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「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
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印刷2021/10/13 21:00

インタビュー

「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

 スクウェア・エニックスは,2021年9月19〜22日にMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」PC / PS5 / PS4 / Mac)の最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」PC / PS5 / PS4 / Mac)のメディアツアーを開催した。

画像集#017のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

 パッチ6.0「暁月のフィナーレ」では,新ジョブとなる「リーパー」「賢者」が登場するほか,既存の17ジョブについてもさまざまな変更が行われる。ジョブ関連すべての話を聞ける時間は取れなかったが,本作のプロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏に,新ジョブを含むバトルシステム関連の話題を中心に,新エリアやダンジョンなどの話を聞いてきたので,その内容をお届けしよう。


高回転攻撃が特徴の「リーパー」とテクニカル・バリアヒーラーの「賢者」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回,大きなトピックはバトル関連の調整ということで,ジョブの話をメインにお聞きしたいと思います。さっそくですが,新ジョブ「リーパー」「賢者」のコンセプトを教えてください。

画像集#003のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
吉田氏:
 語弊があるかもしれませんが,「FFXIV」は僕らが自由にコンセプトを決めるというより,プレイヤーの皆さんが新しいジョブに,どういうものを期待しているのか,どのロールの追加を期待しているのかが先にあるんです。

4Gamer:
 今,プレイヤーが望んでいるのがDPSとヒーラーだった,と。

吉田氏:
 ちょっと詳しくお話ししますね。まず「賢者」ですが,「漆黒のヴィランズ」を発表していく段階で,追加となる新しい2ジョブの中にヒーラーがなかったことに対して,世界中から「なんでヒーラーじゃないの?」というお声をたくさんいただいたのです。

4Gamer:
 蒼天でタンクとヒーラー,DPS,紅蓮でDPSが2ジョブだったので,単純に次はヒーラーかなと思ったら,「ガンブレイカー」(タンク)と「踊り子」(DPS)だったので意外でしたね。

吉田氏:
 正直,僕が思っていた以上に新しいヒーラーをプレイしたいというリクエストが強くあったことを,そこでよく理解できたのです。ですので,「漆黒のヴィランズ」発売前から開発チームの中では,6.0ではヒーラーは入れないとね,と決まっていたのです(笑)。
 そこからアイデアのブレイクダウン(概要の詳細化)を始めていったのですが,実はヒーラーを作るのはすごく難しいのです。

4Gamer:
 と言いますと?

吉田氏:
 ヒーラーですから,基本的にはヒールがメインの行動になります。いわゆるボスコンテンツで,エスナを連発するような機会があるかというと,ありません。やはり,全体攻撃やタンクへの重い攻撃に対してどう対処していくのかを考え,自身もギミックを処理しながら攻撃するということになります。その中でヒールのメカニクスにどうジョブの個性を出し,どう面白くするのかというのは,ヒーラーの攻撃にローテーションというものを入れないことで,かなり難しい課題なのです。

4Gamer:
 確かに,ヒールは瞬間的な結果が必要ですから,(味方が倒されてしまうので)あまりメカニクスを複雑にもできませんし,面白さの差別化はなかなか大変そうです。

吉田氏:
 そして,これまで3ヒーラーの状態でも,個性と調整の間で長く難しい対応をしてきたこともあり,ヒーラージョブが4つになることを考えて,“ピュアヒーラー”“バリアヒーラー”と2ジョブずつに分けて,ヒーラーの中でさらに役割を明確化しよう,と。
 ここである程度,体験差は大きく出せることを担保し,そのうえで,じゃあバリアヒーラーとしてさらに差別化を図るとしたらどうすればいいか,というところを考えるポイントにしたんです。

