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左サイドボタンがスライドするマウス,「Razer Imperator」レビュー掲載。ほぼ完璧だが……
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印刷2010/02/27 12:00

レビュー

Razerから登場した“G5 Laser Mouse後継”のハイエンドマウス

Razer Imperator

Text by fumio


Razer Imperator
メーカー:Razer USA
問い合わせ先:MSY(販売代理店) http://jp.razerzone.com/
実勢価格:9000〜1万円(※2010年2月27日現在)
Razer
 今回取り上げる「Razer Imperator」(以下,Imperator)は,Razer USA製ゲーマー向けマウスのフラグシップモデル「Razer Mamba」(以下,Mamba)と同じレーザーセンサー,「Razer 3.5G Laser Sensor」を搭載する,ワイヤードタイプの右手用製品だ。
 南米大陸に棲息する寿命の長いヘビ「インパレータ」の名にちなみ,ゲーマー向けマウス市場における長寿製品になるべくその名が与えられたというImperator。本体左サイドに用意される2連サイドボタンの位置を前後に調整できる点と,Razerブランドの従来型マウスにはありそうでなかった形状に目を引かれがちな本製品だが,競合製品がひしめく,1万円前後の価格帯で,優位性を示すことはできるのか。今回は,この点を考えてみたい。

Razer Razer


“(G5T+DeathAdder)÷2”な形状でフィット感良好

「つまみ」「かぶせ」の両方に対応できる柔軟性も


4Gamerの比較用リファレンスでもあるG5Tと並べて,上から撮影したカット。縦はG5Tのほうが多少長いものの,横幅などはほぼ同じように見える
Razer
 Imperatorの形状について一言でまとめるなら,「親指の触れる部分を窪ませることで,高いフィット感を実現すると同時に,指先に力を込めやすくした左サイドと,メインボタン右脇に用意した出っ張りの下に指を添えることで本体を持ち上げやすくした右サイドのデザインにより,『つまみ』『かぶせ』持ちのどちらにも対応できるようにしたマウス」である。
 冒頭で,Razer USA製品らしくない形状だと述べたが,身も蓋もない言い方をすれば,Logitech(ロジクール)製のゲーマー向けマウス,「G5 Laser Mouse」(型番:G-5T,以下 G5T)の特徴を,かなりの部分で模倣したようなデザインだ。

別の角度から。正面から見ると,程度の違いこそあれ,窪み方がよく似ているのが分かる。詳細はこれから述べたい
Razer Razer

Razer
 とはいえ,徹頭徹尾G5Tそっくりかというと,さすがにそんなわけはない。当然,Razer USAなりの独自性が見える部分はある。
 例えば左サイド。G5Tの場合,えぐり取られたような側面のカーブは,手前(=手首側)から奥(=指先側)に向かっていったん外側(=マウスの手前から見ると左斜め前方向)へ膨らみ,サイドボタンの端あたりから先はカーブが収束に向かう。対するImperatorでは,手前から奥まで一貫して外側へ反り返っていて,「Razer DeathAdder」(以下,DeathAdder)似だ。端的にまとめると,「DeathAdderに似たカーブを持つ左サイドに,G5Tのような窪みを付けたような形」である。
 このメリットはかぶせ持ち時に顕著で,親指の密着度合いが高まった結果,マウスを奥方向へ動かす場合に,親指の先を使って奥へ押すように動かせるのはいい。

本体の材質はDeathAdderなどと同じ。手のひらや指が当たる部分の樹脂は大きくラバーコートされている一方,サイドはつるつるした樹脂素材になっている。これだけ窪んでいれば,そう簡単に指は逃げないだろうが,それでも,汗をかいたとき,滑りそうになる不安は残る
Razer Razer

ImperatorとG5Tの右サイドを比較。G5Tだと,手前から奥に向かい,出っ張りが弧を描いてサーフェスとの接地面まで落ちていくが,Imperatorではそうなっていない
Razer
 右サイドも,指を引っかけるための出っ張りに違いがある。G5Tだと,出っ張りはマウスの奥に向かって弧を描きながら下がっていくのに対し,Imperatorでは,G5Tほどは下がり切らず,サーフェスから1cm弱の程度で踏み留まるのだ。
 「G5Tを深めにかぶせ持ちしたとき,出っ張りのせいで薬指が右サイドに収まりきらず,やむなく右ボタン脇のスペースに載せることになった」という2本指派の読者もいると思うが,Imperatorの右サイドデザインでは,スペース的に余裕があり,ぎりぎり薬指と小指を側面に収められる。この意義は小さくない。

Imperatorの右サイドには,出っ張りの位置がG5Tほど高い位置から始まっていないとか,G5Tほど出っ張りが角張った印象を持っていないとかいった違いもある。とはいえその違いは,操作性に直接影響するレベルのものではなく,G5Tから直接乗り換えるユーザー以外は気にしなくても問題ない程度だ
Razer Razer

