企画記事
4Gamer年末恒例のゲーム業界著名人コメント集企画。195名が2018年を振り返り,2019年への抱負を語る
バンダイナムコアミューズメント
プロデューサー / ディレクター
大石勇気
代表作:「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブーストON」「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト」「ドラゴンボールZENKAIバトル」「MONSTER HUNTER: WORLD」
完全に成熟したとも思われた長寿系定番タイトルとしての「次」の在り方を、シリーズファンの期待にしっかり応えつつ、見事に殻を破った革新的なゲームデザインと、様々な新アイディア加え、進化した細部まで美麗なグラフィック表現とアートワーク、世界観を彩る生物たちの生き生きとしたモーションや音響や演出の数々全てに感服しました。長寿系の人気タイトルで陥りがちなの成熟期のステージアップ進化の展開の成功例として非常に勉強になります、今後のシリーズの展開にもとても期待しております。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
輝夜 月 LIVE@Zepp VR
Vチューバーと観客が同じVR空間でリアルタイムにライブ公演を楽しむという、世界初の試みという事で、今までになかった全く新しいエンタメ体験としての新鮮さと、技術的にも前衛的且つ挑戦的な試みに立ち会えた事に感動しつつ楽しませて貰いました。今後の新しいデジタルコンテンツ業界とシナジー出来そうな分野として新しいデジタルショービジネスの可能性を示してくれた大きな一歩であると強く感じています。
現状はVR HMDを装着しないとVR空間に入れないというハードルが現状はあるものの、今後のデジタルなショービジネスの一つの形として非常に興味深いコンテンツであると思います。
CG STAR LIVE(VR ZONE)演目:「IDOLiSH7 PRISM NIGHT」「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS new generations☆Brilliant Party」
壁面に映し出された生き生きと動くアイドル達と、観客側が間接的ながらも質問や受け答えなどのインタラクティブなやりとりを行いながら、一緒にライブ公演の雰囲気を味わうことができるという体験は、とても新鮮な体験であり、ファンとしては夢が叶った様な気持ちが十分に味わえると感じました。ステージ上に現れるメンバーの息遣いや曲と曲の合間のメンバー間のやり取りが、実際のライブの雰囲気を再現していてとてもリアルで、
普段見ているアニメやゲーム中には見られない、目の前に本人がいる感覚は「今ここにしかない体験」を実現しているなと感銘を受けました。さらに同じ場にいる観客の本気の声援があちこちから響く瞬間は、本物のライブ会場の雰囲気そのものであり、同じ趣味趣向のファンが集まって同じ時間を楽しむことによる一体感と満足感を手軽に楽しめることができるこのコンテンツは、新しいリアルエンターテインメントの形として非常に高い魅力と可能性があり、今後の展開にとても興味があり、注目しています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
キズナアイ(及び制作委員会の皆さん)
昨年ごろから徐々に注目を集めてはいましたが、今年は特に追随する有名Vチューバー達と共に、一般にも「Vチューバー」という新分野の認知と人気を大きく広め、引き続き先駆者としての活躍の場を広げている人物として非常に注目しています。最近ではVチューバーがTVへの出演する番組なども増え、動画配信がメディア露出や流行の源流にもなってきている昨今において、既にゲームでのコラボなども行われていますが、今後はもっと大がかりなデジタルコンテンツマーケットにおけるビジネス展開にも大きな可能性を感じています。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
今年秋に稼働しました「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」(以降、EXVS.2)ですが、おかげさまでプレイの方も非常に盛り上がっており、日々大変ありがたく感じております。仲間内やコミュニティーで盛り上がっているプレイヤーさんを始め、前作でのオンライン対戦環境の導入以降はソロプレイのプレイヤーさんも非常に増え、対戦環境としてもシリーズ初期に比べとてもプレイしやすい環境ができていると思います。今後はこの市場の環境を、引き続きさらに多くのプレイヤーさんにも楽しんで頂くべく、来年以降も引き続きバージョンアップや大会イベントをはじめとする様々な盛り上げ施策を準備しております。来年にはシリーズ恒例の全国大会も開催できればと考えていますので、これからも皆さんが楽しく対戦で熱く盛り上がって頂けるように、各種運営とアップデート開発を引き続きしっかりと行って参りたいと思います。
また、EXVS.2ではゲームパッドの実装や、離れた店舗のプレイヤー同士でもチームを組めるオンラインタッグの機能、トレーニングモードの自由度強化など、前作よりも更に多くの人が楽しみやすい様に追加機能を用意していますので、特に以前「ガンダムVS.」シリーズをプレイされていた方や、家庭用の「ガンダムVS.」シリーズから始めた方も、この機会に今作触れて頂き、新しくなった「ガンダムVS.」シリーズを楽しんで頂ければと思いますので、まだ今作をプレイしていない方も是非ゲームセンターまで足を運んで頂けると幸いです。
バンダイナムコアミューズメント
ニュービジネスリレーション部 ゼネラルマネージャー
馬場龍一郎
代表作:「機動戦士ガンダムVS.」シリーズ「フォートナイト」
世界観、モード、ゲーム性、全てがすごいですね。ここまで一気にユーザー数を増やし盛り上がるタイトルになったのは飽きさせない運営の上手さと時流に乗せたプラットホーム展開の幅広さですよね。Epic Gamesさんの底力を改めて痛感しました!
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「SOUNDS LIKE SHIT: the story of Hi-STANDARD」
バンドHi-STANDARDのドキュメンタリー映画です。公開初日に観に行き過去の思い出と共に涙しました笑。バンドをやっていたら誰しもがぶつかる悩みや葛藤とチームメンバーとしての絆の深さを赤裸々に本音で話した彼らの過去と現在を懐かしい音源や歌詞を交えて映像化したこの作品は必見です!!
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
小山順一朗
言わずと知れたアイマスの生みの親(坂上さんは育ての親 ※本人談)そして現在の同僚であり、20年来のゲームクリエイターとしての戦友、先輩です。数年ぶりに一緒に「VR」の仕事をしておりますが、良い意味で人と違う目線とユーザーへの考え、最先端の技術や知識を持つ天才クリエイターだなぁと改めて感じます。年齢こそ私より上なのですが子供のようにほっとけないところやマッドサイエンティスト的なところもあり不思議な魅力を持った我がバンダイナムコグループの宝です笑
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
現在は家庭用、業務用、モバイルでもない新たなデジタルエンターテイメントのクリエイティブにチャレンジしています!今までの経験を活かし多くのユーザーに届けたいと思いますので是非今後ご期待ください!!
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
大久保元博
代表作:「鉄拳7」「ソウルキャリバーVI」「Detroit: Become Human」
妻子がいると、ゲームするのにも一苦労。普段しない家事をこなし、点数を稼いでから、ゲームを起動させるわけですが、そうしてやっと遊べるゲーム内で、皿洗いをさせられた時には、「なんだこの構成!」と思った次第です。しかしながら、そんな一時の感情はあっと言う間に吹き飛び、寝食を忘れ、のめりこみました。ゲームに理解のない妻も横でさもドラマをみているかのように画面に食いついていたのが、とても印象的でした。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
東京ゲームショウで疲れ果て、自分へのご褒美として、映画館に向かいました。作品は「カメラを止めるな!」。冒頭の30分で初めて映画を見て酔いました。疲れ果てた体調のせいなのですが「なんだこの構成!」と思った次第です。しかしながら、ここに上げさせていただくほど、久々に映画館で大声で笑ってしまうほど、楽しい映画でした。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
バンダイナムコエンターテインメント 河野一聡
去年のこの企画で私を取り上げて頂きました。アメリカ西海岸の某ブランドで全身を固める、おしゃれさんです。私が余計なことを言ってしまい、ヨコオタロウさんに色々と暴露されていましたが、ごめんなさい。そんな河野さんが苦労に苦労を重ねた「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」、間もなく発売です!
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
「鉄拳7」と「ソウルキャリバーVI」のDLCが続きます。私の2019年は、これらをより良いものにして、皆様にお届けするのみです。鉄拳7もソウルキャリバーVIも、いいものをお届けできているのは、表に出ない多数の開発メンバーのおかげです。それぞれのプロジェクト、今年も一致団結して頑張っていきます!
バンダイナムコエンターテインメント
エースコンバットシリーズ ブランドディレクター
河野一聡
代表作:「スマッシュコート」「RIDGE RACER TYPE 4」,「ACE COMBAT」シリーズ「ゴッド・オブ・ウォー」
長い間シリーズを続けていくということは、いつかマンネリを打破する為に、「挑戦」することが必要になると思ってます。大抵、3作目、4作目あたりで、「偉大なるマンネリ」に耐えられなくて、ユーザーより先に開発陣が危機感を持ってしまい、先走ったり、方向を読み違えたりすることが多かったりすると思うんです。
でも、「挑戦」するときに、タイトルの本質をキチンと理解して掴んでいれば、表現手段や、システムの変更があっても、そのタイトルにユーザーが求めている「体験」は提供できて、満足してもらって、感動させられるんだな。って、そのまさにお手本のようなタイトルでした。本質を掴んで、一段、二段上のところへ飛躍させてシリーズを高みにもっていく。コンセプトもそれを実現したパフォーマンスも、ただただ圧巻でした。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「マンハント」(Netflix)
お恥ずかしい話、ユナ・ボマーについて全然知らなかったです。劇中の実際のニュース映像を観て「ああ、なんか、これ記憶にあるぞっ!」ってなる感じでした。最近は史実、実際の事件をベースにしたドラマ、エンターテイメントにハマっていまして、「マンハント」に関しては、時系列を混在させた構成の上手さなど演出的な良さも勿論でしたが、郵便システムの危機管理の脆弱性を知り、なにげなく普段、自分宛に届く郵便物を開けていますが、これってリスク行為なんだよな。って、気付かされたこととか、で、もっと、深くには、ユナ・ボマーの主張に共感してしまう自分がいたとか。それはマズイのかもしれませんが。(苦笑)
「前後左右、車も人っ子一人いない十字路の交差点、赤信号で車を止める」って、確かに。という話です。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
大久保元博さんです。ウチのプロデューサーチームの仲間なのですが。「鉄拳」と「ソウルキャリバー」の両プロデューサーを務めているって、凄いことだと思うんです。他人事のように語りますが、目の前で、両ブランドの為に、両ファンの皆様の為に、献身的に毎日、毎日、重要な判断、決断をし続けている。普通のメンタルでは到底やれないことだと感動させられています。鍛え上げられた筋肉もそれを支えているのは間違いがないですね。もう「ワールドワイド格闘プロデューサー」の称号をもらってイイと思うんです。あとついでに下元Pも凄いと思います。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
年明け早々、1月17日に「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」がいよいよ発売されます。なので、お正月休みと言ってもそわそわ……というか、なんか「お正月休み、どうせ暇でしょ。DLCのミッションシナリオのチェックやっておいてください。」って言われていまして、さあ、さて、2019年もありがたいことに、忙しくスタートしそうです。
僕のマジックナンバーの“19”、ACE7の発売も2019年、作中の舞台も2019年。2019年は「節目」となりそうです。
バンダイナムコエンターテインメント
「アイドルマスター」シリーズ総合プロデューサー
坂上陽三
代表作:「アイドルマスター」シリーズ「MONSTER HUNTER: WORLD」
出すたびに色あせていく他のシリーズタイトルと違って、ハンティングアクションゲームとしての面白さを追求して成長し続けていることが凄いと思います。ここ数年、日本ではアプリゲームが台頭し、ゲーム性の多様な変化に多くのクリエイターが悩んできた中で、軸をぶらさずにゲームの面白さを積み重ねて進化していることに本当に感動しました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「Back Street Girls -ゴクドルズ -」
アニメを観て、声を出して笑うことはあまり無いのですが爆笑しました。齢50を超えたおっさんを笑わせてくれたので凄いと思います(笑)その昔、アイドルもので別のネタを考えてと言われた時に、考えた設定が被っていて……でも推し通す勇気はなくて。
なので素直に面白く観ました!
