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「Pokémon GO」はなぜこんなにも人々の心を掴んだのか――その裏側とこれからの方向性を開発者に聞く
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印刷2016/10/13 00:00

インタビュー

「Pokémon GO」はなぜこんなにも人々の心を掴んだのか――その裏側とこれからの方向性を開発者に聞く

 新しい技術――それが生む新たな遊びは,実際に触れてみなければどちらへ転がるか分からない。世界中にポケモントレーナーを生んだ「Pokémon GO」iOS / Android)もその1つだ。


 “リアルワールドを舞台にポケモンを捕まえる位置情報ゲーム”。そう説明をされてもこの手のシステムに触れたことがない人にとっては,なかなか想像しづらいところもあっただろう。ローンチ前に行われたフィールドテストでは,「これはゲームではない,何が面白いのか」と厳しい声を上げ匙を投げるテスターさえもいた。作品は進むべき方向へと進んでいたが,幕が上がる瞬間まで,このプロダクトがどのような化学変化を起こすのか,誰も予想できていなかった。

 では,2016年7月のローンチを境に世界はどのように変わっただろうか。

 人々はスマホを片手に外へ飛び出し,街の至るところでモンスターボールを投げている。閑散としていた公園には多くのポケモントレーナ―が集まり,賑わいを見せた。右を見渡せば親子が,左を見渡せば老夫婦が,ポケモンを捕まえることに熱中している。子供やコアなゲームファンが,自宅で黙々と閉じた空間で遊ぶという,いままでの“ゲーム”に対するぼんやりとした認識を打ち砕く,初めてのプロダクトが誕生したとも言える。興味も趣向も異なる全ての世代が「Pokémon GO」にのめり込んだのだ。


 この世界的な大ヒットはなぜ生まれたのか,ゲームメディアの人間として分析してみると,「ゲーム内に物語る要素が希薄であり誰でも遊べるシンプルなゲームであったから」という1つの答えが導き出せる(世界中の人に愛されるIPと,位置情報ゲームの“人を動かす力”の組み合わせが生む魅力については言うまでもないだろう)。果たしてそれだけだろうか? 幸いにも,野村達雄氏の来日に合わせて開催されたラウンドテーブルの際に,インタビューの機会をもらうことができた。

写真左から,Niantic 河合敬一氏,ポケモン 宇都宮崇人氏,Niantic 野村達雄氏,ポケモン 曽羽孝則氏

 開発のキーマンに話を聞けるまたとない機会なわけだが,「次はどんな機能が実装されるんですか?」などという話を聞くのも野暮というもので,開発者の視点で同作がなぜヒットしたのかを紐解くことにした。同時に「Pokémon GO」のこれまでと,彼らが見据える“これから”を知ることで,どういった歩みを見せていくのかがおのずと見えてくるのではないだろうか。Nianticの野村達雄氏,河合敬一氏,ポケモンの宇都宮崇人氏,曽羽孝則氏に話を聞いてきたので,ここにお伝えしよう。

「Pokémon GO」ダウンロードページ

「Pokémon GO」ダウンロードページ

「Pokémon GO」公式サイト



ポケモンとARの融合で起きた化学変化――
幅広い世代に,なぜ受け入れられた?


4Gamer編集部(以下,4Gamer):
 「Pokémon GO」のインタビューがあると聞いて,トレーナーレベルの上がった僕(Kazuhisa)もそろそろ話を聞いてみたいなと,割り込みで取材に来てみました(笑)。よろしくお願いします。

野村達雄氏(以下,野村氏):
 よろしくお願いします。

4Gamer:
 今朝App Storeのアプリランキングをチェックしてみたら,「Pokémon GO」は無料ランキング48位,セールスランキング5位(編注:2016年9月27日時点)と,リリース直後のすさまじい喧騒がだいぶ落ち着いてきた印象です。
 これまでを振り返ると良いことも悪いことも含めて,さまざまなことが起きてきましたが,この喧騒についてみなさんはどのように捉えているんでしょうか。