画像集#002のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

4Gamer:
 同じバリアヒーラーというと学者ですね。

吉田氏:
 はい。学者にはペットとして“フェアリー”がいます。フェアリーはオートマチックでヒールしてくれるという特徴がありつつ,バリアヒーラーとして基礎となる要素をすべて綺麗に所持している。つまり,おかしな言い方になりますが,「ピュアなバリアヒーラー」という位置づけです。今回もそれをストレートに伸ばしたアクションが追加されており,フェアリーの挙動ももう一段階調整を入れてあります。
 その学者に対して,「ちょっとテクニカルで癖のある」のが賢者というイメージですね。あとは,「ヒーラーなのに攻撃ばかりしてヒールしてくれない……」みたいな話題が出ることもあり……。

4Gamer:
 まあ……攻撃に夢中になることはありますね(笑)。

吉田氏:
 ヒールしつつも,攻撃したいというヒーラーさんがいるのは分かっていますが,そちらに振り切ったということではなく,同じロールとなるバリアヒーラーである学者は,自身の攻撃中にもフェアリーがヒールしてくれる,という要素があります。それを踏まえ攻防一体というか,攻撃をするとヒールが発動するという変わった特徴を持たせているのです。インスタントのバリアヒールが多くて,かつアクションの中身を1アクションで切り替えられるという,テクニカルに攻撃とヒールを両立させられるジョブにしました。

 一方のリーパーに関してですが,「DPSを実装する」というのはプレイヤーフィードバックではなく,これは「もっともプレイヤー人口の多いロールに新ジョブを足す」という,僕が考えた「FFXIV」の暗黙の了解のようなものです。3ジョブ追加できれば,「タンク/ヒーラー/DPS」を足せますが,2ジョブになると「タンク/DPS」か,「ヒーラー/DPS」か,「DPS/DPS」になる,というのがこれまでですね。次にどうなるかは,そろそろ分からなくなってきましたが……(苦笑)。

 その上で,DPSの追加を考えるときのアイデアとして,一番すんなりとハマるのが装備アイテムの内訳なんです。それで見ると,竜騎士だけがMeleeDPSの中でメイルという(防具系統の)立ち位置にいるので,そこにするのが装備の区分け的にもいいだろうという話になりました。忍者も近接物理DPS内では似たように見えますが,レンジと共通という部分がありますからね。

4Gamer:
 なるほど。確かに竜騎士のみ装備可能な防具が多かったです。ある意味,空き枠だったというわけですね。

吉田氏:
 はい。該当するポジションとして近接にしましょうとなって,ここでプレイヤーの皆さんのフィードバック,「巨大な鎌を使うジョブをプレイしてみたい!」という点を重視しました。我々としてもアイデアを出しやすい武器種にも思え,ここはすんなり決まり,そこからブレイクダウンしていった感じです。立ち位置としては,ややテクニカルで,かつ火力も結構出せるというところが望まれているので,今回はそこを目指して作ることになりました。

4Gamer:
 確かに若干,操作がテクニカルな気はしましたね。

吉田氏:
 操作難度に関しては,もう少し抑えても良かったかなとは思ったんですが,いろいろできるようにしていった結果,やや忙しくはなりましたね。これ以上抑えると,良い部分も消えそうだったので,よしこれでOK!と(笑)。
 そして,鎌から「死神」を連想して,さらに死神の容姿のイメージから連想される,ボロボロの布をまとった姿がAF(アーティファクト)になるかというと……。

4Gamer:
 それは,ちょっと地味ですね(笑)。

吉田氏:
 はい。ですから,アヴァターという存在をペットではなくて,パートナーのようにして,最終的にそれを身にまとうというイメージで新しさも出せるかな,と。

画像集#020のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

4Gamer:
 装備の格好良さも担保できて,アヴァターで死神っぽさも出せるという一挙両得みたいな感じです。

吉田氏:
 そういう意味だと厨二感がきついと思うかもしれませんが,うちのチームは僕を筆頭に厨二精神の持ち主が多いので,そこまでは割とすんなりと決まった感じでしたね……(笑)。

