2026年10月中旬,セガのRGGスタジオが開発中のアクションアドベンチャー
「STRANGER THAN HEAVEN」 (
PC /
PS5 /
Xbox Series X|S )の最新ビルドを試遊する機会を得た。
実機プレイムービー
2027年1月15日 の発売が近づく本作だが,今回は物語の開幕を告げる1915年のサンフランシスコから小倉編にかけてのストーリーを体験し,呉やミナミにおける街歩きやバトルの手触りを確認できた。
これまで「大東の人生」というテーマが強調されてきた本作だが,今回は筆者が実家を出たばかりの頃を思い出させるような彼の青年時代が鮮明に見えてきた。
※本稿では物語(ストーリー)の展開を一部紹介しています。
ビールの苦さにむせる大東。若い
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セガは本日(2026年10月16日),同社が2027年1月15日に発売を予定している「STRANGER THAN HEAVEN」 の最新映像「第一部 小倉編 ストーリートレーラー」 を公開した。アメリカで迫害を受けていた大東が,貿易商オルフェウスの「幽霊船」に忍び込んで日本を目指す経緯や,最初にたどり着く小倉での物語が紹介される。
[2026/10/16 23:00]
1915年,サンフランシスコ。
主人公・大東 真 (演:城田 優)を待ち受けているのは苦境の連続だ。警察から,捜査の手抜きを隠すためのスケープゴートにされかけ,逃げ込んだ路地裏で干からびた芋を拾い,むさぼる。おそらく頼れる相手はいないのだろう。
アメリカ人の父と日本人の母をルーツに持つ大東は,この国を捨て,母の故郷に渡ろうとしていた。しかし警察に追われているうちに,船は彼の目の前で出航してしまう。
あきらめきれず,今まさに出航しようとする別の船に泳ぎ着き,無謀にも密航を試みる。
なんと船内には密航者がもう1人いた。それが
真城 優 (演:ディーン・フジオカ)である。2人は船員に見つかり,船長の
オルフェウス (演:Snoop Dogg)はサメの餌として海に投げ込むように命令するが……。
貧困と暴力が渦巻き,そしてどこか「海賊もの」のようなノリのオープニングから,大東と真城の波乱に満ちた
50年間の旅路 が始まる。
1915年 小倉――大東の生き方の原点
大東がたどり着いたのは,
福岡の小倉 だった。彼を拾ったのは,密輸船の船長であり貿易商のオルフェウス。そして,そのビジネスパートナーである八島貿易商会の社長・
八島平吾 (演:大塚明夫)だった。
一見すると活気に満ちた貿易商会だが,八島たちが身にまとう印半纏(しるしばんてん)の背中には,まるで骸骨旗のような意匠が施されている。どうやら,なかなかにアウトローな連中の集まりらしい。
そんな八島から任されたのは,敵対する大木組の親分・大木の愛人(イロ)である
松本タエ (演:穂志もえか)を「寝取ってこい」という無茶な仕事だった。
しかし,身売り同然で小倉に来ていたタエは,この地で苦労している大東に,かつての自分の姿を重ねたのかもしれない。大東が八島貿易商会の若い衆だと知りながらも,自分の長屋へ招く。
だが大東は嘘をつき通せず,正直に指示されて来たことを明かしてしまう。その愚直さに毒気を抜かれ,タエはぽつりと「本当は歌が好きで,歌で食っていきたかった」と昔の夢を語る。
この一言こそが,のちに大東が興行師として身を立てていく情熱の原点になっているのかもしれない──。
そんなストーリーの合間には,1915年の小倉ならではの街歩きも楽しめた。
道端でシケモクを拾い,香ばしい野草を摘むなどしてアイテムを集めたほか,指の間にナイフを素早く刺していくフィンガー・フィレット風のミニゲームもプレイできた。
屋台の品書きを覗くと,牛丼と並んで小倉名物の「陣立(じんだ)煮丼」を発見。青魚をぬか床と調味料で味付けしたものらしく,実にうまそうにかきこむ様子が印象的だ。
深夜にプレイしていたら,確実に飯テロ案件である
また,倉庫の警備を手伝う場面では,唐草模様のほっかむりをかぶった泥棒をこらしめることに。ここまでベタな泥棒なんて久々に見たが,細かいところにこそ,RGGスタジオらしい遊び心が詰まっている。
オルフェウスからは紙巻タバコの楽しみ方を教えてもらえるが,タバコの葉に混ぜ物をして「味変」させられる。これが「チャンスタイムが発生しやすくなる」などのバフ効果になるようだ。
しばし小倉の街の風情に浸っていたのも束の間,八島貿易商会の若い衆から「小倉から逐電した大木の愛人が捕まった」と知らされる。