Niantic シニア・プロダクトマネージャー
Pokémon GOディレクター
野村達雄氏
野村氏:
 「Ingress」の頃から,リアルワールドゲームが人を外に連れ出すきっかけとなり,そこから新たなコミュニケーションが生まれる知見を得ていました。その人を動かす力に老若男女が受け入れられるコンテンツ“ポケモン”が加われば,「爆発的なヒットになるのでは」というある程度の予想もありました。

4Gamer:
 以前発表されていましたけど,100以上の国や地域で配信され,ダウンロード数は5億回以上。同作で遊ぶトレーナーの移動距離は総計で46億kmにもなり,地球から冥王星の距離に値するとか。これはすさまじい。

野村氏:
 予想を遙かに超える広がりに正直驚いてます。

4Gamer:
 こういった爆発的な広がりを見せると,なにかとネガティブな話題が取り上げられがちですけど,ポジティブなニュースも耳にしますね。

野村氏:
 はい,うれしいことにフィジカルセラピーで利用される報告もたくさんいただいて,自閉症の子供が「Pokémon GO」を遊び始めてから,外で見知らぬ人とコミュニケーションをとっているケースもありました。こういったポジティブな影響やニュースを与えられてよかったと感じています。

Pokémon GO Pokémon GO

4Gamer:
 僕は農家のおじいちゃん,おばあちゃんが住むような田舎で生活していまして,そんな場所であるのにも関わらず近所のみんなが「Pokémon GO」で遊んでいますよ。

野村氏:
 ご年配の方がですか……?

4Gamer:
 ええ。孫,娘,おばあちゃんの3世代で遊んでいるような姿もよく見かけます。

野村氏:
 それはうれしいですね。

4Gamer:
 今までのコンピュータゲームの歴史を振り返ってみるに,これほどまでに複数の世代を巻き込んで遊ばれた作品が過去にあったかというと……実は前例がない気がするんです。野村さんは思いつきますか?

野村氏:
 んー……世代というと確かにそうかもしれません。でも爆発的なヒットを生んだゲームの実例を挙げるとしたら「ポケットモンスター 赤」じゃないですかね! 

(一同笑)

野村氏:
 発売当初はちょうど小学生でしたけど,給食の時間はみんなで「めざせポケモンマスター」「ポケモン言えるかな?」を歌っていましたよ。

4Gamer:
 野村さんはその世代なんですね。

宇都宮崇人氏(以下,宇都宮氏):
 ポケモンが今年20周年を迎えたので,当時10歳の子であれば今ちょうど30歳……ちょうどいい世代ですね(笑)。

4Gamer:
 もう20周年……時の流れは早いものですね。
 ゲームとしてヒットしているタイトルって,「ドラゴンクエスト」然り「ファイナルファンタジー」然り,さまざまなタイトルが挙げられると思うんです。でも本当の意味で,これほど多くの親と子が同時に楽しめているのは「Pokémon GO」が初めてなんじゃないかなと。プレステ1で,リビングにゲーム機が置かれるようになってきた頃からそういったムーブメントはありましたけど,ここまでのものではなかった気がしていますし。

野村氏:
 ああなるほど。これほど多くの世代に遊んでいただけたのは,「Pokémon GO」がゲームではなくコミュニケーションの手段に使うツールとして受け入れられていることが大きな理由なのではないかと思いますよ。

4Gamer:
 確かにゲームというよりも“ツール”ですよね。

野村氏:
 そうです。「Ingress」で開拓したジャンルに,20年間育ててきたポケモンのブランドがうまく融合し,ツールとして生活に寄り添っている。

4Gamer:
 言われてみれば,お恥ずかしい話ですがローンチ前は,シリーズのファンやリアルワールドゲーム好きな人に受け入れられていくと思っていましたけど,実際に周りを見渡してみると,ポケモンを深く知らない人がむしろ喜んで遊んでいます。隣に住んでいるおばあちゃんがポケモンに詳しいかというと,きっとそうではないのに。

野村氏:
 孫が遊んでいたという“つながり”があるのかもしれません。

4Gamer:
 当時遊んでいた姿を見ていたからなんとなく知っていた,と。

ポケモン 専務執行役員
宇都宮崇人氏
宇都宮氏:
 実際に「Pokémon GO」は,多くの50〜60代の方にも遊んでいただいています。僕らは予想していなかった世代なんですけど,これをさっきの20周年の話に絡めて考えると,ターゲットとしている世代の親御さんが今ちょうど50〜60代なんです。つまり子供を通じてポケモンのことを知っている世代なんですよね。

