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  • Intel
  • 発表日:2006/07/27
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【西川善司】ノートPCのCPU換装に挑戦してみた話
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印刷2010/07/31 10:00

連載

【西川善司】ノートPCのCPU換装に挑戦してみた話

西川善司 / グラフィックス技術と大画面とMAZDA RX-7を愛するジャーナリスト

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 異性の好みが年齢を経て変わってくるように,ノートPCの好みも変わってきたりませんか。
 自分の場合,以前は小型ノートPCが大好きで,東芝のLibrettoシリーズやソニーの「VAIO PCG-C1」などに夢中だったのですが,今では大型の巨大母艦的ノートPCも好きになりました。出張取材だと,ホテルには巨大母艦を置き,小型ノートPCをカバンに忍ばせるという感じで,適材適所的なノートPC活用を行っています。

COMPUTEX TAIPEI 2010取材旅行にもInspiron 1720を持って行ってました
Core 2
 今愛用している自分の巨大母艦ノートPCは,幅400cm,重さ3.5kgもあるDellの「Inspiron 1720」という製品。現行機である「Studio 17」の前身モデルです。スペック的にはほとんどStudio 17に凌駕されてしまっていますが,唯一,Inspiron 1720が優れているのは,搭載する液晶パネルの解像度が1920×1200ドットというところです。個人的に,縦1200ドット解像度は巨大母艦ノートPC選定時に外せない要素なので,1920×1080ドットのStudio 17は全然うらやましくありません。……負け惜しみじゃないってば。

COMPUTEX TAIPEI 2010には,Inspiron 1720とは別に,LG Electronics製の21.5インチ液晶ディスプレイ「E2250VR」もトランクに詰めて携行。多画面マニアは,出張先でも多画面マニアなのです! ちゃんとデスクトップが拡張されているのが分かるでしょ?
Core 2

 ただ,PCとしての基本性能は,Studio 17をはじめとする最新世代の製品に及ばないのも確かです。
 Inspiron 1720が搭載するCPUとGPUは「Core 2 Duo T7300/2GHz」(以下,T7300)と「GeForce 8600M GT」(グラフィックスメモリ256MB)。3年前に購入した当初は「バカっ速!」と思っていたレスポンスも,いつの間にか「体感速度的にもう一声あればなあ……」という印象になってきました。

 で,どうすべきか。こうした巨大母艦ノートPCは,ハードウェアの構成を自己責任でアップグレードできる例が少なくないので,CPU換装でもして延命するかと調べてみると,いくつかの報告例が目に留まりました。
 それらによると,「Mobile Intel GM965 Express」をサポートする,FSB 800MHz仕様のCore 2 Duoなら,ほぼすべて載るとのこと。
 さらに調べてみると,この条件を満たすプロセッサで,T7300より上のスペックだと,

  • Core 2 Extreme X9000/2.80GHz(L2キャッシュ6MB)
  • Core 2 Extreme X7900/2.80GHz(L2キャッシュ4MB)
  • Core 2 Duo T9500/2.60GHz(L2キャッシュ6MB)
  • Core 2 Duo T7800/2.60GHz(L2キャッシュ4MB)

あたりが候補になるようです。FSB 1066MHzに対応してくれていればもう少し選択肢が増えたのですが,こればかりは仕方ないですね。
 ただ,時代の主流はCore iファミリー。当然,ノートPC向けCore 2 Duoの新品は店頭だとほとんど手に入らないですし,「じゃんぱら」のような中古パーツショップにも,在庫は全然ありません。そこで今回は,仕方なくオークションをあたることにしました。

オークションでゲットしたT9500。ESの刻印入り
Core 2
 ボクが見たタイミングだと,Core 2 Extreme X9000が1点出品されていましたが,価格は3万円近くにまで上がっており,予算的に手が出せず。一方,Core 2 Extreme X7900(以下,X7900)は2万円前後,Core 2 Duo T9500(以下,T9500)だと1万3000円前後からありました。
 動作クロックの高いX7900か,L2キャッシュ容量が多く,Penrynコアを採用するためSSE4にも対応するT9500か。なかなか悩ましいところですが,最終的には「X7900より動作クロックが200MHz低い点は,容量6MBのL2キャッシュでカバーできるだろう」と,より安価なT9500を選択することに。
 ほかに入札者もいなかったため,その後,すんなりとT9500の落札に成功しました。


