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つい先ほどまで甲板に立っていたはずの仲間たちの姿はどこにもない。
意識を取り戻した私の目に映るのは,見知らぬ浜辺と,水平線の向こうに薄く煙る群島の影だけ。
黒ひげへの反抗が招いた破滅――その先に待つのは,復讐か,それとも未知の闇か。
本日は,Windrose Crewが手掛ける「Windrose」を紹介しよう。
本作は架空の18世紀カリブ海を舞台にしたオープンワールドサバイバルクラフトゲームだ。プレイヤーは黒ひげの襲撃ですべてを失った船長となり,無人島から身一つで海賊としての再起を目指していく。
なお,日本国内向けのパブリッシングはポケットペアが担当しており,日本語にもしっかりと対応している。
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このゲームの特徴は,陸と海での冒険がロードなしでそのままつながっている点になる。
陸地では資源の採集やクラフト,拠点の建設,ダンジョンの探索を行い,船を手に入れてからは砲撃戦や敵船へ乗り込んでの白兵戦といった要素がゲームサイクルに加わってくる。
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戦闘はロックオンやスタミナ管理,パリィ,回避を軸にした高難度アクション寄りの設計で,サーベルやハルバードといった近接武器にピストルやマスケット銃を織り交ぜて戦う。
ソロでの完全オフラインプレイに加え,最大4人までのオンライン協力にも対応しているのもポイントだ。
船から陸まで途切れない冒険
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本作で最も印象に残るのは,海と陸の移行に一切の区切りがないことだろう。
敵船を砲撃で弱らせ,接舷して甲板に飛び乗り,白兵戦で制圧する。そのまま近くの島へ上陸すれば,今度は洞窟やダンジョンの探索が待っている。
この一連の流れがすべてシームレスに進むため,「海賊として生きている」感覚が途切れない。
船はケッチ,ブリガンティン,フリゲートの3種が用意されており,それぞれ操作感や積載量が異なる。
砲撃時には波の物理挙動が弾道に影響するため,うねりのタイミングを読んで撃つのも面白い。波と風を相手にしながら砲弾を当てる駆け引きは,本作ならではといえるだろう。
浜辺の小屋から港湾要塞へ
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サバイバルクラフトとしての拠点づくりもかなりの幅がある。序盤は草と丸太で組んだ掘っ立て小屋しか作れないが,素材と設計図を集めるにつれて石造りの砦や多層構造の港町へと発展していく。
さらに仲間を雇って採集や加工を任せれば,資源の循環が半自動で回り始める。プレイヤーが一人の漂流者ではなく「海賊団の船長」としてヒトとモノを采配していく感覚は,一般的なサバイバルゲームとは一味違うものだ。
拠点の規模が育つほど,プレイヤー自身はより遠く,より危険な海域の探索やボス戦に時間を割けるようになっていく。
黒ひげと古代の闇が交差する物語
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サバイバルクラフトゲームでありながら,本作にはしっかりとした縦軸の物語がある。
序盤は「生き延びて船と仲間を取り戻す」という復讐の動機で進むが,やがて各国海軍や商会,海賊勢力の争いに巻き込まれ,その裏で古代の邪悪な力をめぐる抗争が浮かび上がってくる。
黒ひげをはじめとする実在の人物が,超自然の力に汚染された存在として登場するダークファンタジーの色合いも濃い。
プレイヤーの「死んでも復活する」仕様が呪われた群島の設定と結びついているなど,ゲームシステムと物語が地続きになっている点も見逃せない。
「Windrose」は,海賊というテーマのもとに陸でのサバイバルクラフト,歯ごたえのある近接戦闘,そして帆船での航海と海戦をひとまとめに遊ばせてくれる欲張りな一本である。
海賊ものが好きな人はもちろん,サバイバルクラフトに新しい刺激を求めている人にもぜひ試してほしい。
