4Gamer:
 なるほど(笑)。パッチ6.0では全体的にバトルスピードが速くなった印象ですが,その中でもリーパーの高回転攻撃は特徴的だったと思います。

吉田氏:
 そうですね。リーパーに限らず,5.x以降の流れでメカニクスをシンプルというか,わかりやすくしていく分,今度は回転数を上げようと考えました。技を連続で撃ち出しているときの気持ち良さってあると思うのです。
 ですから,ローテーションの中で暇な時間というか,ほとんどアビリティを使っちゃって,あとはコンボをつないでおくだけ……みたいな時間をできるだけ少なくしたかったんです。

4Gamer:
 ああ,なるほど。アクションがチャージタイプになっていたり,必要なリソース量が下がっていたりと,試遊でその意図は感じられました。

吉田氏:
 グローバルクールダウン(GCD)が短くなっているかというと,そうではないのですが,1回のバースト()時間を長くするよりも少し短くして,次のバーストまでの間隔を縮めることで,全体的に忙しくなるというか,“やっている”感覚がより強くなるところを6.0全体で目指しています。

※アクションを一気に使用して短時間で大ダメージを狙うこと。ほかプレイヤーとのシナジー効果を考えて,同じタイミングで行うことが多い

4Gamer:
 スピードが速くなったという印象は,それだけバーストのタイミングが多くなったからというわけですね。

吉田氏:
 そうですね。とくにリーパーは,「レムールシュラウド」でアヴァターを憑依させたときに,さらにそのテンポが速くなるという特徴になると思います。

4Gamer:
 賢者については,「エウクラシア」の使い方がキモになってくると思うのですが,あれは切り替え,つまりトグルのようにはなっていないんですね。

吉田氏:
 なっていません。手動でバフを落とせば解除できますが,それをやるシチュエーションはあまりない気はします。

4Gamer:
 まあ,落とすくらいなら,MP消費分を考えたとしても,そのまま使っちゃったほうが早いのかな。

吉田氏:
 そうですね。どっちかというと,エウクラシアを使うタイミングは,押しておいて使うではなく,“今これが必要だと思ったとき”なのです。その感覚に慣れが必要になります。

4Gamer:
 開幕に継続ダメージ(DoT)を入れるために使う感じでした。

吉田氏:
 あとは途中でDoTを更新しなきゃいけないときとか,バリアを瞬間的に張りたいときとか,そう思ったときに実行して使うという考え方ですね。あれをトグルの仕様にしてしまうと,GCDが入ってしまう(すぐに次のアクションが使えない)から,かえってストレスになると思います。

4Gamer:
 なるほど。
 もう1つ,賢者で面白いと思ったのが,継続回復アクションである「ピュシス」の仕様で,最初は「ピュシス」と,その上位版「ピュシスII」があるのかと思ったら,これは別のラインなんですね。リキャストタイムが異なるピュシスとピュシスIIを重ねてより強力な継続回復効果を狙うみたいな感じで。

吉田氏:
 はい。リキャストタイムも違いますし,追加効果も異なるので,汎用的なのか「ここぞ!」なのか使いどころは違います。もちろん重ねる,そしてその順番というのも考える余地ですね。そのあたりが,今回の「ややテクニカルなバリアヒーラー」を形にしたもので,単純にアクションを使っている手触りとは違った体験にしています。その分だけインスタントのアクションが多く,攻撃しつつ,バリアやヒールが働きつつ,状況に応じて考えて使う,というところが面白いジョブだと思います。

4Gamer:
 分かりました。ところで,なぜヒーラーとして「賢者」だったのでしょう。学者と同じバリアヒーラーだから,意味が似通った賢者なのかな……なんて想像したりもしたのですが。

画像集#019のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

吉田氏:
 そういうわけではないのです……実は武器選びに相当苦戦しまして(苦笑)。追加ジョブのロールが決まったあと,僕らは最初にジョブ名とメイン武器を何にするかを一番先に考えるんです。今回,リーパーはフィードバックも多く楽ではあったのですが,ヒーラーの武器のアイデアというのがなかなかしんどくて。
 最初は「薬師」で,「ポーションを投げつけて回復」というのがどうしても絵作りで微妙になりますし,武器も背中に薬箱を背負うのは,いくらなんでも……。じゃあ「陰陽師」的なアイデアもなくはなかったのですが,錫杖では杖になってしまうし,うーむ,と。
 一旦名称は決めず「武器のイメージから考えよう!」となったのですが,「オーブ」はどうだろう,「球はありだけど派手さが出ないね」など混迷していき……最後は,「派手さが必要なら,両手に巨大な玉を抱えるのはどうだ!」なんてことまで考え,「これを抱えて走るのはインパクトあるけどカッコ悪そう……」「そもそも納刀するときはどうするんだ」などなど,大変でしたね(笑)

