCから「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,CoD4)および「Battlefield 3」(以下,BF4)の試聴を実施。その後,PS4で「The Last of Us Remastered」,3DS LLで「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」(以下,スマブラ3DS),iPad Air 2上で「World of Tanks Blitz」をプレイしつつ,その音を聞くことにした。
まずは音楽の試聴からだが,聞き比べてみると,Siberia v2と比較して,Siberia v3では,中低域と,音質傾向を大きく左右することから,専門用語で「プレゼンス」と呼ばれる2kHz〜4kHzの帯域が強く,一方で高域は抑え気味になったのが分かる。結果としてSiberia v2の,よくも悪くもクリーンで,また高音がシャリシャリした感じから,Siberia v3では,
迫力があり,音源の持つ強さに応じた高音を再生できるような音に変わっている。
プレゼンスが相対的に強くなったため,音量を上げすぎると,この帯域が耳に付く印象はあり,また,音源によっては,強くなった中低域が高周波成分に若干被って聞こえることもある。その点は注意が必要だが,より長時間のリスニングに向くのは,間違いなくSiberia v3のほうだ。Siberia v3のほうが装着感に優れることも,この印象を強化しているように思う。
本稿の序盤で,スピーカードライバーの小型化により,音質面に心配があるという話をしたが,それは杞憂だった。
耳に張り付かない,やや遠鳴りする傾向そのものは,Siberia v2から変わらず。この点はSiberia v2の後継機らしいところである。
PCゲームをイメージした撮影では,MSIの日本法人であるエムエスアイコンピューターの協力を得て,「GT72 2QE Dominator Pro」(型番:GT72 2QE-411JP)を用いた。本製品の詳細はレビュー記事を参照してほしい
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では,それがゲームだとどうかだが,CoDのような,音情報がシンプルに出てくるタイトルだと,中低域が強くなった分,効果音が,不自然になることなく,迫力を増して聞こえる。よりパワー感があると言えるが,一方で高域が抑えられたことにより,Siberia v2と比べて,全体的に落ち着いた音だとも感じられるようになっている。
高域は抑え気味ながらも,再生されていないわけではなく,プレゼンスは少し強めなので,音の輪郭は維持されている。結果,CoDはもちろんのこと,スマブラ3DSにおける攻撃時の効果音などは分かりやすい。それでいて,被り気味の中低域やプレゼンスの強さが,不自然に感じられることはなかった。
PCでRazer Surround Proを有効にしてみても「弱くなったとはいえ,再生されていないわけではない高域」の効果はあるため,Siberia v2と比べてサラウンドの定位感(=音がどの方向から鳴っているか)はしっかり把握できる。
Razer Surround Proのキャリブレーション結果。左がSiberia v3,右がSiberia v2のものだ。ここでは,榎本 涼氏が行う通常のヘッドセットレビュー記事と比較できるよう,筆者のではなく,氏の耳を使ったときの結果を掲載しておく。PCで使うときの参考にしてほしい
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BF3のような,中低域成分の非常に多いタイトルだと,Siberia v2と比べて中低域はさらにパワフルに聞こえる。それでいて,中低域がより上の帯域に被る印象はなく,プレゼンスのキツさも感じない。Siberia v2より純粋に「音がよくなった」印象だ。
PCにおいてRazer Surround Proを用いたサラウンドの定位感も良好だ。跳弾音が左前から右後ろに移動したり、後ろで銃声が鳴ったりするのもきちんと把握できる。
ユニークな波形のマイク入力は
「何を言っているのか分かる」特性に
マイク入力のテストにあたっては,周波数特性および位相特性の測定を行ったうえで,実際にマイクへスピーチした声の試聴も行うことにした。測定方法の説明は長くなることから,
本稿の最後に別途まとめたので,興味のある人はそちらを参照してもらえればと思う。榎本氏による通常レビューに倣って,本文を読み進めるだけで大枠は理解できるように努めたい。
さて,そんな測定結果が下のグラフだ。2つあるペイン(=領域)は上側が周波数特性,下側が位相特性の測定データで,周波数特性は,4kHz超付近にピークのある,ユニークな周波数特性になっている。リファレンス波形と比べると,このピークは5dB程度高く,一方,7kHz〜20kHzは10dB程度,60Hz〜1.5kHzの広い範囲で10〜25dB程度も低い。SteelSeries公式の周波数特性は10Hz〜10kHzだが,実際には30Hz〜20kHz程度といったところではなかろうか。
テスト結果。2つあるペインの上側に示した周波数特性は,グリーンがリファレンス。オレンジがSiberia v3のものだ