4Gamer:
 そういった人こそポケモンに詳しい。

宇都宮氏:
 ええ。その人達が50〜60代マーケットのファーストムーバ―として動いた結果,ここまでの広がりが生まれたんです。

4Gamer:
 それは僕自身も実感しています。とはいえ,公園で「パラスいるわよ!」とおばちゃんが声をあげる日が来るとは思いもしませんでしたが(笑)。

宇都宮氏:
 おっしゃるとおりです。野村さんの世代を「Pokémon GO」のターゲットにすることは我々の中で明確でしたけど,ターゲットとして見ていなかった親御さんの世代にも響いたのは,正直意外でした。

4Gamer:
 年代というところで言うと,「ポケットモンスター 赤・緑」を知らない近所の高校生が新鮮な気持ちで「Pokémon GO」を遊んでいる姿を見て,なるほどポケモンというIPの“再起動”にもなるのだなと,妙に感心しました。

野村氏:
 そうですね。「Pokémon GO」によって,今までポケモンのゲームが届かなかったような地域においても,ポケモンのブランドを広めることができると思っています。ポケモンは日本が誇る素晴らしいIPですから。

4Gamer:
 IPの力もそうですが,スマホという世界共通のプラットフォームを選んだので,これをもう少し進めていくと「Pokémon GO」は“ポケモンというIPを世界に広げるよいエバンジェリスト”になり得るのでは。

野村氏:
 未配信の国/地域への配信準備を進めて,世界中の,できる限り多くの方にポケモンのブランドに触れていただけたらうれしいですね。近々,アフリカでも配信開始予定(※編注:2016年10月4日に配信を開始なのですが,現地のみなさんに「Pokémon GO」をどのように遊んでいただけるのか,非常に楽しみです。



面白さに正解はない――開発者とヒットの要因を探ってみる


4Gamer:
 僕はゲームメディアの人なので,そちらに軸足を置いた話をしますが,比較的濃い目のゲーム性を好む4Gamerの読者にとって,「Pokémon GO」は“ゲーム”としては面白くないと思われている節がありますし,その気持ちも実はよく分かります。しかし一方では,社会現象になるほど本作は幅広い年代に遊ばれているわけで,そういった部分を開発者の視点で見たときに,「Pokémon GO」の何がウケていると考えていますか?

野村氏:
 これは決して偶然ではなく,間口を広くシンプルなデザインを徹底したことが大きな理由だと思います。エンジニアも開発者も,システムを難しくしてしまいがちなんですが,誰でも理解しやすいよう,「Ingress」のような“リンク”や“フィールド”のような小難しいシステムを取り払ったんです。その狙いがこの幅広い層へのアプローチへつながったと考えています。

4Gamer:
 ゲーム性が複雑なものになるにつれ,いわゆるカジュアルな層は離脱してしまいますしね。

宇都宮氏:
 僕も分析してみましたが,Nianticが作る「Ingress」も「Pokémon GO」も,プラットフォームっぽさがあるからではないかと。

4Gamer:
 プラットフォーム……っぽさ?

宇都宮氏:
 例えばトランプもプラットフォームのようなもので,トランプを遊ぶのではなく,トランプを使ってババ抜きやブラックジャック,占いで遊ぶ。つまりトランプを使って何をするかはプレイヤー次第なんです。

4Gamer:
 なるほど,その例えはシックリきますね。“誰でも理解しやすい”という部分と相反する感覚になってしまいますが,なんとなく洋ゲーっぽいんですよね。「こう遊びなさい」「こっちに行きなさい」という押しつけがなくて,どうやって遊ぶかをプレイヤーに考えさせる。

野村氏:
 「さぁ自由に遊べ」ですね。

4Gamer:
 チュートリアルを終えたあとは,ポケモン図鑑を埋めることに専念してもいいし,好きなポケモンだけ集めてもいい,育成に力を入れたり,ジムバトルに力を入れたりしてもいい。

