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不思議な魅力と空気感を持つ,日記の中を旅するインディーズゲーム「Lost Words」をプレイしてみた
「Lost Words」公式サイト
文字どおり,日記の中を旅するゲーム
「Lost Words」はイギリスに本拠を置くインディーズデベロッパFourth Stateが開発中の,たぶん,アクションパズルと呼ぶのが一番内容をよく表しているタイトルだ。
ゲームとしてはきわめて一般的な構造で,2Dサイドビューの固定画面に対していくつかの足場が設定してあり,主人公を操作してゴールまでたどり着けば良いだけ。インタフェースは[A][D]キーで左右,[W]でジャンプ,マウスを使って環境に対するインタラクションを行うという,いたってスタンダードな構成だ。
だが本作は,ひと目で「これは違う」という強い印象を与える作品になっており,これはもう,実際に画面写真を見てもらうのが早いだろう。
ご覧のように,プレイヤーキャラクターは,自分が書いた日記の文章を足場にして,ステージをクリアしていくわけだ。散らばっている単語をマウスを使って正しい場所に戻したり,挿絵を操作して足場を新しく作ったり,例えば「Fire」という単語を使って障害物を燃やしたりしながら,先に進んでいく。
また,ゲームの進行にともない,プレイヤーキャラクターが別の物語に入り込むこともある。延々とシンプルな日記帳の中でパズルを解くだけというわけではないのだ。
明らかな弱点といて挙げられるのは,本作のローカライズがおそろしく困難であるということだろう。当然,この点については開発者達も認識しており,「日本語版や中国語版を作るとなると,事実上,ゲームを作り直すことになってしまう」と語っていた。
すばらしいゲームとして仕上がるポテンシャルを秘めた作品だが,内容を十分に堪能するには,それなりの英語力が必須となる。
叙情的なゲームが好きな人にはもってこい
「Lost Words」を開発中のFourth Stateは,フルタイムでゲーム制作に打ち込むメンバーが4人,パートタイムの協力者が数人という構成でゲーム作りを続けているそうだ。シンプルなゲームに見えるが,最初のきっかけ――ゲームジャムでForth Stateの創設者Mark Backler氏が基本となるゲームを作ってからは4年が,また,開発チームを編成しアニメーションの専門家などを招いてからは2年が経過しているとのこと。
リリースは2018年2月,まずはSteamで発売される予定になっている。その後,状況を見ながらコンシューマ機への移植も考えていきたいとのこと。日本語版はきわめて望み薄だが,ご覧のように,それほど難しい単語は出てこないし,英文も短いので,英語でも問題ないという人は,ぜひトライしてほしい作品だ。
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