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
(回答なし)
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年はenzaで完全新作である「アイドルマスター シャイニーカラーズ」がサービスを開始し、ご好評いただきありがとうございます。1周年に向けて、色々と盛り上げる施策を準備しています!
2019年は、765プロ、シンデレラガールズ、ミリオンライブ!、SideM、シャ
イニーカラーズと、「アイドルマスター」シリーズを引き続き皆さんに楽しんでいたけるようプロジェクト一同がんばってまいりますのでこれからもよろしくお願いいたします。
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
下元 学
代表作:「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」1つに絞れなかったので2つ。
「Frostpunk」
独特の世界観、極寒を感じるビジュアル、ゲームデザイン、すべてが素晴らしいなと思いました。
ゲームのスクリーンショットを見た時、炉心から同心円状に広がるコロニーのビジュアルに一目惚れし、実際に遊んでみると、同心円状が熱源との距離としてゲームにしっかりと落とし込まれていて感動でした。
人、食料、資源、燃料、そして熱を管理する日々。
増え続ける病棟、凍える住民、極寒の厳しさを感じながら、どれだけの人を凍死させてしまったことか……と。
このゲームアイデアを商品化まで持っていった開発チームは素晴らしいなと思います。
「They Are Billions」
怒涛のゾンビラッシュを、耐えて、耐えて、耐えまくる……。
とても面白かったです。
一旦停止ボタンがあるのに、ついつい先へ先へと進めてしまい、たった一匹のゾンビの侵入を許したが最後。
感染した住民がゾンビとなって牙をむき、パンデミックに。
苦労してつくりあげた街があっという間に蹂躙されてしまいました。
PCの電源を引っこ抜いても、きちんとセーブされている(間に合わない)仕様が憎いなと思います。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「今日から俺は!!」
少年サンデーやコミックで当時読んでいたので、ドラマも楽しく見ていました。
ある話の次回予告を見た時に、原作の話の構成からオチまでを鮮明に思い出しました。
読んだのは20年ぐらい前のことだったと思うのです。
人の記憶に残るコンテンツって凄いなと、改めて思いました。
最近、ACE COMBATのイベントでシリーズファンの方とお話させていただく機会も多く、あのシーンが良かったとか、忘れられないとか、難しかったとか、皆様からご意見をいただきます。
そういった記憶に残るコンテンツに携われたこと、改めて光栄だなと感じました。
今作でも皆様の記憶に残るような体験を入れ込みました。
10年後、20年後、皆様の記憶に残り、語られたいなと思います。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
先日、本物の戦闘機のパイロット、それも飛行教導群(いわゆるアグレッサー部隊)にいた方とお話しさせていただく機会がありました。
実際のドッグファイトにおける駆け引き、戦術、戦闘中にどこに意識をむけるかなど、
非常に開発において参考となる知識をいただきました。
とても人柄が良く、面白い方なのですが、どこか眼光が鋭くスキがない感じ。
20年近くも戦う環境に身を置くと、オーラのようなものが変わるんだなと強く印象に残りました。
エンターテインメントとは真逆と言ってよい過酷な世界を生きた方と、戦闘機という同じ話題で盛り上れた時間は貴重な体験でした。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
ようやく「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」の発売を迎えることができ、ユーザーの皆さんに遊んでいただけることを楽しみにしています。
ダウンロードコンテンツの開発もスタートし、さらに楽しんでいただけるように、本編とは違った体験・ストーリーを目指しています。
12年ぶりのナンバリングです。
シリーズファンの方にはもちろんのこと、まだACE COMBATシリーズに触れたことのない方には、この機会にフライトシューティングという稀有なジャンルを体験していただきたいです。
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー / ディレクター
玉置 絢
代表作:「サマーレッスン」「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン VRモード」「エースコンバット インフィニティ」「Kenshi」
「Detroit: Become Human」と悩みましたが、誰か書かれそうなのでこちらをご紹介します。
今月に正式版がリリースされたPCソフト。名前だけだとサムライアクションゲームみたいなイメージがあるのですが、中身的には「The Elder Scrolls」みたいな中世RPG的世界と「Fallout」みたいなアポカリプス世界のオイシイ所を味わえるオープンワールドサバイバルRPG。ゲームとしてはハクスラ要素が中心でインベントリ管理が重要なので「Diablo」的、自由に遊べるので「ルナティック ドーン」を想起させる、襲撃者からの拠点防衛では「7 Days to Die」的な緊張感もあり、複数キャラで生活拠点を作るのが楽しくて「RimWorld」的でもある。という、とにかく要素の詰まったゲームです。強くなければ悔しい思いをする武道精神の世界観がメッセージ性強くてグッドです!
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
小説「裏世界ピクニック」。現実とは違う世界の伝奇冒険譚という意味では非日常・異世界ものであり、ネットの都市伝説をベースにした世界観を通して「想定科学アドベンチャー」シリーズみたく新しくてシャープなおどろおどろしさに浸れます。
そして何を言ってもすごいのが「百合SF」という呼ばれ方を生んでしまったほどの情緒表現のすごさです。「なあなあで危ない遊びに付き合っている知り合い」? 「性格は正反対だけど気の合う友人」? 「生死を共にした戦友」? 「後戻りできない呪いを共有した運命共同体」? どの言葉だけでも単独では説明できない、それらを丁寧に書き重ねることで、一言も「百合作品にありがちなこと」を書かずにそれを表現している繊細な奥ゆかしさが心に響きます。今年で単行本3巻目の発売ですが、作者の宮澤伊織先生の今年の講演における界隈の分析の面白さも含めて一番印象に残っています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
バーチャルYouTuberさんとその運営さん全般。
基本、仕事中などイヤホンをしていて怒られる状況以外ではほぼバーチャルYouTuberさんの配信を観たり聞いたりしていた1年でした。
この1年はVTuberさんの爆発的増加・分化の「カンブリア紀」でしたが、年末に差し掛かっていくつかの類型が見いだせるようになってきました。それらには各々由来があって、「YouTuber」「ニコニコ動画ゲーム実況配信者」「インターネット配信アニラジ」「ボーカロイド曲の歌い手」「個人創作型エンジニア」「音声投稿、音声販売インディーズ」「なりきりアカウント・バーチャルネットアイドル」「匿名掲示板の固定ハンドル」等……これまでのネット20年史において様々な形で分散していたネットのサブカルチャーエンタメが「バーチャルYouTuber」という器を得て一つのジャンルに結集したような印象を感じます。
そして今後のエンタメを考えるうえで注目したいのは、VTuberさんがフィクションの存在ではなくリアルの存在であり、提供の基本形式が「コンテンツパッケージ」ではなく「対話サービス」であるということです。その結果、「ネット上の気軽なフリートークなのに、どこまでが『生活的』でどこまでが『物語的』なのか分からない」という、まるで認識を翻弄されるかのような幻惑体験が生まれていて、それこそが真にVTuberが発明したものではないかと思うのです。
本人のリアルな話を聞いていたかと思ったら急に非日常的でドキッとするテーマやエピソードが割り込んでくる。本人の現実的な境遇や制約が、世界観とあいまってエモーショナルに見える。逆に技術的なトラブルや運営上の事件が、まるでそのVTuberの設定通りの物語に見えてくる。それに「物語として正しい終わりのタイミングや終わり方」が約束されていないVTuberには、何が原因で引退してしまうか分からないというスリルがつきまといます。このような体験を前にして、「何がフィクションなのか?」と考えるのはバカバカしくさえあります。この「体験」と「娯楽」のシームレスな体験のあり方は、これまでで言えば例えば「スポーツやアイドルにおけるスターの裏側エピソードあってこその感動」とか、「名作が出来るまでの苦労や逸話まで含めて面白い」といった形では供給されてきましたが、VTuberのレベルまで根本的に融合したものは存在していませんでした。少なくともゲームには無かったデジタル娯楽の新境地であり、「ゲームもコンテンツ製品から総合的な体験サービスになるべき」と言われている昨今では、学ぶ所が多いと考えています。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
VRモードを担当した「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」の発売が近づいています(1月17日から)。スクリーンショットや映像など、さまざまな形でお知らせしておりますが、何を言ってもVRは体験しなければ本当の実感は得られない! ぜひ体験して、自分が本当にパイロットになっているというひとときを堪能してください! 個人的には、「サマーレッスン」のようなキャラクター×テクノロジーの挑戦も引き続きチャレンジしております! 来年も宜しくお願い致します!
バンダイナムコエンターテインメント
CE事業部 第1プロダクション アシスタントマネージャー
富澤祐介
代表作:「GOD EATER」シリーズ「Marvel’s Spider-Man」
摩天楼を縫うように駆け抜けられるあの挙動が、たった数十秒でだれもがモノにできた気になれる。
絶対にスピードを落とさせないという信念を持っておもてなし設計されたそれは、ゲーム史に残る移動システムだと感じました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「カメラを止めるな!」
これだけヒットした今でもネタバレはしたくない。
それほど良くできた構成でした。
以来、企画の売りの部分を説明する時は「あつあつポイント」と呼ぶようになりました。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
渡辺淳之介
GE3でコラボしたBiSHの仕掛け人。
数年前からの知り合いではありましたが破天荒なアイドルプロデュースに拍車がかかり自身のファッションブランドまで立ち上げ、今年一年のブッ飛ばし振りが目に余る程。何処までいくのか、来年も気になります。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
年末は「GOD EATER 3」 、年明けには「テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER」と連続リリースを迎え、落ち着く間も無く各種アップデートやその先の企画の準備が始まっています。
2019年も発表事も控えてますし、延期中の「CODE VEIN」も頑張っています。チーム力を結集して今年も話題を提供できるよう頑張ります!!
バンダイナムコエンターテインメント
Consumer Entertainment Business Unit チーフプロデューサー / ゲームディレクター/ 部長
原田勝弘
代表作:「鉄拳」シリーズ,「ソウルキャリバー」「ポッ拳」「サマーレッスン」などタイトル全般でなくて申し訳ないのですが、「Battlefield V」のシングルプレイシナリオのひとつ「The Last Tiger」です。
内容以前に、プレイアブルかつFPSのようなジャンルで、第二次世界大戦の敗戦国側の操作と敗戦国視点で描かれるシナリオで完結しているというのは、映画やドラマなどの世界ではよくある事ではありますが、こうしたプレイ介入できるゲームという業界においてはかなりのレアケースであり、これにはかなりの衝撃を覚えました。
しかも、シナリオの中でTiger戦車は史実通り「畏怖」の存在として描かれており、敗戦国ドイツが敗戦を迎える直前の様子を体験する事ができます。
これを同じような形式で、日本視点で進行するシナリオは実現可能か想像を巡らせてしまう、そんなシナリオでした。
このジャンルとこのシナリオ、かなりのレアケースですので是非みなさんにも体験してみてほしいと思いました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
アニメ「おしりたんてい」です(元々は児童向け絵本が原作)。
アニメ化されるまで存在も存じ上げなかったのですが、全て観て全巻揃えています。
内容的にも、IQの高いおしりたんていが知的な推理で全て解決するのかとおもいきや、ほとんどのケースで解決手段がバイオレンスとも呼べる強烈なインパクトの必殺技で事件を収束させるという、恐ろしい展開が待っています。初めて見た時は唖然としてしまいました。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
プロeSportsプレイヤー全般です。
eSportsの今後を占う意味で、ずっと観察していました。やっぱりコミュニティを見ていると、どんなゲームジャンルでもただ上手いだけ、ただ強いだけでは人気出ないんだなあと思いましたね。
プレイスタイルや見せ場だとか、配信が面白いとか、ファンとの接し方が良いとか、求められる事が高次になってきてるな、と感じます。
そこで言うと、腕前と必ずしもリンクしていないですが、ゲーム実況者や、解説に関して言うと、凄く良い人材が生まれてきたなと感じました。
あと、やっぱり根本的にゲームというものの社会的地位を我々メーカー含めて向上させていかないと、ゲームが上手い、という事が褒められる世になっていかないと再認識しました。ゲームが趣味と堂々と言えるというか。このあたりは世界との隔たりを感じるので、我々業界がもっと頑張らないといけないところだな、と思います。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
実は2018年は色々裏で大きな出来事が沢山ありました。。。
無論良いニュースとしては、「鉄拳7」は昨年360万本を突破し、この年末年始を越えたらもう400万本が見えきましたし、あらゆるバンナム家庭用ゲームタイトルのマーケティング戦略部長としては、2018年に仕込んだ多くのタイトルの発表やPRもうまくいきました。
しかしながら、数年がかりで仕込んできた大規模なプランがやむを得ない事情で断念しなければいけなくなったり、業界内で寂しい別れもあったり。なんでしょう、とにかく凹む事も色々起きました。
ですが!2019年は心機一転、そう遠くない未来の夢に向けて新たな出発の年にします!
