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2010年1月に発表されたローコストCPUをチェックする(後)単体グラフィックスカードとの組み合わせ編
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印刷2010/02/13 12:00

レビュー

2010年1月に登場の低価格CPU,計6製品をチェックする(後編)

Athlon II X4 635/2.9GHz
Athlon II X3 440/3.0GHz
Phenom II X2 555 Black Edition/3.2GHz
Athlon II X2 255/3.1GHz
Core i3-530/2.93GHz
Pentium G6950/2.80GHz

Text by Jo_Kubota


 2010年1月に発表され,2月中旬時点における実勢価格が1万2000円程度かそれ以下となっているエントリー市場向けCPU,計6モデル。そのパフォーマンスを検証するレビューの後編をお届けしたい。本稿は,前編を読み終えている前提で話を進めていくので,未読という場合は,一度前編に目を通してから,あらためて戻ってきてもらえれば幸いだ。

2010年1月に発表されたローコストCPUをチェックする(前)統合型グラフィックスとの組み合わせ編

 さて,その前編では,チップセットやCPUに統合されたグラフィックス機能(以下,便宜的にGFXと表記)を利用し,とことん導入コストを抑える前提で検証した。結果,ローエンド市場向けの3D性能しか持たないGFXと組み合わせたことにより,GFX性能の頭打ちにより,CPUの性能差は現れづらいとか,GFXをCPUパッケージに統合しているIntel製品の場合,発熱などの理由で,CPUのオーバークロックがしづらくなるとかいった現象を確認できたわけだが,それを受けた後編では,「なら,単体グラフィックスカードを差したらどうなるのか」を考えてみたいと思う。


前編と同様の新型CPU 6モデルで検証

GPUを組み合わせる以外は基本的に前編を踏襲


 取り上げるCPUは,前編と同じく,

  • Athlon II X4 635/2.9GHz(以下,X4 635)
  • Athlon II X3 440/3.0GHz(以下,X3 440)
  • Phenom II X2 555 Black Edition/3.2GHz(以下,X2 555)
  • Athlon II X2 255/3.1GHz(以下,X2 255)
  • Core i3-530/2.93GHz(以下,i3-530)
  • Pentium G6950/2.80GHz(以下,G6950)

の6モデル。その主なスペックは表1に示したとおりだ。

※2010年2月13日時点の実勢価格。4Gamer調べ

エントリー市場向けCPUと組み合わせるのに適切なミドルクラスグラフィックスカードから,今回は,編集部で独自に用意したPowerColorブランドのHD 5750搭載製品を用いる
Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)
 テスト環境は表2のとおりで,「AMD 785G」および「Intel H55 Express」搭載のASUSTeK Computer(以下,ASUS)製microATXマザーボードを用いる点など,基本的な構成は前編とまったく同じ。AMD製CPUのメインメモリアクセス設定を「Ganged」にしている点も変わらずだ。

 違いは,前編で比較対象として用意した「Phenom II X2 550 Black Edition/3.1GHz」を省略し,純粋に新製品同士の比較を行うことと,単体グラフィックスカードとして,DirectX 11世代のミドルクラスGPU「ATI Radeon HD 5750」(以下,HD 5750)搭載モデル「PowerColor AX5750 1GBD5-PDH」を用いている点となる。


 テスト方法は,基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション8.4準拠。ただし,「Left 4 Dead」の代わりに「Left 4 Dead 2」,「Race Driver: GRID」の代わりに「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)を採用し,間もなく公開予定のレギュレーション9.0を先取りした形になっている。
 詳細は,後日あらためて解説したいが,Left 4 Dead 2のテスト方法は,Left 4 Deadと同じ。「再生するリプレイとシーンが異なる」という認識でOKだ。一方のDiRT 2は,製品版のベンチマークモードを利用。2回連続実行し,高いほうの平均フレームレートをスコアとする。
 DiRT 2におけるグラフィックス設定の詳細は,西川善司氏の連載記事が詳しいが,そこで解説されているように,本作では,ゲーム内オプションに用意された5項目を切り替えることで,DirectX 9モードとDirectX 11モードを指定できる。そこで,今回はプリセットから[ULTRA]を選びつつ,5項目を下記のとおり設定し,よりグラフィックス負荷が低く,CPU性能の比較に向いたDirectX 9モードで動作させることにした。

