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「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
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印刷2014/04/04 18:09

イベント

「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?

いよいよ「Wargaming.net League Grand Finals」開催


画像集#001のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
 ベラルーシのゲームメーカーWargaming.netは2014年4月4日〜4月6日,ポーランドの首都ワルシャワで,サービス中のオンライン対戦ゲーム「World of Tanks」の世界一チームを決定するイベント,「Wargaming.net League Grand Finals」を開催する。
 4月3日に掲載した記事でもお伝えしたとおり,全世界から集まった強豪14チームが3日間にわたって戦いを繰り広げるもので,賞金総額が約2億5000万円というからかなりすごい。

 というわけで,ポーランド取材班唯一のメンバーである筆者は開催前日の4月3日,ワルシャワ入りした。4月4日は朝早くから記者会見などがあるので,前日に入らないと海外メディアは間に合わない,というのが前乗りの理由となる。
 とはいえ,こちらは乗り継ぎの待ち時間含めて約18時間,はるばる日本から遠征してきたわけであり,せっかく早めに現地入りしたのだから,まずは会場や街の様子を紹介して,ビッグイベントに向けた緊張感と期待感をあおっていくべきだろうと思った。それが取材班の使命である。一人しかいないが。

「Wargaming.net League Grand Finals」日本語公式サイト


 ということで,筆者はメイン会場となるマルチキノ映画館(Multikino Zlote Tarasy)を収めた巨大ショッピングモールに向かった。

 ホテルから会場までは約1.5km。徒歩15分弱といったところだが,そこからさらに2kmほど歩いたところに「ワルシャワ蜂起博物館」があることに気がついた。なるほど。というわけで,「路面電車に乗ったほうが楽かも」「バス使ったら早そうだ」などと考えつつワルシャワ市内を歩くこと約35分,ついにたどり着いたワルシャワ蜂起博物館の模様をご紹介しよう。えっ,会場の様子? まあそれは,追って掲載する予定だし……。

(左)これが,イベント会場となるショッピングモール,Zlote Tarasy……ではなく,隣に建っている文化科学宮殿。(右)会場はこっち。ちょっと前衛的な建物で,ショッピングモールには有名チェーン店が多数入っている
画像集#002のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか? 画像集#003のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?


そう,これが「ワルシャワ蜂起博物館」。あれ?


ワルシャワ蜂起博物館
画像集#005のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
 「ワルシャワ蜂起」とは,1944年8月にワルシャワで起きたポーランド人による武装蜂起のこと。ドイツに占領されていたポーランドが,破竹の勢いでワルシャワに接近するソ連軍の動き受けて解放のために立ち上がったというものだが,肝心のソ連軍がこれに呼応せず,やがて蜂起したポーランド国内軍はドイツ軍によって殲滅されてしまった。そして10月,ポーランド国内軍がドイツに降伏し,蜂起は失敗のうちに終息したのだった。……という,なんともいえない歴史の一幕を集中的に扱った博物館がワルシャワ蜂起博物館ということになる。

 展示品は,当時を語るインタビュー映像,写真,残された通信記録や軍の識別票,装備や腕章といったものから,当時の手紙や地下活動で用いられた通信機や印刷機まで,多種多様だ。

(左)ワルシャワ蜂起博物館の入場チケット。売ってる場所が分かりにくいが,ちょっと強面の警備員さんに聞くと親切に教えてくれる。(右)営業時間など。朝8時から開いているので,スケジュールを詰め込みたい旅行者にはもってこいである
画像集#006のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか? 画像集#007のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?

 中でも印象深いのが白と赤の腕章で,これはワルシャワ蜂起に従軍したポーランド国内軍兵士が腕に巻いていたものとなる――なにしろ制服や装備はドイツ軍のものだったりソ連軍のものだったり,ときには着の身着のままの普段着だったりしていたので,腕章くらいしか統一的な識別手段がなかったという。

画像集#008のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
 蜂起の失敗により,ワルシャワ国内軍5万人のうち1万6千人が戦死。レジスタンスなど協力者22万人が戦死または処刑されているため,蜂起を生き延びた腕章は少ない。しかも,その後のソ連支配によってレジスタンスが逮捕されたため,共産主義時代をこの腕章が生き延びるのも並大抵のことではなかった。
 そうした歴史の荒波をくぐり抜けてきた白と赤の腕章が,壁にずらりと展示されている光景は,言葉では語り切れないものを見る者の胸に伝えてくるようだ。