ゲーマーの皆さん!とにかく一緒にゲームを楽しんでいきましょう!!!
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
広木朋子
代表作:「ドラゴンボール ファイターズ」「アサシン クリード オデッセイ - CLOUD VERSION」
元々アサシンクリードシリーズが好きということもあるのですが、あのグラフィックがNintendo Switchの携帯モードで遊べたのが非常に興味深いと感じました。基本的にはクラウド上でもプレイ感覚はかわらず、十分遊ぶことができる。
私はアクションゲームを担当することが多く、グラフィックと仕様の落としどころは常に課題……。もちろん、ソロプレイと複数人プレイとの違いや、グラフィックのそもそもの作り方など、プロジェクトによって異なる点は色々あると思いますが、アサシンクリードをプレイして、クラウドゲームの未来を改めて感じることができました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「HUGっと!プリキュア」
ちょっと世代が違うので(笑)、実は今までちゃんと「プリキュア」を観る機会がなかった私ですが、3歳の娘がはまり始めたので一緒に観始めたところ……面白い……。「プリキュア」という戦うヒロインとして活躍する一方、中学生という等身大の悩みもそれぞれ抱えている。大きな挫折を経験するキャラクターも中にはいて、それでも羽ばたこうとする姿にいいおばちゃんが感動してしまいました…。切ない恋愛要素が少しだけ入っているのもちょうどいい! 最近観た42話は子供そっちのけで泣く始末。「映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア」も観に行きましたが、話だけでなく映像表現も素晴らしい。アニメとCGを上手く使い分けたり、融合させたり。歴代プリキュアが登場するシーンは圧巻。これを機に過去のプリキュアシリーズも見始めています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
木戸岡稔さん(アークシステムワークス代表取締役社長)
私が担当している「ドラゴンボール ファイターズ」は、まさに開発チームであるアークシステムワークス社の力がなければ成り立たなかった作品です。私は現場の人間なので、代表取締役である木戸岡社長と、がっつり現場で常に一緒…というわけではありませんが、時折御話させて頂く中での、社長のお人柄が本当に素敵なんですよ……!
「社長」というと、ピリッとした印象をもつ人も多くいると思いますが、木戸岡さんは本当に穏やかで楽しい方。でもただ「穏やかで楽しい」だけではなく、1人の「開発者」としての厳しい目線をいつも忘れていないのが印象的です。常に新しい物事に挑戦する姿勢、そしてお客様が「本当に楽しい」とおもえるモノづくりを大事にしていらっしゃるのが御話しているとよく伝わってきます。社長ご本人がEVOの選手として出てしまう、という面白い企画も、木戸岡さんならではだなと(笑)
「ドラゴンボール ファイターズ」は長い展開を目指していますし、これからも木戸岡さん含めアークシステムワークスの皆様の心意気を汲み取れるようなプロデューサーを自分は目指したいなと…そういう意味を込めて注目した(している)方です。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
今年「ドラゴンボール ファイターズ」は発売して、もうすぐ1年がたとうしています。
ワールドツアーも始まり、来年の1月にはワールドツアーFINALもありますが、とにかく色々な意味でまだ始まったばかりのシリーズなので、やりたりないことが沢山あります……!
来年はそのやりたりないことが少しずつできるといいなと思っています。
ブラウニーズ
代表取締役社長,プロデューサー,ディレクター,キャララクターデザイナー等
亀岡慎太
代表作:「聖剣伝説」シリーズ(キャラクターデザイン),「マジカルバケーション」シリーズ(キャラクターデザイン,プロデューサー),「MOTHER3」(プロデューサー),「ファンタジーライフ」(プロデューサー),「セブンス・リバース」(プロデューサー),「エグリア」(ディレクター,キャラクターデザイン,シナリオ)「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」
ものすごい感動を受けても2,3歩あるくと、どんどん感動が薄れて行くお年頃になってしまった昨今なので今、一番感動が上塗りされて衝撃が残っているのはこのタイトルですね。
まだそれほど遊び切れてはいないのですが、何よりも今回ここまで一分の手を抜くことなく、今までの思い出を全部入りしたような拘り抜いた作品にする事を決めた覚悟、漢気を察すると涙が出てきます。
ある意味任天堂タイトルの集大成と言える作品ですよね。
開発スタッフのみなさま、本当にお疲れさまでした! ありがとうございました! と拍手を贈る以外ありません。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画「ボヘミアン・ラプソディ」
こちらも過去の感動が2,3歩あるくだけでどんどん薄れて行くお年頃になってしまった昨今なので、一番直近で感動をしたタイトルなのかもしれませんが、QUEENにもフレディマーキュリーにもそれほど深い思い入れなど無かったにもかかわらず、ラストであそこまで泣かされていた自分に驚きました。
なんだろ? ストーリーも大体見当は付いていたんですがね、物語を運ぶ演出が素晴らしかったのかな。
あのシーン!という目立った派手な演出無しで、知らぬ間に引き込まれていた演出の妙ですかね。とにかく予想外に大きな感動を頂いた拾い物な作品でした。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
米津玄師さん
これだけ新しい音楽を聴く機会が減少した時代にもかかわらず、彼の曲だけは耳にしない日がないんじゃないか?という程、ちまたで流されているのはすごいと思う。
パッと火が付いて、すぐにサァーっと冷めて行く風潮の昨今、1発だけで終わらなかった本物のアーティストの登場でしょうね。
彼の事を調べてみるとまだ20代という若さでありながら音楽以外にも多彩な芸術センスを持っているようなので、来年は音楽だけに留まらず、違うステージでその姿を見られるんじゃないかと期待しています。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年はブラウニーズ初となる完全オリジナルスマフォタイトル「エグリア」がストーリーの方もひとまず完結し、スマフォアプリデビュー作でもある「セブンス・リバース」も来年3月にサービス終了を迎え、ブラウニーズの歴史にもひと段落着いたという感じです。
2019年は新たな章の始まりという感じで、ブラウニーズとしては新天地となるコンシューマタイトルに戻り、かつてのように“ゲームらしい作品“を作って行こうと思っています。
2019年ブラウニーズの新章スタートにご期待ください。
プラチナゲームズ
開発本部長 / エグゼクティブプロデューサー
稲葉敦志
代表作:「ベヨネッタ2」「The Wonderful 101」「MAX ANARCHY」「GRIS」
アートの美しさにまず驚き、世界観に驚き、遊びの美しさに驚きました。アートスタイルを活かしたサイドスクロールとは思えない巧妙なレベルデザインがあり、色味を活かした巧妙な映像演出には不要な要素を全てそぎ落とした凄みを感じます。寄りと引きだけでこんなにも芸術的なショットを演出できるのかと、まさに見惚れ続けたタイトルです。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画「search / サーチ」です。PC画面だけを使った、テンポの良さと情報の多彩さを両立させた演出には驚きました。脚本も練り込まれていて、引き込まれた気持ちが最後まで途切れることがありませんでした。この監督の次回作に今から期待する気持ちでいっぱいです。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
山口つばささん。漫画「ブルーピリオド」を描かれている方です。表現者とは何か、表現するということはどういうことなのか。そのこと自体を“表現”してしまおう、というこの作品が同じクリエイターとして本当に大好きなのです。毎回、あふれ出るパワーに圧倒されながら読んでおります。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
来年も相変わらず激しい年になりそうです。プラチナゲームズ、もう何歩かステップアップを狙う年になりそうなので、全力で頑張ります。……というような無難な話だけで終わっても面白く無いですよね。来年、いろいろ発表しますよ!
プラチナゲームズ
チーフゲームデザイナー
神谷英樹
代表作:「バイオハザード2」「デビル メイ クライ」「ビューティフルジョー」「大神」「ベヨネッタ」「The Wonderful 101」「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」
「カプコン ベルトアクション コレクション」
「R-Type Dimensions EX」
「SNK 40th ANNIVERSARY COLLECTION」
いや〜、今年もクラシックゲームは豊作でしたね。あ、断っておきますが、去年も言ったように“レトロ”ゲームじゃないですよ。僕がお話したいのは“懐古調”のゲームではなく、正真正銘、本物の歴史を持つ“クラシック”なゲームについてです。
例えば、37年の長い沈黙を経て、ついにアーケードアーカイブスのタイトルとして再び日の目を見た、任天堂のアーケード作品「ドンキーコング」。この作品は、不肖、神谷英樹が業界を志すきっかけになったほど憧れたという、言わずと知れた偉大なる伝説的ゲームデザイナー 宮本 茂氏の代表作のひとつであり、ジャンプアクションの始祖といえば本作か「ジャンプバグ」か、という論争が常に巻き起こるという、そのような話は聞いたことはないものの、ともかく前回も申し上げたように、今日の任天堂の礎を築いたと言っても過言ではない歴史的タイトルなわけですが、それがオリジナルと全く遜色ない“完全移植”という形でようやくコンシューマー機に登場を果たしたことは、往年のゲーセンキッズはもちろんのこと、新しい世代のユーザーたちにも多くの幸せをもたらすことは疑いようもなく、ゲーム文化保全の観点からも、大変意義深い出来事でありました。
その歴史的快挙を成し遂げたハムちゃん(株式会社ハムスターのこと、業界ではこう書く)は昨年、この「ドンキーコング」に先んじて、まず「マリオブラザーズ」をNintendo Switchに完全移植して、ゲーム史上初めて任天堂アーケード作品の復刻を現実のものとした後、続いて「VS.スーパーマリオブラザーズ」「パンチアウト!!」、そして今年に入って「ドンキーコング」を経て「スカイスキッパー」、「エキサイトバイク」、「アーバンチャンピオン」と、歴史の闇に埋もれていた名作の数々を、次々と陽のあたる場所へと救い出してきました。これからも任天堂VS.システム作品を中心に、任天堂アーケード作品の移植を進めていくことが既にアナウンスされており、多くのゲームジジイたちが期待に胸を膨らませています。もちろん任天堂作品だけでなく、アイレムやSNK、サンソフトといった、新しく加わったメーカーの作品を含む名だたる名作の数々が今後のラインナップに名を連ねていますから、ゲーム業界の未来には眩い希望の光が射していると言えるでしょう。
そうそう、ハムちゃんは、本年度最後の配信をもって、アケアカ100週連続リリースという偉業を成し遂げたそうですね。おめでとう、そしてありがとうハムちゃん! ハムちゃんが多数の作品をリリースしてくれたお陰で、ひとつ実感していることがあるのですが、サッと立ち上げて気軽に遊ぶ、そんな楽しみ方をすることが多いクラシックゲームにおいては、ミュージアム系の複数収録作よりも、一つ一つのタイトルを単品配信して頂いた方が、メニューからダイレクトにゲームを選んですぐに遊ぶことができて、非常に便利なんですよね。僕は基本的にNintendo Switchでアケアカタイトルを収集しているのですが、Nintendo Switchの携帯性も相まって、ゴロ寝&遊び散らかしという、最高のクラシックゲームライフを送っておりますので、ハムちゃんには本当に頭が上がらないです。