ケーブルは布巻き仕様で,端的に述べて取り回しやすい。少し折り曲げてクセをつけてやればケーブルの反発がなくなるので,マウス操作を妨げられるような思いをすることはないはず
Razer
 数字的な話もしておくと,本体の大きさは,G5Tが72.2(W)×130.3(D)×43.6(H)mmに対し,Imperatorは71(W)×123(D)×42mm。重量はG5Tがケーブル込み実測156g,ケーブルを秤からどかした参考値で同112〜115gのところ,Imperatorは順に同139g,102〜104gで,Imperatorのほうが小型かつ軽量である。
 縦方向が短くなっている分,指先を使ってマウスを手前へ引き寄せても,本体が手のひらにぶつかってしまうようなケースが少ないのは,つまみ持ち派にとってポイントが高そうだ。

Razerブランドのマウス伝統,メインボタンがへこんでいて,指の置き場所が決まっているデザインを,Imperatorも継承している。かぶせ持ち時は,左サイドの窪みと相まって,親指と人差し指の距離がかなり近くなり,「Razer Boomslang」に近い,親指と人差指で端っこを挟み込むような感触がある
Razer Razer


スライド式サイドボタンは斬新かつ有用

その他のボタンも満足できる完成度


サイドボタンの位置をパネル交換によって変更できたMicrosoft Habu。Razer(※当時)とMicrosoftの協業による本製品の詳細はCrize氏によるレビュー記事を参照してほしい
Razer
 冒頭でも簡単に触れたとおり,Imperatorでは,サイドボタンの位置調整機能が用意されている。本体底面に用意されたスライドスイッチを動かすと,連動してサイドボタンの位置も動くという,非常にシンプルな構造だ。ボタンの位置は,約2.5mm間隔で5段階,最大1cm程度,前後方向へ調節できるようになっている。
 サイドボタンの位置調整が可能なマウスといえば,Imperatorを語るうえで外すことのできない製品「Microsoft Habu」(以下,Habu)が思い当たるが,Habuでは,サイドパネルを交換することで,2パターンを切り替えていたのと比べると,Imperatorでは,ずいぶんスマートなものへ進化したといえるだろう。

工場出荷状態では最も手前側にセットされているスライド型サイドボタン。写真は左がデフォルトから1段階,右が3段階左へズラしたところ
Razer Razer

 最初にRazer USAのプレスリリースを見たときは,そのコンセプトから実用性に疑問を持っていた筆者だが,実際に試してみると意外に便利だ。2個あるボタンの中間に親指の腹が来るよう調整すると,親指を動かさなくても押せるようになるうえ,前後の押し分けができて素晴らしい。
 その構造上,頻繁にがちゃがちゃ移動させた場合には耐久性に不安が残るので,最初に設定を追い込んで,そのまま固定するのが正しい使い方ということになりそうだ。

こちらは最も手前側(左)と,最奥側(右)に設定した状態のカット。移動する範囲はけっこう広い
Razer Razer

 クリック感はいつものRazer USA製品同様に,カチカチとしっかりしたもの。若干固めには感じられるものの,押したいと思ったときに,その硬さが邪魔となるほどではないし,柔らかすぎると誤爆が怖いので,これくらいで丁度よいと思われる。

 左右メインボタンも同様にカチカチしたクリック感で,不満のない作り。Mambaを踏襲した大きめのスクロールホイールも,上下回転・センタークリックともに誤操作の起こりにくい,やはりしっかりした完成度だ。

Imperatorの設定ツールは“Mamba世代”のもの。ボタンへの機能割り当てや,一通り用意されているものの多機能とは言えないマクロ,トラッキング周りの設定内容は,プロファイルとしてマウス本体の内蔵フラッシュメモリ「Razer Synapse」へ登録できる。ドライバのインストールされていないPCにつないだときも,設定内容の多くはそのまま利用可能だ。なお,Razer Synapseの読み出しに約4秒,設定内容書き込みに約10秒と,一定の時間を要するのもMamba譲り
Razer Razer Razer

Razer
写真でセンターホイール奥に並んでいる2個のボタンは,標準でDPI変更ボタンとして機能する(※カスタマイズ可能)。ショートカットやマクロなどをバインドして使うことも可能だが,ゲーム中,積極的に活用するのは難しい
Razer
センサーの真横に置かれている[PROFILE]ボタンは,押すごとに,Razer Synapseに保存されたプロファイルを順番に切り替える。このとき,ファイル番号の数字と同じ回数,ホイール部のLEDが点灯するのは親切だ


追従性十分なレーザーセンサーだが

現時点では致命的な問題を抱える


 さて,Mambaと同じ3.5G Laser Sensorを採用していることから,Imperatorの追従性やマウスパッドとの相性にも期待が高まるが,今回も表1に示したテスト環境で,Imperatorの性能をチェックしたいと思う。


 テストに当たっての設定は,下記のとおりである。

●Imperatorの基本設定
  • ドライバ:1.00
  • ファームウェア:1.04
  • トラッキング解像度:5600/1800DPI
  • ポーリングレート:500Hz(※Imperatorのデフォルト設定)
  • Imperator側設定「Enable Independent X-Y Sensitivity」:オフ
  • Imperator側設定「Enable Acceleration」:オフ
  • Windows側設定「マウスのプロパティ」内「速度」スライダー:中央
  • Windows側設定「ポインタの精度を高める」:オフ