画像集#005のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

4Gamer:
 両手に抱えて走る姿は……たしかにシュールです(笑)。

吉田氏:
 でも,そこから,「両手の水晶球を浮かせた状態で持つのは?」ということになり,いっそのこと,「大きいんじゃなく,水晶を2つから4つにして魔力で操るという考え方にしていったら……?」となったんです。

4Gamer:
 おお,賢者の原型っぽい形になりましたね。

吉田氏:
 では,これを使うジョブ名ってなんだ? という話を設定側と相談し,並行してストーリー上でアルフィノをそのジョブに就かせようという話も決めました。であれば,今回はオールド・シャーレアンに向かうこともあって,そこが賢者たち,賢人たちの都なので,そこに賢学という,魔道を極めし者の学問というのを設定して,そこから新ジョブ「賢者」という話に移行していったんです。

4Gamer:
 なるほど。そのストーリーが6.0で語られるわけですね。

吉田氏:
 ええ,そのあたりのロア(設定)は,サブクエストなどにも出てきて,ちゃんと世界に根差した内容になっています。アルフィノがどのタイミングで賢者に着替えるのか,それがどういうキッカケなのか,ちゃんとメインストーリーに組み込まれているので,そこはぜひストーリーで確認していただければと思います。

画像集#015のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ


新ジョブレベルの改修で生まれ変わった「召喚士」


4Gamer:
 既存ジョブについても聞いていきたいのですが,パッチ5.0ではバトルシステムに大幅な変更が入りました。それに比べれば,今回のパッチ6.0は正統進化だと感じています。その中で別物になった召喚士はともかく,全体のコンセプトはどのように決めたのでしょうか。

画像集#007のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
吉田氏:
 「新生」「蒼天」「紅蓮」「漆黒」と,開発者としていろいろなことをさせていただきましたが,コンテンツが横にも広がっていく中で,バトルだけではなく,FFXIVという世界にいることを楽しむ人たちがものすごく増えています。
 それと同時に,せっかく複数のジョブがあるのだから,プレイヤースキルも上がってきたし,ほかのジョブもやってみるという遊び方も,僕らが思っていた以上に,ポジティブに広がっていたんです。

4Gamer:
 最新のレイドや零式はひとまず置いておいて,戦闘をカジュアルにいろいろ楽しみたいという人は増えたかもしれません。

吉田氏:
 それまで僕らは,“1つのキャラクターで複数のジョブをプレイできるのがFFXIVの良いところですが,全部はやらなくていい。1つを遊んでくれれば十分”というのをコンセプトにしてきました。つまり,「いろいろやれすぎて大変だ!」という印象にしたくなかった,というわけです。
 しかし,プレイヤーの皆さんの中に,「ポジティブにいろいろなジョブを触れて楽しい」という空気が生まれてきた今,そうなのであれば,「気軽に複数のジョブをプレイするという遊び方」をもっとサポートしたほうがいいのではないかと考えるようになったんです。
 であれば,同じロールなら,ほかのジョブを触ってもロールの基本要素は一緒で,かつ,そのジョブ固有のメカニクスがゲーム体験の差を作る……というのを始めたのが5.0でした。

4Gamer:
 当時のインタビューで「同じロールのジョブをプレイしたとき,できるだけ基本的なプレイ感が変わらないようにしたい」とおっしゃっていましたね。

吉田氏:
 そうです。それによって,皆さんがいろいろなジョブをプレイしてくれるようになりました。中にはタンクはもっと難しいほうがいい,4.x仕様のほうが良かったというお話も聞きますが,実際に比較すると5.xのほうが圧倒的にタンクが増えています。それは,マッチングの速度を見ていると分かると思いますが,昔ほどDPSが待たなくなったのは,タンクが増えているからです。

