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印刷2026/10/13 14:59

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日本を舞台にしたゲームを作り続けるLGS Games Productionsとは[BGS2026]

 現地時間2026年10月9日から12日まで,ブラジル・サンパウロのDistrito AnhembiでBrasil Game Show 2026が開催された。その2日めにあたる10月10日,同市出身のGilson B. Pontes氏がCEOを務めるLGS Games Productionsを取材した。
 同社は2020年以降,平安時代から江戸時代までの日本を舞台にしたアクションアドベンチャーを,PS4向けに5本発売している。いずれも日本のPlayStation Storeで購入可能だ。

 Pontes氏によれば,LGSが作品づくりの軸に据えているのは,日本,侍,忍者,戦,神話,そして雰囲気だ。

 日本を題材にした最初の作品は,2020年の「Shadow the Ronin: The Revenge to the Samurai」(邦題:浪人の影:侍への復讐)だった。

 江戸時代を舞台に,天皇の命令で家族を殺された侍が,差し向けられた忍者の刺客と戦いながら復讐を目指す。プレイヤーは甲冑姿の侍を背後から見る三人称視点で操り,紅葉の寺や竹林,雪原といったフィールドを進んでいく。立ちはだかるのは人間の敵だけではない。翼を持つ竜のような怪物も現れる。
 LGSはこれ以前にも,ファンタジー作品の「Spear of Destiny: The Kaiseki」などを出していたが,日本ものはここから始まった。

「Shadow the Ronin: The Revenge to the Samurai」
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 2021年の「Taishogun: The Rise of Emperor」(邦題:太極拳:天皇隆盛)は,平安時代末期の源平合戦の時代を描く。北条時政が暗殺され,娘の北条政子が仇を討つために敵の勢力や悪魔と戦う,というストーリーだ。

 赤い鎧の女武者が白馬で霧の野を駆け,鳥居の立つ境内で翼を持つ竜や魔物と斬り結ぶ。画面は全体に色を落としたモノトーン調で,鎧の赤が浮かび上がるように見える場面もある。日本の歴史は,現実の出来事と超自然的な想像を同じ物語に収められるところが魅力だとPontes氏は話す。

「Taishogun: The Rise of Emperor」
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 2022年の「Ashigaru: The Last Shogun」(邦題:あしがる: 最後の将軍)は戦国時代が舞台で,武田家が精鋭の足軽を送り込み,徳川家を討とうとする。画面はセピアがかった白黒で統一され,人物の多くは逆光のシルエットとして描かれる。
 荒れ地で敵の侍や狼と刀を交え,城下町の通りを抜け,馬で丘を駆け下りていく。Pontes氏が日本の歴史でとくに面白いと感じているのは,武田信玄,織田信長,豊臣秀吉,徳川家康が争い,国が1つにまとまっていく時代なのだそうだ。

「Ashigaru: The Last Shogun」
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 2023年の「Jimbaori: The Ōnin War」(邦題:陣羽織: 応仁の乱)は,副題こそ応仁の乱だが,主役は豊臣秀吉で,朝鮮出兵の際に李舜臣の軍と相まみえる話になっている。画面はAshigaruと同じセピア調の白黒だ。
 草原を馬で駆け,板張りの屋内では敵と1対1で向き合う。空には炎に縁取られた黒い球体が浮かび,笠をかぶった骸骨のような巨大な亡霊も姿を見せる。

「Jimbaori: The Ōnin War」
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 2024年の「Shinobi: The Warlord」(邦題:シノビ:ザ・ウォーロード)では,戦国時代末期に権力を追い求める徳川家康の台頭が描かれた。
 前2作の白黒から一転して,画面は夕焼けのような赤と橙に染まった。主人公の忍者は刀に加えて炎を使った攻撃も繰り出し,赤い花の咲く野を馬で駆け抜ける。その背後には,山のように巨大な鬼の影がそびえている。

「Shinobi: The Warlord」
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 Pontes氏は5本の流れを,侍から忍びへ,とまとめた。主人公は作品ごとに違っても,舞台は日本の戦乱の時代で,見た目の雰囲気もそろえているそうだ。

 各作品のトレイラーは,宮本武蔵や武田信玄の言葉とされる格言を英語と日本語で掲げるところから始まる。Jimbaoriだけは,なぜかナポレオンだった。映像に重ねて表示されるクレジットでは,企画からキャラクターデザイン,サウンド,撮影,プロデュース,監督まで,ほとんどの役職にPontes氏の名前が並ぶ。

 なぜ日本を舞台にするのかという問いには,哲学と映像文化を挙げた。ブラジルやアメリカなどでは日本の映画がよく知られていて,たとえば黒澤 明の作品は映像がとても美しいのだという。
 一方で,西洋とは文化が違うので,理解するのが難しいところもある。そこに惹かれるのだという。甲冑や建築,風景,武器,四季の移ろいといった見た目の要素も,日本を描きたくなる理由に挙げた。

 好きなアニメを聞くと,すぐに大友克洋氏の「AKIRA」の名前が出てきた。ほかの作品とはまるで違うところが良く,日本で作られたなかで最高の1本だという。

 話が特撮に及ぶと,Pontes氏の口数が一気に増えた。いちばん好きなのは東映の「巨獣特捜ジャスピオン」で,続けて「宇宙刑事ギャバン」「宇宙刑事シャリバン」など,東映の作品が次々に出てきた。仮面ライダーやウルトラマンも好きだそうだ。

 ブラジルでは日本の文化がとても好まれていて,日系人の存在もその理由の1つだとPontes氏は話す。映画やアニメ,マンガは氏の創作のインスピレーションになっている。ただ,ゲームを作るときに軸に置くのは,歴史のほうだという。

 Pontes氏は,日本国内での販売順位も明かしてくれた。1位はAshigaru,2位がShadow the Ronin,3位がJimbaori,4位がTaishogun,5位がShinobiと続き,6位にはファンタジーのSpear of Destinyが入っている。5本のなかで日本語の音声と字幕に対応しているのは,Ashigaruだけだ。

 Pontes氏によると,どの作品も発売直後の売れ行きはとても良く,その後は落ちていくという。統計によると,日本のプレイヤーは東京や大阪に多いそうだ。

 次の作品は2027年に予定している「Sengoku: Blades of War」だという。これまではUnityを使ってきたが,本作からUnreal Engineに切り替えた。氏にとっては,以前より難しい挑戦になっているそうだ。
 日本,ヨーロッパ,アメリカでの発売を目指しており,長年の開発で培ってきた世界観や雰囲気,経験を注ぎ込んだ新しい一歩になるという。

LGS Games ProductionsのCEO,Gilson B. Pontes氏
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