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ソニーグループの2021年度連結業績説明会をレポート。2022年度のPS5販売台数は1800万台となる見込み
ソニーグループ,2022年3月期の決算短信を発表。ゲーム&ネットワークサービス分野の売上高はHWが増収に貢献
ソニーグループは本日,2022年3月期の決算短信(IFRS)を発表した。2021年4月1日〜2022年3月31日までの連結会計年度で,売上高は8兆3967億円,営業利益は1兆2023億円,当期純利益が8884億円の増益となっている。
ソニーグループの2021年度連結売上高は前年度から10.3%増の9兆9215億円,連結営業利益は25.9%増の1兆2023億円と,いずれも過去最高を更新した。
ゲーム&ネットワークサービス分野の2021年度の売上高は,前年度から3%増の2兆7398億円となった。また営業利益は,自社制作以外のソフトウェア販売減の影響があったものの,PS5ハードウェアの収益性の改善などにより,前年度から43億円増の3460億円となった。
また同分野の2022年度通期売上高の見通しは,すべてのカテゴリーで増収を見込み,2021年度から34%増の3兆6600億円としている。
一方,営業利益の見通しは411億円減の3050億円としているが,これは関係当局により審査の進んでいるBungieの買収完了が,2022年度第3四半期になる前提で策定しているからとのこと。さらにBungieを含む買収費用約440億円を除いた営業利益は,ほぼ2021年度並みと試算している。加えて自社制作ソフトの強化に向けて,既存スタジオにおいてもソフトウェア開発費を前年度比で約400億円増加する計画も,見通しに織り込まれているとのこと。
なおPS5ハードウェアについては,現時点で部品調達の目処が立っている1800万台を2022年度の販売台数見込みとしている。
さらなるコンテンツ開発強化に向けては,Bungie買収に続き,カナダ拠点のゲーム開発スタジオ・Haven Entertainment Studiosと正式契約を締結したことがあらためて紹介された。同スタジオは,「アサシン クリード」シリーズの生みの親であるジェイド・レイモンド氏が設立しており,現在は新作の開発を進めているとのこと。
これらのスタジオ買収に加え,既存の自社スタジオにもコンテンツ開発投資の大幅な増加を行っており,自社制作のソフトウェアの売上が高い成長を示しているという説明もなされた。
業績発表のあとには,質疑応答が行われた。以下に,ゲーム&ネットワークサービス分野への質問および回答をピックアップして掲載する。
「2022年度におけるゲーム事業のアップサイド(成長余地)と,リスクを教えてほしい」という質問には,「アップサイドに関しては,ヒット作がどれくらい売れるかによるので,期待しているところ。またPS Plusをリニューアルし,6月からリリースしていくので,ユーザーから評価されるよう努力し,アップサイドにしていきたい」「リスクについては,PS5の販売台数を部品調達の目処が立っている1800万台としているが,今後中国のコロナ禍が悪化するなどの理由で生産に影響を及ぼす可能性がある。とはいえ一夜にして起こるものではないので,予見した上で対処していきたい」との回答がなされた。
また「PS5の品不足は,今後解消に向かうのか」という質問には,「1800万台という販売台数は,あくまで現時点で部品を調達できる数であり,需要はもう少し高いレベルにあるという感触を得ている。在庫の水準も非常に低く,タイムリーにPS5をお届けできる状況にするには,まだ足りない」との回答が示された。
ソニーグループの投資家情報「2021年度 業績説明会」ページ
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