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ルーマニアで開催されたe-Sportsの祭典「IeSF2013 World Championship」2日目レポート。AVA部門に出場のDeToNatorはアジア予選で惜敗
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印刷2013/11/02 20:53

イベント

ルーマニアで開催されたe-Sportsの祭典「IeSF2013 World Championship」2日目レポート。AVA部門に出場のDeToNatorはアジア予選で惜敗

 世界的なe-Sports大会である「IeSF2013 World Championship」が,2013年10月31日からルーマニアのブカレストにて開催されている。日本からはAlliance of Valiant Arms」(以下,AVA)部門にチームDeToNatorが代表として参加しているが,DeToNatorは果たしてこの大会でどんな活躍を見せるのだろうか。

参加国は50国以上! 大盛況の開会式


 大会は宿舎であるRIN GRAND HOTELからバスで10分程度離れた場所にあるSala Polivalentaで開催された。Sala Polivalentaは,バスケットボールの大会やコンサート,各種展示会などが開催される総合体育館で,e-Sportsの大会であるIeSF2013 World Championshipにふさわしい場所と言えるだろう(選手が実際にプレイする競技エリアがやや寒く,選手が指先の保温に若干苦労していた部分はあったが)。

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 開会式の入場行進では,各国選手団から代表が1名,それぞれの国の国旗を掲げてステージに上がった。参加国は合計50か国にのぼり,選手が入場するたびに会場の観客から大きな歓声が上がっていた。
 会場の警備は,どうやらルーマニア軍が一部担当していた様子で,開会式では市長からのメッセージが寄せられるなど,ルーマニア政府がこのイベントに寄せる大きな期待が感じられた。また,金曜日の午前中にも関わらず,会場にはたくさんの観客が来場しており,ルーマニアのe-Sportsへの関心の高さが伺えた。

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「IeSF2013 World Championship」公式サイト

「Alliance of Valiant Arms」公式サイト


チーム・DeToNatorの戦い


 さて,注目のAVA部門だが,残念なお知らせからのスタートとなった。フィリピン選手団の一部がルーマニアに入国できず,棄権となってしまったのだ。これにより,上位2か国が通過となるアジア予選は日本・韓国・中国・タイの4か国で行われることになった。
 ルールは「爆破ミッション」で,攻撃側チームは目標地点に時限爆弾を設置後,爆破までに解除されなければ(または防御側チームを全滅させれば)勝利。防御側チームは攻撃側チームが設置した爆弾を解除するか,攻撃側チームを全滅させる,もしくはタイムアップで勝利となる。対戦は7本先取ルールで,先攻チームが6ラウンドを攻撃側でプレイしたのち,7ラウンド目から攻守を入れ替える形で進行。なお,各チームはそれぞれ5人で構成される。

 日本の最初の対戦相手は中国。使用マップはFox Huntingで,中国の先攻となった。
 当初の予想では「なかなか厳しい戦いになるのではないか」と思われていた組み合わせだが,ゲームが始まってみると日本チームがなんなく連勝を重ねていく。「防御側が有利」と言われるFox Huntingマップにあって,攻撃側でも不利を感じさせない,文字通りの「圧勝」となった。
 7ラウンド目は残り人数で日本が2人,中国が4人と大きなリードを奪われたが,そこからの2連続キルでイーブンに戻し,そのまま押し切る形で日本チームの勝利。この逆転劇によって日本は7連勝,7-0の完璧なスコアで勝利を収めた。

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 この段階で,日本のアジア予選突破はほぼ疑いないものと思われた。タイは「撃ち合いに強い,油断ならない相手」ではあるものの,これまでの戦績を見ると,数字的には圧倒的に有利といっていい。ここで2勝してしまえば,予選は突破したも同然である。
 タイ戦で選ばれたマップはAirplane。「撃ち合いに強いチームが有利」という,タイが実力を発揮しやすいマップだ。タイの先攻で試合が始まると,一進一退のシーソーゲームでラウンドが進み,スコアが均衡したまま11ラウンド目を迎えた。ここで勝利を収めたのはタイで,マッチスコアは5-6。瀬戸際に立たされた日本はその後懸命に戦うが,タイが「撃ち合いに強い」という前評判を証明するかのように,見事な勝利を収めた。

 まさかの敗北を喫した日本。中国は韓国にもストレート負けとなり,タイに勝利することは難しいと思われるため,もう後がない状況となった。なにはともあれ韓国に勝つこと――それも可能な限り良いスコアで――が日本に求められたが,韓国チームの強さを考えれば,これは厳しい。

