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といっても,インディーゲームは多かれ少なかれ“癖”で作っているものであり,そのすべてを取り上げられないのは少し心苦しいが……何事にも制約というものがあり,そして原稿には「締め切り」もある──。
それでは後編も「ゲームの迷宮」へとお付き合いいただきたい。
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インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン14」レポート(前編)。ロボ暴走族に花札バトル,限界集落まで揃った“ゲームの迷宮”
340団体という,募集枠を大幅に上回る出展者が集った「東京ゲームダンジョン14」。4Gamerは今回も,前後編に分けて,注目タイトルや作者の強い個性を感じたゲームを紹介する。まず前編は,インディーゲームらしい振れ幅の広さを感じる作品から。
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- ライター:高橋祐介
ワンダフルキャットライフ
出展者:manekineco games
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迷子になった子猫「ケダマ」となり,昭和の風情が残る下町を自由気ままに駆け回る「ワンダフルキャットライフ」は,個人開発者のmanekinecot氏(@manekinecot)が手掛けるのらねこオープンワールド・アクションアドベンチャーだ。
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本作の魅力は,猫の視点で縦横無尽に移動できる「のらねこパルクール」。低い目線で路地を走り抜け,壁を登り,屋根から屋根へとジャンプ。独特の手触りに,筆者は新しいおもちゃを与えられた子どものように,ひたすら移動の感触を試してしまった。ちなみに本作のフィールドはクラシックなRPGのように東西南北がつながっており,その気になればどこまでも行けるらしい。
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お金を拾って自販機でジュースを買ったり,植木鉢を倒したり,洗濯物を汚したりといった“猫らしいイタズラ”を思いつくままに楽しめるほか,ガチャポンやミニカーなどのレトロな遊びもある。
manekinecot氏いわく「自分のやりたいこと,好きなことを詰め込んだ盆栽みたいなゲーム」とのことで,Steamのストアページもあるが販売する予定はなく,無料で配布するのだという。
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自由気ままなノラ生活を楽しめる一方で,本作には「思い出せない『あの子』を探す」という目的もある。どこか児童書のようなやさしくも少し不思議なストーリーは,いずれ本の形でも展開する構想のようだ。
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そして個人開発でありながら,主人公ケダマ役に舞台俳優の関谷玲花氏,魚屋のオヤジ役に高崎二郎氏,音楽に髙田龍一氏,OP曲にロックバンドの「猫Jealousy」を起用するなど,プロのクリエイターや芸能人を巻き込んでいる点もユニーク。また会場限定ではあるが新たな出演者も発表されていた(まだ書けない)。
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なお,manekinecot氏のnote記事「リアルゲームクリエイターとほほ日記」(リンク)は,2000〜2010年代のゲームに詳しい人なら「あの作品のことかな?」「ひょっとして……」と推理を楽しめるかと思う。本作には氏の好きなものを詰め込んであるだけでなく,本業での「心残り」が大きな原動力となっているのかもしれない。
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プロペラちゃん
出展者:tozica
カラフルな色彩があふれる会場で1-bitモノクロのビジュアルがかえって目を引いた「プロペラちゃん」は,個人開発者tozica氏(@tozicode)が手掛ける探索パズル2Dアクションだ。
「1.44MB GAME DEV CONTEST」において350以上の投稿作品のなかから銀賞を受賞した作品で,実行ファイルから全アセットに至るまで,フロッピーディスク1枚分(1.44MB)に収まるよう設計されている。
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プレイヤーは腕にプロペラを装着したロボットの少女「プロペラちゃん」を操作し,風を「吹き出す」「吸い込む」というアクションを駆使しながら,止まってしまった世界の仕掛けを解き明かしていく。
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足場となるブロックや仕掛けのスイッチ,砂,水,煙など,さまざまな物質を風で動かす感覚が新鮮。追加能力の獲得ではなく,最初から使える能力とプレイヤー自身の「ひらめき」で探索範囲を広げていくゲームデザインである。
また,プレイしていて惹かれたのが,どこかダークで神話的な世界観。散りばめられた記憶のファイルを集めることで世界の真相が明かされていくというが,これが探索の強力な動機になってくれそうだ。
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本作は現在itch.ioにてPC版が配信中。Steam版のリリース時,itch.io版の購入者には追加料金なしでSteamキーが配布される。手触りの良いパズルと深遠な世界観に惹かれた人は,ぜひチェックしてみてほしい。
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LEET REED 暗号解読
出展者:ピッタロス
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モノクロつながりでもう一本。ハッカーやゲーマー文化のなかで広まった,アルファベットを見た目が似た数字や記号に置き換える「リートスピーク」(「E」を「3」,「A」を「4」に置き換えるような暗号的表記)。「LEET REED 暗号解読」は,これを題材にピッタロス氏(@fgsn_123)が手掛けたタイピングゲームだ。
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Classic Mac OSを彷彿とさせるモノクロのグラフィックス。記号と文字の狭間を巧みにデザインしたフォント。提示されるLEET表記の暗号文を解き明かしていくパズルだが,文字の視認性が高いためか,頭の中で文字がスムーズに置き換わるようになる。なかなか心地よい手触りだった。
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試遊ブースではゲームの体験だけでなく,作品の看板キャラクターであるモノクロ白衣の気だるげなネズミ青年?「レトくん」のグッズも頒布され,その独特の佇まいに興味を引かれた様子の人も多かった。