4Gamer:
 逆にDPS待ちになることがありますね。

吉田氏:
 “新生”初期では考えられないですよね(苦笑)。とくに24人レイドの場合は,タンクが3人枠というのもあって逆にタンクがマッチングしないことがあるのも,それが一因です。
 これらはタンクの調整と複数ジョブのプレイしやすさを促進してきた結果だとも思っていて,この路線を継続して,1つのキャラクターに1ジョブでも十分だけど,2つ,3つとプレイしたとき,よりスムーズに楽しめるように……というところを進化させていったのが,今回の6.0になっています。

4Gamer:
 なるほど。

吉田氏:
 ただ,その中でもプログラム処理も含めて,メカニクス的に限界が来ていたのが召喚士です。
 5.0をリリースした時点で,6.0では大改修せざるを得ないと考えていたので,今回は思い切って全部,ある意味ゼロから作り直すことにしました。ずっと“DoT士”と言われていたものを,召喚士という名前にふさわしいように,新ジョブと同じかそれ以上に時間とコストをかけて改修したんです。

画像集#018のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

4Gamer:
 軽く触った感じでは,バハムートとフェニックスを召喚する一連のローテーションの中でエギを呼び出して,そこにミアズマバーストなどをどう挟んでくるのかといった感じなのかと思いましたが,どのような使われ方を想定しているのでしょうか。

吉田氏:
 バハムートとフェニックスによって3蛮神(イフリート/ガルーダ/タイタン)のエーテルが付与された状態で,タイムラインに合わせて,“ここはどの順番で蛮神を召喚するべきか”を考える。といったようなローテーションで固定されないところが,今回の召喚士の面白さだと思っています。
 移動を要求されるタイミングで,攻撃に詠唱2.8秒が必要なイフリートを呼んでしまうとロスになる可能性が高くなってしまう。ですからタイムラインを理解したなら,例えば先にタイタンから使って,ギミックを処理しながら継続して火力を維持しつつ,ボスが動かないシチュエーションになったらガルーダを使って地面に継続ダメージエリアを設置して,ボスが微動だにしないバーストのタイミングが来たらイフリートを使う……といった感じです。

4Gamer:
 インスタント攻撃とキャスト攻撃のタイミングを見極めるわけですね。

吉田氏:
 でも,次のローテーションのときにボスのタイムラインが変わっていたら,それに合わせて動きを変えなければいけません。そのとき,必ず同じ秒数で動かないといけないとなると考える余地がないので,その隙間にミアズマバーストやルインジャを使って,ちょっと時間をずらすというのが今回の召喚の立ち回りのうまさにつながると思っています。
 そして,DoTが消えることで,これを維持してさえいれば必ず入っていたダメージがなくなり,すべてのアクションが自分で行動したことによる火力になるので,どれだけ使いこなせるかによって,もしかすると(召喚士の火力が)結構ばらつくんじゃないかと思っています。

4Gamer:
 何より,新しいシステムを把握するために練習は必要になりそうです。
 ところで,パッチ6.0ではコンボが途切れにくくなったので,どの合間にアクションを入れていくかというのは,DPS全体でいろいろ変わってくるのではないかと感じたのですが。

画像集#008のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
吉田氏:
 そうですね。カジュアルに遊んでいる多くの人にとっては,例えば回避時に槍を投げてコンボが切れたというのがなくなるので,そういうところの差は縮まりつつ,テクニックの幅は広がるのではないでしょうか。ストレスが減り,面白くなるんじゃないかなと考えています。
 一方,極限にうまい人だと,範囲攻撃に対してグローバルクールダウンが回り始めた瞬間に下がって,避けたらグローバルクールダウン中に戻って殴りを再開するくらいに操作を詰めているんです。そういう人たちからすると,わざわざバックステップして遠隔攻撃を挟まないほうが火力が高くなる局面と,大きく移動させられるからここは(遠隔攻撃を)挟んでいいという局面で,さらに火力を上げるために工夫する余地が増えたんじゃないかなと思います。

