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NTTe-Sports副社長が同社の目指すeスポーツの未来を語った「黒川塾 八十三(83)」をレポート
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印刷2021/07/19 19:00

イベント

NTTe-Sports副社長が同社の目指すeスポーツの未来を語った「黒川塾 八十三(83)」をレポート

 トークイベント「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾 八十三(83)」が2021年7月15日,YouTubeとTwitchの黒川塾チャンネルにて配信された。このイベントは,メディアコンテンツ研究家の黒川文雄氏がホストを務め,招いたゲストとともに,ゲームを含むエンターテイメントのあるべき姿をポジティブに考えるものである。

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 黒川塾の9周年特別企画第1弾と銘打った今回のテーマは,「NTTe-Sports eスポーツの未来」。ゲストに招かれたNTTe-Sports 代表取締役副社長 影澤潤一氏が,同社の目指すeスポーツの未来を語った。


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黒川文雄氏
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影澤潤一氏

配信の冒頭では,eスポーツの定義と日本における現状が改めて説明された
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 影澤氏はまず,日本におけるeスポーツの認知度は数年前と比較して高まっているものの,収益構造としてはまだまだスポンサーフィーの比率が大きいとし,「リアルスポーツと同じ30%くらいまでを目指したい」と語った。
 また2020年の日本におけるeスポーツの市場規模は約67億円とあまり大きくはないが,周辺市場を含めると2〜3倍の規模となり,だからこそさまざまな分野から注目を集めていると説明した。

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 日本におけるeスポーツ市場は2018年頃から注目されており,続く2019年は順調に成長。影澤氏によると,2020年はさらに2〜3倍の市場規模になるのではないかと予想されていたという。しかし実際にはコロナ禍の影響により,それほど大きくは伸びなかった。
 一方,市場規模こそ拡大していないものの,eスポーツは「オンラインでできるから」という理由からコロナ禍において脚光を浴びているという。その状況について影澤氏は,「確かにeスポーツはオンライン“でも”できるが,ベストというわけではない」とし,「できるだけましなので,それはそれで良しとするが,eスポーツの本当に良い部分が伝えきれていない」と語った。

 最近のeスポーツ事情で以前と大きく変わったのは,官公庁や自治体からサポートを受けられるようになったことだ。これは地域活性や地方創生にeスポーツが使えるのではないかという期待によるものである。
 また,eスポーツの経済効果の波及がとくに期待できる分野は教育関連や障がい者・高齢者などの福祉関連,PC周辺機器メーカーとのこと。

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 そうした流れがある一方で,まだeスポーツおよびゲームに対して「たかが遊び」といった偏見を持っている人も少なからずいる。そういう状況に対して影澤氏は,「勉強やスポーツの上達プロセスと,ゲームのそれは非常に近しい。したがってゲームを,勉強やスポーツの上達プロセスのシミュレーションと捉えれば良い」「ただしゲームばかりでは良くない。勉強やスポーツ,そのほかの趣味とバランスを取ることが重要」と持論を示した。

 影澤氏は,NTTe-Sportsが設立される前はNTT東日本の社員で,本業の傍ら格闘ゲームのコミュニティ運営に携わっていたわけだが,その原点は1999年に筑波大学に入学したことにあるとのこと。インターネットが普及していない当時,東京で生まれ育った影澤氏は,自身と大学周辺の格闘ゲーマーとの間に情報格差があることを痛感したそうだ。
 そこで影澤氏は,実力のあるプレイヤーのゲームプレイを動画にし,それを周囲の格闘ゲーマーに見せて解説する活動を始めたという。やがてその活動は世界的にも良いことだろうと考え,Webで公開し始めたのだとか。
 またそうした動画は,特定のプレイヤーが勝った試合だけ公開し,負けた試合は公開しなかったという。それにより,そのプレイヤーのブランドの価値が世界的に高まっていくという,今で言うブランディングのようなこともやっていたそうだ。

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 1999年以降,影澤氏は「ストリートファイター」シリーズを中心に大会やイベントを開催したり,メーカー主催の公式大会で解説などを務めたりしてきた。
 影澤氏が格闘ゲームに熱中するようになった理由は,まずコンシューマゲーム機を持っていなかったこと。そのため,ゲームはゲームセンターなど自宅外でやるものという考え方になり,その中でも勝ち続ければ1コインで長時間プレイできる格闘ゲームが最適だったという。

影澤氏が開催した大会やイベントも紹介された
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 2016年2月には「ストリートファイターV」が発売されるが,このタイトルは当初アーケード版がなかった。そこで影澤氏は,東京・秋葉原のe-sports SQUAREに必要な機材を持ち込んで,本作の定期対戦会「Fighter's Crossover - AKIBA-」(FCA)を開催することにしたという。