ピッタロス氏はデザインを学ぶ大学生で,「親がMacintoshなどのレトロなPCが大好きで,自然とこうした世界に親しんできた」とのこと。ある意味英才教育を施されたわけである。
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ネットカルチャーへの愛とグラフィックデザインのセンス,そしてかわいさが同居する本作。解読のためのヒントも絶妙で,キャラクターの雰囲気に惹かれた人がしっかり遊べるゲームになりそう。今後の展開が気になる作品だ。
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因習村ときめきトランプゲーム
出展者:作っちゃうおじさん
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公開から3日で1万プレイを突破した無料ブラウザゲーム「因習村脱衣トランプゲーム」。その好評を受けて,世界観とゲームシステムを新たに構築し,Steam向けの作品として制作されているのが「因習村ときめきトランプゲーム」だ。
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前作は「ジンラミー」をベースにした脱衣麻雀風のゲームで勝負しつつ,初恋の相手の謎に迫る内容だったが,本作ではそのお手軽かつ中毒性の高い遊びをさらに深化。デッキ構築やルート選択,カードの強化,特殊効果付与といった要素が加わり,より遊びごたえのあるものになっていた。
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今回のストーリーは,山間の「因習村」へ移住した主人公が夢の中で「メカクレ」「ケモ耳」少女・タマちゃんと「命がけのトランプ勝負」を繰り広げる。負ければ二度と目覚められないというホラーな緊張感と,カードにバフを乗せつつ揃えていくソリティア的な遊び。そして何より,タマちゃんとの不穏で甘い? 時間が待っているという。
なるほど。なかなかに癖(へき)の渋滞を感じさせるゲームだ……ちなみにウィッシュリストは早くも1000を突破したらしい。
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体験版は2027年1〜2月頃,本編は2027年第1四半期のリリースが予定されている。なお作者の作っちゃうおじさん(@hothukurou)は,ゲームダンジョン現地で紫のウィッグをかぶってタマちゃんに扮していたとのことだが,残念ながら遭遇できなかった……。
おーだー・おーだー
出展者:Uranus-net.com
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「Overcooked!」シリーズに代表される,リアルタイムで段取り良く料理を作り,客の注文を捌いていく,みんな大好きクッキングアクションゲーム。個人開発者・宙ノくじら氏(@sorano_kujira)による「おーだー・おーだー」は,そんな定番ジャンルに対するアンチテーゼ的な作品だった。
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公式サイトにあった「料理ゲーは忙しい?(中略)このキッチンにはそんな要素はありません。ただ無駄を許さないだけです」という文言のとおり,本作の最大の特徴は,時間を止めてじっくり考えられる「ターン制」を採用している点にある。アクションを起こすごとに時間が1ターン進む仕組みは,いわば料理版「風来のシレン」といったところ。
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次の一手でどの調理器具を動かし,どのような手順でマルチタスクを処理していくか,無駄のない動線や段取りを詰めていくロジカルな面白さが味わえそうだ(慣れは要ると思われるが)。
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試遊時点ではまだ基礎的なシステムに未実装のものもあるとのことだったが,ちょっと変わった手触りのお料理ゲームに仕上がることを期待したい。
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コスモピアーサーズ
出展者:MAGICBOX
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古代超文明の遺跡「浮遊大陸ハーデス」を舞台に,自律戦闘機械が守る24のエリアを突破していく本作。ショットと3種類のサブウェポンを駆使して戦うゲーム性で,レーザーやボムには敵弾を消す効果もあり,アドリブでの回避と武器の性能を熟知した立ち回りの両方が楽しめるストロングスタイルな仕上がりとなっている。
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全体としては「スターフォース」っぽく見えつつ,隠し味に「ゼビウス」が少々,しかもプレイすると東亜プラン的な殺意の高い弾をかいくぐっていく感覚が味わえ,ノスタルジーというにはアツすぎる。
隠し要素も豊富で,弾を数発当てると出現し,そのまま撃ち込んで破壊できるボーナスターゲット,道中の「謎」を解くことで出現する“未知の領域”など,ファミコン用ソフト「スーパーゼビウス ガンプの謎」のようでもある。いや,あそこまで「謎」ではないとは思われるが……。
腕に覚えがありそうな人が入れ替わり立ち替わりプレイしていた本作。Steamストアページでの販売だけでなく,イベント等でのディスク版販売も計画されているとのこと。買ったその日から毎日が「夏のキャラバン」だ。
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インディーゲームにも「王道」や「定番」と呼ばれるジャンルは確かにある。しかし,それらは競合相手が膨大であり,昨今はリリースされる作品の数そのものに埋もれてしまうという大きな問題もある。
だが,たとえ人数は少なくても,誰かの心を強く揺さぶり,忘れられない手触りを残すこと。それもまたかけがえのない「価値あること」と筆者は信じたい。そこから新しい何かが始まることもあるはずだ。
作り手が,己のこだわりを全力でゲームに込め,プレイヤーが,それに引き寄せられてコントローラを握る。会場のそこかしこで生まれていたそのやり取りこそ,このイベントの最大の「秘宝」と言えるだろう。
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| ジョッキ同士をぶつけて「乾杯!」し「ビールをあおる」。このふたつの動作だけで遊ぶリズムゲーム「ビアリズム」(@UNUSE_AIT)。時間があれば何度もプレイしたかった! |
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| メンダコのような妖精と一緒に世界に色を取り戻すポイント&クリックゲーム「ハートレジャー リカラーワールド」(@asahagameinfo)。こういうタイプの作品は小さい子どもと一緒に遊ぶとかなり楽しいもの |
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