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実際にスピーチを録音してみると,かなりの“鼻づまり”感があり,低域も存在感がない。ただ,強烈なプレゼンス帯域のおかげで,「いい音とは言えないが,相当に劣悪なネットワーク環境下,あるいは騒音下でも,何を言っているのかは分かる」ものになっている。8kHz以上の帯域がカットされることの多いVoIP(≒ボイスチャット)環境で,相手に言いたいことが伝わるセッティングになっているという印象だ。
なお,位相波形は左右どちらにもブレておらず,まったく問題ない。SteelSeriesの従来製品と同じく,モノラルマイクが採用されているという理解でいいだろう。
伝統を守りつつ,順当に進化してきたSiberia v3
鉄板ヘッドセットは,よりゲーム向きに
伝統のスタイルは徹底して守りつつ,ユーザーからの意見を汲み取って操作系に鉈を振るい,さらに音質傾向は長時間のリスニングやゲームプレイに堪えられるよう最適化しつつ,1万円台前半の価格帯にまとめてきた。Siberia v3とは,そういうヘッドセットであり,これを一言でまとめるなら,
極めて順当に進化したシリーズ最新作ということになるだろう。
Siberia v2が登場した頃は,高域をシャカシャカ鳴らすタイプのヘッドセットが好まれていたが,今では,より自然で,長い時間装着し続けても疲れない音が流行になっている。それを踏まえてSteelSeriesは,Siberia v2のユーザーが乗り換えたときに違和感を覚えないよう,基本的な方向性を維持しつつも,トレンドにも合わせてSiberia v3を仕上げてきたのではなかろうか。
また,全体としては,製品名に「Gaming」が入ったことの重みも感じられる。中低域の迫力が増したことは,多くのゲームジャンルで効果があり,また,抑えられたにもかかわらずしっかりと存在する高域は,やや遠鳴り気味で,音が耳に張り付かない感じとも相まって,情報としての音を的確に伝えてくれる。従来のSiberiaが,「ゲームにも使える,音楽リスニング用ヘッドセット」だったとすると,Siberia v3は「
音楽リスニングにも使える,ゲーム用ヘッドセット」になったと述べていいように思う。
PCとPS4,携帯ゲーム機,そしてスマートフォンにタブレット端末。アナログ接続なので,ただ差すだけで,さまざまなデバイスと組み合わせて利用できるのも魅力だ。定番,鉄板のゲーマー向けヘッドセットが正しく一新されたことを大いに歓迎したい。
そのほかの新世代Siberiaもチェック
本稿の序盤で触れたとおり,新世代Siberiaシリーズには,Siberia v3以外のラインナップもあるので,以下,簡単に紹介しておこう。
なお,シリーズ各製品は,最下位モデルを除き,いずれもPCとPS4のほか,大多数の携帯ゲーム機,スマートフォン,タブレット端末で利用できる。
Siberia v3 Prism
直販価格:1万7280円(税込)
濃いグレーの一色展開となる,Siberia v3の上位モデル。USBサウンドデバイスが付属しているため,PCとはアナログ接続だけでなく,USB接続も可能だ。USBサウンドデバイスを利用した場合,マイクの周波数特性は50Hz〜16kHzと,異なるセッティングになる。
外観上の大きな特徴は,エンクロージャの網目部分にLEDが埋め込まれており,任意の色で光らせることができること。USBサウンドデバイスとLEDイルミネーションに惹かれるなら,Siberia v3狙いの人であっても,考慮に値するだろう。
SteelSeries製品用の統合ソフトウェア「SteelSeries Engine 3」を用いて,LEDイルミネーションの色を変更したところ。左から橙,黄,黄緑,水,青。紫,赤,白だが,再現性は非常に高い
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Siberia Elite Prism
直販価格:2万3452円(税込)
従来製品「
SteelSeries Siberia Elite」のマイナーチェンジモデルとなる製品で,従来同様,白と黒の2モデル展開となる。非常に厚みのあるイヤーパッドと,Siberia v3&v2よりもしっかりした金属製アーチを採用したデザインや,LEDイルミネーションを内蔵するエンクロージャといった基本設計はそのままに,低めだったマイク入力レベルを最適化するなど,アラを潰してきた製品という理解でいい。
Siberia v3 Primsと同様に,USBサウンドデバイスが付属するため,PCとはUSB接続も可能だ。
LEDイルミネーションはSteelSeries Ensine 3から変更可能
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Siberia Raw Prism
直販価格:7560円(税込)
写真で左耳用エンクロージャの手前側に見える突起がマイクだ。LEDイルミネーションはSteelSeries Engine 3からやはり変更できる
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完全新作となる,白基調のヘッドセット。オーバーヘッド型Siberiaとしては初めて,2本のアーチではなく,一般的な形状を採用することで,コストを抑えてきた製品だ。マイクが収納式ブームではなく,左耳用エンクロージャに組み込まれていることも,全体的なシンプルさの強化に寄与している。