 また,ワルシャワ蜂起に至る経緯,つまり第二次世界大戦の開始とポーランドの降伏,そしてナチスドイツによる占領時代についてもこの博物館で扱っており,歴史の連続性を感じさせるものとなっている。
 この「連続性」として興味深いのが,カレンダーの利用だ。博物館や美術館には,しばしば「順路」が定められている。これはワルシャワ蜂起博物館も同じだが,ここでは単純に順路を数字と矢印で示すだけでなく,壁に剥ぎ取り式のカレンダーを設置し,「この展示が何日に起きたことか」を示している。カレンダーには――ポーランド語なのでちょっとハッキリしないが,その日に起きたことが書かれており,来館者はこのカレンダーをコンプリートすることで,ワルシャワ蜂起の全貌を持ち帰ることができる,という趣向だ。

(左)ワルシャワ蜂起博物館の壁に設置されていたカレンダーの1枚。裏面にも説明がある。残念ながらポーランド語版しかないので,いまいちコレクター魂を刺激されなかった。割と熱心に集めていた来館者が多かったのが印象的。(右)ドイツのリモコン戦車「ゴリアテ」。今で言う無人兵器の先駆的な存在。有線で遠隔操作したが,戦果はイマイチだった
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 この「その日のカレンダーを集めていく」という仕掛けは,ちょっとゲーム的でもあるし,一方で博物館の中を適当に歩いていると,まるで「歴史」がフラッシュバックするような不思議な感覚が味わえる。この博物館はポーランドの学生達が学校行事の一環として訪れる場所でもあるらしく,こうした「ちょっとしたゲーム仕立て」は,今なら「ゲーミフィケーション」という言葉が当てはまってしまいそうである(その意図があってのデザインかどうかはともかく)。

画像集#011のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?


ゲームも売っている(ただしポーランド語)


ワルシャワ蜂起博物館で売っていたゲーム。ルールブックがポーランド語なんです……
画像集#012のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
 売店もなかなか興味深い。書籍やグッズ類が売られているのは当然として,ワルシャワ蜂起を扱ったボードゲームが3種類売られていたのだ。しかも結構衝動的に買える値段。
 なので,気がついたら「ワルシャワ蜂起カードゲーム」を買っていた。やむを得ない。一応,レジのお姉さんに「ルールブックはポーランド語ですか? それとも英語版がありますか?」と確認したら「ルールブックとカードはポーランド語だけです」と断言されたが,きっとなんとかなる。なるに違いない。

 もちろん,装備関係の展示も大変充実しており,使用された小銃や短機関銃,対戦車ライフルに,さらにはドイツ軍のリモコン戦車「ゴリアテ」まで,マニアも「大変結構」と唸る展示内容である。ちなみに展示品には日本の38式歩兵銃が混じっていて,「ポーランドがドイツに占領された1939年に隠されたもの」という説明文が書かれていたのだが,欧州政治は複雑怪奇だと思う。

(左)日本の38式歩兵銃がなぜここに。いったいどういう理由で1939年以前のポーランドに38式歩兵銃がたどり着いたのか,想像はできるが,調べるのは困難だろう。(右)レジスタンスが使っていた印刷機
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 展示品には原則,英文も併記されている(映像も英語字幕あり)ので,英語が読めれば理解には困らない。また売店では日本語の音声ガイドもレンタルしている(顔写真つき身分証明書が必要)ので,英語が苦手な場合はそちらを借りてもいいだろう。借りるときに英語で「貸してください」と言わなければいけない気がするのだが,そこはそれ。

中は結構広く,多層構造なので順路的にも長め。じっくり見て回るなら最低3時間は考えておいたほうが無難だろう。駆け足でも1時間はかかる。駆け足で見るような場所じゃないが
画像集#015のサムネイル/「World of Tanks」世界一チームを決めるイベントがワルシャワで開催。それを盛り上げるために取材班が向かったのは,果たしてどこだったのか?
 よほどのショパンマニアかなにかでもなければ,なかなか行く機会はないと思うワルシャワだが,もしヨーロッパ旅行に行くことがあるなら目的地の一つに組み込んでみてはいかがだろうか。ワルシャワにはここ以外にも,第二次大戦スキーならぜひ訪れたいスポットが満載である。
 なお,ワルシャワ蜂起博物館は火曜閉館,日曜は無料開放(来館者が急激に膨れ上がるらしい)なので,ご注意いただきたい。

 というわけで,これで読者の皆さんの「Wargaming.net League Grand Finals」への期待感がグッと高まったのは間違いないはず。続報を楽しみにしていてほしい。

「Wargaming.net League Grand Finals」日本語公式サイト

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