宇都宮氏:
 そこなんです。起動して「さぁこれを使って何する?」という流れになるのは,Nianticが地図を作る会社の遺伝子を受け継いでいるからこそなのかなと。そこが面白いんです。
 あとは,あれだけの人々がサーバーにアクセスしても止まらずサービスを続けられているというのが,とんでもないことだと改めて思います。

4Gamer:
 はい。古いMMOプレイヤーからすると,あれだけのアクティブユーザーを抱え込んでビクともしないのはかなりの驚きです。この人数でも動くんだと……。

河合敬一氏(以下,河合氏):
 さまざまなインフラに乗っているところもあるので,“僕らが”というよりは,“時代が進化したから”かもしれませんが。

宇都宮氏:
 いやいや,そうであってもすごいですよ。

4Gamer:
 野村さんが言う間口の広さとシンプルなデザインに加え,ポケモンというIPの力を借りている作品ですよね。そこまでのお膳立てがあったとしても,プレイヤーはとても正直ですので,実際に遊んでみて楽しくなければ当然やめてしまうと思うんです。

宇都宮氏:
 そうですね。そこは確かに。

4Gamer:
 でもこれだけの人が今もなおサーバーにアクセスし,継続して遊ばれているということはゲームとしての面白さがきっとあるはずだと思うんです。

Niantic 製品本部長
河合敬一氏
河合氏:
 一義的な正解はないと思いますよ。

4Gamer:
 はい,おっしゃるとおりです。ですが,この作品を考えるにあたってみなさんの考えも聞いておきたいと言いますか。

宇都宮氏:
 逆に4Gamerさんはどうお考えなんですか?

4Gamer:
 ええと……僕はこの仕事をやってるだけあって,それなりにはコアゲーマーだと思うんです。既存の“ゲーム”という文脈の面白さから見ると割と薄味の「Pokémon GO」を,なんでこんなに一生懸命自分で遊んでいるのか考えてみたんですが,これってゲーム中のさまざまなアクションに意図せず仕込まれている「ハッピーなクジ引きの連続」のせいなんじゃないかと思いました。

野村氏:
 ……クジ引き?

4Gamer:
 どちらに曲がるとポケモンがいるのか,道を曲がった先でどんなポケモンに出会えるのか,どのモンスターボールで捕まえられるのか,捕まえたポケモンのCPは高いのか……そういったクジを毎回引いているんだと思います。

野村氏:
 なるほど,それは意識しなかったですね(笑)。

4Gamer:
 例えばよくあるシングル用RPGなら,城の周りには弱い敵しかいなくて,それらは必ず経験値が3しかもらえなくて,宝箱に入っているのはせいぜい薬草なわけです。でも「Pokémon GO」は,常に“当たり”のクジを引ける可能性を秘めたまま,遊び続けられるわけです。しかも無料で。

野村氏:
 言われてみれば,その幸せの連続も確かに理由の1つかもしれません。
 僕が考えたのは,ポケモンのコンセプトである“昆虫採集の楽しさ”が,いったんゲームボーイを通じてバーチャルの世界へ行っただけで,それが「Pokémon GO」を通じて現実世界に戻ってきた,ということなんだと思うんです。

4Gamer:
 遊びが変わったのではなく,遊びのフィールドが変わったと。

野村氏:
 ええ。バーチャルでさまざまな世界へ行くよりも,現実世界を探索して新たな発見をすることのほうが楽しいんです。この土地に何がいるのかを確かめたくなる,人間がもともと持っている“見つけたい”という欲求に,うまく訴えかけられているとも言えます。

河合氏:
 結局のところ私達は,外に出て遊ぶ面白さをいつの間にか忘れてしまっていたんですよね。通勤,通学の間でも,「ポケストップを目指して歩いたら小さな神社を見つけた」といった,発見に満ちあふれている。こういった体験をとおして,街歩きはこんなにも面白かったのかとプレイヤーに気付かせることができたんです。外に出て街を楽しむことと,ポケモンを探して捕まえるゲーム性が,うまく重なったのかもしれません。

4Gamer:
 いつも使っている道から1本外れるだけで,街の印象もガラッと変わりますよね。ああ,こんなところにご飯屋さんがあったとか,こんなオブジェがあったんだという発見もあるし。

