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Access Accepted第742回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲーム特集【2022年末版】
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印刷2022/11/21 20:30

業界動向

Access Accepted第742回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲーム特集【2022年末版】

画像集 No.008のサムネイル画像 / Access Accepted第742回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲーム特集【2022年末版】

 2022年はリアルなグラフィックスを擁した大作感のあるゲームがいくつかリリースされる一方,独特な“ビジュアル・アイデンティティ”を持つインディーズゲームも増えている。今回の連載では,ひと目見ればどういう作品なのか想像できる,独創的なアートワークを柱にした“ビジュアル・アイデンティティ”あふれる新作を紹介しておこう。


アートフルなゲームが目白押し


 昨年末に掲載した「第707回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲームたちを紹介」関連記事)では,ひと目見ればどういう作品なのか想像できる,独創的なアートワークを柱にしたインディーズゲームが増えていることをお伝えしつつ,その代表作とも言えるいくつかの作品を紹介した。このトレンドは今年も続いており,アートフルな作品が次々とリリースされている。
 “ビジュアル・アイデンティティ”とは,1枚の静止画像を見ただけでその作品に対して強烈なイメージを植え付けられる,アートスタイルが際立っていることを表す言葉だ。上記の記事でも書いたように,同ジャンルの他作品とは一味違う,その個性がしっかりと感じ取れるグラフィックスを見かけることがあるはずだ。

 “第9世代”などと言われるPlayStation 5及びXbox Series X|Sに代表される現行のゲーム市場においては,レイトレーシングやHDR(ハイダイナミックレンジ),そしてもちろん4K解像度による細やかなグラフィックスを活用したリアルなゲームが次々と発売されるようになった。
 「グランツーリスモ 7」のスクリーンショットだけを見ても,もはや本物なのかゲーム画像なのか区別がつかないし,「ELDEN RING」「Horizon Forbidden West」で描かれたファンタジー世界の美しさは格別だ。「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」の雪の舞う氷原だけに留まらない多彩な環境表現,「Call of Duty: Modern Warfare II」の雨や水しぶき,「プレイグ テイル - レクイエム -」のキャラクターの肌や衣類の質感に感動を覚えた人もいるだろう。

 美麗なグラフィックスでリアルさを追求することは,没入感を高いゲーム体験につながるのは間違いないが,あまりにゲームがリアルに近付くと,特に現代モノのテーマであれば見た目が似たものになってしまいかねない。
 そうした状況に考慮しているかは分からないが,AAAタイトル群の中にも,独特のビジュアルを追求する作品が登場しつつある。昨年の「DEATHLOOP」しかり,12月2日にElectronic Artsから発売予定の「Need for Speed Unbound」もそうだ。

アート面ではかなり思い切った方向性に舵取りしたレーシングシリーズ最新作「Need for Speed: Unbound」だが,警察とのカーチェイスといったお馴染みの要素はしっかり継承されている
画像集 No.002のサムネイル画像 / Access Accepted第742回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲーム特集【2022年末版】

 Criterion Gamesにとっては10年ぶりの担当となる「Need for Speed Unbound」は,リアルタイム・レイトレーシングによる濡れた路面の反射光などは採用しているものの,急なカーブやブースト,接触やジャンプ時などで,まるで蛍光ペンで落書きを書き入れたようなエフェクトで表現される。テールライトもまさにテールのように赤い光が伸びていたり,キャラクターにもヘビーなトゥーンシェーダーを加えてアニメ調にしたりなど,リアルさとは一線を画すアート・ディレクションが採用されている。

 「Need for Speed: Unbound」は,かなり“攻めた”例ではあるが,本年末から来年にかけても,かなり独特なアイデンティティを持つ作品がリリースされてきている。今回は,そうした作品を改めて紹介しておこう。

Somerville

プラットフォーム:PC / Xbox Series X|S / Xbox One
開発元: Jumpship
発売元: Jumpship
発売日: 11月14日

画像集 No.003のサムネイル画像 / Access Accepted第742回:“ビジュアル・アイデンティティ”が光るインディーズゲーム特集【2022年末版】