4Gamer:
 敵へのデバフがコンボの途中でギリギリ終わるかどうかくらいのときに,途中に更新を挟めるのが個人的には助かるなと(笑)。
 学者の新アクション「疾風怒濤の計」については,スプリント(と同等の移動速度になる)効果が話題になっていますが,アクションを見てみると,むしろ被ダメージカットの効果が大きいという印象でしたね。

吉田氏:
 そうなんです。あれは全員に軽減を付けてから,確定8人散開といった場合に役立ちます。散開が遅いと,お互いの範囲をかぶせてしまう事故がありますが,足は速くなっているし,軽減も付いている。“受けて戻る”がけっこう楽になるので,使い勝手がいいと思います。
 また,これはスタンが付与される「ホーリー」を持つ白魔道士との,インスタンスダンジョンでの活躍性能差を埋める,という意図もあります。通常,バトルが開始されてしまうと遠隔物理DPSの持つ移動速度アップは効果を失いますが,学者のそれはバトル中でも途切れません。慣れたプレイヤーで意思疎通の上で行うまとめ狩りや,範囲狩りといった局面でも,軽減しつつ全員が前へ進む速度が上がるため,攻略時間短縮に貢献できるなど,そういった効果もあるわけです。

4Gamer:
 なるほど,純粋に戦闘状態での移動でメリットはありますよね。そして,被ダメージ10%軽減ですから,いろいろな場面で使える気がします。
 ところで,その白魔道士の「ホーリー」と「ホーリガ」ですが,威力を見るとあまり差がないように見えます。効果も変わらないので,なぜこの形でホーリーの上位版が出てきたのだろうと思ったのですが。

画像集#013のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
吉田氏:
 うーん,そう言われると,アクションの追加ができなくなります……(苦笑)。数字をいじるだけなら,新技は作らなくてもいいし,エフェクトも新しくしなくても良くなるのですが。ヒーラーの範囲攻撃は,ずいぶん長い期間同じものを使っていただいていたので,絵変わりしてリフレッシュさせ,より上位の魔法に変更する,という意図が一番大きいですね。

4Gamer:
 スタンが長くなるとかは(笑)。

吉田氏:
 絶対ないです(笑)。むしろ,スタンを消そうかどうかを議論したくらいだったので……。インスタンスダンジョンにおけるヒーラージョブで,差が出すぎているところなので。

4Gamer:
 まとめ狩りの楽さは格段に違いますからねえ。

吉田氏:
 そこにスタンがあるかないかは大きい。逆に,白魔道士以外のヒーラーをやっているプレイヤーが,「白魔でIDに行かないと申しわけない気分になってしまう」というフィードバックを拝見して,なんとか是正したいと考えました。……ヒーラー全員にスタン付きの範囲攻撃を,という極端な検討もしたのですが,さすがにそれはどうなんだろうと(笑)。

4Gamer:
 IDにおけるヒーラーが,完全にスタン役のジョブになっちゃいますね(笑)。

吉田氏:
 かといって,消してしまうのも忍びない。白魔道士のプレイヤー人口は多いですし,これまでにいろいろな変遷があって,いろいろなものを削られてきたので,できる限りホーリーは今のまま維持してあげたい。
 だからこそ今回は,範囲攻撃魔法をキチンとみんなに持たせたうえで,その範囲攻撃魔法だけでなく,ジョブ全体の性能として,スタンがない代わりに他の効果で補い,結果,インスタンスダンジョンにおけるクリア時間に対して,白魔道士のそれと貢献の差が埋まるようにしていこう,と粘って考えました。先ほどの学者におけるお話も,攻撃魔法そのものではなく,学者だけが持つ特性を役立てることで,差を埋めるという考え方ですね。

4Gamer:
 なるほど。アクションはただ増やしていけばいいわけではないので,運営が長くなるほど難しくなるところですね。

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ガレマール市民との邂逅が,宿敵“ガレマール帝国”のイメージを変える?