「お前に惚れた女に手を出されたら,八島に弓を引いたも同じ」
八島の親分はいかにもヤクザな理屈を並べ,出入りの決意を固めていた。実際は抗争の口実なんて何でもよく,大木が邪魔なのだろう。いずれにせよ,話が一気にきな臭くなってきた。
親分は英語も堪能らしく,セリフの一部は英語だ
同じ頃,大木は江戸の世に作られたという洞窟牢でタエをいたぶっていた。
さらに,見張りの若い衆が自分の陰口を叩いていたのを聞きとがめるやいなや射殺。八島の思惑は百も承知,こちらも臨戦態勢といった様子だ。
出入りを前にして,街でしっかり準備を整えることに。薬屋で回復薬を買い,武器屋で装備を吟味すると,「熟練度ボーナス」や「鍛錬度」,さらに追加効果と思われる「開花特性」といったキーワードが確認できた。武器は使い込むほどに手に馴染み,強化もできるようだ。
八島貿易商会の若い衆とともに,大木が陣取る製鉄所へと乗り込むと,そこかしこで乱闘が始まる。
ここで鮮烈だったのが,日本刀を使った強烈な一撃(フィニッシャー)だ。相手に当てた刀で強引に押し斬り,そのまま倒れたところにグッサリとトドメを刺す。現代劇どころか,時代劇でもなかなか見られない刃物の扱いに,思わず「うへっ」と声が漏れてしまった。
道中に挟まれる会話シーンや中ボス戦,即死回避のQTEなどは,やはり「龍が如く」の組事務所にカチ込む感覚を彷彿とさせる。
そして製鉄所の最奥で待ち受けていたのは,これまでの試遊版で何度か戦ったスキンヘッド(名は志村)。「本来はここで戦う相手だったのか!」と思わぬ再会に感慨があった。
1929年 呉のアンダーグラウンド,1943年 ミナミの興行ビジネス
1929年の広島・呉 で楽しめたのは,主に街歩き。ここでは映画「ファイト・クラブ」を思わせるアングラな喧嘩賭博場に立ち寄ってみた。
この時代の大東は金髪にしており,アメリカ生まれであることを積極的にアピールしているようだ。さすが狂騒の20年代(ローリング・トゥエンティーズ)といったところか。
いきなりバールでドカッ!
ダウンしながらも身をひねって回避
勝負に不利な条件を付けることで,勝利報酬を上乗せできる
倒した敵から強力な武器が手に入ることも
喧嘩賭博場を無敗で勝ち抜き,調子に乗ったわけでもないのだが,街外れで遭遇した謎の男には大苦戦を強いられてしまった。
ゆらゆらと手を動かしてフェイントをかけるうえ,投げ技まで仕掛けてくるため,簡単には相手の出方を把握できない。さらにジャストガードでスキを作っても,すぐにバックステップで距離を取られるため,これまでの感覚ではなかなか追い打ちも決まらず,攻めあぐねる。
何度も再戦を試みたものの,今回の試遊では一度も勝てなかった。
チャンス! と思っても追撃が入らない
一方,
1943年の大阪・ミナミ では,大東は堂々たる興行会社の社長へと出世している。
ここでは,彼の本業である
「ショービジネス」 に関するシステムを試してみた。街中に散らばる「音ネタ」をインスピレーションとして集めていくと,大東の興行力がアップしていく仕組みだ。
子供たちがメンコで遊んでいるのを見て,ビビっと来た大東
道頓堀に浮かぶ船の音からも何かを思いつく
大東が集めたインスピレーションをミュージシャンの
タカシ (演:藤原 聡)に伝えることで,興行に使う曲の新しいムードやアレンジが開放されていくようだ。
曲の雰囲気を変えたり……
興行で使う曲や出演者,演出などを決めたり……
すべてを決定したら,あとはパフォーマンスを見守る。楽曲に合わせて照明や演出を操作するが,難しいものではなく,じっくりと鑑賞できる
戦時下らしく,軍歌っぽい演目やギリギリ敵性音楽とされなかったドヴォルザークの「新世界より」(彼はアメリカ滞在時に黒人音楽やフォスターの影響を受けている)なども選択できる
今回の試遊では,約2時間で3つの時代を駆け抜けた。それぞれの背景が伝わる重厚なドラマはもちろんのこと,過酷な時代を生き抜くリアリティをしっかりと堪能できた。
筆者は映画「ゴッドファーザー」三部作や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「アイリッシュマン」といった,裏社会に生きる者たちの野望と生き様,そして夢の終わりまでも描き出すような壮大なスケールを本作から感じる。
RGGスタジオが手がける「龍が如く」シリーズのファンだけでなく,「今」ではない時代を描いたドラマや,アウトローの生き様を追う映画やコミック,アニメ,そしてゲームが好きな人にとって見逃せない作品になるはずだ。