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Ikariシリーズの詳細も明らかに! SteelSeriesの新製品発表会が開催
デンマークからやってきたSteelSeriesが日本上陸
発売日および価格に関しては,Ikariシリーズが12月12日。価格はIkari Opticalが8900円(税込),Ikari Laserが1万3800円(税込)となる。それ以外の製品に関しては後ほどお知らせしたい。
SteelSeries Ikari Laser |
SteelSeries 7G |
SteelSries Siberia Neckband |
SteelSeries SP |
デンマークのコペンハーゲンに本拠を置くSteelSeriesは,2001年設立というまだ新しい会社だが,これまでゲーマーにフォーカスしたハイエンドなアクセサリや入力デバイスを製造/販売し,その筋の人にはすっかりおなじみのメーカーだ。同社によると,世界のトップ「Counter-Strike」チームの70%がSteelSeries製品を使用しているとのことで,そういわれると「だったらオレも」という気分になる私は単純すぎる。
今回発表された新製品一覧 |
無意味なスペック競争に対する“怒り”は
2007年末の大本命!?
SteelSeriesでR&D(研究開発)の責任者を務めるTino Soelberg氏。同社創設以来のメンバーであり,すべてのプロダクトにリーダーとして関わってきたキーマンだ |
Ikariの開発に当たっては,15か月にもおよぶ人間工学的研究,プレイスタイルの調査などが行われたという。加えてワールドクラスのゲームチームや,5000名以上のプレイヤーからのフィードバックを得,ゲーム中にプレイヤーがマウスをどう使うかをビデオ撮影したり,フォーカスグループから聞き取り調査をしたりと,なんだかすごい開発が行われている。
私は知らなかったが自慢げに書いちゃうけど,ゲーマーのマウスの握り方には「Swipe」「Claw」「Palm」の3種類がある。Swipeとは手首を机に付けて左右に振るような感じで,Clawはいわゆる「つまみ持ち」,そしてPalmは手のひらを使ってガッチリ握るスタイルだ。文章で書いても分かりにくいと思うが,分かっていただけだろうか。「人差し指で押してマウスを使っています。ボタンは左手で」という人は,なぜオンライン対戦でいつも負けるのか,ここらでじっくり考え直したほうがいいだろう。
Ikariのシャーシ形状,広いマウスソール(通常のゲーマー向けマウスの3倍以上とのこと),5ボタンの配置などはそうした研究の結果として設計されたものだ。
共通の特徴としては,さらに「2種類のCPI設定をワンクリックで切り替え可能」「ドライバレスの実現」「軽量」などが挙げられる。
ドライバレスであることは,大会会場で割り当てられたPCを使うことが多いプロゲーマーが,いちいちドライバを使ってマウスの設定をできないところから採用された仕様で,設定はすべてマウス本体に記録されるのだ。付属CD-ROMに,マウスの設定を行うためのユーティリティソフトが付属(向こう2か月以内に,日本語化してダウンロード可能にする予定もあるようだ)するが,設定内容はあくまでマウス側に保存される仕様になっており,「決してドライバソフトではない」ことが再三強調されていた。さらに軽量であることは,ほぼ100%のゲーマーの希望であり,例えば重量調節機構などは,その機構そのものが重量増加につながるためナンセンスだとしている。
虚飾を廃し,プレイヤーが必要とするものを確実に用意するという質実剛健な雰囲気だ。
「ゲーマーが本当に必要なものだけを用意した」
質実剛健なIkari Optical
Ikari Opticalの底面。大きなソールが目を引く |
真上から見ると,ひねったような外観になっている |
下に示した製品仕様を見ていただければ分かるが,Optical Mouseのスペックに驚くようなところはない。SteelSeriesの開発方針として,「ゲーマーのパフォーマンスを最大限に発揮するような,ウソのない,かつナンセンスものではない製品を作る」ことに力点が置かれているのだそうだ。ナンセンスでないというのはつまり,LEDチカチカや過度のDPI競争に陥って,本来的なマウスの性能を見失ったりしていないということだ。ちなみにセンサーは,最近の“マウス業界”では定番のAvago Technology製で,「非常にポピュラーなもの」(Soelberg氏)。
なお,機能らしい機能は「400/800/1600CPIのうち,任意の二つを選択して,スクロールホイールの近くに用意されたCPI変更ボタンから切り替える」というものだけ。“任意の二つ”は先ほど説明したユーティリティソフトから選択することになる。
