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インディーゲームイベントでメディアを“ハック”するには? 会場ではどのようなゲームに目を引かれるのか,現地取材記者の視点で考えてみた
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印刷2024/11/30 13:00

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インディーゲームイベントでメディアを“ハック”するには? 会場ではどのようなゲームに目を引かれるのか,現地取材記者の視点で考えてみた

写真は2024年7月に開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit Drift」(関連記事
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 自分たちが作ったゲームをどうに世に広めればいいのか――専任の広報チームを持たない独立系の小規模スタジオや個人開発者にとって,これは切実な悩みではないかと思う。

 そんな開発者にとって大きなアピールの場となるのが,オフラインのゲームイベント。SNSや動画での紹介,デモ版の配布など,さまざまな発信の仕方がある今だが,直接ゲームファンに自身の声を届けたりゲームに対する生の反応をもらえたりするオンサイトのイベントは,やはり重要な場所であることは変わらない。
 コロナ渦が一段落した2022年後半ごろからインディーゲームの展示イベントの勢いが盛んになってきたのも,ゲームをまず知ってもらう,遊んでもらうのに適した形だったことが要因のひとつだろう。

2022年8月に開催された第1回「東京ゲームダンジョン」の様子。思い思いのゲームを持ち寄り,みんなで遊ぶ自由な空気が素晴らしかった
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 2022年8月7日に,東京の都立産業貿易センター浜松町館で開催されたインディーズゲームの展示会「東京ゲームダンジョン」をレポート。数多く出展された,個人や小規模チームが制作するデジタルゲームから,気になったタイトルをピックアップして紹介。

[2022/08/10 19:24]

 こうしたイベントに出展して自身のゲームをアピールする際に活用してほしいのが,本誌4Gamerを含む各ゲームメディアだ。

 動画が当たり前になった今,「文章の記事ってどれくらい効果があるの?」と思う人もいるかもしれない。ゲームメディアの記事を読む人は基本的に「面白いゲームはないか?」と探している人たち。受動的なWeb広告,視聴者がゲーム自体ではなくその実況者のファンということも多いゲーム実況とは異なる層にリーチできる。
 そしてそれを取材して記事を作る側,しかもインディーゲームにまで興味を持つようなライターや編集者は,重度のゲームジャンキー……もとい熱心なゲームファンである。
 それはつまり,会場に集う人たちと近い感覚でゲームに触れ,持ち味を尊重してできるかぎりその魅力を伝えようと考える人間たちなのだ。

1回目の東京ゲームダンジョンで取材した「Path of the Abyss」。昨年(2023年)12月にSteamでリリースされ,高い評価を得ている。開発中の段階で「これは注目作だぞ」と思ったゲームがリリース後の評判がいいと,その喜びもひとしおだ
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 かくいう筆者もそのひとりという自負がある。4GamerでもTOKYO SANDBOXや東京ゲームダンジョン,東京ゲームショウのインディーエリアなどさまざまなイベントを取材しているが,それらで見聞きし触れてきたインディーゲームの数々は,仕事を抜きに自身にとっての大事な出会いであり体験だ。

 本稿では,筆者の取材経験や現地で出展者と会話して感じたことを元に,記者(メディア)がゲームイベントの取材のとき,どのようなモノに目を引かれて「取材してみよう」となるのか,いくつか例をまとめてみた。ゲーム開発を行う人たちがいかにメディアを“ハック”し,自身が開発したゲームを世に広めるかを考えるうえでの参考になれば幸いだ。

こちらも第1回の東京ゲームダンジョンより,2023年3月のリリースから好評を受けている「ふりかけスペイシー」。謎のコリントゲームが気になってゲームをチェックしてみると,とても興味を引かれるものだった……と,このような例を,これまでの取材経験をとおして紹介していきます
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グレア? ノングレア? 足を止めて撮影したくなるゲーム画面の見せかた


 会場を歩いていると,シンプルにゲームが面白そうと感じられるゲーム画面や「これが小規模チームによる作品?」と驚くようなビジュアルが映し出されているブースはやはり目が留まる。
 ゲームの映像の見栄えに自信があれば,遠くからでも目に入るような大きなディスプレイで試遊版を用意したり,プレイ動画を流したりすることがなにより効果的だろう。

