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ゲーマー向けのチャットサービス「Discord」,ゲームストアのサービスでデベロッパに90%の利益配分を行うと発表
Why not 90/10?
ゲームの配信サービスで市場をほぼ独占しているValveの「Steam」は,サーバーの維持などにかかる運営費を30%受け取っているとされているが,そのためか,最近,大手パブリッシャはSteamから自社のサービスに切り替えるなど,Steam離れを加速させている。さらに12月初めにはEpic Gamesの「Epic Games Store」がスタートしており,このサービスではEpic Gamesの取り分が12%,パブリッシャやデベロッパの利益配分を88%とし,開発費の回収を望む独立系のスタジオへのアピールも図っていると言われている。
Discordのブログタイトルである「なぜ10%ではないのか?」は,そうしたValveやEpic Gamesの利益配分設定に対する挑戦的な意味を持っているようで,記事中でも「サーバーの維持・運営のために30%を支払う必要はない」と述べ,技術の進歩で低価格でも十分な利益を得られることを強調している。
Discordについては,5月21日に掲載した連載記事で詳しく紹介しているが,2015年の公開から約3年で1億3000万人もの登録ユーザー数を記録した無料のボイスチャットシステムで,今年8月からは,ゲームをデジタル販売するストア機能を追加した。現段階でストアはまだβテストという段階だが,多くのインディーズタイトルをラインナップしており,さらに,月替わりで無料ゲームが手に入る月額制サービス「Discord Nitro」を展開するなど,ゲーマー向けツールとしてより多角的な発展を続けている。ユーザー数とコアゲーマーへの浸透度から,デベロッパにとっての魅力は高いと思われ,今後の動きには注目する必要があるだろう。
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