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オープンソースのVR対応ヘッドマウントディスプレイ「OSVR」が久々に公開。開発者向けキットはv1.4に進化し,日本進出も視野に
「Razer」公式サイト
アップグレードされたV1.4は外見上,これまでのキットとほとんど差はないが,レンズにディフューザーフィルムを貼ることによって強い光源や,金属,ガラスなどの反射表現がマイルドになり,より自然なグラフィックスが楽しめるようになったという。また,鼻まわりのクッションも改良されており,実際に装着したところ,外部から漏れる光がかなり減った印象だった。
筆者がブースで体験したデモは,VR世代のベンチマークソフトとなるべく,フィンランドのBasemarkと,「CRYENGINE」で知られるCrytekが共同で開発した「VRScore」に収録されたデモの1つ「Sky Harbor」だった。
これは,3月18日に掲載したGDC 2016レポートでお伝えしたように,空中に浮遊する巨大な港を修理するため,飛行艇で運ばれてきたロボット工兵の視点で描かれたVRムービーだ。輸送船が撃墜されて不時着したため,ロボット工兵は鉄くずに絡まって動けなくなり,仲間のロボットが大砲を修理するために駆け回ったり,敵の船がぶつかってきたり,ゴリラのような仲間の戦闘兵が救援にやってきたりといった場面が壮大に描かれていた。
これに関連してリー氏は,「Razer OSVR Hacker Dev Kit」は多数のパーツで構成されているが,それらのパーツをサードパーティが開発することも可能であるとした。例えば,「Razer OSVR Hacker Dev Kit」の視野角は100°であり,ViveやRiftと比較して広くないが,OSVR規格では150°までサポートされているので,視野角の広いレンズを別のメーカーが開発して販売できる。もちろん,独自技術が採用されている場合などに知的財産が侵害されることのないよう,OSVRでは技術保護や申請の制度などを設けている。
筆者のデモを担当したRazerのスタッフは,Hacker Dev Kitの「日本向けのサービスやインテグレーションを進めている」と話しており,今後,日本での展開がありそうだ。Hacker Dev Kitは299ドルという価格に設定されており,ViveやRiftのようなハイエンドデバイスと,Google CardboardやGear VRなどのローエンドVR機器の中間的な立ち位置ある。しかもユーザーが用途に合わせてカスタマイズできるというユニークさも持っているので,VR市場で独自のポジションを築き上げられる可能性は高い。
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