TGS 2024より,3人の女の子の冒険を見守りつつ装備をマネジメントするRPG「サマーロード」関連記事)。ノスタルジックなビジュアルを一面に出したポスターが気になって見てみると,ゲーム自体もそのままな雰囲気とクオリティで興味がわいてくる
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東京ゲームダンジョン3より,人型に可変可能な戦闘機を操作しクエストを進めていくオープンワールドRPG「VARIAVLE ARMS FRONTIER」関連記事)。メカ,ロボ好きにはこのゲーム画面だけでじゅうぶん伝わる
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 ここで,できる範囲のちょっとしたディスプレイの工夫をしてみると,メディアをハックしやすくなるかもしれない。
 その工夫というのが,グレア(光沢あり)とノングレア(光沢無し)の使い分け。会場での「映え」を重視するならグレアもいいが,試遊する人の遊びやすさに加えてメディアに取り上げられることも考えると,試遊に使うディスプレイをノングレアにしてみるのはひとつの手である。
 というのも,メディアはレポート記事用の写真を撮るとき,ゲーム画面を直撮りしたり,現地の雰囲気を伝えるため引きで撮ったりする。このときディスプレイがノングレアだと,照明や来場者の映り込みが少なくなり,ゲーム画面をしっかり写真や動画に収められるのだ。

東京ゲームダンジョン6の取材記事より「Re:Connect」関連記事)。ノングレアだとこのようにドット感までよく分かる鮮明な写真になる
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 これは,ディスプレイをとおしてのビジュアルのクオリティを伝えられるという,スクリーンショットの公開とはまた違った取材記事の活用方法につながる。ビジュアルの何を重視して見せたいかの考え方次第なところもあり,またコストやスペースの問題もあるが,試遊用にはノングレア,トレイラーやプレイ映像を流すディスプレイはグレアと使い分ける……なんてのもアリかもしれない。

黒背景の画面でもこのとおり,うしろに立つ人や撮影している取材者自身も映り込まない。……いろいろ言いましたが,写真の選別やレタッチがラクでありがたいという理由も大きいです!
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目新しい遊びやテーマが「見える化」された展示の工夫


 既視感がなく,かつ面白そうに見える斬新な作品は,キャラクターを目立たせるだけでなく,遊び方や世界観を想像させるビジュアルを押し出してみるといいだろう。
 それはたとえ,キャラクターのカワイさに絶対の自信があったとしても,だ。キャラ絵を全面に出す出展者は少なくないので,たとえば同じ系統のタッチの作品とひとくくりにされて埋もれてしまう可能性もある。
 逆にキャラクターがメインの場合でも,ビジュアルの背景やブースの装飾などにゲームの舞台や雰囲気が分かる何かがプラスされていると「キャラはカワイイが背景になんだか不穏なモノを感じるぞ……」という風に,それが注目されるポイントにもなりうるのだ。

BitSummit Driftより,コロナ禍の東京のカフェを舞台にした「東京珈琲パンデチカ」レポート。コーヒーミルも展示してあり,ブース全体でゲームの世界を演出しているようだった
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 斬新さが伝わるビジュアルがあればよし。開発チームに絵を描ける人やビジュアルのデザインが得意な人がいる場合は,ブースの準備や当日のデコレーションにもしっかりと関わってもらうと心強いだろう。
 もちろんそれは上手ではなくてもいいと思う。インディーゲーム好きには開発者の独自性を好む人,上手さよりも面白いアイデアと手作り感に惹かれる人が多いからだ。

それ(インストラクションカード)のよい例が「ウチュメガファイト」。元ネタや格闘ゲームになじみがなくても,なんだか楽しく,そして大まかな遊びがスッと入ってくるはず(東京ゲームダンジョン6のレポートより)
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 たとえば,プレイ方法とともにそれらのビジュアルを1枚にまとめたインストラクションカードを用意するという“伝える工夫”はどうだろうか。
 インストラクションカードとは,ゲームセンターの筐体にある操作方法の説明書やコマンド表のこと。コアなファンはもちろん,アーケードゲームの文化を知らない人でも「なんだか面白そう」と思ってくれるだろう。
 それらの感覚的は部分は,アーケードゲームが盛んだった時代のゲーマーに備わっているので,もし若い開発者であれば両親や親戚に相談してみると案外力になってくれるかもしれない。

 実際に試遊する人に向けたゲームの仕組みや魅力を伝えるためのチュートリアルをしっかり作るのはもちろん重要だが,通りがかりの人が思わず足を止めるような工夫や「見える化」をしておくのも大切なわけだ。

デコレーションとは少し意味合いが違うが,さまざまな家庭用ゲーム機やホビーパソコンで動作するオリジナル作品押し! で,思わず足が止まった東京ゲームダンジョン3のゲームインパクト(リンク)ブース。写真の人物は応援に来ていたレトロゲーム大好きな俳優の志貫 徹(しぬき てつ)さん(関連記事
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フィジカルな展示,体験型の展示でギャラリー集め