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 韓国戦のマップはDual Sight。今回も日本は後攻である。
 背水の陣で挑む日本は序盤,韓国に対しリードを奪う。2-2の均衡状態から勝利を収めて3-2,さらに連勝して4-2と,底力を見せるが,韓国も黙ってはいない。次の1本を取り返して4-3,さらにもう1本連取して4-4と,ゲームを振り出しに戻した。
 9試合目,激しい撃ち合いの後,日本は残り2人,韓国は残り1人となったが,ここから韓国が2人抜きを決め3連勝,マッチスコアは4-5に。このままズルズルと日本が崩れてしまうかと思いきや,次のマッチで設置した爆弾を命がけで守りきって5-5にスコアを戻した。
 11試合目,ここを勝ったほうが勝利に大きく近づく勝負だが,日本チームはわずかに及ばず,設置した爆弾を解除されてしまい,これでスコアは5-6。先に王手をかけたのは韓国となった。
 12試合目,互いに相手を崩す手段を探りあうなかで発生した銃撃戦は一気に双方のチームを飲み込み,最後に立っていたのは,日本チームだった!
 かくしてマッチスコアは6-6,泣いても笑っても,次のマッチが勝敗を決める。
 どちらも譲れない戦いが,緊迫した空気のなかで進行する。序盤の激突で日本は3人,,韓国は2人を失った。日本不利という状況から,日本が1キルを奪って残り2人対2人。ツーマンセル同士の激突が,すべてを決める。

 そして幸運の女神は――韓国チームに微笑んだ。日本チームが待ち伏せの視線を外した刹那,韓国チームがその射線上に現れたのだ。観戦していたAVA運営チームのスタッフに「あと1秒長く見ていたなら,勝ったのは日本だった」と言わしめた,僅差の勝負であった。

 韓国チームに6-7で敗れ,タイが中国に勝利を収めたため,アジア予選を通過する2国は韓国とタイという結果に。世界一を目指した日本チームの,ブカレストにおける戦いは,これにて幕切れとなったのである。

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e-Sportsのこれから


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 日本チームにとっては残念な結果に終わったIeSF Championship 2013だが,いくつか考えさせられることがあった。
 まず最初に,「e-Sportsは本当にスポーツと言えるのか」という,e-Sportsに対して否定的な立場を取る人から必ず提示される疑問である。これに対しIeSFのような団体は「これはスポーツだ」と明言する立場で活動しているし,e-Sportsを制度上もスポーツとして認める国家は増えている。e-Sportsが今後普及していくならば,日本でもこの論点はより活発な議論にさらされることになるだろう。
 そもそもスポーツの定義とは何で,何を満たせばスポーツたり得るのだろうか。これまでにも幾多が議論が繰り返されたが,普遍的な結論を出すことはできていないし,将来的にも恐らく困難だろう。オリンピックの正式競技となっているスポーツ種目ですら,人によっては「あれはスポーツではない」と言う人も,決して珍しくない。

 ただ個人的に,学生時代に長くスポーツをやってきた人間として感じたのは,勝ったときの喜びや,負けたときの悔しさ,そしてその思いの深さは,e-Sportsも既存のスポーツのそれに劣らないということだ。
 チームで戦うゲームであれば,どのようにチームを運営し,どうやってチームワークを育み,嬉しいときだけでなく,絶望的に悔しい瞬間もチームであり続けられるためにはどうしたらいいのかを考える必要がある。そしてその必要性もまた,いわゆる一般的なスポーツと変わらない。
 今後日本でe-Sportsを普及させるために求められるのは,「これはスポーツだからスポーツです」という言葉ではなく,「スポーツとしての感動や情動がある」ことを実際に示し続けることなのではないだろうか。結局のところスポーツ最大の魅力は楽しいことであり,楽しさを伝える一番いい方法は,それを楽しんでいる姿をきちんと観てもらうことなのだから。

画像集#010のサムネイル/ルーマニアで開催されたe-Sportsの祭典「IeSF2013 World Championship」2日目レポート。AVA部門に出場のDeToNatorはアジア予選で惜敗

 また,これは今回のIeSF Championship 2013についての話になるが,「ゲームイベントの運営」に関する難しさを感じさせられる場面が目立ったのは,いささか残念だった。
 実は,日本対タイの試合の後,タイチームがルールを違反していたことが発覚したのだ。事前にタイチームにもルールは通達されていたため,ルール違反の最大の責任はタイチームにあるのは間違いない。が,発覚したのは「同じ外見のキャラクターを使ってはならない」というルールに対する違反であり,これはオフィシャルがマッチ開始前にちゃんとチェックしていれば,そこで指摘できたはずである。

 ルーマニアにける大規模なe-Sports大会は,今回がほぼ初めてのことであり,大会運営におけるノウハウをこれから蓄積していこうという状態であることを考えれば,このようなミスがあったとしても,今回の大会は成功といって良いと思う。月並みな言葉となるが,ミスを踏まえることが,今後のより良い大会につながることを期待したい。

 最後に,日本チームDeToNatorのマネージャーを勤める,MaxJam氏のコメントを紹介して,本稿の締めとしよう。

「非常につらい結果です。でもマッチスコアが何対何であれ,それが惜しい試合であっても,負けは負けです。自分達は,それを認めざるを得ません。
 今回のことを次にどう活かせるかが,自分達の次の課題です。また次の大舞台で戦えるよう,これが後退ではなく,前進のきっかけだったと後から思えるよう,チーム一丸となって進んでいきたいと思います。
 また自分達を応援してくれた方たちには,応援してくれたことへの感謝の気持ち,それから負けてしまった事による申し訳ない気持ちで一杯です。次は良い報告ができるように,頑張ります。ありがとうございました」(MaxJam氏)


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「IeSF2013 World Championship」公式サイト

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