4Gamer:
 今回,インスタンスダンジョンの「ゾットの塔」がプレイできましたが,内部のデザインを見ていて個人的にH・R・ギーガー(映画「エイリアン」のクリーチャーデザイナーなど)色が強いのかなという印象でした。

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吉田氏:
 うーん,塔のデザインは,その存在に理由が絡んでいるので説明のしようがないのですが……何かのコンセプトを立てて寄せたということはないですね。そもそも,あの塔の存在が一体なんなのか,あれをいろいろな国に建てて何をしようとしているのか。また,その塔は何によって動いているのか……というところに全部絡んであのデザインなので,ちょっとお話ししづらいです。

4Gamer:
 分かりました。そこはストーリーを楽しみにしています。
 そのゾットの塔ですが,フェイスで挑戦してみたところメーガス三姉妹戦で“こっち”の敵を攻撃したいけど,フェイスのNPC全員が“あっち”の敵を攻撃しちゃってて,みたいなシチュエーションがありました。

吉田氏:
 そこは,HPが共通するような仕組みになっているため,仮にバラバラな相手を殴ったとしても,最終的な損は発生しませんので,あまり気にされなくてもいいと思います(笑)。むしろ,フェイス各人がばらばらに殴ってしまうとすごく印象も悪いので,あえて固定しているという感じです。

4Gamer:
 そうなんですね。あとレベルシンクがLv82なので最初のダンジョンだと思うのですが,その割に難度が高めのように感じました。

吉田氏:
 あの三姉妹がボスでぬるいのも,というところで……調整は難しい(苦笑)。でも,フェイスで攻略したのなら,みんなが綺麗にギミックを避けるので,フェイスもオススメです。

4Gamer:
 実際に難度は下がると思います。ただ,以前までのフェイスに比べて,退避のタイミングが変わった気がするんです。

画像集#004のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ
吉田氏:
 その意味だと,フェイスの頭を良くした分,ギリギリまで攻撃を粘るようになっています。いろいろなシチュエーションでやっていただくと分かるんですが,内部的にフェイスは相当パワーアップしていて,リキャストが回っていれば,タンクも軽減を入れますし,詠唱も止めに行くんです。あとは,演出的に回避位置を一瞬悩む,みたいな動きも入れているので,「ただフェイスを追っていけば安置!」みたいなのは,少し減るかもしれません(笑)。

4Gamer:
 なるほど。フェイスのキャラクターがそばにいたので,まだ大丈夫かなと思っていたら,いつの間にかいなくなってて,ギリギリで回避が間に合わないとかありました(笑)。

吉田氏:
 本当に攻撃を粘るので,フェイスが動いてから動けばいいやと思っていると「最速で動きやがって,俺は(回避が)間に合わん!」というのがあります(笑)。
 それに,今までだとコンボ中に範囲攻撃が来るといったん攻撃AIをリセットして最初から攻撃し直していましたが,彼らのコンボも持続するようになっているので,続きの技から再開するんですよ。プレイヤーが暗黒騎士でリビングデッドをしたら超回復してくれるなど,かなり痒いところに手が届くようになっています。

4Gamer:
 ほかのダンジョンではどのように動くのかも気になります。
 今回の試遊では新フィールドのガレマルドも見せてもらいましたが,想像以上に荒廃していますね。モンスターも徘徊していますし。

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吉田氏:
 どうしてああなったのかは,当然きちんと描いています。ガレマール帝国というと,どうしても(敵として)片付けてしまうんだという印象があるかもしれませんが,ここはアシエンという存在と同じだと思っています。プレイヤーの皆さんは基本的に帝国兵としか接していないし,キャラクターとして見ているのはガイウスなどの将軍くらいだと思うんです。現地に住む帝国民の生活を目の当たりにしていないわけです。

