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AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う
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印刷2014/05/20 13:01

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AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う

画像集#002のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う
 2014年5月20日13:01,AMDは,組み込み向けプロセッサ「Embedded R-Series」(以下,R-Series)の第2世代モデルを発表した。R-SeriesはこれまでTrinityコアを採用していたが,開発コードネーム「Bald Eagle」(ボールドイーグル)と呼ばれてきた新世代R-SeriesはKaveriコアを採用するのが特徴だ。つまり,「Steamroller」アーキテクチャに基づくCPUコアと,「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャに基づくGPUコアが統合されたAPUというわけである。

2014年(と2013年)のAMD製組み込み向けプロセッサ一覧。「Adelaar」という開発コードネームで呼ばれていたGPUは「Radeon E8860」として発表済みだ
画像集#007のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う

 発表時点のラインナップは下記のとおりで,KaveriベースでありながらGPUコアの無効化されたCPUも用意されるのはトピックといえるだろう。

  • Embedded R-Series RX-427BB APU
    12 Compute Cores(Streamroller Module×2+GCN Compute Unit×8),TDP 35W,CPUコア定格クロック2.7GHz,CPUコア最大クロック3.6GHz,GPUコア定格クロック600MHz,GPUコア最大クロック686MHz,デュアルチャネルDDR3-2133
  • Embedded R-Series RX-425BB APU
    10 Compute Cores(Steamroller Module×2+GCN Compute Unit×6),TDP 35W,CPUコア定格クロック2.5GHz,CPUコア最大クロック3.4GHz,CPUコア定格クロック576MHz,GPUコア最大クロック654MHz,デュアルチャネルDDR3-1866
  • Embedded R-Series RX-225FB APU
    5 Compute Cores(Steamroller Module×1+GCN Compute Unit×3),TDP 35W,CPUコア定格クロック2.2GHz,CPUコア最大クロック3.0GHz,GPUコア定格クロック494MHz,GPUコア最大クロック533MHz,デュアルチャネルDDR3-1600
  • Embedded R-Series RX-427NB CPU
    4 Compute Cores(Steamroller Module×2),TDP 35W,CPUコア定格クロック2.7GHz,CPUコア最大クロック3.6GHz,メモリコントローラ情報未公開
  • Embedded R-Series RX-219NB CPU
    2 Compute Cores(Steamroller Module×1),TDP 17W,CPUコア定格クロック2.2GHz,CPUコア最大クロック3.0GHz,デュアルチャネルDDR3-1600


新世代R-Seriesで国内のパチンコ・パチスロ市場を狙うAMD


 正式発表に先立ってAMDの日本法人である日本AMDは都内で報道関係者向け説明会を開催。AMD本社で組み込み製品部門のディレクターを務めるKamal Khouri(カマル・クーリ)氏がR-Seriesの概要を説明した。
 氏によれば,AMDが想定しているR-Seriesの主なターゲットは,デジタルサイネージと医療分野(※とくにデジタルイメージング関連),工業分野,そして遊技場関連である。

AMDが組込み製品において注力する6分野。R-Seriesはこのうち,CPUおよびGPUの性能が求められる,スライド上から4つの分野に向けた製品になるという
画像集#007のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う

 遊技場関連というと,ゲームセンターというイメージを持つ人が多いだろうが,「とくに日本ではパチンコ・パチスロマシンが大きな市場になると期待している」とKhouri氏。AMDが,日本のパチンコ・パチスロマシン市場へ進出する意志を明確にしたのは,筆者の知る限り今回が初めてだ。
 この市場は当局による規制が非常に厳しいので,AMD製CPUコア採用製品に認可が下りるかどうかは何とも言えないが。

 さて,そんな新型R-Seriesは,Kaveriベースということもあり,HSA(Heterogeneous System Architecture)が有効な,世界初の組み込み向け製品というのが特徴となる。HSAのサポートにより,プロセッサとしての演算性能が競合のIntel製品や前世代製品と比べて大幅に向上し,また,3D性能も向上したと,Khouri氏はアピールしている。

画像集#004のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う
GCNアーキテクチャに基づくGPUコアを統合することで,3D性能は,競合製品に対して最大44%,高前世代のR-Series比で最大55%高くなったという
画像集#005のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う
HSAによりプロセッサとしての演算性能も向上。対競合製品では最大46%,対従来製品では最大66%も高い性能が得られるという

 さらに,R-Seriesは,2月に発表された組み込み向けGPU「Radeon E8860」との「Dual Graphics」構成に対応しており,(APU版R-Seriesであれば)「最大64%も3D性能を引き上げられる」(Khouri氏)そうだ。
 Dual Graphics構成では,最大で9台――APU側が最大4台,GPU側が最大5台――のマルチディスプレイをサポートする。「これを使えば“モンスター”なパチンコ・パチスロマシンが実現できるだろう」と,Khouri氏は少々冗談めかしてマルチディスプレイをアピールしていたが,確かに9台ものディスプレイをサポートできる組み込み製品は珍しい。

R-SeriesとRadeon R8860のDual Graphicsにより,最大9台のマルチディスプレイをサポートする
画像集#006のサムネイル/AMD,Kaveriベースの組み込み向けプロセッサ第2世代モデル「Embedded R-Series」を発表。国内ではパチンコ・パチスロ市場を狙う

 ちなみに,パチンコ・パチスロマシンは複雑な規制と裏表の関係にある少々特殊な業界だが,日本AMDの担当者に取材したところ「具体的な話はできないが,すでに営業を始めていて手応えもある」と語っていた。そう遠くない将来,AMDのAPUを搭載するパチンコ・パチスロマシンがお目見えすることになるかもしれない。

AMDのR-Series製品情報ページ

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