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【島国大和】ゲームはいずれ全部オンラインゲームになる
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印刷2009/08/19 11:00

連載

【島国大和】ゲームはいずれ全部オンラインゲームになる

島国大和 / 不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者

島国大和のド畜生 出張所

ブログ:http://dochikushow.blog3.fc2.com/




 ゲームは,いずれ全部オンラインゲームになる。

 ……そんな与太話でも,4Gamerの誌面上でなら,読んでくれて,また理解してくれる読者さんが沢山いらっしゃると思うので,今回はそんな自分の考えというか未来予想を書かせて頂ければと思います。宜しくお願いします。



ビデオゲームの歴史:アーケードゲームの隆盛


2009年3月にNDS用に発売されたシリーズ最新作「SPACE INVADERS EXTREME 2
ウルティマ オンライン
 未来を知るには過去から順番に知っといた方が便利なので,軽くゲームの歴史をおさらいしよう。

 ビデオゲームが商業的に成り立ったのは,1972年のアタリの「PONG」からと言われる。有名なタイトルなので,ご存じの方も多いとは思うけれど,PONGとは,ボールを打ち合う2人用のピンポンゲーム。今の目から見ると恐ろしくシンプルだけれど,当時としてはブラウン管の画像を操作して遊べる事自体が画期的だった。
 後にATARIの創業者となる開発者のノーラン・ブッシュネル氏は,PONGを売り出す事を決めた際,家庭用では単価が高くなってしまうので,アーケードゲームとして販売することにしたのだという。
 
 PONGの大成功を受けて,その後,「ブロック崩し」(ATARI:1976年)や「スペースインベーダー」(タイトー:1978年)とアーケードゲームは隆盛を極める。
 高価なゲーム機をお店(当時は喫茶店や酒場)に販売し,お店はプレイ当たりの料金でもってプレイヤーからお金を徴収するというシステムは,もともとピンボールゲーム等のアナログアーケードゲーム市場の土壌があったことも大きいが,開発,量産にコストがかかるビデオゲームには,ちょうど良い仕組みだった。
 そしてアーケードゲームは,その後も高額の筐体を販売し,その筐体で「プレイいくら」で商売する事を,今なおビジネスの基本としている。


コンシューマゲームの台頭


 コンシューマゲームの台頭は,まず「アーケード的ゲームが家でも出来る!」として迎えられた。
 ATARIもそうだったし,ファミコン,スーパーファミコンもそう。セガのゲーム機なんかはよりその路線が強く,アーケードラインナップが家庭で遊べるのは,当時は大変な魅力だったし,自分もそんなゲーム機達が欲しくて堪らない子供時代を過ごした。
 当時のアーケードゲームは,1回100円のプレイ料金だったので,数千円でゲームを買って家で遊べれば,数十回のプレイで元が取れる。

 世の中は,ゲームが上手い人だけでは無いので(当時のアーケードゲームは上手い人は無限に近く遊べ,ヘタな人はすぐ終わるのが普通だった),この「買ってしまえば自宅で何度でも好きなだけ遊べる」のは,本当に大きな魅力だった。

 またアドベンチャーゲームやRPGなど,時間単価で稼ぐアーケードに向かないシステムのゲーム(要するに長時間遊ぶタイプのもの)がコンシューマゲームで発展していき,新たな市場を形成した。これもゲームが下手なプレイヤー達に大変受けが良く,ゲームの市場を大きく広げる原動力になった。
 そもそも,ゲームが上手い奴なんてひと握りなので,ゲームの大衆化,ブレイクというのは,ゲームが苦手な人,興味の無い人に遊んでもらってこそ成し遂げられる。まぁ,その辺は以前のドラクエの記事でも書かせてもらったことなので,ここでは割愛するけれど。

 そんなゲーム業界の流れもあって,いつしかアーケードよりもコンシューマゲームの方が稼げる状態になり,市場はコンシューマゲームに軸足を移していく(とはいえ,アーケードはアーケードで,カードゲーやネット対戦に活路を開いたりしているのだが,実はここにも,キーワードとして「オンライン」がある)。

「スペースハリアー」や「ゴールデンアックス」が家庭でも遊べる! ……当時はそうした売り文句が魅力的な時代だった
ウルティマ オンライン ウルティマ オンライン


オンラインゲームの爆発的な普及


 オンラインゲームの商業的普及は,「ウルティマ オンライン」(1997年)によって成されたと言われる。これは月額料金固定で遊び放題であった。この時点では,未来は感じたけど,全部のゲームがこうなるという感じではまだなかった。その後,アイテム課金タイプのゲームが爆発的に増え,現在の主流となる。