宇都宮氏:
 今までは,歩いている時間に触れるコンテンツが音楽ぐらいしかなかったことも理由の1つかもしれません。もちろん歩きスマホはダメですけども。

4Gamer:
 確かに電車やバスに乗っている時間って,スマホを使って動画を見たり,アプリで遊んだり,本を読んだりして過ごしますけど,歩いている時ってそういえば何もしていないですね。

宇都宮氏:
 歩いている時間に楽しめるコンテンツを,きっとみなさん探していたんだと思うんです。その,エンターテイメントが充実していないスポットに,コンテンツとして飛び込めたことが大きいんじゃないかなと。これは「Ingress」を遊んだときも強烈に感じました。

4Gamer:
 現実的に見て,外に出なければ遊べないゲームって今までなかったんですよね。もちろんニンテンドー3DSやPlayStation Vitaといった携帯ゲーム機はありますが,必ずしも外である必要はなく,実際はほとんど家の中で遊ばれているわけです。

曽羽孝則氏(以下,曽羽氏):
 「Ingress」と共通することですけど,「Pokémon GO」はみんなで集まって楽しむ,インターネットがなかった時代の遊び方に近いんですよね。攻略サイトを見てネットでチャットをする,インターネットをとおした交流ではなくて,現実世界で直接会って交流している。

宇都宮氏:
 それは,みんな言うよね。

曽羽氏:
 こうして人と集まってゲームをすることは僕らの世代からするとすごく懐かしい,けど若い人からすると新鮮なんです。

野村氏:
 すごくアナログな感覚ですよね。

曽羽氏:
 そう,この感覚は久しぶりだなって。

4Gamer:
 コミュニケーションをとる機能が内包されていないのに,コミュニケーションをとることを“いい意味で”強制させられますよね。

曽羽氏:
 そうなんです。

宇都宮氏:
 あとは,公園に行くことも小学校以来だったりしますよね。なんとなく公園に集まって遊ぶって。

河合氏:
 行くと誰かがいて,遊んでいたから流れで混ぜてもらう,みたいな話ですよね。

宇都宮氏:
 面白いのが,チーム戦を義務づけず“人と一緒に何かをすること”に依存しないよう作っていたはずが,蓋を開けてみると2人,3人で遊びに行く人や,周りのプレイヤーと話し合いながら遊んでいるんですよね。ゲーム性は閉じているのに,むしろみんなで遊んでいるんです。

4Gamer:
 チームに所属しない選択ができますし,1人でポケモンを探しにいってコッソリ遊ぶこともできますね。

野村氏:
 僕は一緒に遊ぶようになるだろうと想定していましたよ。ポケモンを捕まえるシステムにおいても,「誰かがポケモンを捕まえたら,そのポケモンはフィールドからいなくなるのでは?」という議論がありました。

4Gamer:
 僕も最初はそう思ってました(笑)。

野村氏:
 ただ,仮にそうしてしまった場合,ほかの人と楽しさを共有できず一緒に遊べないんです。ほかの人が見ているポケモンを自分も見ている,周りの人と同じ世界を見ることで,みんなと楽しさを共有できるんじゃないかと。

4Gamer:
 宅配便のお兄さんが来ると,いつもレベルがいくつになったか,どこに何がいるのか自慢してくるんです(笑)。
 でもこれって,きっとプレイヤーのスキルに大きな差がつかないからこそ,人に何かを言いたくなるのかもしれません。コミュニケーションが強制されていないのに,話したくなる。

野村氏:
 「何を捕まえた?」って,話のきっかけになるんですよね。

河合氏:
 アメリカだと,見知らぬ子供と話す機会はあまりないんだけど,街を歩いていると「お兄ちゃん,あそこにカビゴン出たよ」って話しかけられることがありましたよ。

野村氏:
 やっぱり,コミュニケーションによるところが大きいと思うんです。ゲームの中にはプレイヤー1人しかいない,けれどゲームの外,現実世界にはたくさんの人がいるから,ゲームを遊んでいるプレイヤー自身が孤独ではない。それがゲームを支える大きな魅力なんじゃないかって。


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