カセットとゲーム機を叩いてバグらせ,ズルしてゲームクリアする。そんなインモラルな遊びでプレイヤーとギャラリーを集めていた「BearRunner Any% RTA」(東京ゲームダンジョンのレポートより)
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 試遊している人の遊んでいる姿が目立ち,多くのギャラリーを呼んでいるブースはいかにも面白そうに見える。飲食店での行列や窓側の席が人で埋まっているのと同じ理屈(?)で,プレイしている様子が見え,そこに人が集まって賑わっていると,やはり人は引き寄せられるものだ。

 身体を動かしたり,ちょっと変わったデバイスを使ったりするような,フィジカルな操作があるゲームは注目されやすいかと思う。実際そういった,ゲーム内に出てくる小道具を実際に操作に使うデバイスとして「実体化」するタイプの出展は増えつつある。
 有名なイベントに,自作コントローラを使用したゲームを展示する「alt.ctrl.」があるが,そういったくくりに関係なく単体の出展でこういったユーモアあるゲームを見かけるようになった。1度インディーゲーム展示イベントに足を運んでみると「そういうことか」とすんなり納得できるだろう。

デジタルゲーム? アナログゲーム? TGS 2024にて,インディーゲーム開発者によるコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」で多くの賞を受賞した「Hyper Wobbler」(関連記事
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 だがしかし,このあたりはやりすぎてしまわないよう注意が必要だ。試遊している人が注目を浴びすぎてしまって恥ずかしい気持ちになったり,「こんなに見られるなかではゲームできないな」と思われるような動きがあったりするとそれは逆効果。「体験してみてスッキリできる」「座ったままでもできる」「あまり激しく動かずに済む」「服や髪が乱れにくい」「プレイしている人ばかりに視線が集まらない」など,個性的な遊びを提供しつつも気軽に遊んでもらえる配慮をしておくとよさそうだ。

こちらはTOKYO SANDBOX 2024での「CASSETTE BOY」のブース(関連記事)。このように試遊可能な人数が多いと,賑わっている感じも出せるし,試遊している人ひとりに注目が集まることもなく「すごく見られている……」という気持ちにもなりにくい。といってもこれだけの機材をそろえる必要もあるし,用意できたとしても現地で何かあったときに対処する人員もそれなりに必要となるのでしっかり運用計画を立てないと難しいかも
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作者やゲーム開発のエピソードがなんかスゴイ


 多くの人が開発に関わる大手作品に比べ,インディーゲームは個人のアーティスト性やキャラクター性が強く,またそれが作中でも如実に現れることが多い。つまりはこういったイベントで,作品に注目するきっかけが「作者」ということも大いにありうる
 もし「絶対にお面を外さない開発者によるアクションゲーム」「12年間開発し続けているアドベンチャー」とう話を聞いたとしたら「その人が作るゲームってどんな内容なんだろう?」「それだけの期間をかけているゲームって,いまどれくらいできているんだ?」と気になってこないだろうか。
 どういう人がどんな考えでゲームを作っているのかが垣間見えるような情報や,開発状況を伝える発信。自身の(外向きの)キャラクター化。それらはゲーム以外の部分で印象に残るものとなる。

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お面の開発者・うどんぱ氏は「Rabbitoad」「ウンコテクニカ」など,一見脱力系だが確かな手応えのあるアクションゲームを送り出し続けている(関連記事
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お話の内容やその演出手法も特異なアドベンチャー「ノナプルナイン:アシンプトート」は,12年にも及ぶ開発期間というのも興味をそそられる部分にある(関連記事

かなりインパクトあるタイトルが目を引く「超増税大国」関連記事)。パブリッシングを担当するKIC Gamesは,学校法人コンピュータ総合学園 神戸電子専門学校内に設置されたスタジオで,2024年10月にはゲームイベントも主催している。このように,どのような人たちがどのような活動をしているのかが見えると,これから追いかけてみようという気持ちも強くなる
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 筆者がそういった作者自身とそのエピソードで興味を持った開発者が,「雑音系少年少女」を制作しているMYU氏。MYU氏が自身のNoteで「秋葉原でティッシュ配りをするとSteamのストアページのアクセス数が増えるのか」(該当の投稿)という実験をしているのを知り,詳しい話を聞きたくなったというのがその理由だ。

 自身のサイトでさまざまな発信を行う「ファミレスを享受せよ」のクリエイターである月刊湿地帯のおいし水氏も,作品はもちろん作家性でも注目される有名なゲーム作家のひとりだろう。こちらのインタビューのように(リンク),現地で顔出しはしなくてもメディアの取材を受けて作品をアピールできるし,ゲームファンの声を直で聞きフィードバックを得ることもできる。