 もともとアジア圏でオンラインゲームが隆盛したのは,不正コピーが蔓延していたなどの環境(ほかにも,日本産ハードの排他と言った理由もあるが)があり,オンラインゲームでなければ商売にならなかったから。

今のオンラインゲームビジネスの基礎を築いた「ウルティマ オンライン」
ウルティマ オンライン
 オンラインゲームならば,サーバー認証が必要になるので不正コピーが行えない。だから,コンシューマゲーム市場が育たなかったアジア圏でもちゃんとした商売になった。これは一つの冗談話くらいで聞いてもらえればと思うけれど,「言い方は悪いけど,中国人ですらオンラインゲームには金を払う」と,仕事で会った中国人が言ってたのは個人的にとても印象的だった。
 日本市場にしたって,いまや違法コピー問題などは人ごとではないし,利益を中古市場や海賊コピーに持っていかれるという点は,業界の長年の課題の一つでもある。

 しかしオンラインゲームは,サーバーの維持などでコストがかかるため,従来型のゲームよりどうしてもお客さんに対する単価(つまり客単価)を上げざるを得ない。
 月額課金は,プレイヤーの人数=利益というスタイルだったので,どうしても利益が頭打ちになる。そのうえ,サーバーや回線などのインフラコスト,プレイヤーの数が増えれば,運営用の人員だって,より多く必要になる。
 要するに,一時期のオンラインゲーム業界では,「月額課金では,サービスを支えきれない」という問題(一部の有料タイトル以外では,とくに深刻だった)が大きな課題になっていたわけだ。かといって,単純に料金を高く設定するのもリスクがでかい。
 その流れが行き着いた結果として,アイテム課金やガチャという形で利益を確保する今のビジネスモデルになった。

 アイテム課金式ならば,やり方によってはプレイヤーに大量にお金を使ってもらう事が可能。あるタイトルなどは,平均の客単価が月額2万円以上と聞く。マジですげえ。
 もちろん,MMOやMOだけでなく,シミュレーションやカジュアルゲームなどのバリエーションも増え,ここ最近では,よりライトに楽しめるブラウザゲームなんていう波も来ていて,なんだかんだ言いながらも進化し続けているのが,オンラインゲーム市場ということになる。

 ともあれ,そうしたゲーム業界の流れをつらつらと考えてみると,オンラインゲームは,やっぱりまだまだ今のゲームシーンでもっと熱い分野だと言えるんじゃないかと。ええまぁ,強引な物言いかもしれませんけど,まだ進化の余地があり,発展途上という意味では,ゲーム屋としてはやっぱり“熱い”と思えるわけ。


歴史から見るゲームとお金の関係


 さて,そうしたゲームの歴史を見ての通り,ゲームシーンというのは「ゲームでどう稼ぐか」によって変遷してきたし,これからもそうなると思うんだよね。稼げないゲームは消えて無くなる。誰もそれにお金を払わなければ,開発費も出ないので,そりゃそうだ。

 ハードが高額だったため,アーケードでプレイ料金を稼ぐ
 家庭用ハードの隆盛にのり,家庭用にパッケージを売って稼ぐ
 コピー&中古対策で,オンラインゲームに移行&アイテム課金で稼ぐ


 ゲーム制作の現場が望むような,面白いゲームを作って多くの人に遊んでもらいたい,一人あたりの支払い額は安くていいというのは,ゲーム会社の活動という視点で見ると,実はかなり難しい。
 一番売れてるゲームの値段を考えてみれば解ると思う。あれ以上売れなきゃあれ以下の値段に出来ないし,そもそも値段を下げたからといって,その分多く売れるかどうかはまた別の問題だ。ほかのすべての商品がそうであるように,ゲームもまた,需要と供給の微妙なバランス上で価格が決まっている。
 だから,作り手の立場としては本当に残念(作ったからには,より多くの人に遊んでほしいのが本音だから)なんだけど,お客さんの「もっと安く!」というリクエストに応えるのはもの凄く難しい。

 昔は,数人が数か月で作ったゲームが何万本と売れたけど,今は数十人数年かけないと何万とは売れない。それでもゲームのお値段はほぼ据え置きなんだから,大手以外は食えないし,大手も昔ほど美味しくない。

