Apple，App StoreからEpic Gamesのアカウントを削除。同社ゲームの新規ダウンロードやアップデートが不可能に

　北米時間の2020年8月28日，Appleは事前予告のとおり，Epic Gamesのアカウントを削除した。

　8月24日に掲載した連載記事「Apple対Epic Games：『フォートナイト』のプレイヤーを巻き込んだ戦いの幕開け」などで詳しく紹介したとおり，これは，Epic Gamesが開始した独自の課金システム「Epic ディレクトペイメント」がApp Storeの規約に違反しているとして，App Store（およびGoogle Play）から「フォートナイト」が削除されたことに始まる出来事だ。
　Appleは，8月28日までにEpic Gamesが違反行為を止めなければ，Epic Gamesの開発者アカウントを停止すると警告し，それに対してEpic GamesはAppleが独占的地位を濫用していると裁判所に訴えを起こした。


　今回のAppleの措置により，すでに削除された「フォートナイト」だけでなく，App StoreにあったEpic Gamesのほかのタイトルも姿を消したという。すでにダウンロードしている人は引き続きプレイできるが，アップデートや再インストールは不可能になり，とくに1億5000万と言われる「フォートナイト」プレイヤーの今後に影響が出そうだ。

　なお，Epic Gamesが訴えたカリフォルニア州北部を管轄する地方裁判所は，Appleによる「フォートナイト」の削除は認めたものの，「Unreal Engineに関連した開発者アカウントの停止」は認めないといった命令を下しているため，今のところ，Epic GamesのUnreal Engineで作られた，あるいは開発中のゲームについて影響はない。

　今後，法廷での争いが続いていくと思われるが，ゲーム産業にとって大きなインパクトを与える裁判であるだけに，動向が注目されている。