……ただ、少々懸念があるとすれば、先行してPS4でリリースされたコナミタイトル(「グラディウス」「沙羅曼蛇」など)やタイトータイトル(「ダライアス」「バブルボブル」など)が、なぜだかNintendo Switchの方にサッパリ来ないような気がしないでもないんですが、まさか何らかの見えない力が働いて、出したくても出せない状況になってるとか、いやいやそんなユーザー不在で商売本位な動きなどあるはずがない、バカバカ俺のバカ! と、少しでも疑った自分に三角木馬トーチャーアタックを決めてやりたいほど、神聖なるクラシックゲーム界隈のメーカー各社のことは心から信頼申し上げておりますので、ハムちゃんにはこれからも変わらず、「何も足さない、何も引かない、1を1のまま忠実に再現する」という、単純にしてハイレベルな職人技的取り組みを是非とも続けて頂き、「ガルディア」「ペンゴ」「ジャンプバグ」「モナコGP」「ターボ」「スタージャッカー」「ピットフォールII」「ごんべえのあいむそ〜り〜」「フォートレス」「ファンタジーゾーン」「ハングオン」「アフターバーナーII」「パワードリフト」「ギャラクシーフォースII」「エンデューロレーサー」「SDI」「ブロックギャル」「ワンダーボーイ」「モンスターランド」「ガルディア」「クラッシュローラー」「ミサイルコマンド」「マーブルマッドネス」「サスケVSコマンダー」「怒号層圏」「ビーストバスターズ」「ザ・グレイト・ラグタイムショー」「シスコヒート」「ピンボ」「フォーメーションZ」「ニューヨークニューヨーク」「ウィズ」「QIX」「リバーパトロール」「シェリフ」「スペースフィーバー」「スペースファイアバード」「ポパイ」「ガルディア」「B-WINGS」「ダーウィン4078」「マッドエイリアン」「バーニン‘ラバー」「ファイティングファンタジー」「ガルディア」「ミスタージャン」「スパルタンX」「ビジランテ」「ロットロット」「バスター」「チューブパニック」「イーアルカンフー」「ギャラクティックウォーリアーズ」「ブラックパンサー」「WECル・マン24」「タイムギャル」「アルカノイド」「プランプポップ」「スカイデストロイヤー」「オペレーションウルフ」「レインボーアイランド」「スラップファイト」「ガルディア」「ビューポイント」「ニューラリーX」「ボスコニアン」「ドルアーガの塔」「マッピー」「リブルラブル」「ドラゴンバスター」「パックランド」「サンダーセプター」「TX-1」「ロックオン」「ぺったんピュー」「麻雀狂時代」「リアル麻雀 牌牌」「麻雀CLUB90's」「華の舞」「ニュージグザグ」「ガルディア」など、80年代にゲームセンターを沸かせた名作たちを、ゲームを愛する我々ユーザーたちのもとへ届けて頂きたいと願っております。
さて、前置きはこのくらいにして、本題の方もサクっと済ませましょう。冒頭に「衝撃を受けたタイトル」ということで、4つの作品名を挙げさせて頂きましたが、これらは全て、アーケードアーカイブスと同様に「クラシック作品の復刻版」であり、加えて複数タイトルを収録したコレクション系作品でもあることは皆さんもご存知かと思います。
収録されている各タイトルは、僕はまだ一部しか遊んでいませんが、触った感覚ではそれぞれオリジナルの再現性も高く、充分遊べる品質となっています。「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」に関しては、発表当初は海外版のみ収録というアナウンスが、公式サイトの下の下の下の隅の隅の隅の方に小さく小さく小さぁ〜く書かれていてどうなることかと思いましたが、フタを開けてみれば国内版も全収録して無事リリースということで、多くのストIIファンもホっと胸を撫で下ろしたのではないでしょうか。
しかしこの4作品に対し、僕はある共通した理由で“衝撃”を受けました。残念ながら、あまりいい意味での衝撃ではありません。結論から申しますと、これらの作品に収録されているタイトルには、信じられないことに、いずれも「タイトル画面でクレジットを入れる」という仕様が実装されていなかったのです。そう、あろうことか、擬似的にお金を投入し、クレジットSEが鳴り、スタートボタンを押してゲームを開始するという、ゲームセンターであれば当然行われる不変の“儀式”を、体験することができないのです。
なんということでしょう……。例えるなら、三時のおやつに楽しみに取っておいた玉羊羹を食べようとした正にその時、母ちゃんが「あ、もう全部皮剥いといたじ(松本弁)」と皿に乗った剥き出し羊羹を差し出してきたかのような、怒髪衝天的憤怒。あるいは、ひんやりと冷たいポルトローナ・フラウの革のドライビングシートに滑り込み、厳かにイグニッションキーを回してじゃじゃ馬なV8エンジンを目覚めさせるのを思い浮かべ、高鳴る胸をおさえつつガレージに到着したその瞬間、「あ、先にエンジンかけときました」と明かされたかのような、急転直下型落胆。はたまた、機械獣来襲の報を受けてバトルスーツに身を包み、いざホバーパイルダーへ乗り込もうとハンガーへ急行したその刹那、「あ、もうパイルダーオンしてありますんで」と告げられたかのような、全身弛緩的虚脱。
声を張り上げて、「それ俺にやらせろや!!」……と叫びたい衝動に駆られたのは、全人類のDNAに等しく刻まれた、本能のほとばしりだったのでしょう。
更に付け加えるならば、「R-Type Dimensions EX」に至っては、クレジット云々どころかそれぞれの収録作品にタイトル画面すら存在しないという、敢えて例えるなら、ホバーパイルダーが既にパイルダーオンされた鉄の城が、ハンガーどころか吹きさらしの空き地に見苦しく棒立ちになっていて、じゃあ後はシクヨロ! とハシゴだけ立てかけられたような、晩秋木枯らし一号的悪寒、まぁそのようなアレを禁じ得ない有り様なわけですが、そこを掘り下げていくと話がサクっといかなくなるので、断腸の思いで見なかったことにして話を先に進めましょう。
皆さん、「クラシックゲームの移植(便宜上、ここでは“アーケードゲームの移植”にフォーカス)」とは、一体何だと考えますか? その意義は、一体どこにあるのでしょう? 僕には確信があります。それは「失われた時の再生」なのだと(倒置法)。
ゲームの実質的な価値が何かと言われれば、一般的にはまず“面白さ”ということになるのかも知れません。わざわざ貴重なお金や時間を費やして遊ぶのですから、面白くなかったら意味がありません。しかし、こと「クラシックゲームの移植」となると、それだけでは終わらないと僕は考えます。まず、移植を望む人間というのは、若かりし頃にゲーセンに通いつめ、お気に入りのゲームを必死で攻略し、時には無茶なダウングレード移植に泣き、時にはツボを押さえたアレンジ移植に湧き、受験を控えた時期には親の目を盗んで遊び、高校の合格発表で自分の名前がなかった日には、「いいじゃん、昨日アルカノイド全クリしたんだし」と級友に慰められ(某ゲームデザイナー談)……と、青春をビデオゲームで染め上げた、そんなオールドゲーマーたちが大半を占めるでしょう。そうした人種にとって、この高精細度映像の時代にわざわざ買い求める30年近くも昔のクラシックゲームは、単に遊ぶためだけのものに留まらず、作品を通じて蘇る、遠く恋しい日々を再体験するための“タイムマシン”であろうことは、想像に難くありません。
コインを投入して、クレジット音が鳴る。ふと目を閉じると、ゲーセンの喧騒が蘇り、タバコの煙が鼻腔を刺激する。嗚呼、俺は帰ってきたんだ、学校帰りのレディビートルに。長沢は来てるかな? きっと向こうでアフターバーナーでもやってるんだろう。高木は今日はどんぐりでバイトだったな。さて、スタートボタンを押して、ゲームを始めるか。今日もギャラリーが集まるはずだ、俺のノーミスクリアを見届けるために……。
……そんなふうに、仕事に追われる今日を忘れ、懐かしき“あの日々”にひたる体験を求めているはずです。
ゲーム文化保全の観点からも見てみましょう。移植作に興味を持つのは、なにも上に書いたようなマニアックなゲーマーだけではありません。最新ゲームに興じている人、古い時代を知らない若い世代の人の中にも、過去のゲームに興味を持つ人はいるでしょう。そうあって欲しいという個人的願望もあります。そう考えれば、どれだけ時が流れて世代が移り変わろうとも、過去のゲームをもいつでも誰でも手に取ることが出来る、そんな環境を整えることが大切であることは言うまでもなく、クラシックゲームの移植が、ただそれを遊ぶためのものではなく、そのゲームがどのような時代を背景に登場し、どのような環境で当時のユーザーたちに迎えられていたのか、そうした「ゲームを取り巻く空気感」をもまるごと再現して、後のユーザーへと伝えるための“タイムカプセル”であるべきということが、自然に導き出されるはずです。
へえ、これが30年前のゲームか。あれ、スタートボタンを押しても始まらないぞ。……クレジット? ああそうか、まずお金を入れるわけだな。当時のゲーセンってどんなだったんだろう。確か、テーブルの形をした機械で遊んでたんだよな。さてスタートボタンを押して……お、始まったぞ。1プレー100円か、大事にいこう。昔のゲームって、こんなに歯応えあったんだ! すごい、親父が熱中するわけだ。ぶ、武器はないのか? 武器は? うわあ! 親父にもぶたれたことないのに!
……と、コインいっこ入れるという行為から始まる当時のゲーム体験の全てを、時代を超えて後世のユーザーに追体験させる、そんな役割があることに気付くはずです。
クドさを承知で言うならば、楊枝で包みをプチッと突き刺し、みずみずしい中身をプルンと取り出すところから玉羊羹の賞味は始まり、イグニッションキーを回してダッシュボードに火を灯し、スターターボタンを押し込んでV8の咆哮に抱かれるところから真紅の跳ね馬とのランデブーは始まり、正義の心をパイルダーオンするところから、人類の戦いは始まるのです。そして、ビデオゲームの黎明期にゲームセンターを彩ったクラシックゲームは、お金を投入し、クレジット音を聴くところからこそプレーが始まったのであり、現代においては、それによって歴史に刻まれた記憶の扉が開かれ、「失われた時が再生」されるのです。
そう、クラシックゲームの移植とは、本来であれば決して叶わない「失われた時の再生」という夢を叶えてくれる現代の魔法であり、それが正しく行われることにこそ尊い意義があり、単に「遊べればよい」というものであっては断じてならない。……そのはずだったのです。それが、あまりにもあっけなくクレジット投入の仕様がオミットされてしまっていた。それ故、僕は大きな衝撃を禁じ得なかった……というわけです。
……おや、話が思いのほかサクっと終わってしまいましたね。では、クレジットが持つ大切な意味について、もう一つサクっとお話しましょうか。
僕が挙げた4作品の中から、「カプコン ベルトアクション コレクション」を例に取ってお話します。この作品には、カプコンの代表的なベルトスクロールアクションのタイトルが幾つか収録されており、例えば収録作のひとつである「ファイナルファイト」は、移植の品質も上々で、オリジナルのアーケード版同様の攻略が楽しめるのですが、驚くべきことにゲームプレイ中、常に画面上部に「FREE PLAY」の文字が表示されたままになっています。ゲームを開始するのにお金の投入が要らないのは既に説明した通りですが、オリジナルの基板の仕様に忠実に倣っているためなのか、ゲームの中身までフリープレイ設定、つまり、“何度でも「無料で」コンティニューができる”設定になってしまっているのです。
ここでもう一つ、僕は問いたい。皆さん、ゲームってなんでしょう? 小難しい話をするつもりはありません。“ゲームとは”の定義は様々で、人それぞれゲームの愛し方、楽しみ方は自由ですから、何かひとつに絞るのはナンセンスです。しかし今回のケースでは一つだけ、間違いなく言える、ゲームのために絶対に守らなければならないことがあります。そう、それは他でもない、「オリジナルへのリスペクト」です。
ゲームの有り方は多種多様で、どれか一つが正解ということはないでしょう。しかし、「クラシックゲームの移植」に於いては、まず “オリジナル”という厳然たる正解が存在します。正解とはつまり、オリジナルを作り上げた先人が到達し、我々に示してくれたゲームそのものであり、主題を具体化した完成形です。そしてクラシックゲームの移植は、どれだけその本来の姿に近づけるかがテーマになると言っていいでしょう。
クラシックゲームの移植の歴史は長く、その過程では時代に応じた様々な移植のニーズやトレンドがあり、忠実性だけが正義というわけでは決してありませんでした。しかし、たとえハードスペックの限界で忠実性を守ることが困難だったとしても、移植者の創意工夫の根底にあったのは、「オリジナルが表現しようとした主題を守る」というリスペクトの精神であり、まぁそれがひん曲がってアクションゲームがなぜかボードゲームに成り果てるようなこともありましたが、それはさておき、その精神があったからこそ、今日のクラシックゲームの繁栄があるのは間違いありません。
では「ファイナルファイト」の話に戻りましょう。言うまでもなくこの作品はカプコンのお家芸とも言えるベルトスクロールアクションの代表格であり、多くのゲームキッズに愛されました。その理由には、高品質なグラフィックやアクションの爽快感もさることながら、“確かなやり応え”があったことも大きかったと、僕は考えます。まぁ1プレイ幾らのゲームセンターの世界ですから、商業的な理由からやり応えがあるのは当たり前なのですが、ともあれ、歯応えのある難易度と、それを乗り越える快感の絶妙なバランスは、「ファイナルファイト」にとって欠かせないファクターの一つであり、単にインカムを稼ぐためだけではなく、コアターゲットとなる熟練ゲーマーたちを唸らせ、彼らを熱狂させ、そしてゲームシーンを沸かせようようという、制作陣の並々ならぬ意気込みを、当時の僕は感じました。
ところが…「カプコン ベルトアクション コレクション」の「ファイナルファイト」では、前述の通りフリープレイ設定になっているため、ゲーム中の緊張感はほぼゼロです。「フリープレイでなかったとしても、家庭用機で遊んでいるのだから、結局クレジットを入れ放題で同じことじゃないか」という意見もあるでしょう。しかし、何の制限もなしに無限のコンティニューが公然と許されているのと、そうでないのとでは、ユーザーが受け取る感覚は全く違います。たとえそれがバーチャルであっても、「クレジットが尽きて、自分でもう一度クレジットを入れる」というプロセスを踏むことは、プレイヤーの奮起を促し、張り合いを生むはずです。漫然とボタンを連打しているだけで先へ進めてしまうような環境を、ただプレイヤーに投げ渡してしまっていたら、「ファイナルファイト」が持つ本来の面白さをユーザーが見出す機会を、奪うことにもなってしまいます。オリジナルの作り手が、その作品をどうユーザーに楽しんで欲しかったのか。それをきちんと汲み取り、正しくユーザーに贈り届けることこそ、移植者の役目ではないのでしょうか?