 参加者が延べ2万人にもおよんだというFCAには,eスポーツでビジネスをしたいという人達が見学に来るようになったそうだ。その中には「どれが『ストリートファイター』?」みたいな発言をする人もいて,影澤氏は「その程度の知識しかない人達が来るくらいだから,eスポーツに大きな流れが来ている」と感じていたとのこと。

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 その一方で,格闘ゲームはほかのeスポーツと異なる流れで文化を形成してきたと影澤氏は語る。そのため当初はeスポーツにネガティブな印象を持つ格闘ゲーマーも少なくなかったが,2014〜2015年頃の海外の格闘ゲーム事情や,日本からもプロプレイヤーが輩出されていったことなどから,次第に「eスポーツに乗っておいても損はない」という風潮が強くなっていったという。

 ビジネスと関係なく,趣味として長らく格闘ゲームコミュニティに携わってきた影澤氏だが,最近のeスポーツの盛り上がりを見て参入した人や企業には,不信感を抱くこともあるそうだ。とくにそうした人達がコミュニティの重要性を説いているのを聞くと,「どの立場からコミュニティを語っているんだろう」と疑問を抱くという。

 NTT東日本勤務と格闘ゲームコミュニティ運営。二足のわらじを履いていた影澤氏は,常々本業におけるキャリア形成と趣味のイベント企画が相互に作用するように考えていたという。そうしたことを続けていくうち,ベンチャー企業との協業など企画寄りの業務を任されるようになっていくのだが,その中にはeスポーツ事業もあった。

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 影澤氏の格闘ゲームコミュニティ活動が,NTT東日本内で知られるようになったのは2018年のこと。この年の2月,日本eスポーツ連合(JeSU)の代表者と,プロゲーマーのウメハラ選手らeスポーツの当事者が「ゲームと金」というテーマで座談会を行ったのだが,影澤氏も“かげっち”名義で参加していた。この座談会の配信の視聴者は4万人にもおよんだため社内でも話題となり,それまで「ゲームは好きだが,eスポーツはよく分からない」とごまかしていた影澤氏も,eスポーツ事業を“引き受ける羽目に陥った”そうだ。

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 ここに来て趣味でやってきたことが仕事になってしまった影澤氏だが,「NTTの持つ責任は大きい」と感じているという。これまではいちコミュニティリーダーという立場でしていた,ちょっとした個人としての発言も,NTTグループの一役員としての発言と捉えられることは避けられない。それらに関して,だいぶ気を遣うようになったとのことだ。

 こうした事実について影澤氏は,「個人でやりたいことを制御してでも,会社としてできることを増やし,事業だからこそ実現できる世界を描かなければならない」とし,「その世界が,本来の自分が実現したかった世界なのかという葛藤が常にある」「PCやモバイル端末を含む全プラットフォームが対象で,かつ全国に展開するので,何から手を差し伸べていけば良いのかという優先順位や時間的な限界,人材育成が大きな課題になる」と話していた。

 そうした中で設立されたNTTe-Sportsには,「通信とeスポーツの親和性の具現化」「eスポーツによる社会課題解決」といった部分で手応えを感じているという。その上で収益化を図るのは容易ではないが,例えばeスポーツ施設を作りたいという企業に対して,コンセプト作りから実際の運営までサポートするサービスなどを展開するとのこと。

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NTTe-Sportsのeスポーツ施設「eXeField Akiba」
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NTTe-Sportsの事業展開も紹介された。こちらはサポート・教育事業
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プラットフォーム事業
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ECサイトとのコラボ
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ビジネスホテルにeスポーツコンセプトルームを展開
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高校のeスポーツ部を支援するプログラム
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社会人のeスポーツ活動をサポート
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 企業としてのNTTe-Sportsは,ICTを軸に未来を拓いていくことをテーマとして掲げている。影澤氏によると,このテーマを手段とし,eスポーツやゲームが人生を豊かにするものとして認識され,世の中にとって当たり前のものになる社会を実現していくという。
 トークでは具体例として,5Gなどの無線環境を活用し旭川と秋葉原から複数のプレイヤーがeスポーツ競技に参加した実証実験や,AIが画像解析して試合中の優れたシーンをチョイスする「CLIP-LIVE」,産学官(NTTe-Sports,筑波大学,茨城県)連携による取り組みが示された。

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 これらの事例をまとめて影澤氏は,「いい歳をした社会人がゲームを楽しめる環境,シーン,ステージを作っていく」「それを主軸に,自治体と連携して若い人や高齢者など幅広い層がeスポーツやゲームを通じて,より良い暮らしができるようにしていく」と話していた。

「黒川文雄氏(黒川塾)」YouTubeチャンネル

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