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ゲームで児童発達支援の知識を学ぶ。医療的ケアが必要な子どもとその保護者に向けた支援を行う「Mテラス」によるシリアスゲーム[TGS2024]
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印刷2024/09/29 11:37

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ゲームで児童発達支援の知識を学ぶ。医療的ケアが必要な子どもとその保護者に向けた支援を行う「Mテラス」によるシリアスゲーム[TGS2024]

 シリアスゲーム。この言葉もここ数年でかなり認知度が上がったように感じる。これは社会の諸領域における問題解決のために開発・利用される(デジタル)ゲームを指す言葉で,経営や戦争,教育,そして医療など,さまざまなテーマで作品が制作されている。

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 東京ゲームショウ2024のMテラスのブースには,新生児医療感染対策児童発達支援をテーマにしたシリアスゲームが出展されていた。
 Mテラスは,医療的ケアが必要な子どもや保護者,妊産婦およびその支援に関わる人たちに向けた情報発信やサポートを行う団体だ。ブースに出展されているゲームは,「はじめてのNICU」「はじめての感染対策」,そして新作の「はじめての児童発達支援」という3タイトル。どれも団体の代表である信州大学医学部助教の三代澤幸秀氏が制作に関わっている。

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 三代澤氏のこれまでの活動については,以前のイベントレポートでも詳しく説明している。長い年月,新生児医療に携わってきた三代澤氏は,経済的要因,家庭的要因で子育てが困難な妊産婦,医療的ケア児に関する問題と,それに対応するための「多職種連携」を知ってもらうべく活動を開始した。以前は映像や演劇を活動の中心としていたが,新型コロナウイルス感染症が蔓延し,対面での活動が困難となったときに考えたのがゲームという形式だった。

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 日本デジタルゲーム学会のゲーム教育部会は,2023年4月11日,「ゲーミファイ・ネットワーク 第17回勉強会」をオンラインで開催した。セミナーでは,信州大学 医学部 小児医学教室 三代澤幸秀氏が,自身が開発した“新生児医療を学べるシリアスゲーム”について講演を行った。

[2023/04/14 17:56]

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 もともとアドベンチャーゲームやノベルゲームはプレイしていた三代澤氏だが,いざシリアスゲーム制作に取り組んでみて,ゲーム開発の大変さを知ったという。プログラミングが趣味の学生が関心を示したことを転機に,三代澤氏と学生たちのチームによる開発がスタートした。最新作となる「はじめての児童発達支援」は,これまでのテキストゲームから,RPGツクールを使ったロールプレイで発達支援に関する知識を学べるゲームとなった。


 「はじめての児童発達支援」は,とある児童発達支援センター(長野市に実在する施設をモデルにしている)を舞台にした作品だ。プレイヤーは施設の職員や子どもたち,保護者との関わりを通じて,支援活動や医療的なケアを学べるという。
 
 ブースにいた三代澤氏に話を聞くと,今回の出展はゲームを知ってもらうことや,プレイを通して発達支援を知ってほしいということはもちろん,ゲーム開発のサポートを募りたいという考えがあるという。
 現状は三代澤氏と医学生のチームで,学校の講義を終えてから集まって開発しているが,これでは本来取り組むべき学業に支障が生じてしまう。安定した制作環境を整えるために,ビジネスとして興味を持ってくれるゲーム関係者にもこのプロジェクトを知ってもらいたいと考えているそうだ。実際,ビジネスデイでは想像よりも多く,ブースに関心を抱く人が見にきてくれたという。

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三代澤氏とゲーム開発に関わる学生のみなさん

 ちなみに筆者がなぜMテラスに興味を持ったかといえば,自身にも来年小学校入学を控える6歳の子どもがいるからだ。このゲームで学べる児童発達支援の知識は,自分自身の子どもはもちろん,クラスメイトの子どもたちとも付き合うことになるであろう保護者として,必要になるはずだ。
 「はじめての児童発達支援」はブラウザで,「はじめてのNICU」「はじめての感染対策」はブラウザおよびiOS/Androidアプリで,いずれも無料でプレイできる。関心を持った人は,ぜひ遊んでみてほしい。

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「はじめての児童発達支援」公式サイト

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