なお,接続インタフェースはUSBのみ。アナログ接続はできないので,この点はご注意を。
(静態写真撮影:佐々木秀二,モデル撮影:林 佑樹,モデル:姫乃たま)
■マイク特性の測定方法
PAZのデフォルトウインドウ。上に周波数,下に位相の特性を表示するようになっている
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マイクの品質評価に当たっては,周波数と位相の両特性を測定する。測定に用いるのは,イスラエルのWaves Audio製オーディオアナライザソフト「PAZ Psychoacoustic Analyzer」(以下,PAZ)。筆者の音楽制作用システムに接続してあるスピーカー(ADAM製「S3A」)を,マイクの前方30cmのところへ置いてユーザーの口の代わりとし,スピーカーから出力したスイープ波形を入力する流れになる。
PAZを動作させるのは,Sony Creative Software製のサウンド編集用アプリケーションスイート「Sound Forge Pro 10」。スピーカーからの信号出力にあたっては,榎本氏が音楽制作においてメインで使用しているAvid製システム「Pro Tools|HDX」の専用インタフェース「Pro Tools|HD I/O 8x8x8」からCrane Songのモニターコントローラ「Avocet」へAES/EBUケーブルで接続し,そこからS3Aと接続する構成だ。
Avocetはジッタ低減と192kHzアップサンプリングが常時有効になっており,デジタル機器ながら,アナログライクでスイートなサウンドが得られるとして,プロオーディオの世界で評価されている,スタジオ品質のモニターコントローラである。
測定に利用するオーディオ信号はスイープ波形。これは,サイン波(※一番ピュアな波形)を20Hzから24kHzまで滑らかに変化させた(=スイープさせた)オーディオ信号である。スイープ波形は,テストを行う部屋の音響特性――音が壁面や床や天井面で反射したり吸収されたり,あるいは特定周波数で共振を起こしたり――に影響を受けにくいという利点があるので,以前行っていたピンクノイズによるテスト以上に,正確な周波数特性を計測できるはずだ。
またテストに当たっては,平均音圧レベルの計測値(RMS)をスコアとして取得する。以前行っていたピークレベル計測よりも測定誤差が少なくなる(※完全になくなるわけではない)からである。
結局のところ,「リファレンスの波形からどれくらい乖離しているか」をチェックするわけなので,レビュー記事中では,そこを中心に読み進め,適宜データと照らし合わせてもらいたいと思う。
用語とグラフの見方について補足しておくと,周波数特性とは,オーディオ機器の入出力の強さを「音の高さ」別に計測したデータをまとめたものだ。よくゲームの効果音やBGMに対して「甲高い音」「低音」などといった評価がされるが,この高さは「Hz」(ヘルツ)で表せる。これら高域の音や低域の音をHz単位で拾って折れ線グラフ化し,「○Hzの音は大きい(あるいは小さい)」というためのもの,と考えてもらえばいい。人間の耳が聴き取れる音の高さは20Hzから20kHz(=2万Hz)といわれており,4Gamerのマイクテストでもこの範囲について言及する。
周波数特性の波形の例。実のところ,リファレンスとなるスイープ信号の波形である
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上に示したのは,PAZを利用して計測した周波数特性の例だ。グラフの左端が0Hz,右端が20kHzで,波線がその周波数における音の大きさ(「音圧レベル」もしくは「オーディオレベル」という)を示す。また一般論として,リファレンスとなる音が存在する場合は,そのリファレンスの音の波形に近い形であればあるほど,測定対象はオーディオ機器として優秀ということになる。
ただ,ここで注意しておく必要があるのは,「音声チャット&通話用マイクだと,15kHz以上はむしろリファレンス波形よりも弱めのほうがいい」ということ。15kHz以上の高域は,人間の声にまず含まれない。このあたりをマイクが拾ってしまうと,その分だけ単純にノイズが増えてしまい,全体としての「ボイスチャット&通話用音声」に悪影響を与えてしまいかねないからだ。男声に多く含まれる80〜500Hzの帯域を中心に,女声の最大1kHzあたりまでが,その人の声の高さを決める「基本波」と呼ばれる帯域で,これと各自の声のキャラクターを形成する最大4kHzくらいまでの「高次倍音」がリファレンスと近いかどうかが,マイク性能をチェックするうえではポイントになる。
位相特性の波形例。こちらもリファレンスだ
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位相は周波数よりさらに難しい概念なので,ここでは思い切って説明を省きたいと思う。PAZのグラフ下部にある半円のうち,弧の色が青い部分にオレンジ色の線が入っていれば合格だ。「AntiPhase」と書かれている赤い部分に及んでいると,左右ステレオの音がズレている(=位相差がある)状態で,左右の音がズレてしまって違和感を生じさせることになる。
マイクに入力した声はチャット/通話相手に届く。それだけに,違和感や不快感を与えない,正常に入力できるマイクかどうかが重要となるわけだ。