インディーズゲームの小部屋：Room＃627「Tank Mechanic Simulator」

　10年ぐらい使い続けているトラックボールを，さすがにそろそろ買い替えようと思っている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第627回は，DeGeneralsが開発した「Tank Mechanic Simulator」を紹介する。本作は，第二次世界大戦で活躍したさまざまな戦車を修理しながら，自分だけの戦車ミュージアムを作り上げるというシミュレーションゲームだ。次はワイヤレスの製品にするぞ（今さら）。


　本作は，父親から受け継いだ戦車の修理工場で，顧客からの依頼に応じてさまざまな戦車を修理していくシミュレーションゲーム。ドイツのIII号突撃砲G型，IV号戦車G型，ティーガーI，ソ連のT-34/76，KV-2，アメリカのM4A3E8 シャーマン，M26 パーシングなど，主に第二次世界大戦で使われた14種の戦車や突撃砲，装甲輸送車が登場する。


　この世界は，某戦車道アニメのように個人で旧式の戦車を所有している人が多いようで，プレイヤーのもとには「うちのM10 ウルヴァリンが壊れちゃった。大至急，修理して！」といった感じのメールがしょっちゅう届く。それらの依頼内容を確認し，どれを引き受けるかを決めたら，いよいよ作業開始。作業場にデデーンと壊れた戦車が届くので，さっそく修理に着手しよう。


　戦車の修理手順は大まかに，車体やパーツの錆び取り，サンドブラストでの研磨，プライマーによる下地処理，全体の塗装の4段階あり，車体を分解しながらこれらの作業を行っていく。いったん，パーツをバラバラにして必要な修理を加えたら，今度は逆の手順で組み立てていくのだが，修理工場に運び込まれる戦車はパーツが不足している場合が多い。そんなときは，オンラインストアで足りないパーツを注文すれば万事解決だ。いったいどこの通販なんだ……。


　依頼された修理を完遂するとお金と名声ポイントが手に入り，この名声ポイントを使って，工具のアップグレードや修理工場の拡張を行える。工場をアップグレードすると，塗装室で自由に迷彩塗装やマーキングを施したり，ミュージアムに戦車を展示したりできるようになるという仕組みだ。主人公のもう1つの目標は，このミュージアムを作り上げること。そのためには，顧客から預かった戦車ではなく，自分の戦車を入手しなくてはならない。


　では，どうやって自分の戦車を手に入れるのか？　主人公のPCには，ときおり戦車が埋まっていそうな場所についてタレコミのメールが届くので，それを手掛かりに発掘に出かけ，金属探知機やドローンを使って戦車を見つけて，地中から掘り出すのだ。工場に輸送した戦車を修理すればミュージアムに展示でき，定期的にチケット収入を得ることも可能。ミュージアムの内装や展示パネルはカスタマイズでき，そこにお気に入りの戦車を並べて，うっとり眺めるのもオツなものだ。


　ゲームらしく，戦車の分解/組み立てはほどほどに簡略化されているが，それでも十分に複雑で，戦車をほぼ組み終わったあとで内部の細かいパーツを修理し忘れていたことに気づいたりすると，思わず頭を抱えたくなる。実物大のプラモデルを組み立てているような楽しさを味わえるだけでなく，ピカピカにレストアした戦車を，テストコースで操縦することもできる。そんな本作はSteamにて2050円で発売中なので，憧れの戦車を自分の手で修復してみたいと思っていた人はぜひどうぞ。

■「Tank Mechanic Simulator」公式サイト

http://tankmechanic.degenerals.com/