脱出ゲームをプレイしつつ,登場人物の心の奥底のトラウマを探る「雑音系少年少女」(関連記事)。楽曲以外はMYU氏がほぼひとりで制作している
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BitSummit Driftより,月刊湿地帯の新作「METRO PENGUIN EUTOPIA」の取材記事(リンク)。こういったインタビューはブースのほかに会場内の開けた場所やコンコース,関係者用のミーティングルームなどいろいろなパターンがあるので,顔バレしたくない人も安心して引き受けていただけると嬉しいです
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追いかけたい,もう一度話を聞きたいとなる初出展やリリース直前タイトル


 情報は鮮度が大切。新しいタイトル,とくにイベント初出展の作品は「まずは見ておこう」と取材をお願いすることは多いし,そもそも事前の取材プランに組み込まれているというのも少なくない。
 これまで挙げてきたようなポイントに大幅にバフがかかるイメージで,初出展となると当然力を入れていると思うが,取材する側もそれは同じ。そのゲームが刺さろうものなら「どこよりも早くこの記事をUPしたい!」と力が入る。

東京ゲームダンジョン6にて,このときイベント初出展だった弾幕シューティング&アクション「ナワルトナル」。この“咲き乱れるメキシコの花嵐”のような鮮烈なビジュアルに加えてそれがしかも初披露だとなると見逃すわけがない(関連記事
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 またイベントを取材している側としては,以前から気になっていた開発者,チームによる新作は継続して追いかけたくなる。リリース直前や直後のゲームであれば,記者という前にいちゲームファンとして「このゲームもう出ているからやってみて! 面白いから!」と進めたい気持ちもわいてくる。
 もちろん,初出展でなかなか思ったような手応えがなかったとしても,それがイコール失敗ではない。さまざまなイベントに継続して参加することで「このゲーム以前からちょくちょく見るけど,そういえばちゃんと取材できてないかも」となって取材をすることもある。
 記事にはできていなくても,ブースのチェックや試遊はしている場合も少なくない。別イベントでそのゲームを見つけて,「今度こそ取材するぞ」という気持ちで“再会”を楽しむこともあるのだ。

こちらは東京ゲームダンジョン6より,リリースが近いと知って気になっていた作品を取材したパターンの「至れり尽くせリ」関連記事
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やっぱり傾向と対策。ハックしたいメディアの記事をリサーチする


4Gamerの場合,BitSummitのように取材チームを送り出す大きなイベントが開幕すると,こちらのようにいわゆる開幕記事が掲載される。ここから現地取材記事がどんどんUPされていくので,関連記事一覧のリンクなのでどのようなゲームがどう取り扱われているかを見てみるといいかも
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 最後に紹介するのは,ど真ん中の正攻法。メディアを使って自身のゲームをアピールするなら,そのメディアが“どのイベントで,どんなゲームを,どのように取り上げているか”を知っておくということ。彼(か)を知り己(おのれ)を知れば百戦殆(あやう)からず……つまりリサーチしておくのだ。

 ゲームイベントに出展するのであれば,たとえば「4Gamer」「BitSummit」といったように検索エンジンでゲームメディア名+イベント名を検索し,過去どのような形で記事が作られているかチェックしてみてほしい。また4Gamerの場合はイベント取材記事内に下のような「関連記事一覧」というリンクがあり,そのイベント用のタグで管理されていることが多いので検索はラクかと思う。

 興味を持ったイベント取材記事にいくつか目を通しておくと,ゲームイベントに出展したとき,「自分のゲームならどう取りあげられるだろう」というシミュレートができるようになるだろう。また,記事映えする展示のアイデアをひらめくキッカケになるかもしれない。

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 京都・みやこめっせにて本日(2024年7月19日),国内最大級のインディーゲームイベント「BitSummit Drift」が開幕した。開催期間は7月19日から7月21日まで。本稿では会場の模様を写真多めでレポートしよう。

[2024/07/19 20:53]

関連記事一覧の例(BitSummit Driftの取材記事一覧)


 以上,取材する人間の側からゲームをイベント出展する際の,メディアを活用したゲームのアピール方法を紹介してみた。実は取材する者としても,ここで挙げたものがいろいろ揃っていると取材がしやすく,質の高い,あるいは読んでいて楽しい記事に仕上げやすくなるのでけっこう嬉しかったりする。

 なによりこれはメディア相手だけの話ではなく,新しい出会いを求めてイベントにやってくるゲームファン,会場で有望な作品やチームを探しているパブリッシャに対しても通じるものだ。来場者がブースの前で足を止め,ゲームを遊んでくれるきっかけを増やしてくれるだろう。その足を止める人のひとりであるメディアを活用し,自身が作り上げたゲームをさらに広い世界に発信しよう。

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