ゲームオンがサービス中のオンラインFPS「
Alliance of Valiant Arms」で,「トリロジー」と題された大規模なアップデートが実施されている。
第1弾は実装済みだが,10月7日に第2弾,続いて10月下旬に第3弾が登場する予定だ。そんな本作の予定や新要素のポイントなどを,プロデューサーを務める井上 洋一郎氏に聞いてきたので,その内容を紹介しよう。
押し寄せる暴徒の群れをなぎ倒せ! 「Prison Break:生存(Survival)」
生物兵器研究所で開発された謎の薬物により,基地に収容されていた大量の捕虜たちが凶暴化する,というのが,Prison Breakのバックストーリーである。生き残った仲間と協力して,捕虜に占拠された基地から無事に脱出するのが目的だ。
9月16日に実装された「生存(Suevival)」は,アップデートトリロジー1番目の要素で,次々と押し寄せる捕虜を倒し続け,何体倒せるか,何分生き延びられるかを競うモードだ。大量の暴徒を片っ端から撃ちまくる楽しさは,ストイックな対戦では味わえないだろう。
ハイスコアを出すコツは,仲間との協力もさることながら,やはり集中力を持続されせることだという。後半になると,出現する暴徒の数がどんどん増えていき,リロード中などのちょっとしたスキに攻撃され,そのまま味方が総崩れしてしまう,とのこと。
ちなみに,韓国でのランキングトップのKill数は1万1000ほど。参考までに日本サービス運営スタッフが記録したスコアを聞いてみたところ,2000くらいだという。韓国プレイヤー恐るべしといったところか。
 今回お話を聞いた,Gameonオンライン事業本部 Alliance of Valiant Arms プロデューサーの井上洋一郎氏 |
なお,韓国ネットカフェでの稼働率を集計したランキングによると「AVA」は,「
サドンアタック」「
スペシャルフォース」「
カウンターストライクオンライン」に次いで4位だったという。しかし「Prison Break」を2009年7月に韓国で実装したことで,3位にランクアップ。ゲームオンではかなりの期待を持って日本版に実装するという。
そもそも「Prison Break」はFPSのコアユーザー以外の層を対象にして開発されたもの。FPS初心者にありがちな「わけが分からないまま倒されたからやめた」という状況を回避するため,FPS=対戦という図式を取り払い,NPC相手のCo-opモードでFPS独特の操作に慣れ,協力して敵を倒す楽しさを知ってもらおうという狙いがある。
もっともNPC相手とはいえ,各ミッションのクリアタイムやKill数によるランキングが公式サイトに掲載されるため,編成や連携を突き詰めて,上位を目指すという楽しみ方もできる。
ヘリコプターまでたどり着き基地から脱出せよ!「Prison Break:脱出(Escape)」
アップデートトリロジーの二つめは,基地内の扉を開けながらヘリポートへと向かい,ヘリに乗って基地から脱出するモードだ。基地の各所に設置された扉を開くスイッチは開閉操作に時間がかかるため,操作中の味方を暴徒から護らなくてはならない。通路も入り組んでいるため,誰がスイッチを操作し,どの武器を持ち,どんな隊列を組んで進むかなど,事前の打ち合わせが必要になるだろう。
リアルタイムな状況判断と連係プレイがカギとなるため,井上氏はボイスチャットの使用を推奨している。ラジオチャットなどで簡易的な通信はできるものの,やはりキーボード操作と同時に意思を伝えられるボイスチャットは欠かせないだろう。
戦車を規定ポイントまで護衛せよ! 護衛モードの新マップ「Scorpion」
アップデートトリロジー最後の要素は,既存の「護衛」モードに追加される新マップ「Scorpion」だ。
護衛モードに寄せられる意見に「上級者と対戦するとすぐにやられてしまう」というものが多かったという。プレイヤーの腕を競うFPSではある程度は仕方ないが,戦車を護衛して指定ポイントまで進むモードなのに,戦車を少しも進めることなく負けた,という状況などがかなり多いそうだ。そこで,追加される新マップは,建物など遮蔽物の配置や護衛ルートを極力シンプルにしているという。交戦ポイントが分かりやすいため,どこを重点的に護るか,監視するかなどの判断が容易になっている。これらは,「何をすればいいか分からない」という状況をなくすための配慮だ。このマップで護衛モードの基本を覚えて,ほかのマップにも挑戦してほしい。
トリロジー実装後もさらに続くAVAのアップデート
前述した3点がトリロジーの要素であるが,その実装を終えたからといってAVAの進化が止まるわけではない。さらに先の話を聞いてきたので,紹介しよう。
AVAは対戦がメインとなるゲームなだけに,各種の大会に力を入れていくという。春に行った前回の大会が好評を博しており,次回の開催を計画しているそうだ。アーケードの格闘ゲームなどで日頃から行われている,上級者同士のプレイを観戦し,そして自分もそこに参加するように,気軽に競い合える環境を作るのが目標だという。プレイヤー主導で行われている大小さまざまな大会も大歓迎で,公式サイトで気軽に登録,告知できるような,運営としてサポートする体制を整えていく予定だ。
さて,プレイヤーならご存じのとおり,2009年6月24日に実施されたアップデートにバグがあり,各プレイヤーの所持ユーロ(ゲーム内通貨)が2倍になるという事態が発生した。それに対しゲームオンは,7月3日にプレイヤー全員から誤って追加したユーロを回収したのち,課金者のみに返還した。この対応はプレイヤーに不評で,多くのプレイヤーがAVAから離れてしまったという。
井上氏はこの件を振り返り「プレイヤーの方々に申し訳ないことをした」と反省しており,「一度やってしまった事実は,消すことはできません。いつか離れてしまったプレイヤーが戻ってきて『あんなこともあったけど,今のAVAは面白いよね』といってもらえるように,がんばっていきます」とコメント。また,「面白いサービスを提供し続けることこそ,プレイヤーに対する何よりの謝罪になると考えています。アイテムなどで補填することは簡単ですが,それではAVAから離れてしまった人達へのお返しにはなりません。今回の件を忘れてはならないことと肝に銘じ,迅速なアップデートを行うといった,より良いサービスを続けることで謝罪し続けたいと思っています」と語っていた。
基本無料のFPSとして,飛び抜けて綺麗なグラフィックを誇るAVA。運営面で不手際があったとはいえ,同じようなことが繰り返されることはないだろう。取材をしている最中,井上氏から「とにかくプレイヤーに近い運営でありたい」という思いがヒシヒシと伝わってきたのが印象的だった。そんな井上氏が引っ張る,AVAの運営陣のがんばりに期待したい。