4Gamer:
 亡命した人だったり,劇団マジェスティックの面々だったりはいましたが,純粋にガレマルドに住んでいる一般的な帝国民とは会っていませんね。

吉田氏:
 これは,4.xまでのアシエンと印象が似ていると思うんです。でも,実際にエメトセルクが旅に付いてきて,あーだこーだと話をして,ときにはヤ・シュトラを救い上げたりしてくれたなかで,自分達と変わらないというのを感じたと思うんです。
 今回,パッチ6.0の全面を通してガレマール帝国の話をするわけではないですが,メインシナリオの重要なパートにガレマルド編はあるので,そこで初めてガレマール帝国の成り立ちから,これまで見えなかったガレマールのいわゆる一般市民の顔が見えてくるので,かなり印象が変わってくれるんじゃないかと思っています。

4Gamer:
 確かに,リアルなガレアン人を知るというのは,エメトセルクのときのように,アシエンが何だったのかに通じるものがありそうです。

吉田氏:
 丁寧に描いたつもりですし,帝都ガレマルドがどうしてあんな状態になっているのか,そこで人々はどうしているのか。メディアツアーでは(セリフを)全部消しちゃっていますが,けっこう重たい話が展開されるので,むしろ楽しみにしておいていただけると嬉しいです。

4Gamer:
 あとガレマルドで驚いたのが,エーテライトが地下鉄構内にあったことで,本当に技術レベルの差を感じてしまいますね。魔法がなかったらエオルゼア諸国は抵抗できなかっただろうなと。

吉田氏:
 そうですね。でも,彼らガレアン族は,ずっと豊かな土地を追われ続けてきた民族でした。ついに至ったこの北方の果てに近いところで,魔導技術を発明し追われる立場ではなくなった。しかし,染みついた追われる者という恐怖感は消えない。そうなのであれば,これからも追われないために,今度は領土を広げる側に回ることになった,という悲しい民族でもあります。そのあたりの悲哀もきっちり語られています。
 なぜ彼らが魔導兵器,青燐水を駆使せざるを得ないのかも,よく見えてくるんじゃないかな,と。しかし,今回のガレマルドの惨状では,青燐水などが満足に手に入るかというと,そうじゃなかったりもしますので……。
 あまり言うと「ガレマール色が強いらしい」となっちゃうので何なのですが,これでも全体の本当に一部でしかありません。それでも,濃いパートになっていますので,ぜひその目でお確かめください。

画像集#010のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

4Gamer:
 分かりました。楽しみにしています。最後に「暁月のフィナーレ」リリースに向けて,コメントをお願いします。

吉田氏:
 「暁月のフィナーレ」はハイデリン・ゾディアーク編という1つ目のサーガの完結だと強く言わせていただいています。ですが,終わらせることで,新たに始められることも多くあります。
 旧FFXIVから通算11年。旧FFXIVから始まったありとあらゆるものを回収しなければならない中,漆黒までで8割,そして残り2割の熱いところをドカンと行きます。従来の「ファイナルファンタジー」シリーズで言えば,エンディングが近くなって世界がもうダメだ!という状況から,だいたいラストまで残り2割といったところですよね。

4Gamer:
 まさに最終決戦に向かうターンですね。

吉田氏:
 今回,そこを丸ごと1本にしています。ですので,いきなりクライマックスというより,1本のRPGとして静かに立ち上がります。拡張としては過去いち静かなスタートになるのですが,真綿で首を絞められるように,物語がジワジワ進行していくことになります。
 そして,決着がつくと同時に多くの発見があり,新たなトリガーになりそうな話が見えてくるでしょう。「ENDWARKER」というタイトルは,終わりに向かって歩くではなく,終焉という結末に向かって歩いて,その先も歩みは止めないし,止まるなということでもあります。僕らがやれる最大火力を出し切りますので,ぜひそのあたりの衝撃を感じていただければと思います。
 もちろん全方位に楽しめますが,何よりストーリーに力を入れていますので,注目して遊んでいただけると嬉しいです!

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

画像集#014のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」の吉田直樹氏のインタビューを掲載。1つの決着と新たな発見で物語は“終焉の先”へ

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」公式サイト

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