T9500に換装する


 で,どうやってCPUの換装を行うか,なのですが,DellのWebサイト――日本法人のデルではなく,Dell本社のほうです――にはInspiron 1720のオンラインメンテナンスマニュアルが公開されていて,なんとそこにはCPU交換手順が示されています。

CPU換装の手順を図解しているDellサポートページ。Dell,恐るべし
Core 2 Core 2

 この解説,相当に詳しく分解の手順を図解しているのですが,通して見てみると,思いのほか面倒な作業であることが分かってきました。CPUソケット(とCPU)はキーボードの真下に位置しているのですが,これを露出させるには,キーボードを外すだけではダメ。拡張カードやドライブ類はおろか,液晶パネルすら外さなければならなかったのです。

 ただ,買っちゃったんだもん,今さら引き下がれません。精密ドライバーを取り出して分解に取りかかりました。
 幸いなのは,工具は先が細いプラスドライバーさえあれば基本的にOKということ。もっとも,外すべきネジは30か所以上,ネジの長さは筆者が確認した限り3種類あるので,外したネジが「どの部分のものか」をきっちり整理&分類しておかないと,あとで組み立て直すときに何が何だか分からなくなると思います。
 資料となる写真をマメに撮っておくのが安全でしょうが,それが面倒な場合は,分解工程ををビデオで撮影するなんてのもいいかもしれません。なお,下に示したのはざっくりした分解手順です。

Core 2
(1)分解は光学ドライブの取り出しからスタート
Core 2
(2)HDDを取り外したところだが,ここでセカンダリのHDDベイ発見。Inspiron 1720でセカンドHDDが搭載できるんだ……知らなかった……

(3)キーボード上部のプレートはドライバーなしで取り外せる。プレートの爪を折ってしまわないように注意。プレートの下にあるネジを取ってキーボードを取り外すと,DIMMスロットに差さったメモリモジュールにアクセス可能となる。メモリモジュールの交換ならこれでOKだが,CPU換装となると先はまだ長い
Core 2 Core 2 Core 2

(4)一番ハラハラしたのは,無線LANモジュールからアンテナワイヤーを取り外すとき。力を入れれば簡単に外れるのだが,最初はその「力の入れ加減」が分からないのだ。あと,ワイヤーがどのように接続されていたかは写真を撮るなどして記録しておこう
Core 2 Core 2

Core 2
(5)今回はマニュアルに従って作業を進めているが,このタイミングで液晶パネルを引き抜くと,(4)で外したアンテナワイヤーがするすると抜けてくる。なるほど,そのためのワイヤー外しだったのか
Core 2
(6)天板フレームを外すための,最後のネジ外しを複数個。外すべきネジは非常に多く,写真で示したように,HDDベイのところにもある。最初のほうでHDDを外した理由はこれだ

Core 2
(7)天板を外してマザーボードとご対面。天板を外すときも爪折りに注意。ここからクーラーユニットを外して,T7300を取り外す
Core 2
(8)T9500に軽くグリスを塗る。ソケットのストッパー開閉にはマイナスドライバーが必要なので注意してほしい
Core 2
(9)装着して,クーラーユニットを取り付ける。ソケットのストッパーはきちんと締めておくことをお忘れなく


どのくらいパフォーマンスが上がったのか?


