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敵が大きく空振りした。今だ,殴れ。もう一発。まだいける。よし敵が動いた,ここは冷静に避けて……あっ,スタミナがない。
「Rogue Blight」の戦闘をひとことで表すなら,こんな感じじゃ。「欲張らなければ勝てたのに」と反省しながら,次の戦いでもつい欲張ってしまう。
武器や防具をそろえる前に,まず自分の右手と話し合ったほうがよさそうなゲームじゃな。
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本作は,ソウルライクな戦闘とローグライトの周回を組み合わせた2Dアクションじゃ。枝分かれしたマップで行き先を選び,戦闘やイベントをこなし,装備を整えてボスを目指す。
「Slay the Spire」を思わせる進め方じゃが,戦闘ではキャラクターを直接操作して,敵の攻撃を避けたり殴り返したりする。
広いフィールドを歩き回るタイプじゃないゆえ,冒険はさくさく進む。とはいえ,道選びまで適当でいいわけではない。
ショップへ寄るか,装備を強化できる鍛冶屋を目指すか。いま欲しいものと,その先で待つ戦いを見比べながらルートを決めていく。
次の一戦だけでなく,ボスまでどうつなぐかを考える時間も,ちゃんと冒険の一部になっているわけじゃな。
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そして,いちばんの見どころは戦闘じゃ。横から見た画面で敵と向かい合う姿は,ちょっと格闘ゲームっぽい。
基本は一対一で,たくさんの敵をまとめて吹き飛ばすより,目の前の一体とじっくり付き合う作りになっておる。
やることは,敵の攻撃を見て避け,隙ができたら殴る。後ろへ下がってやり過ごすか,前へ飛び込んで後ろに回り込むか。
うまく避けられれば,こちらの番じゃ。通常攻撃だけでなく,武器のスキルも使ってダメージを与えていく。
相手をよく知るほど,怖かった攻撃が「はいはい,それね」に変わっていくわけじゃ。この距離の縮まり方がいい。仲良くなるわけではないが。
じゃが,反撃の時間は殴り放題のサービスではない。攻撃にも回避にもスタミナが必要じゃから,気持ちよく使い切ると,次の攻撃を避けられなくなる。買い物が楽しくて,帰りの電車賃まで使ってしまうようなものじゃ。
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大事なのは,何発入れられるかより,何発でやめられるか。敵の体力があと少しになるほど,この判断が難しい。
「あと一発で倒せる」と攻撃を続けたら,先に倒れたのは自分だった,なんてこともある。難しい操作だけでなく,手を止める勇気を求めてくるところが,なんともにくい。
戦いの合間には,装備選びが待っている。武器は50種類以上あり,それぞれに固有のスキルを持つ。
左右の手に違う武器を持たせたり,盾を構えて守りを固めたり,同じ種類をそろえて二刀流にしたり。新しく拾った武器は試したい。でも,そのために盾を外すのはちょっと怖い。
しかも,見るべきなのは攻撃力だけではない。出血や毒などの状態異常,そして追加効果をもたらす「祝福」との組み合わせで,その周回の戦い方が変わってくる。
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単体では地味な装備も,手持ちとの相性がよければ採用候補になるわけじゃ。新しい武器を拾ったときに「強いかな」だけでなく,「ワシに合うかな」と考える余地があるのが楽しい。
状態異常がボスにも通るのは,こうした組み立てを楽しむうえでうれしいポイントじゃ。道中で育てたビルドを,最後の大事な場面にも持ち込める。
せっかく毒を盛る準備をしてきたのに,ボスには効きませんでは白けるからのう。
もちろん,うまくいかずに倒れることもある。じゃが,本作には周回をまたぐ永続強化や,装備・祝福などのアンロックがある。
失敗して持ち帰るのは,反省だけではない。次に試せる選択肢が増え,キャラクターも少しずつ強くなる。プレイヤーの上達とゲーム内の成長が,両方から先へ進むのを助けてくれるわけじゃ。
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一方で,戦闘の基本はあくまで「避けて,殴る」の繰り返しじゃ。装備を替えるたびに操作まで別物になるような派手な変化や,探索中の大きな発見を期待すると,少し物足りないかもしれん。
武器の数が多いことと,毎回まったく違う遊びになることは,やはり別の話ということじゃな。
むしろ本作に向いているのは,同じ敵への対処が少しずつうまくなったり,拾った装備から思いがけない組み合わせができたりする,その小さな変化を楽しめる者じゃろう。
昨日は慌てて避けていた攻撃に,今日は落ち着いて反撃できる。そんな成長を,次の周回でもう一度確かめたくなるたしかな中毒性がある。
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「Rogue Blight」は,大冒険を全部詰め込みましたというより,戦闘と装備選びのおいしいところを繰り返し味わうゲームじゃ。
敵の動きを覚え,装備の相性を考え,もう一度挑む。その素直な流れのなかに,指先も頭も忙しくなる楽しさが詰まっておる。
最後に,倒すべき相手は目の前の敵だけではないことを覚えておいてほしい。「あと一発いける」とささやく自分も,なかなか手ごわいのだから。





