誤解のないように断っておきますが、ゲームの中身に手を加えて、時代に合った遊び方が出来るように工夫するのは、素晴らしいことです。追加コンテンツなどもワクワクします。それらのおかげで作品が好きになる新しいユーザーもいるでしょうし、難易度が易しく再調整されることで、当時クリアできなかった作品のエンディングにようやく辿り着けた、と喜びを感じる人もいるでしょう。実際に僕も、「SEGA AGES ファンタシースター」では、本来のオリジナルそのままのモードに加え、3Dダンジョンのオートマッピングやステータス表示など、様々な工夫が施された新たなモードも選択できたお陰で、ゲーム筋肉が衰えた今でも、この30年位上も昔に作られたゲームを楽しむことができました。そうした取り組みは、是非ともして頂きたい。しかし次世代へ受け継がれるべき、先人が残したバトンを蔑ろにすることは、絶対にあってはいけません。ゲーム文化を一本の線として未来へとつなげていくために、移植者は作品の時代背景も可能な限り保存し、そしてそれを正確に次世代へと伝えねばならないという使命を、忘れてはならないのです。
「カプコン ベルトアクション コレクション」で言えば、フリープレイ設定があっても全く問題ありません。しかし、オリジナル版の標準的仕様であり、作り手が意図していた「1クレジット1プレー」の設定も選択させて欲しかった。100円玉を握りしめてゲームセンターへ自転車を飛ばし、100円玉ひとつにその日の全てを込め、全身全霊をかけて攻略に臨んだ、あの緊張感を奪わないで欲しかった。僕はそれが残念でなりません。
クレジットの話からは逸れますが、同じくクラシックゲームの復刻作品である「ロックマン クラシックスコレクション」についても、同様の問題がありました。僕はこの作品を3DS版に続いてNintendo Switchでも購入し、ロックマンの代名詞とも言える、歯ごたえのある難易度に挑戦しようと、ワクワクしながらゲームを開始しました。するとこのNintendo Switch版には、新しく「巻き戻し機能」が実装され、例えば穴に落ちてミスになったとしても、ボタン一つで数秒前の状態に巻き戻し、ミスを“なかったこと”に出来ることを知りました。これは中々便利な機能で、当時手強い難易度に阻まれてエンディングを見ることが出来なかった人も、これさえあればリベンジを果たすことが出来るだろうと思いました。しかし自分の腕前でゲームを攻略し、当時から些かも腕が衰えてないことを証明したかった僕は、その機能をOFFにして遊ぼうと思い、ゲームの設定画面を開きました。ボタンを押しさえしなければ巻き戻しは行われませんが、とは言えいつでも機能を実行できるというのは気持ちの甘えに繋がりますし、何よりその機能を有効にしているということが、オリジナルが示してくれたロックマンの有り方に反しているようで、気持ちが悪かったからです。「もしかしたら、OFFに設定してクリアしたら、何か特典がアンロックされるかも?」なんて、淡い期待もありました。
しかし……しかしです。いくら設定画面を探しても、この巻き戻し機能をオフにする項目はありませんでした。この「ロックマン クラシックスコレクション」においては、「巻き戻しあり」が標準にして唯一の仕様であり、本来のオリジナル版の仕様である「巻き戻しなし」の選択を許していなかったのです。
もう一度いいますが、「巻き戻し機能を使わなければいい」のではありません。巻き戻し機能自体を否定するつもりも毛頭ありません。むしろゲームが苦手なユーザーを救済する、あるいは遊び方の幅を広げる素晴らしい機能でしょう。しかし僕が遊びたかったのは、「巻き戻し機能に“頼りたくても頼れない”、自分の力だけで攻略しなければならないゲーム」です。ヒリヒリする緊張感の中で、ロックマンを遊びたかったのです。
僕がこの話の冒頭に申し上げた、オリジナルに対するリスペクト。「カプコン ベルトアクション コレクション」や「ロックマン クラシックスコレクション」の移植者に、果たしてその概念はあったのでしょうか? “オリジナル版と同じ環境”を選択出来ない仕様にした理由は、一体何だったのでしょうか? その疑問が、今も僕の頭から離れません。
余談にはなりますが、プラチナゲームズでは最近、開発フロアにテーブル筐体を導入しました。僕が自宅から厳選に厳選を重ねて私物のゲーム基板を持ってきて、フロアの片隅で稼働させています。もちろん、1プレー100円。スタッフからは「え、お金いるんですか?」という声も聞かれましたが、そこはちゃんとお金を投入して遊んでもらうようにしています(収益はきちんと会社が管理して有効利用する予定)。もちろん、お金が欲しいからではありません。ただクラシックゲームを遊ぶだけなら、もっと良い環境はほかにいくらでもあります。会社に設置されている4Kテレビなら、大画面でアーケードアーカイブスを遊べます。しかし敢えて18インチのブラウン管を搭載した中古のテーブル筐体を購入し、1プレー100円の営業稼働にしたのは、先程から何度も申し上げているように、オリジナルが稼働してた時の環境をそのまま再現することで、若いスタッフにも、そのゲームの時代背景、当時の空気感を少しでも感じて欲しいという想いがあったからです。
僕が言いたいのはただひとつ。これからクラシックゲームの移植にかかわる方々には、歴史的名作を後世に伝えていくという重責を担っている誇りを胸に、是非オリジナルをリスペクトする精神を忘れずに取り組んで頂きたい。そして、過去と現在、未来のゲームを点ではなく線で繋いで、ゲーム文化を脈々と育んでいくためにも、ゲームの歴史を作ってきた数々の名作たちを、そのままの姿で正しく世に送り出して欲しい。ただそれだけです。
…というわけで、甚だサクっとではありますが、以上が僕の今年の衝撃エピソードでした。古巣カプコンだからこそ、愛をもって少々厳し目に言わせて頂きましたが、ゲーム文化の未来のために前向きな話をさせて頂いたとご理解いただければ幸いです。カプコンのエラいひとたち、新たなゲームの歴史を切り開いていくために、またいつか一緒に仕事しましょう!
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
宝塚歌劇団 花組公演「MESSIAH -異聞・天草四郎-」
今年一年は、こう見えてツイッターを中心に何だかんだ忙しくて、僕の生き甲斐でもある宝塚公演をあまり観に行くことができませんでした。辛うじて贔屓にしている花組の本公演はすべて観劇しましたが、その他の組の公演には残念ながらほとんど足を運ぶことが出来ず……星組の星蘭ひとみたんも、雪組の白峰ゆりたんも、月組の結愛かれんたんも蓮つかささんも、ほとんど見ることができませんでした。
あ、僕はやはり男ですから、観劇中は娘役さん双眼鏡ロックオン&レンズ越しの恋愛に終始し、男役さんは基本的に恋愛対象とはならないので、聖乃あすかさんと朝美 絢さん(あと、かつては宙組の月映樹茉さんと、アデレイドちゃんを演じている時の礼 真琴さんとロミジュリの愛を演じている時の煌月爽矢さん)以外にはロックオンしないのですが、蓮つかささんは凛々しくもとても可愛らしい雰囲気で、いや男役さんに対して可愛らしいという表現も、何というか、こう、いささか危険な感じもするのですが、とにかく非常に魅力的なので、月組公演観劇の際には結愛かれんたん共々必ずやロックオンしようと誓っていたわけですけど、結局月組は観劇できず仕舞という体たらくで、僕のような不束者はタカラヅカを語る資格などないのですが、それを自覚した上で、敢えて話をさせて頂きたいと思います。
今回挙げた「MESSIAH -異聞・天草四郎-」は、題名の通り、歴史上実在した天草四郎時貞の生涯を、タカラヅカらしい新しい切り口で描いたミュージカルで、日本モノではありますが、モダンな衣装で華やかな世界観を演出し、歴史に詳しくない人(僕のことです)でも楽しめるようなエンターテイメント作品に仕上がっています。
歴史に詳しくなくても、実際の天草四郎がどんな最期を遂げたかのは何となくご存知だと思いますが、本作も、大胆に脚色されているとは言え、さすがに史実までは変えられませんから(実は天草四郎はワームホールをくぐり抜けて未来へ逃げ延びた、的なSF展開はあり得なくもないですが)、やはり観る側としては、主人公たちが悲劇的な結末に突き進んでいく中、一体この英雄譚はどのような大団円を迎えるのか、その辺りも見どころになってくるわけです。
さて、これ以上はネタバレになるので、ストーリーに関しては各自DVDなどでご確認頂きたいと思いますが、本編中とても印象深かったのが、天草四郎が過酷な弾圧に挫けそうになった島原の領民たちを勇気づけ、全員で結束して蜂起する場面です。この時 僕は同じ日本モノ(和モノ)ということで、何となく自分の作品「大神」と重ね合わせて観ており、「大神」にもクライマックスで“力を合わせる”という重要な場面があるため、両者を頭の中で比べてみて、そのアプローチの仕方というか、流れの作り方の違いがとても興味深くて、もしもいつか「大神」の続編を作る日が来たら、もう一度この作品を見返してみようかなぁ、などと、そんなふうなことを観劇中に思った次第です。
そうそう、この公演は花組が誇る名バイプレイヤー、天真みちるさんの退団公演でもありました。天真みちるさんと言えば、数年前に某有名テレビ番組に出演して話題をさらったので、ご存知の方もいるかも知れません(「タンバリン芸人 宝塚」で検索してみたら垣間見えるかも……?)。
僕が初めて天真みちるさんをはっきりと認識したのは、2011年2月に上演された「愛のプレリュード」の時で、花組公演としては二回目の観劇のことでした。以前にもお話したように、僕が宝塚観劇を始めたのは、2009年に上演された宙組公演「逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-」からで、花組公演を初めて観たのはその一年後の2010年7月上演の「麗しのサブリナ」でした。でも残念ながらその時はまだ、みちるさんの存在に気づくことはなく、いやむしろハッキリ覚えているのは、花組の娘役さんはトップの蘭乃はなちゃんを筆頭にみんなめっちゃカワイイな〜と、あちこち双眼鏡でロックオンして、恐らく芽吹幸奈さんや春花きららちゃんや花奈 澪ちゃんや桜 一花さんや華耀きらりちゃんや月野姫花ちゃんたちを舐め回すように観察していた、そのようなことでした。
そしてその半年後、「愛のプレリュード」に出演していた、ちょっとコミカルな男役さんに注目。盗まれたパンを取り返しに来るパン屋の店主の役で、ほんの短い場面だったのですが、とても個性的な演技をしていたので強く印象に残り、その後しばらく、僕は一緒に観劇した友人に、そのパン屋のモノマネを披露したりしていました。そして丁度その直後、最初に観た「麗しのサブリナ」のDVDが発売になったため、家でもう一度見返していると、同時上演のレビュー「EXCITER!!」で、かなり、いや物凄く異彩を放っているキャラクター、「ミセス・ミッチーB」が、そのパン屋の主人と同じ役者さんであることに気付きました。そう、その抜きん出た個性を醸し出していた男役こそ、天真みちるさんだったのです。
この「ミセス・ミッチーB」というキャラクター、なぜ“B”と付いているかというと、この「EXCITER!!」のとある場面に「チェンジボックス」なる機械の箱が登場し、トップスター真飛 聖さん演ずるサエない青年が、その中に入って機械を作動させると、早着替えでビシっとしたスーツに着替えて、めちゃめちゃイケてるメンズに“チェンジ”して現れるという演出があるのですが、その直前に機械の性能を観客に見せるために登場するのが、天真みちるさん演ずるこの「ミセス・ミッチーB」なのです。つまり、“チェンジ”する前のサエないキャラクターを、みちるさんが受け持ったというわけです。
