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「GeForce CUP: Overwatch powered by Level∞」グランドファイナルをレポート。USG同門の2チームが熱戦を繰り広げる
2017年5月20日に行われたオンライン予選で,64チームの中から勝ち進んだトップ2チームが,このグランドファイナルにてチャンピオンを決定する戦いへと挑む。賞金総額60万円のうち,優勝賞金42万円と副賞がかかった熱い戦いを,2つのチームが約4時間にわたって繰り広げた。本稿ではその模様をお届けする。
グランドファイナルに勝ち上がってきたチームは「USG Iridata」と「USG Supreme」。同門となるUSG(Unsold Stuff Gaming)に所属するプロゲーマーチームであり,5月21日のプレーオフではUSG Iridataが2−0でストレート勝ちしている。それから2週間,対Iridataの対策を立ててきたというSupremeが,一体どのような立ち回りを見せるかにも注目が集まっていた。
BO4(4本先取)となるグランドファイナルでは,対戦マップをUSG Iridata側から交互にピックしていくことになるのだが,次のピックでは同じマップはもちろんのこと,同じルールも選ぶことができない。この制限は,「エスコート」「アサルト」「コントロール」「アサルト/エスコート」の4つのルールが一巡した第4戦終了後に一度リセットされ,第5戦からまた改めてマップを選べるようになる。
第1戦はUSG IridataがHOLLYWOODのマップをピック。ラウンド1で防衛側のUSG Iridataが,USG Supremeのペイロードを最初のチェックポイントまで進ませない守りを見せ,大きなアドバンテージを獲得。その勢いのままラウンド2を奪取した。続く第2戦も勢いを維持したかったUSG Iridataだったが,USG SupremeがピックしたVOLSKAYA INDUSTRIESを2−0で取られてしまい,タイへ持ち込むことに。
第3戦のLIJIANG TOWERでは,互いにコントロールエリアをカウント99まで支配しつつも,オーバータイムで取り返されるという,ギャラリーを湧かせるギリギリの攻防を展開。両チーム2本ずつ取っての最終戦はUSG Iridataが勝利している。
第4戦ROUTE 66のラウンド1では,防衛側のUSG Iridataが前線で戦って時間を稼ぐ戦略を展開。一方,攻めるUSG Supremeはその防衛線を少しずつ押し上げていき,ペイロードを最終チェックポイント直前まで運ぶことに成功。しかし,制限時間残り20秒をUSG Iridataに守りきられてしまう。勢いづいたUSG Iridataがラウンド2も制し,優勝へのリーチをかけた。
USG Iridataはそのまま優勝へ向けて,第5戦のKING'S ROWへと挑み,残り2分23秒とかなり余裕のある時間を残してラウンド1を制する。誰もがUSG Iridataの優勝を予感させる勢いがあったなか,あとがないUSG SupremeはHOTATE選手のゲンジやJASPER選手のソルジャー76らオフェンス陣の鬼神の如き活躍により,残り時間3分25秒とUSG Iridataを1分以上も上回るクリアタイムで勝利した。
試合の流れはここから一気にUSG Supreme側へと傾き,ラウンド3ではUSG Iridataのペイロードを最初のチェックポイントまで進ませず,続くラウンド4も連取した。
3対2のスコアで迎える第6戦はHANAMURAでの戦いで,このマップをピックしたUSG SupremeはUSG Iridataに追いつくために奮闘。攻撃側に回ったラウンド1を制したが,続くラウンド2はUSG Iridataが試合後半の2度に渡る怒濤の攻めで勝利する。
USG Supremeとしては完全に後がなくなった制限時間1分51秒の延長戦となったが,落ち着きを取り戻したUSG IridataがUSG Supremeの防衛を突破し,優勝を飾った。
激戦のすえグランドファイナルを制したUSG IridataのVADER選手は,「この大会直前の勝率がかなり低く,チーム内の雰囲気もあまりよくなかったが,それを乗り越えて結果が残せたのは本当に嬉しい」と,試合の感想を述べた。
またその後のインタビューでは,チームで練習を積んでいたHANAMURAをUSG Supremeが第6戦で選んだことが勝利につながった理由の1つとも話している。USG Iridataは高校生のTA1YO選手を除いて全員がゲーミングハウスに住んでいて,賞金はその生活資金に充てる予定だそうだ。
このGeForce CUP Overwatchの模様は,twitchのアーカイブで見ることができるので,両チームの激戦をその目で見てみよう。
GeForce CUP Overwatch 公式サイト
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