  • CROWD:HIGH
  • WATER:HIGH
  • POST PROCESS:MEDIUM
  • AMBIENT OCCLUSION:LOW
  • CLOTH:LOW

Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)
M4A785TD-M EVO
容量128MBのSidePort Memoryを搭載
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:9600〜1万1400円(※2010年2月13日現在)
Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)
P7H55D-M EVO
8+3フェーズ仕様のmicroATXマザー
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:1万5000〜1万6500円(※2010年2月13日現在)


GFXの足枷が外れると“伸びる”Clarkdale

G6950は空冷4.2GHzで安定動作


 というわけで,ここからは前編で予告したとおり,同一パッケージに統合されているGFXの“足枷”を外すことで,どの程度,オーバークロック耐性が向上するのかをチェックしてみたい。
 テストに当たってのスタンスは前編と同じく,下記のとおりとなる。

  • 前編で「フォーカスする」とした4製品のみオーバークロックの検証を行う
  • CPUクーラーにはAMD,Intelプラットフォームに共通してArctic Cooler製品-「Freezer XTREME Rev.2」を採用する
  • システムは室温14℃の環境でバラック状態に置く
  • 先ほど用意したテストアプリケーションがすべて動作した状態をもって「安定動作した」と判断する

 オーバークロックに当たっての設定や手順も,GFXがらみのものを省略する以外は前編と同じだ。CPUコア電圧を含む電圧設定のすべてを,BIOSから[AUTO]に設定し,マザーボード側に任せることで,ある程度の“安全性”を確保しつつ,X4 555ではCPU動作倍率,それ以外の3モデルではベースクロックの引き上げを行っている。

 その結果だが,あらためて確認するまでもないほうからお伝えすると,GFXをCPUパッケージに統合していないX4 635とX2 555は,グラフィックスカードを差した状態でもオーバークロック耐性に変化なし。前編と同様,X4 635はベースクロック240MHzの3.48GHz(以下,X4 635@3.48GHz),X2 555は倍率19倍の3.80GHz(以下,X2 555@3.80GHz)が安定動作の限界だった。

 次に,グラフィックスカードを差すことで,GFXを休止状態にした2製品。まずi3-530は,GFXのオーバークロック併用時だと,ベースクロック155MHz,実クロック3.41GHz)が限界だったのが,今回は同171MHzの3.76GHzへと,オーバークロック耐性が約10%向上。G6950はベースクロックがGFX併用時の166MHzから今回は200MHzへと20%上がり,実クロック4.20GHzを記録した(以下,オーバークロック状態は順にi3-530@3.76GHz,G6950@4.20GHzと表記)。

 規定クロックからの上昇率はX4 635@3.48GHzが20%,X2 555@3.8GHzが19%。i3-530@3.76GHzが28%,G6950が50%となる。

オーバークロック設定を行い,安定動作した状態で,「CPU-Z」(Version 1.53)を実行した結果。X4 635とX2 555のスクリーンショットは前編と同じだ。あくまで“CPU-Z読み”に過ぎないことを断ったうえで紹介しておくと,i3-530@3.76GHz,G6950@4.20GHzの動作電圧はいずれも1.448Vだった。なお,これも前編と同じだが,ベースクロックの小数点以下が影響した関係で,CPU-Zの返している実クロックは,本文で紹介した値とは異なっている
Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア) Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)
Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア) Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)

 最後になるが,前編で4コア化に成功したX2 555は,後編でも「X2 555(4-Core Enabled)」としてテスト対象に加える。4コア化の手順は,前編を参照してほしい。

※ 注意
CPUのオーバークロック動作や“4コア化”は,CPUやマザーボードメーカーの保証外となる行為です。最悪の場合,CPUやメモリモジュール,マザーボードなど構成部品の“寿命”を著しく縮めたり,壊してしまったりする危険がありますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿を参考にしてオーバークロック動作や4コア化を試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。


ゲームによって順位が大きく変動する

ベンチマーク結果


 前編同様,前振りが長くなってしまったが,ベンチマーク結果の考察に入っていこう。グラフ1は,「3DMark06」(Build 1.1.0)の総合スコアをまとめたものになる。
 グラフバーの下から6本,定格クロックで比較すると,3スレッド以上を処理できる製品が,順当にスコアを伸ばしている。マルチスレッド処理に対応したアプリケーションでは,3スレッド以上を処理できるCPUがやはり有利だ。
 なお,前編でG6950が大きくスコアを落とした原因が,CPUコアのパフォーマンスではなく,GFXにあったことも,今回,X2 255と同等のスコアを示している点からは窺い知れよう。