まず、ゆったりとしたムームーに身を包んだ、少々デラックスな体型をしたミセス・ミッチーBが、ジャイアンばりにダイナミックなハワイアンを歌いながら登場して場を掻き回します。この時点で既に、若干宝塚離れした光景が展開してるわけですが、その直後ミセス・ミッチーBがチェンジボックスの中へ入ってスイッチオンすると、中からすっかり“チェンジ”したミセス・ミッチーが飛び出してきます。それはもう、当時僕の中で一、二を争った美形の娘役、月野姫花ちゃん演ずるスレンダー美女な「ミセス・ミッチーA」となって。
いや、これ、いいのか? と笑撃を受けること請け合いのこの場面ですが、みちるさんは体当たりで重要なコミックリリーフを演じきったのです。その後も、宝塚異色のヒーローもの「MY HERO」での奇怪な敵役スマイル・スマイリーや、「はいからさんが通る」での角刈り兄貴 牛五郎など、彼女(と書くのも妙な感じですが)の持ち味は遺憾なく発揮されていくわけですが、みちるさんは決して宝塚の“お笑い担当”というわけではなく、例えば2016年4月上演の「ME AND MY GIRL」では、タキシードの似合う執事となってダンディな佇まいを見せてくれましたし、宝塚人生最後となった「MESSIAH -異聞・天草四郎-」では、島原の民を厳しく弾圧する非情な代官 田中宗甫となって、鬼気迫る演技で物語に緊張感を与えてくれました。
これほどまでに幅広くキャラクターを演じ分けられる役者は、宝塚中を見回してみても中々いないでしょう。そんな稀有な存在のみちるさんが宝塚からいなくなってしまうのは、我々宝塚ファンにとって計り知れない損失なのですが、しかし、そんな永遠に同じ姿ではいられないところもまた、宝塚の魅力。みちるさんが去った後は、きっと若い世代から新たな逸材が生まれてくることでしょうし、みちるさんもまた、宝塚という枷が外れて活躍の場を広げ、更に進化した姿を見せてくれるはずです。
これからみちるさんがどんな面白いことをしてくれるのか、ツイッターとインスタグラムのアカウントをロックオンして、共に見守っていこうではないですか。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
濱津隆之さん
先程、注目の人物として天真みちるさんについて述べさせて頂いたばかりですが、もう一人、別の分野で非常に興味深い方がいます。
宝塚以外のエンタメ作品では、「カメラを止めるな!」は久しぶりに楽しめた映画でした。世間的にもだいぶ注目を集めた作品ですから、その内容についてここでわざわざ語ることはしませんが、主人公の監督、日暮隆之を演じた濱津隆之さんの演技は、とてもナチュラルで深く印象に残りました。
特に、温厚でどこか頼りなく、監督としても作品へのこだわりの薄い日暮が、プロデューサーと衝突して突然激昂する場面。あそこは、いわゆるモノ作りの現場での衝突としてはよくある構図で、クリエイターの方は色々思うところもあるのではないでしょうか。まあ、あんなに分かりやすくアレなプロデューサーも中々いない、と信じたいですが、多かれ少なかれ、責任の違う立場同士がぶつかり合って、ああいった正解のない岐路というか、難しい判断を迫られる場面に出くわすというのは、ゲーム作りの現場でも起こりうると思います。僕自身、ゲームを監督する立場の人間として、日暮の境遇に同情的になって観ていました。
で、劇中の主人公の日暮も、ここで監督としての立場で葛藤をするわけですが、恐らくこの場面は、台本にしてみたらほんの数行で表される内容ではないかと思うんです。「日暮、思わず激昂する。暫く葛藤するが、ついに折れ、決断する」的な。いえ、もちろん監督(実際の映画の監督の方です、ややこしくてスイマセン)のディレクションもあったと思いますが。でも演ずる濱津隆之さんの表現力によって、モノ作りへの情熱、どうにもならない状況での焦り、屈する苦しみ、本音を偽った振る舞いなど、めまぐるしく移り変わる日暮の感情が、あの短い時間の中で凝縮されて迫ってきて、ついつい何度も巻き戻して見入ってしまい、ふと我に返ったら、自然に涙が溢れていました。
失礼ながら、僕はこの映画を観るまで、濱津隆之さんという方を全く存じ上げなかったのですが、この映画のおかげで俄然興味が湧き、この方の演技をもっと見てみたいと思うようになりました。既に他の作品への出演も決まっているようなので、今後ぜひ注目していきたいなぁと思っている次第です。
あとは、そうですね……。僕のソウル・アイドルでありマイワイフの橋本真帆ネッタちゃんは、最近所属する浅井企画が「浅井企画ゲーム部」を立ち上げてe-Sportsへの参入を表明し、その部員に大抜擢されたので、僕の中でもe-Sportsゲー作りへの純粋な情熱が燃え上がってきたところですし、宝塚歌劇団花組の芽吹幸奈ちゃんは、舞台上での円熟さとは打って変わってお茶飲み会でのゆるふわ感が僕のハートをクリティカルショットですし、同じく花組娘役では中堅の風格も漂いつつある糸月雪羽ちゃん、そして数少ない僕的男役ロックオン対象の聖乃あすかちゃんの追跡体制も万全ですし、宝塚きってのバレリーナである雪組娘役の笙乃茅桜ちゃんも先日の公演「ファントム」での従者の役はオトナの女性の品格を漂わせていて移り気な僕を来年に向けてソワソワさせてくれましたし、星組では躍進目覚ましい礼 真琴さんの行く先を必ずやこの目で見届けなければなりませんし、同じ星組の娘役、星蘭ひとみちゃんは、去年も申し上げたように僕の元カノと同じ名前というのはとても偶然とは思えないですし、月組に話を移せば繰り返しにはなりますが蓮つかささんと結愛かれんたんは、来年こそは双眼鏡越しに恋をしに行きたいと決意を新たにしたところですし、話がタカラジェンヌに偏ってしまいましたが元花組で現在は女優をされている花奈 澪ちゃんは、「テイルズ オブ ザ ステージ −ローレライの力を継ぐ者−EMOTIONAL ACT」で見せてくれた、カモンベイベーなキュートなダンスで僕のハートを粉砕したのでブルーレイの発売を心待ちにしているところですし、簡潔にまとめればそんなところです。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
がんばります。
プラチナゲームズ
開発副本部長/ゲームデザイナー
齋藤健治
代表作:「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」「TRANSFORMERS: DEVASTATION」振り返ると2018年は、ほぼ常にオープンワールドのゲームを遊んでいたと思います。
「MONSTER HUNTER: WORLD」「ゴッド・オブ・ウォー」「ファークライ5」「レッド・デッド・リデンプション2」「Marvel’s Spider-Man」「Fallout 76」……など、クオリティの高いオープンワールドのゲームが絶え間なく発売され、とてもすべてやり込む時間はなく、後ろ髪を引かれる思いをしながら次のゲームをプレイするという状態だったと思います。(それでもいくつかのゲームはトロコンまでやっていた気がしますが……)
中でも「Fallout 76」は、短期間でガッツリやり込んだと思います。フォールアウトシリーズが大好きなので、オンライン対応となったこのタイトルは心の中モヒカン状態で待ち望み、毎夜毎夜プレイをしまくっています。いろいろと気になる点が多く、よくサーバから弾き飛ばされますが、これからのアプデに期待しながらゆるゆるプレイしていきます。
あとは格闘ゲームも充実していたなと思います。
その中でも「ドラゴンボール ファイターズ」。
格ゲーとしての完成度が高く、さらにグラフィックや演出も原作をリスペクトしていて、観戦しているだけでも楽しめるようになっているのがとても素晴らしいと思います。
同じくアークシステムワークスさんの「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」も“RWBYが参戦するから”という理由で購入し、久しぶりに格ゲーをやり込んだのですが、"分かっているけど反応できない"という状態を体感してしまい、年齢を感じてしまいました。
発売されたばかりですが「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」すごいですね。
制作者側のパワーも感じるのですが、スマブラユーザーの熱量がとてつもなく高い。社内でも発売日から各所でプレイされていました。自分はこれまであまりスマブラはプレイしていなかったのですが、ベヨネッタが参戦しているということもあり、ちょっと頑張ってやり込こもうと思っているところです。(しかし今年前半、格ゲーでボコボコにされた経験で対戦系のソフトに対して少しトラウマがあるので少し不安)
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
マーベル・シネマティック・ユニバース
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「アントマン&ワスプ」を見てからアベンジャーズの次回作が気になって、時が加速して欲しいと思っています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
もう少し暇を作らないとダメだと思っているのですが、相変わらず忙しくあまり注目できた人物がいないです。
あえて挙げるなら昨年と変わらず
田浦貴久
まじめに仕事をしながらも、売れ続けているニーア関連の配信に呼ばれ、イケメンぶりを存分に発揮している彼。ぼちぼち僕が気軽に喋り掛けられないくらいの高みに行きそうだなと……。
わ、若い世代を応援し支えていきたいと思っていますよー。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
プラチナゲームズとして高品質なコンテンツを提供できるよう頑張っていきます!
プラチナゲームズ
ゲームデザイナー
田浦貴久
代表作:「NieR:Automata」「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」「MAX ANARCHY」「ゴッド・オブ・ウォー」
ゲームプレイを一新しつつも“らしさ”はそのままに、爽快感や迫力はより強化されており、長く続く人気シリーズの底力を感じました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「ボヘミアン・ラプソディ」
世代的にリアルタイムで体感できなかったQUEENを、少しでも感じ取れたような気がします。
名曲の数々を聴くだけでもその価値ありです。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
ヨコオタロウ
昨年と同じ理由なので割愛します。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
「NieR:Automata Game of the YoRHa Edition」が2019年2月21日(木)に発売されます。
未プレイの方はもちろん、久し振りにプレイするという方も、お手に取っていただけると嬉しいです。
また、昨年のこの記事にて、2018年は何かしらお伝えできれば……とか書いた記憶がありますが、結局何もできず仕舞いなので、来年は目標をクリアできるようがんばります……!