●テスト方法
標準では一つのプロファイルに800/1200/1800/4000/5600DPIという設定が保存されているが,これは100DPI刻みで変更可能。ポーリングレートは(全プロファイルで共通だが)125/250/500/1000Hzから選択できる
Razer
  1. ゲームを起動し,アイテムや壁の端など,目印となる点に照準を合わせる
  2. マウスパッドの左端にマウスを置く
  3. 右方向へ30cmほど,思いっきり腕を振って動かす「高速動作」,軽く一振りする感じである程度速く動かす「中速動作」,2秒程度かけてゆっくり動かす「低速動作」の3パターンでマウスを振る
  4. 振り切ったら,なるべくゆっくり,2.の位置に戻るようマウスを動かす
  5. 照準が1.の位置に戻れば正常と判断可能。一方,左にズレたらネガティブアクセル,右にズレたら加速が発生すると判定できる

 テストに用いたゲームタイトルは「Warsow 0.5」。ゲーム内の「Sensitivity」設定は,「180度ターンするのに,マウスを約30cm移動させる必要がある」0.175(5600CPI)および0.55(1800CPI)の2種類を用い,読み取り異常の発生を分かりやすくさせている。

 そして,テスト結果を示したのが表2,3だ。

※「相性の程度」は,高速/中速/低速動作において問題がなかったか,あったとすればどういう問題が生じたかを示したもの。○は「問題なし」,△は「基本的に問題ないが,まれにおかしな動作が見られる」,▲は「ポインタの移動中,異常な動作が高確率で見られる」,×は「使い物にならないレべルの異常が発生する」ことをそれぞれ示す。なお,ここでいう異常とは「動作中にポインタが反応しなくなる」「ポインタがあらぬ方向へ飛んでしまうような動きをする」「動かす速度によってマウスの実際の移動距離と画面上でのポインタの移動距離が変化する(=加速またはネガティブアクセル)」などを指す。「反応しなくなる高さ」は,マウスの底に1円玉を重ねていき,センサーが応答しなくなる高さ(=リフトオフディスタンス)を示したものだ

 追従性の面で,不安はまったく残らない結果となった。いずれのマウスパッドでも,ポインタ飛びやネガティブアクセラレーションのない,高いトラッキング精度を実現している。

Razer
センサー位置はほぼ中央。ただ,両サイドのホールド位置が奥側になりやすい形状なので,実際に操作するときは若干後ろ寄りの感覚になる
Razer
Razer USAは,Imperatorのセンサーに直線補正をかけていないと主張しているが,Windows付属のペイント機能から確認してみると,確かにかかっていない様子。5600DPIでもピクセルスキッピングは起こらず,1ドットずつ動いているのも確認できた
 ――しかし,その素晴らしい性能を台無しにするマイナスポイントがあることについても言及しておかねばなるまい。そのマイナスポイントとは,「マウスを持ち上げてからマウスパッドへ再度接地させた直後,ポインタの動きが一瞬フリーズする」症状だ。
 これは程度の差こそあれ,いずれのマウスパッドでも現れた症状である。とくに,「DHARMA TACTICAL PAD(DRTCPW35SD)」では,接地のたびに1秒以上動かなくなるため,ゲームどころか,一般的なPC用途でもまず使用不可能というレベルである。フリーズが収まったあとの追従性は上で示したとおりなのだが……。

 総じて,樹脂製パッドよりも布パッドのほうが症状は軽微。同じ布パッドでも,「DHARMA TACTICAL PAD(DRTCPW30C)」より「ARTISAN KAI.g2」のほうが症状は軽く,どうも光沢の少ないマウスパッドのほうが,発生頻度,フリーズ時間とも短いような気配は感じられるのだが,確証には至っていない。樹脂製パッドより,ガラス製である「Icemat Purple 2nd Edition」のほうが軽症だったりするのも謎だ。

 いずれにせよ,ハイセンシ設定を好み,マウスをほとんど浮かさないのなら影響は少ないが,頻繁にマウスを持ち上げるローセンシタイプのユーザーにとってはイライラの種となり得るだろう。


持ちやすさとサイドボタンのギミックはかなり良い

ファームウェアアップデートでの改善待ちだ


製品ボックス
Razer
 G5Tの“Razer版ブラッシュアップモデル”とでもいうべき形状のImperatorは,つまみ持ち,被せ持ちどちらも可能というG5Tの特徴を引き継ぎつつ,持ちやすさをさらに向上させている。
 スライド式のサイドボタンは,持ち方に合わせた位置を選べるため押しやすく,センサーの追従性も文句なし。本来なら強くお勧めできるハイエンドモデルなのだが,先にも触れた接地時のフリーズがすべてを台無しにしてしまっているのは,残念でしかたがない。

 フリーズさえ解消されれば,Imperatorの弱点は,9000〜1万円程度(※2010年2月27日現在)という実勢価格以外にほぼなくなる。Razer USAには,一刻も早い対応を期待したいところだ。
 購入を検討するのは,同社のサポートサイトであるRazerSupport.comで解決のアナウンスがあってからでも遅くはないだろう。

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