 11月14日にリリースされたばかりの「Somerville」は,突如としてエイリアンが侵攻を開始したことで混乱する世界の中で,離れ離れになった家族を探し求める男が主人公となる。Playdead時代には「Limbo」や「Inside」など独特の絵面を持ち味としていたJumpshipのディーノ・パティ(Dino Patti)氏の新作とあって,セリフもなくキャラクターの名前や表情もわからない表現が,どこか不気味ながらも美しい世界を作り上げている。パズル主体のゲームプレイではあるが,主人公を何とか家族と再会させてあげたいと感じるし,次のシーンの描写を見てみたいと思わせてくれるはずだ。


Nadir: A Grimdark Deckbuilder

プラットフォーム:PC / PS4 / Switch / Xbox One
開発元: Team Nadir
発売元: Black Eye Games
発売日: 11月8日 (アーリーアクセス)

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 11月初めからPC向けのアーリーアクセスが開始している「Nadir: A Grimdark Deckbuilder」は,中世イタリアの叙事詩「ダンテの神曲」をテーマにしたカードバトルをバックボーンにしたターン制RPGだ。過去に大きな罪を抱えた3人のスケルトン,The Leader,The Poet,そしてThe Virginたちが,罪人たちが住む都市“ナダー”から脱出を図るというストーリーが描かれる。フランク・ミラー氏や弐瓶 勉氏のコミックスに影響を受けたという,ダークファンタジー色の強い2Dアートワークが特徴だが,それぞれのカードが青と赤の2つの相反する能力を持つなど,カードゲームとしてもすでに高く評価されている様子だ。


インクリナティ

プラットフォーム:PC / Switch / Xbox Series X|S / Xbox One
開発元: Yaza Games
発売元: Daedalic Entertainment
発売日: 今冬

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 今冬中にもアーリーアクセスがスタートする「インクリナティ」は,プレイヤーが“生きた絵”を描き込むことで自在にストーリーを生み出す秘密結社のメンバーとなってウサギやイヌの兵士たちを生み出し,中世のモンスターを倒しながら邪悪なアーティストと戦っていく。中世ヨーロッパの装飾写本や伝記のページ上下にある余白に書き込まれた“マージナリア”と呼ばれるインク画のアートスタイルにヒントを得て開発が進められてきた。
 その独創的なアートワークからすでにgamescom 2022などで高い評価を得ている本作については,すでに一時的に公開されていた体験デモのプレイレポート(関連記事)を参照していただくと良いが,実際に画を描き込むフリをするだけでゲームは進行するし,2Dプレーンのシンプルなルックスながらも,障害物や“飽き”の要素が加えられて戦略性が高められている。


Dordogne

プラットフォーム:PC / Switch
開発元: Un Je Ne Sais Quoi / UMANIMATION
発売元: Focus Entertainment
発売日: 2023年内

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 “フランス随一の美しい村”などと言われるドルドーニュの名を冠した「Dordogne」は,天国に行った祖母から一通の手紙とパズルが届いたことで,主人公の女性 “ミミ”が現在の自分と過去の思い出の中を行き来しながら,大好きな祖母の思い出を紡ぎあげていく。淡いタッチのアートワークが魅力な作品だが,実際に背景を作り出す2Dアートの1つ1つが水彩画をデジタル化したものが利用されている。
 異なる風景が重ね合わされていることで背景が変化し,自分の好きな角度からポラロイド写真を撮影することも可能で,そこに思い出深い教会の鐘や鳥のさえずりなどの音を組み合わせてアルバムを作り上げるのがゲームの目的となっているようだ。2020年に発表されてから開発に時間がかかっている様子の本作だが,パブリッシャも決まったことで今後の展開にも期待しておきたい。


Nivalis

プラットフォーム:PC
開発元: ION LANDS
発売元: 505 Games
発売日: 未定

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 サイバーパンクな未来世界を描いたゲームは少なくないが,「Nivalis」は海と雲に囲まれた都市“ニヴァリス”において,プレイヤーは屋台やラーメン店から始まり,さらにはシーサイドレストランやナイトクラブまでに事業を広げていく経営シミュレーションだ。オリジナルの食材探しを行ったり,自分の部屋をデコレーションしたりでき,町の人に声をかけて恋にも落ちるアドベンチャー要素まであるユニークな作品となっている。
 2020年にリリースされた「Cloudpunk」と世界観を共有するスピンオフであり,その中核となるボクセルベースのグラフィックスエンジンによる細かい3Dワールドが魅力的。必ずしもディストピアではない近未来において,料理やインテリアデザイン,釣りなどを楽しみたいという人なら要チェックしておきたい作品だ。


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。

※来週(11月28日)の週刊連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,著者取材のため休載します。
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