フリュー
プロデューサー / ディレクター
林 風肖
代表作:「CRYSTAR -クライスタ-」「VRChat」
ユーザそれぞれがアバターを作り、ワールドを作り……そうやって仮想の世界が広がり、賑わっていっている様をみて、これは生きた世界だなと関心をしています。あと、「VRChat」上で行われた「バーチャルマーケット」という企画があったのですが、(取り組みそのものも面白いのですが)そこで3DCGのアバターが売られている光景がサイバーパンク感にあふれていてトキメキをおぼえました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「グレイテスト・ショーマン」ですね。
「The Other Side」という楽曲が流れるバーでのワンシーンが最高に痺れる!
格好良く生きねば、と胸打たれました。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
鳩羽つぐさん
「わからない。だから、気になる」そういう魅力のつまった人(?)だからです。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
一部発表になっていますが、2019年に「CRYSTAR -クライスタ-」の海外販売が予定されているので、海外のファンの皆様にもより多く楽しんでいただけると嬉しいと思っています。
また、新しいナニカを早く発表&遊んでいただけるように猪突猛進に頑張りたいとおもいます。
フリュー
プロデューサー / ディレクター
山中拓也
代表作:「Caligula -カリギュラ-」「Murderous Pursuits」
一緒に遊ぶ友達は別にいないんですけど“NPCのフリをする遊び“という発想に素直に感心しました。
技術が進みAIが人間に近づけば近づくほど、この遊びは将来的にもどんどんアツくなっていくぞと。
AIが人をうまく真似れば真似るほど、プレイヤーはゲームに勝つために染み出る“人間らしさ”に目を凝らすようになります。人間らしさとは何か、人間とは何かと、深く考えるようになるなんてとても素敵じゃないですか!一緒に遊ぶ友達は別にいないんですけど!
あとは4Gamerさんの記事でも紹介させていただいた「オンエア!」、リリースが2017年じゃなかったらこちらを挙げていたかなという「メギド72」などアプリもアツかったですね!
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「呪術廻戦」と迷ったのですが、布教の意味も込めて……ジャンププラスで連載中の「忘却バッテリー」。もう出尽くしただろと思っていた野球漫画の表現に一石を投じる名作だと思います。
野球漫画としての心躍る“動”の魅力と、人間ドラマとしての繊細な“静”の魅力を兼ね備えた作品です。
兼ね備えているだけならまだ対処のしようがあるのですが、ページをめくるたびに「静」と「動」をジェットコースターのようにいったりきたりするので油断なりません。
いっぱい笑わされたと思ったら、次のページでは「あぁ笑ってごめん……」と心をぐらぐら揺さぶられるとてもセンス溢れる作品です。コミックスでいうとまだ2巻なので、ぜひ多くの人に手を出してほしいです。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
もう3年目になりますね。
4Gamerさん、今年もハロプロの話をするスペースを与えていただき本当にありがとうございます。
昨年は彼女らに訪れた苦難のお話をしましたが、さて今年の「こぶしファクトリー」がどうだったかといいますと、個人的には存分に再起の予感を感じさせる出来栄えだったと思うのですが皆様はどう思われたでしょうか?
5人となったことでそれぞれのキャラクターのコントラストもよりハッキリと描かれ、歌やダンスのクオリティも高いレベルで均整がとれています。派手にハネる楽曲こそなかったものの、「チカラあるなぁ〜」と見るたびに実感させられます。
しかも皆さん見ました? ハロプロのYouTubeチャンネルのアカペラの動画。歌える子ばかりのこぶしの魅力を見事に活かした名采配じゃないですか? 井上玲音さんのパーカスもサマになっていて、そのポテンシャルには感動すら覚えました。僕もアカペラでパーカスやっていた時代、ゴリゴリの無声音だったので親近感を感じます。
2017に続いて雌伏の時であったのは間違いありませんが、確実に昨年とは違い悲壮感のようなものを一切感じさせない希望に満ちた雌伏だったのではないでしょうか。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年は新作のリリースが続き、4Gamer読者の皆様大変お世話になりました。激動の一年間でしたが、皆様の暖かな応援のおかげで頑張ることができました。
2019年はゲーム制作に関しては仕込みの時期になりますが、きちんと期待に沿う驚きと進化を見せられるようなものになっております! 作品のファンの皆様はのんびりとお待ちいただければ幸いです。
そしてありがたいことに個人的にはゲーム以外のお仕事もありまして、きっと何かしら発表できるかなと思います。いろいろなコンテンツで経験を得て、「自分にしか作れないゲーム」のために知見を活かせるように頑張ってまいります!
そして、2019年はフリューから発売した「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」「WORK×WORK」の別ハード移植展開をしていただくことが発表されております。どちらもアツいファンの方に支えられてここまで来たタイトルなので、ハード持っていなくてできなかったよ〜という方は、ぜひこの機会に触れていただければありがたいです!
ポノス
プロデューサー
石橋廣樹
代表作:「にゃんこ大戦争」「ゆる〜いゲゲゲの鬼太郎 妖怪ドタバタ大戦争」
弊社タイトルで恐縮ですがにゃんこ大戦争に続く、弊社らしいゆる〜いゲームを今年はリリース出来たこと。
にゃんこ大戦争の仕組みを踏襲している箇所も多いですがやり始めたら続けてしまう中毒性は共通しているなと改めて感心しました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画「search / サーチ」
あらゆるシーンがPC画面上で展開していくという発想もさることながら、映画の構成上、間接的に表現される数々の手法やアイデアに感服しました。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
川崎フロンターレの中村憲剛選手
2年連続優勝にフル稼働で貢献し、この年代の選手として衰えを見せることなくパフォーマンスを出し続けているのは日々の鍛錬があっての為せる技。ピークを超えて進化する姿に注目してます。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
「にゃんこ大戦争」はこの11月に6周年を迎え、久々にTVCMなど大きく仕掛けた年となりました。
これを期に復帰していただいた方々、初めて知っていただいた方々へも引き続き、期待を裏切らないにゃんこらしい裏切りや笑いを提供していければと思っています。
「にゃんこ大泥棒」というスピンオフタイトルも来年リリース予定ですので楽しみにしていてください!
ボルテージ
執行役員
草亭大樹
代表作:「魔界王子と魅惑のナイトメア」「鏡の中のプリンセス Love Palace」「王子様のプロポーズII」「王子様のプロポーズ Eternal Kiss」「NEWSに恋して」
2018年にリリースされた女性向けモバイルゲームの中で、おそらく最大のヒット作だと思います。女性向け恋愛ゲームとしてはオーソドックスなスタイルですが、NEWSさんのファンの方に対してはこれが正解だった印象です。いたずらに斬新さを求めるのではなく、お客様がどんな方で、何を求めているかをきちんと把握した上で最適なコンテンツを提供することが重要なのだと、改めて認識しました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
業界内では、2017年のものですが「ヒプノシスマイク」です。ほぼ飽和状態にある女性向けコンテンツ業界でも、まだ新しいものが生まれる可能性があるという希望をもらいました。うちの社内もかなり盛り上がってます(笑)。個人的には、「カメラを止めるな!」ですね。「ヒプノシスマイク」もですが、作り手が楽しんでいるのが伝わってきて(実際は大変だと思いますが……)、そういうコンテンツは応援したくなるし、周りに言いたくなります。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
Jojiという、アメリカで活躍している大阪出身のアーティストと、彼が所属する88risingの主催者であるショーン・ミヤシロです。BTSだけでなく、ここ数年アジアのアーティストが世界中で評価される流れができていて、Jojiはビルボードのヒップホップチャートで1位を獲りました。88risingはこの流れを戦略的に推し進めているので、コンテンツビジネスにかかわるアジア人として注目しています。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年は、新作の「魔界王子と魅惑のナイトメア」をリリースし、有名キャストの魅力的なボイス、双葉はづき様のイラスト、振り切ったファンタジーな世界観で、新しいお客様をお迎えすることができました。一方、長期運営中の「王子様のプロポーズII・EK」をリニューアルしたことで、ずっと楽しんでくださっているファンの皆様に感謝の気持ちを示すこともでき、実り多き年でした。2019年も、末永く愛されるコンテンツづくりを目指し、チーム一丸となって頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします!
また、ボルテージ全体としては、「あやかし恋廻り」をはじめ人気アプリが大集合するリアルイベント「ボルフェス2019」を4月末に開催いたしますので、こちらもぜひお楽しみに。
ボルテージ
ダウトunit本部長 / プロデューサー
田中健太
代表作:「ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜」「ドラゴンボール レジェンズ」
一番最初に感心させられたのは、ドラゴンボールは既に何度もゲーム化されていますが、このゲームはまた新しい楽しみ方を提供してくれていることです。やはりドラゴンボールの楽しさはバトルの爽快感だと思いますので、そこが体験できるアプリになっていて私は長くプレイさせていただいております。今後もどのような展開になっていくか期待しております。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
大ヒットの映画になってしまいますが、私の印象には「カメラを止めるな!」は強く残ってますね。
ストーリーの最初は単に「低予算で作られているな。ゆるいな。あの場面は一体何なんだ?」ぐらいで見ていたのですが、そこから終わりにかけてそのゆるさの真相がわかったり、あの場面の面白さはこういうことかと発見させられるストーリーになっていてよく練られた映画だと感じました。私のアプリの「ダウト」でもいい意味での裏切りや謎解明といったところで参考にさせてもらいます。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
安室奈美恵さんですかね。2018年は引退や卒業する人が多かった年でしたよね。その象徴が安室さんだったと思います。10代〜40代まで常にトップでいながら引退し、この先、安室さんが何をしていくか気になりますね。単なるファンな意見で申しわけないですが(笑)。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
「ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜」の2019年は新作のストーリーを追加していくことを中心に、実写映画化も控えていますので、既存のお客様、新規のお客様が楽しめるアプリにアップグレードしていこうと考えています。ダウトの実写映画化はお話をいただいた時から嬉しくて、アプリを配信した時からドラマ・映画化を目指していたところがありますのでようやく実現できたと思っております。まだ公開できる情報が少ないですが、アプリで順次公開していきますので是非今後も「ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜」をよろしくお願いいたします。
White Owls
ゲームクリエイター
SWERY
代表作:「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」「My Child Lebensborn」(Sarepta Studio)
多くの(実際)の戦争をテーマにした作品があり、世界中でヒットしています。が、その殆どは銃を使って敵兵を殺し、戦車や戦闘機に乗って適地を蹂躙するようなものです。この作品も実際の戦争をテーマにしていますが、プレイヤーは銃を持つことも、ましてや他人を射殺することもしません。プレイヤーは複雑な事情によって誕生した戦争孤児を育てることで、戦争の持つ悲惨さや残酷さ、戦後にも根強く残る差別に触れる体験をします。ゲームを単なる「おもちゃ」として終わらせないためには、こういった次世代のムーヴメントが必要だと深い感銘をうけました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「マチネの終わりに」平野啓一郎著
徹底したリサーチによる主人公像の掘り下げも素晴らしく、どんな才能のある人間にも訪れるスランプと苦悩や、誰もが持つ各家庭の複雑な事情、そういうものが織り交ざった素晴らしい作品でした。
読後感も良い。
大人の男女を取り巻く単純で、かつ複雑な愛情物語。主人公の二人には実際のモデルがいるという点で、読後、彼らの行く末に思いを馳せずにはいられません。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
テイラー・シェリダン(監督・脚本家・俳優)
わざわざ僕が紹介するのもおこがましいですが、フロンティア三部作「ボーダー・ライン」「最後の追跡」「ウインド・リバー」の脚本家です。三部作の最後を締めくくる「ウインド・リバー」では自身がメガホンを取り、映画監督として素晴らしい才能があることも実証して見せました。
現在、映画はアジア資金の流入などもあり非常に安易な商業化が進んでいます。結果、多くの才能ある人々がNerflixなどのストリーム放送系TVドラマやゲームに活躍の場を移そうとしています。
そんな中で彼は「映画という枠の中に納まる素晴らしい脚本」をこれからも提供してくれる存在として、僕には欠かせない人物となりそうです。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年は僕の新しいスタジオWhite Owlsの処女作である「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」が無事に発売された記念すべき1年でした。
来年2019年には、すでにKickstarterで発表済みの作品「The Good Life」の発売も控えていますし、さらに皆さんを驚かせる“とっておき”も仕込んでおりますので、それが発表できればと思っております。
是非、期待していてください。
これからもWhite Owlsを応援よろしくお願いいたします。
I Love You All!!