 上から5本のグラフバーでオーバークロック状態を比較すると,HD 5750のボトルネックが多少確認されるものの,それでも定格クロック比でスコアは7〜22%上がっている。とくに,動作クロックが50%上げられたG6950の伸びが目立つ。また,X2 555(4-Core Enabled)が,X2 555@3.80GHzより高いスコアを示している点にも注目しておきたい。


 続いてグラフ2は,本来グラフィックス描画負荷の高い「Crysis Warhead」を,エントリー設定で実行し,CPUの性能差を分かりやすくさせたものだ。
 GFXを利用した前編では,それでもスコアの違いがほとんど生じなかったが,今回は全体として,コア数ではなく,動作クロックとキャッシュ総容量を反映したグラフの並びになっている。同じ動作クロックならIntel製CPUのほうが優位なスコアを示した結果,2.9GHz動作のX4 635が最下位に沈んでいるのは示唆的だ。
 オーバークロック設定時は,i3-530@3.76GHzとG6950@4.20GHzが並んでトップ。3DMark06とは異なり,今回はX2 555@3.80GHzのほうがX2 555(4-Core Enabled)より高いスコアを示した。


 マルチスレッド処理に最適化され,コア間で共有されるキャッシュ周りの性能も問われるLeft 4 Dead 2では,4コア動作,L3キャッシュ容量6MBという“フルスペックPhenom II X4”として動作するX2 555(4-Core Enabled)が強い(グラフ3)。「Intel Hyper-Threading Technology」が無効化され,L3キャッシュ容量の制限も厳しいG6950が,オーバークロック時にもi3-530の定格動作時と同程度のスコアしか示せていないのとは対照的だ。
 その定格動作時だと,i3-530とX2 555,X4 635,X3 440はほぼ互角。よく見ると,スレッド数に応じた並びになっていたりもするが,体感できる違いではない。


 「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)のテスト結果が,グラフ4となる。
 ご覧のとおり,スコアはほぼ横並び。グラフィックス負荷が低いCall of Duty 4だが,今回は全体的に“軽すぎ”て,GPUボトルネックが発生しているようだ。オーバークロック状態のスコアがより低く出ている原因は分からないが,CPUの性能差がほとんど反映されてないことからすると,クロックタイミングの関係で,メモリウェイトが一つ余計に入ったとか,そういった可能性はあるかもしれない。
 ただ,ベンチマークレギュレーション8.4で合格ラインとしている60fpsをダブルスコアで上回っており,その点で,大きな問題はないはずだ。


 前編で,AMDプラットフォームのスコアが低く,「ゲームエンジンがIntel製CPUへ最適化されている(=AMD製CPUに最適化されていない)か,グラフィックスドライバである『ATI Catalyst』に問題があるのではないか」と指摘した「バイオハザード5」。本タイトルと,HD 5750カードを差した状態でテストした結果がグラフ5だ。この結果を見る限り,“ATI Catalystのせい”ではなく,ゲームエンジンの最適化度合いが,Intel製CPU優位な状況を作っていると見るべきだろう。
 面白いのは,Intel製CPUだと,オーバークロック時には,動作クロックよりも,処理できるスレッド数がスコアを左右しているように見えるのに対し,AMD製CPUでは全体的に,コア数よりもむしろ,動作クロックがスコアを左右している傾向にあることだ。このあたりが,スコアの違いを生じさせた理由ではなかろうか。

Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)

 グラフ6は,「ラスト レムナント」のテスト結果だ。Unreal Engine 3.0を採用する同タイトルでも,基本的にはIntel製CPUが優勢。3.80GHz動作するX2 555より,定格動作するi3-530のほうが上を行くというのは,なかなかインパクトが大きい。
 AMD製CPUの定格動作だと,スコアはほぼ同じ。X2 255のスコアが多少低めであるものの,体感できるほどではない違いだ。


 DiRT 2では,Call of Duty 4以上に揃う形で横並びのスコアとなった(グラフ7)。レギュレーション9.0では,プレイアブルかどうかの目安を平均30fps,快適にプレイできる目安を同60fpsに置く予定だが,HD 5750と組み合わせる限り,今回用意したCPUは,どれもDirectX 9モードで十分プレイできるレベルにあると言ってよさそうだ。