「世界初のセンシングテクノロジを搭載」して
レーザーセンサー搭載マウスを再定義するIkari Laser
ExactSensとは,すごく簡単に説明すると,1〜3200CPIの範囲を1CPI刻みで変更できる機能。Ikari Laserではハードウェアレベルでこの設定が可能になっている。スクロールホイールの近くに用意されたCPI変更ボタンを長押しすると,本体底面のCPI表示用液晶パネルにCPI設定が表示されるので,これをスクロールホイールで好きな値に変更すれば,それが登録されるという仕掛けだ。Ikari Opticalと同様,ハイセンシとローセンシの2パターンを登録しておける。
そのほか,CPI変更ボタン以外の4ボタンそれぞれにマクロを設定できたり,マウスに記録するプロファイルを取り出してほかの人にあげたり(プロゲーマーのプロファイルが公式サイトからダウンロードできる予定)と,いろいろと便利な機能が用意されている。
SteelSeries 7G
ゲーマー向けキーボード,SteelSeries 7Gのどのへんがゲーマー向けなのかというと,Ikariシリーズと同様,ゲーム用のファンクションキーなど余計なものをすべて排除し,直線的でソフトなキータッチにより複雑なキーコントロールを実現しているところだ。
フレームはスチール製で,「ああ,やられちゃう! 反撃だ!」とキーを乱打しても安定しており,キーの反応も高速という。さらに,PS/2接続時には全キーの同時押しがハードウェア的にサポートされており,FPSなどで「しゃがんで体を傾けてスコープを使って狙撃」などという,指がいくらあっても足りないような状況でも安心である(指のほうがつらないかどうかは不明)。
面白いのは,英語105キー仕様のうち,[Windows]キーが置かれるべきところに,SteelSeriesロゴ入りの[SteelSeries Media]キーを持つこと。スタンダードなキーボードレイアウトを維持しながら新機能を搭載したことにより,“合法的に”悪名高い[Windows]キーが排除されたのは歓迎されそうだ。ちなみに[SteelSeries Media]キーは,[F1]〜[F6]キーとの組み合わせで,基本的なサウンド制御を行えるようになる。
ところでSteelSeriesでは,このキーボードによってプレイヤーのAPMを上げられるとしているが,APMとはActions Per Minuteの略で,1分当たりどれだけのアクションがこなせるかというもの。980円のキーボードを愛用する私もこれで原稿を書けば,普段の約30倍ぐらいの速度で書き上がり,偉い人に怒られずにすむような気がするが,たぶん気のせいだろう。価格は2万2800円(税込)と,高めになるようだ。
Siberia Neckband
マイクはSteelSeriesお得意の収納式。耳をすっぽり覆ってしまうデザインが特徴的で防寒にも役立ちそう。だからSiberiaシリーズなのだろう(推定)。
価格は1万3800円(税込)。こちらも発売日は未定ながら12月中にはリリースされるはずだ。
SteelSeries SP
サイズは320mm×270mmと,同社のマウスパッドシリーズの中では中型。裏面はゴム製で安定性も高いのだ。価格6980円(税込)で,12月中の発売が予定されている。
発表会のまとめとして,Tino Soelberg氏はとくに新しいマウス製品に触れ,「長い時間をかけて開発したIkariシリーズはSteelSeriesの大きなステップであり,とても誇りに思っている」と語った。「我々のフィールドは常にゲーマーであり,これらの新製品がより多くのゲーマーに我々の存在を知ってもらう機会になれば嬉しい」とのこと。
ちょっと前まではあまり選択肢のないゲーマー向けマウスだったが,昨日(12月6日)の記事でお伝えした「Microsoft SideWinder Mouse」はもちろん,先行する「G9 Laser Mouse」や「Razer Lachesis」に続いて,ついにIkariシリーズが登場することで,いよいよ年末商戦が面白くなってきた感じがする。SteelSeries 7Gキーボードや,Siberia Neckbandなど,個性を持った数々のプロダクトが,日本のゲーマーにどのように受けとめられるかも興味深い。
まあ,聞いているうちに買う気マンマンになってきた影響を受けやすい私ではあるが,その結果,「持ってるモノだけはプロゲーマー」などと言われないよう,研鑽に励みたい所存である。
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