FORCESが開発を手がける本作は,1人の鬼と4人の子供が鬼ごっこを繰り広げる,非対称対戦型のマルチプレイゲームだ。
ゲームの舞台は,あの世とこの世の狭間にある神隠しの世界「幽世(かくりよ)」に迷い込んでしまった夜の廃校。プレイヤーたちは,なんとか現世に帰るべく「かくれ鬼」の儀式――つまりは鬼ごっこを繰り返していく。
![]() |
鬼は子供全員を捕まえれば勝ち,子供は身を隠しながら3分間逃げ切れば勝ち。誰もが親しんだ鬼ごっこやかくれんぼそのままのルールなので,直感的にも分かりやすいタイトルといえる。
廊下に教室,階段と,どこを見回しても真っ暗な学校には,仲間の子供と鬼以外,人っ子一人いない。子供たちは懐中電灯を持ってはいるものの,照らされるのは目の前だけなので,常に闇に潜む何かに気を配らなくてはならない。明るく賑やかな場所のはずの校舎が,このときばかりはプレイヤーを恐怖に陥れるのである。
![]() |
![]() |
システムを理解して鬼から逃げ切れ。音の使い方がユニークな非対称対戦ゲーム
とはいえ,プレイヤーもただの子供ではない。不思議なお面の力を借りて「影かくし」を使えば,透明になれるのだ。明るい場所では輪郭がぼんやり見えてしまうが,闇に紛れれば完全に姿を隠せる。闇は恐ろしいものだが,隠れるときは味方にもなるわけだ。
![]() いちか |
![]() きい |
![]() あおい |
![]() ゆうま |
![]() だいき |
![]() めい |
![]() D |
しかし,影かくし状態では「霊力」がどんどん消費されていく。霊力を回復するには影かくしを解かなければならないが,それで見つかってしまったら元も子もない。鬼がすぐそばにいるときに限って霊力が尽きかけ,ハラハラさせられることも少なくない。
![]() |
加えて本作には,“音”に関連したユニークなシステムが搭載されている。
たとえば透明化できないときは,しゃがんで歩くのが有効だが,このとき「おなら」が出てしまう。万一,音を聞かれたら位置を特定されかねない,大変困った事態だが,緊張と緩和は笑いの基本。生きるか死ぬかの瀬戸際だからこそ,笑いがこみ上げてくる。これは本作ならではのフィーチャーといえる。
また,子供たちはトランシーバー(ボイスチャット&ラジオチャット)を使って連絡を取り合えるのだが,この声は鬼が近くにいると盗み聞きされてしまう。もちろん,うまく利用して子供たち同士で協力すれば鬼の追跡をかわす手段にもなるが,むやみに声を出すと自分が危険に晒されることになる。
ともあれ,ゲーム内にラジオチャットが実装されているのは,野良でプレイするときなどに非常にありがたい。うまく活用して立ち回りたいところだ。
もう一つ,本作ならではのフィーチャーとして紹介しておきたいシステムが「駄菓子」だ。
「おばあちゃんの店」や廃校に置かれたツヅラで入手できる駄菓子は,スピードアップや霊力の回復速度上昇といった,さまざまな効果を得られるバフアイテムだ。ガムやラムネ,きなこ餅などなど,非常に“らしい”ものが揃っていて,プレイしているとこちらまでお腹が空いてきそうである。
![]() |
さて,ここまでは子供側に有利なシステムばかりだったが,鬼側だって負けてはいない。
鬼は障害物を壊して移動したり,腕を伸ばして遠くの子供を捕まえたりできるのだが,なにより強力なのが特殊能力の「鬼の眼」だ。
この鬼の眼には,影かくしを強制解除する波動を放ち,さらには子供たちのシルエットを浮かび上がらせる力がある。しかも,これは壁の向こうだろうが別の階だろうが,お構いなしなので,鬼側の切り札といえる。
![]() |
とはいえ鬼の眼はストック制で,ずっと発動しっぱなしにはできない。ストックが切れたら時間で回復するまで再使用できず,さらに子供のシルエットが見えるのもほんのわずかな間だけである。そのため子供たちの動きを読んで,ここぞというときに使いたい。もちろんそれは子供側も同じなので,要は読み合いである。
ちなみに鬼の眼の発動は,波動によって子供からも確認できるので,その瞬間から子供と鬼の両者があわただしく動き出すこととなる。障害物をバリバリとぶっ壊し,逃げる子供たちを追い回していこう。膠着した状況を動かすという意味でも,鬼の眼は重要なフィーチャーなのだ。
なお,さらに時間が経過すると「幽霊」が現れて,子供がいる方向を指し示したり,霊力を奪ったりしてくれる。鬼の眼の連続使用回数も+1となり,終盤に向かってゲームが目まぐるしく動いていく。
そして1回のプレイは,泣いても笑っても3分で終わる。追うにせよ追われるにせよ,3分という時間は長いようで短く,「もう1回!」と遊びたくなる魅力に満ちている。
![]() |
現在,本作は鋭意開発中だが,体験版には単なるバグ修正にとどまらない精力的なアップデートが入っており,ときにゲームシステムにメスを入れるような変更も行われている。
たとえば,以前の子供たちは「スタミナ」を消費して走っていたが,10月2日のアップデートで試験的にスタミナが撤廃され,常時走れるように変更された。また10月8日には,鬼の眼の使用回数を3回までストックできる仕様に変更されている。開発中だからこその大胆な変更だが,環境が大きく変化していく経緯は面白く,意欲的な試みといえる
そして,10月27日まで開催される「Steam Nextフェス」の期間中に,新たな鬼として「口裂け」が追加されるとのこと。天井を伝って死角から忍び寄ってくる「隠レ鬼」とは違い,「大頭突き」で突進する能力を持つ口裂けの登場で,対戦はさらに盛り上がることだろう。
また,さまざまな新機軸が盛り込まれた本作は,情報発信も個性的だ。
開発者らによって結成されたVTuberグループ「ぴくせれ〜ど!」による動画配信やnote上で,現在の開発状況などを随時報告しているので,本作が気になった人はこちらもチェックしてみよう。
![]() |
直感的で分かりやすいルールと,影かくしや鬼の眼といったギミックが生み出すスリリングでメリハリの効いたプレイ。そして体験版の精力的なアップデート。見どころの多い本作は,今から始めてもまだ古参プレイヤーを名乗れるタイミングだ。本稿で興味を持った人は,さっそくSteamのストアページを覗いてみてほしい。
![]() |
![]() |




