消費電力のテストでは

前編に引き続きIntelが圧倒


 前編と同様の手順で,消費電力をチェックしておきたい。GFXの無効化により,傾向にはどういった違いが出るのかを,ここでは見ることになる。
 念のため,ざっとテスト方法をおさらいしておくと,用いるワットチェッカーは,ログの取得が可能な「Watts up? PRO」。OSの起動後,30分間放置した時点を「アイドル時」,3DMark06のループ実行を30分間繰り返し,その間で最も消費電力の高かった時点を「高負荷時」として,各時点のスコアを取得する。さらに,定格動作時は,CPU側に用意された省電力機能を有効化した状態のデータも取ることにした。

 その結果をまとめたのがグラフ8で,高負荷時におけるIntel製CPUの低消費電力ぶりは,前編と同じように確認できる。マザーボードが異なるため,100%横並びの比較が行えない点は注意してほしいが,それを抜きにしても,オーバークロック時ですら,今回テストした競合製品のすべてを下回るスコアというのは強烈だ。

 一方,水をあけられたAMDプラットフォーム内で比較すると,高負荷時におけるX2 555@3.80GHzのスコアが群を抜いて高く,これは少々気になるところである。もっとも,定格動作のアイドル時で比較する限り,Intel製CPUとそれほど差があるわけでもないので,オンラインゲームのまったりプレイ用PCのCPUとして選ぶのであれば,それほど気にする必要はないかもしれない。


 最後に,グラフ8の各時点におけるCPU温度を,参考として示しておこう(グラフ9
 CPU温度の取得に用いたのは「HWMonitor Pro」(Version 1.06)。前編と同様,ファン回転数がPWM制御されるFreezer XTREME Rev.2を共通して用いているため,グラフの結果≠CPUの発熱だという点はくれぐれも注意してほしい。4コア化したX2 555では温度を取得できなかったため,今回はスコアをN/Aとしたが,前編同様,大型クーラーを組み合わせる限り,オーバークロック設定を行っても,とくに問題のないレベルでCPUは冷却できると述べてよさそうである。


バランス重視ならi3-530で,次点がX2 555

面白いのは間違いなくX2 555とG6950


 以上,前後編にわたって,2010年1月に発表されたエントリー市場向けCPUをチェックしてきた。3Dゲーム用途でGFXに頼るというのはかなり厳しく,できるなら別途グラフィックスカードを用意すべきというのは前編で指摘したとおりだが,ミドルクラスのグラフィックスカードを使う前提で,新規に1台組むことを考えると,定格動作を前提とするか,そうではないかで,結論は変わってくる印象だ。

 まず定格動作を前提とした場合だが,これは完全にi3-530が頭一つ抜けている。パフォーマンスと消費電力の両方で,バランスがよく取れており,新規に1台組むという場合は,どう考えても本製品がベターだ。
 ただし,手元にSocket AM3&AM2マザーボードがあり,CPUとグラフィックスカードだけ入れ替えたいという場合には,X2 555が有力な候補となる。システムの全取っ替えが不要な分,i3-530と比べても圧倒的に安く済むので,コスト最重視なら迷わずこちらが正解だ。
 Athlon IIシリーズのCPUは,ゲームの性能を左右するキャッシュ容量が低いため,全体的に不利な印象が拭えなかった。とにかくコストを重視したいということであれば,むしろ前編で取り上げたX2 550のほうがいいかもしれない。

 一方,オーバークロックや4コア化を前提に考えると,X2 555とG6950が“同率1位”になる。動作クロックが求められるなら倍率を上げ,マルチスレッド性能が求めらる場合は4コア化を試せるというX2 555の楽しさは群を抜いている。今回は試していないが,その両方にチャレンジすることすらできるX2 555というCPUは,かなり魅力的な存在だといえるだろう。
 また,消費電力面でのトレードオフをほとんど取らずにCPU動作クロックを大きく引き上げられるG6950も,Intelプラットフォームで遊ぶ場合には,有力な選択肢となるはずである。

 いずれにせよ,エントリー市場向けCPUは,上位モデルと比べて制限されている部分によって,さまざまな特性を見せてくれるので,自分の使い方に合わせて選んでいくのがポイントになる。この点を押さえておいてもらえれば幸いだ。
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