 コピーや中古市場に利益を吸われている今のパッケージビジネスは,多くの人が指摘するように限界が近い。だからいずれ何らかの形で,ほとんどのゲームがネットと関わっていく。開発者もゲーム会社も,霞食って生きてくわけにはいかないから。


ドラクエ9が見せつけた「次のゲームのあり方」


2009年8月時点で350万本の売上を達成した「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」
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 ちょっと前に,ドラゴンクエストシリーズがいかに日本のゲーム市場に影響を与えたかという記事を書かせてもらったが,最新作の「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(以下,ドラクエ9)もまた,非常に予定調和ながらもゲームの「次のあり方」を見せつけてくれた作品。

 実際,ドラクエ9の構造は,MMORPGやMORPGなどに大変強い影響を受けている。オンラインゲームを多くプレイしている人なら,遊んでみてすぐにそのテイストを感じたと思う。

 大量の小クエスト,武具の錬金,アバター,収集要素,クエスト配信。
 果てしなく強い敵と,転生を繰り返すことの出来るプレイヤーキャラ。
 そして,終了しない物語。


 小出しにクエストを配信する事によって,ユーザーのゲーム離れを防ぐ。中古への流出を最小限に抑え,売上を安定させる。コピー対策を行う。
 今のところ,一番手堅いと思われる道筋をそのまま選んだ感じ。こういう王道と思えるやり方を,王道のメーカーが王道のタイトルでやるんだから,本当に固い。鉄板。

 そしてその大成功は,有る種の道筋を見せつけた。「結局,これが一番固いな」と。どこかの記事で,スクウェア・エニックスの和田社長が「中古に流れ難いぜ,ヒャッハー!」(ごめんなさい,もの凄く意訳しました)的なコメント出してるのを見たし,まさに「狙い通り」といったところなのだろう。いや,頭が下がりますよ。ホントに。


というわけで


 というわけで,繰り返しになるけれど,自分は「ゲームはいずれ全部がオンラインゲームになる」と考えている。「認証をネットでやる」とか「ダウンロードコンテンツ」とか,そういうの全部含みで。「ええ? それもかよ!」とか言わないで。……でもまぁ,そんなに突飛な事は言ってないはず。

 ちなみに,まったくの個人的な好みを言えば,ゲームに長時間拘束されるのはまっぴらなので,「ドカーン。ズガーン。バコーン。で,2時間ぐらい腹いっぱい楽しめて8千円」とか,そういうゲームが出てくる土壌があってほしいと心から思っている。
 コンシューマで60時間遊べるゲームを2時間に圧縮したら,そりゃ面白いと思うんだよね。でも,それだと即中古で売られちゃうから,現時点では夢物語。

 今のゲームがとにかく長時間志向なのは,海賊対策,中古市場対策,オンラインゲームシステムの弊害だと思ってる。要は「短時間にお金を払う人がいない」って事なんだけど,アーケードゲームなんかは“高級志向ゲーム”の一つの形ではあるかな?

 もちろん,長時間遊ぶのが好きな人もいるし,それをコストパフォーマンスが良いとする人もいるので,それはそれでOK。否定するつもりはまったくない。ただ,ゲームがどれも似たり寄ったりだとつまらないので,色んなゲームが出てくる土壌がぜひあってほしいなーと。

 ステーキを食いたい時もあれば,茶漬けが食いたい時もある。
 全部がフォワグラになっちゃうのはちょっと避けたい。そういう気持ち。


 この先もゲームは進化をつづけるし,色々な未来が用意されてるだろうから,期待と不安を持ちつつ待ちたい。あわよくば,ゲーム屋としては,なんか変わった事したい。そんなことを考える今日この頃です。



 というわけで,今回の記事はここまで。
 長々とお付き合い頂き,ありがとうございました。


■参考書籍:

それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち
韓国のオンラインゲームビジネス研究―無限の可能性を持つサイバービジネス成功の条件

※リンク先はAmazonです。


■■島国大和■■
有名ゲーム系Blog「島国大和のド畜生」の管理人で,不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者。最近は,関わっているゲームの開発が佳境でとても忙しいらしい島国大和氏だが,気を使って「原稿はゆっくりでもいいですよ」と伝えたところ,「文章を書くのは苦じゃないから大丈夫です」と返ってきた。……まぁ,仕事が忙しい時って他のことしたくなりますよね。


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