マーベラス
プロデューサー
五味一郎
代表作:「ブラウザ三国志」「ロマンシング サガ リ・ユニバース」
1章のBOSS水龍が倒せず、1-1をひたすら周回、武器を集めました。「シナリオは簡単にクリアが出来、ストーリーを読ませるもの。全部読み終わった後にイベントをひたすら周回」といったサイクルのゲームが多い中で、BOSS倒せない→育成という昔ながらのRPGの空気感が再現出来ており、非常に懐かしい気持ちになりました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「カメラを止めるな!」
非常に話題になっていたので見ました。ネタバレ含めてうっすらと知っていたのですが、それでも十分楽しめました。実は本物のトラブルが入っていました等、舞台裏の話も非常に面白く印象に残っています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
ケニーオメガ、棚橋弘至。
この2人の活躍は注目しました。執念の新チャンピオンと再起のチャンピオン、年明け1・4最高の舞台がととのっています。楽しみにしています。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
「ブラウザ三国志」が来年10周年を迎えます。ここまでサービスを続けられたのもファンの皆さんのおかげだと感謝しております。より良いサービスを目指して参りますので来年も「ブラウザ三国志」を宜しくお願い致します。
マーベラス
上席執行役員 / HONEY∞PARADE GAMES代表取締役
高木謙一郎
代表作:「閃乱カグラ」シリーズ,「勇者30」シリーズ,「UPPERS」「VALKYRIE DRIVE」ほか「BLACK BIRD」
久々にゲームっぽいゲームしたなぁ、と感心しました。上手くなるほどにゲームの印象、遊びが変化していくのがなにより凄い。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「明日クビになりそう」(サレンダー橋本・著)
仕事で一緒になってしまったら大惨事のようなクズ会社員の物語に笑いが止まりません。
今年一番癒されたかも?
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
那須川天心選手
世の中、結果を出す、出し続けるのは本当に大変なのに“魅せる結果”を勝ち続ける那須川選手にワクワクしっぱなしです。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2018年末は閃乱カグラシリーズ最新作「PEACH BALL 閃乱カグラ」をNintendo Switchで発売し、TVアニメ2期も実現出来て、シリーズファンの皆様に感謝です。
2019年は私の作品性には風向き強めですけど積極的に新タイトルを発表し、さらなるエンターテインメントを求めて飛躍の1年にしていきます。
マーベラス
プロデューサー
横山達也
代表作:「WACCA」「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」を、今まさに遊んでいます。
初代スマブラが発売された当時は、「チャリのカゴに64コントローラーだけつっこんで友人宅に行く」というのをリアルにやっていた世代でした。
日が暮れるまでずっと友人と遊んでいたのでとても思い入れ深い作品です。
発表から発売まで、新情報が出るたびに盛り上がっていた印象で、このお祭り感を存分に楽しみたいと思います!
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「みんなで筋肉体操」
エンターテイメントコンテンツの枠でいいのかわかりませんが……。
内容は至って真面目な体操番組なのに、他の情報が渋滞するほど多く、そのカオスっぷりが印象に残っています。筋肉は裏切らない……。
第2弾が発表されたので楽しみにしています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
新日本プロレスの棚橋弘至選手です。
今年はドキュメンタリー番組への出演、映画の主演、G1 CLIMAXの優勝等、多方面でご活躍されており、「エース健在!」という姿を見せつけられました。
怪我の影響もあってか、以前よりも動くのが難しそうな印象ですが「今の自分だからこそできる魅せ方」を常に研究しているようにうかがえ、そのプロ意識がカッコいいです。
2019年1月4日には、東京ドームでのタイトルマッチも控えており、引き続き注目しています!
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
本年は、新作のアーケード向けリズムゲーム「WACCA」を発表させていただきました。
2019年にはいよいよ正式に稼働開始となります!
弊社のアーケードコンテンツとしては初挑戦のジャンルとなりますが、その分関係者一丸となって取り組んでおりますので、来年も「WACCA」の動向にご注目いただければ幸いです!
MIKAGE
代表
御影良衛
代表作:「クラン戦記」「ソールトリガー」「Moonlighter」
2015年〜2016年の段階で情報が出ていたインディー作品の中で期待していた5本の中の1本でした。
「きちんと完成した」という所が一番の関心事項です。インディー作品の場合、初回のインパクト絵から作者の想定完成日時までが2年ずれるケースが殆どで、3年ずれるとリリースまでいかないケースも沢山あります。「最初提示したクオリティーの絵作り&PRしていたゲーム性」をきちんと完成する。
シンプルな事ですが、一番大事だと再実感しました。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画「顔たち、ところどころ」
身近な友に「アートとデザインの境界とは?」を再確認したいという話題の中で勧められた1本でした。
見る人の立ち位置、見方次第で感じた印象が多分に異なる作品だなと思い、一月三舟とでも言うべきなのであろうかと自問自答しています。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
三木一馬氏
ストレートエッジ社のHPにある「IDEOLOGY」の「これからの編集者」に書かれている内容が直球で心に響いたので選ばせて頂きました。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
イメージエポック時代に制作したIPを活用して合同会社MIKAGEより最新作を準備中です。
2019年初頭に発表させて頂くよう準備しております。乞うご期待。
ミストウォーカー
ゲームデザイナー
坂口博信
代表作:「テラバトル」「テラウォーズ」「ラストストーリー」「共闘ことばRPG コトダマン」
言葉をつくってバトルという発想。日本以外のテリトリーを捨てることで生まれる、その潔さ。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「スリー・ビルボード」
「人間」をひさびさに考えさせられ、感じて、自分を見つめ直せる作品でした。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
植松伸夫
いろんな意味で、彼のメロディーを愛おしく感じました。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
新プロジェクトを始動させています。
心機一転、新規一点がんばりたいと思います。
モス
代表取締役
駒澤敏亘
代表作:「雷電」シリーズ「Detroit: Become Human」
久しぶりに、マラソンプレイでワンエンディング迄やってしまったゲームでした。
美麗な映像とフル3Dならではのインタラクティブ演出にも感心しますが、マルチストーリーのアドベンチャーゲームなだけに、選択肢こそがこのゲームの真骨頂。
そして、その選択のたびに「人間とは何か?」という真理をプレイヤー自身に問いかけられる設定は、SFファンには堪まりません。
そんなSF映画と紛う本作では、キャラクターも実在俳優並みに受け入れられ、作多くのキャラクターファンを生み出し、都内で行われるファンイベントでは毎回チケットがSOLDOUTのようです。
今後のDLC追加ストーリーや続編にも目が離せないタイトルです。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「カメラを止めるな!」
いまや言わずと知れた「カメ止め」。
2017年11月に新宿K's cinemaで先行公開し、2018年6月には新宿K's cinema&池袋シネマ・ロサで公開。以降全国のTOHOでも上映され日本国内でカメ止め凱旋を巻き起こし、その後は世界のスクリーンで上映されました。
この映画は新人監督と無名の俳優たちが繰り広げる青春活劇。
「???」から始まるゾンビコメディは2段構造(ラスト入れたら3段?)がネタバレ禁止の肝となり、口コミ拡散。改めて映画の柱が脚本だと感心しますが、この映画をリピーターが支えた裏には、無名俳優たちの振り切れた演技や数々の名台詞、映画好きをニヤリとさせる演出など、単なる話題性だけでなく「映画愛」の詰まった作品であったことが印象に残りました。
ただ、評判が先行して観る側の期待値が上がり過ぎた点においては、低予算映画にはつらかったかもしれません。
映画もゲームも大作がシェアを持つ時代ですが、まだまだアイデア次第で小さなプロダクトでも戦えることを再認識させてくれました。
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
安彦良和(漫画家・アニメーター)
安彦良和さんは、古くは初代ガンダムのキャラデザイナーや劇場版クラッシャージョウでは監督を担当、近年ではアニメ版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でも総監督を務められましたが、71歳になられた2018年現在も著書「革命とサブカル」を発刊され、漫画家としては月刊アフタヌーンで「乾と巽-シベリア出兵秘史」を新連載開始と、このお歳で……と驚かされる活躍を続けています。
永らくファンとして注目していますが、2018年のいま改めて注目させられた偉大なクリエーターです。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2019年に向けてゲームエンジンを採用した開発により特化するため、子会社となるゲームスタジオ「株式会社カミナリゲームス」設立しました。
2019年のMOSSはパブリッシュ事業を強化するとともに、新たなジャンルの企画開発を視野に入れ邁進してまいります。MOSSだからできる強みを生かし、2019年もみなさまに驚きと感動を与えられるよう頑張りますので、ご期待ください!
Rayark
CEO / Executive Producer
游名揚 / Yu, Ming-Yang / ユウ・ミンヤン
代表作:「Cytus」「DEEMO」「VOEZ」「Implosion」自分の中では今年一番印象深いゲームは「ゴッド・オブ・ウォー」です。
PS4の作品としてヴィジュアル表現は完壁と言えます。一連の成長の流れの親子関係も細かく描かれていました。
映画のようなストーリーの表現方法が自然にゲーム操作の中に溶け込んでいて、プレイヤーはよりストーリーに没入できます。
同じゲームプロデューサーとして、この作品をプレイした後、開発チームに対して心からの尊敬と感謝を示したいです。
<質問2>2018年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「カメラを止めるな!」
この映画にはすごく驚かされました!
去年の映画でしたが、今年やっと台湾で上映され、見ることが出来ました。
本作の構成アイデアは斬新で、私にとって、2018年の中で一番印象深い作品と言っても過言ではないですね!
カメラ配置や、その場その場の臨場感を再現する方法など、とても奇抜で、ストーリーの内容を話したいのですが、でもここでネタバレすると面白くないから、まだご覧になっていない方は、是非見てみてください!
<質問3>2018年に、個人的に注目した(している)人物
私にとって、今年で最も注目し、そして最も残念だったのは金庸(きんよう)先生のご逝去です。
昔からずっと金庸先生の大ファンで、先生の全作品を5回以上は読んでいますね。
先生の作品の良さは、自身の小説から徐々に一つ完壁な武俠の世界を築き上げていることです。
後に書かれた武俠小説は全て金庸先生の作品に影響され、どれも先生ほどの影響力はなかったと言えるでしょう。
先生は武俠小説だけではなく、文学、ドラマ、ゲームなどにも影響を与えました。
ここ30年の中国語ドラマを見ると、30部以上は先生の作品を改編したものです。
また、先生の作品を脚本の元にしたゲーム作品は数え切れないほどあります。
残念ながら、金庸先生は今年他界されてしまいました。日本の読者はおそらく金庸先生が中華圏でどれほど重要な存在か感じられないかもしれませんが、でも今後は先生の作品が中華圏以外にも広まって、日本の読者にも一度、金庸先生の独特な魅力を感じてもらえればいいなと思います。
<質問4>2019年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
開発に4年間近くかけている「Soul of Eden」がようやくリリースされることになり、プレイヤーの皆様とご対面することになります。
この作品はe-スポーツのリアルタイムストラテジーゲームです。その中の戦略の要素と対戦システムは、Rayarkにとってまた新しい挑戦となります。
「Soul of Eden」以外にも、Rayark初めてのハイエンド家庭用ゲーム機のタイトルとして開発した「DEEMO -Reborn-」も2019年に発売されます。私は、この2作品がリリース後にどのような展開を見せてくれるのか非常に楽しみにしていますし、この2作品がプレイヤーの皆様に、より多くの楽しみを与えられればいいなと考えています。
また、今年リリースした「Cytus II」及び「Sdorica」はまた新しいコンテンツをプレイヤーの皆様にお届けいたします。
2作品とも、第2シーズンに入り、ゲーム内の謎を解き明かしていくと共に、未知なる新しい区域も公開していきます。
Rayarkにとって、2019年は挑戦に溢れた1年になるだけではなく、プレイヤーの皆様にも斬新な冒険をお届けできるような1年にしたいですね。
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