 調べ調べだったので,分解,換装,組み立てには大体2時間くらいかかりましたかね。

BIOS画面でもちゃんと2.60GHz動作,L2キャッシュ容量6MBのプロセッサとして認識されている
Core 2
 組み立て後,ドキドキもので電源を入れたところ,何事もなく起動してしまいました。
 で,実際の使用感ですが,OSの起動が少し速くなりました。また,ログオンしてから,デスクトップが表示されて,いくつか常駐ソフトが起動して,実質的にPCが使えるようになるまでの待ち時間が多少早くなった感じはあります。デスクトップ上のアイコンをダブルクリックしてからアプリケーションが起動するまでの時間や,Internet Explorerのレスポンスもよくなりました。もっとも,「マシンを買い替えたみたい〜!!」というほどの速度差や感激はありません。

 どのくらい速くなったのかを定量的に確認する意味合いで,Windows 7の「パフォーマンスの評価」と定番ベンチマークソフトを走らせてみました。
 結果は以下のとおりで,いずれも左がT9600,右がT7300のものです。

●パフォーマンスの評価

「プロセッサ」と「メモリ」の評価が1.0増加。プロセッサの評価が上がるのは期待どおりだが,メモリの評価が上がるのは興味深いところだ。L2キャッシュ容量アップがプラスに働いたのかも
Core 2 Core 2

●3DMark Vantage

GPUが「GeForce 8600M GT」のまま変わっていないため,3Dグラフィックスのテスト結果には誤差レベルのスコア変動しか見られず。ただ,物理シミュレーションのテストが行われるCPU Testでは1.5倍近いスコアの向上を確認できた

●PCMark Vantage

HDDテスト以外はすべてのスコアが20%程度向上。総合スコアのPCMarkも20%強高い値になった。「パフォーマンスが2割くらい上がっただろ? ん?」と問い詰められれば「お……おぉ……そうかも!」と返答したくなる体感ではある


巨大母艦よ,永遠に……


 ノートPCのCPUアップグレードで気を付けなければならないのは,CPUのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)が筐体側の熱容量設計に適合するかという点です。チップセットやマザーボードが規定より高いスペックのCPUに対応していたとしても,クーラーの冷却能力がCPUの発熱量を下回っていた場合には,安定動作が見込めなくなります。

 もっとも,ボクのInspiron 1720が搭載していたT7300だとTDPは35W。今回換装したT9500も同じなので,その点で問題はありません。X7900だとTDPが44Wなので,もしこちらに換装していたらどうなっていたのか,ちょっと興味はありますね。

 さて,(善)後不覚では以前,2003年に買ったノートPC「LOOX T90D」にSSDを搭載するという話題をお届けしましたが,ボクは1台のノートPCをやたら長く使うクセがあります。今回のCPUアップグレードという延命措置で,このInspiron 1720と付き合う期間はまた長くなりそうです。

 ……あとは,今回偶然に発見してしまったセカンダリHDDベイへのHDD搭載に挑戦してみましょうかね。
 Inspiron 1720のHDDベイは2.5インチのSerial ATAドライブを直接接続することができず,接続には専用のアタッチメントが必要になるのですが,残念ながらデルはこれを単体販売していません。ただ,北米には,こうしたノートPC向けに非売品のアタッチメントを販売している「newmodeus」というサイトがあり,ここでは取り扱いがあるようです。
 本サイトは海外向けの出荷もしてくれるようなので,さっそく注文し,デュアルHDD構成に調整してみようかと考えています。


Core 2
EliteBook 8730w Mobile Workstation
Core 2
ThinkPad W701ds
 そうそう,今回の件に関連して,解像度1920×1200ドットで17インチクラスの液晶パネルを搭載したノートPCのラインナップを調べてみましたが,Hewlett-Packardの「EliteBook 8730w Mobile Workstation」など,数機種しかないんですねえ,もう。
 次回買い替えるならば18インチくらいで,2560×1600ドットパネル採用の巨大母艦かなぁ……なんてことを考えています(さすがに出ないかな)。

 メインディスプレイが1920×1200ドットで,右から10インチの子画面液晶パネルが飛び出すLenovoの「ThinkPad W701ds」も,多画面マニアで巨大母艦マニアの自分には気になる存在ですけれど。

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。4Gamerの連載「3Dゲームエクスタシー」をはじめ,オンライン/オフラインのさまざまなメディアに寄稿したり,バカゲーを好んでプレイしたり,大画面にときめいたり,観切れないほどBlu-rayビデオを買ったり,オヤジギャグを炸裂させたりして毎日を過ごしている。
  • 関連タイトル:

    Core 2

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