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「ホテル・バルセロナ」は実在した! SWERY×須田剛一コラボ作品のうそのようなほんとの話と,イカサマありなVRゲーム「デス・ゲーム・ホテル」の始まりの話
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印刷2024/07/21 15:28

インタビュー

「ホテル・バルセロナ」は実在した! SWERY×須田剛一コラボ作品のうそのようなほんとの話と,イカサマありなVRゲーム「デス・ゲーム・ホテル」の始まりの話

 「ホテル・バルセロナ」PC / PS5 / Xbox Series X|S)は,White OwlsのSWERY(スエリー)こと末弘秀孝氏とグラスホッパー・マニファクチュアのSUDA 51こと須田剛一氏のコラボによって誕生した“横スクロールハードコアスラッシャーアクション”だ

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 返り血を浴びて強くなり,過去の自分の動きをトレースした幻影とも共闘できる連邦保安官のジャスティーン・ベルシュタインを操作し,凶悪殺人犯が集うホテルからの脱出を目指す。

画像はプレイレポート(関連記事)より
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 そんな本作初のデモ版が,2024年7月19日から21日まで開催された「BitSummit Drift」に展示されていた。1週間前にリリースされたばかりのVRホラーDeath Game Hotel」(デス・ゲーム・ホテル)とともに話を聞いてきた。

SWERYこと末弘秀孝氏
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4Gamer:
 よろしくお願いします。今回BitSummit Driftで「ホテル・バルセロナ」がプレイアブル出展されると聞き,ぜひSWERYさんにお話をうかがいたいと思ってお時間をいただきました。

SWERY氏:
 こちらこそお願いします。やっとゲームファンの皆さんに試遊版を公開できて,いろいろ伝えたいこともあります。

4Gamer:
 私は須田剛一さんとSWERYさんのゲームが好きで,そのふたりがタッグを組むって「ついにきたか!」というのもありつつ,驚きの出来事だったんですね。

 でもこれって,何かのイベントで須田さんが思いつきみたいに言い出したのが確かスタートだったはずで。

SWERY氏:
 ええ,そうですね(笑)。僕がゲストとして呼んでいただいた「Travis Strikes Again: No More Heroes」のイベントで,須田さんが「コラボします。ゲームの名前はホテル・バルセロナ」みたいに言ったことが発端でした。

4Gamer:
 須田さんには何度かお話をうかがったことがあるんですが,本当のことを冗談っぽく語ることも多いので,この目で見るまでは信じないぞと。

 INDIE Live Expo 2024.5.25で実況プレイやメディア向け試遊がありましたが,「いや,何か大きな力で操作されているんだ,きっと!」って思っていたんです。それでBitSummitで試遊台を見て,「ホテル・バルセロナは実在した!」となった次第です。

SWERY氏:
 ホテル・バルセロナは実在した! いいですね。インタビューのテーマとしてもキャッチーで(笑)。

4Gamer:
 前置きが長くなりましたが,そういったこともあって突然の発表から一体どういう経緯で,実際にゲームを作ることになったのかが気になっていて。

SWERY氏:
 あのイベントでのことがあったのち,カナダのイベントで須田さんとお会いしたんですね。それが本当にホラーに出てくる洋館のようなホテルで,須田さんが「ホテル・バルセロナの話なんですが,あれ真面目に2人で考えましょうか」となったんです。

4Gamer:
 まさにホラー映画のようなシチュエーションで,2人で膝を突き合わせてですか。

SWERY氏:
 ええ,ええ。須田さんがベースになるストーリーやキャラクターを考えて,それを「じゃあ僕が持ち帰って形にしますね」みたいな流れで始まりました。確かハロウィンの時期で。

4Gamer:
 ハロウィン! できすぎてますね。

SWERY氏:
 本当にホラーだったら,どっちかが被害者になっていますね(笑)。

4Gamer:
 そこから物語が始まる。お二人のどちらかがそんなゲームを作っていてもおかしくないな,とか思いました(笑)。では,それがあって本格的に開発に取り掛かってという感じですか?

SWERY氏:
 そうですね。あとはWhite Owlsが開発を進めて。
 実はまだ明かしていない要素はあるんですが,ゲーム自体はもうおおよそ形になっています。コンテンツ自体はほぼ作り終えていて,あとはゲームのバランス調整やチェックぐらいの段階ではあるんですが……。

4Gamer:
 ですが?

SWERY氏:
 アクションゲームってどうしても慣れていくというか,うまくなっていきますよね。ホテル・バルセロナは手強いアクションゲームなんですけど,開発陣は確認のため何度も遊んでいるわけで,つまりみんなうまくなりすぎちゃったんです。

 試遊版にジェイコブっていうステージ1のボスが出るんですが,BitSummitの初日を終えた時点で誰も勝てていなくて。

画像はプレイレポート(関連記事)より
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4Gamer:
 ボスにたどり着くのも大変ですよね。

SWERY氏:
 それが僕たち開発陣は,よそ見をしていても勝てるみたいな感じになっていて。

4Gamer:
 (笑)。

SWERY氏:
 ちょっとこのまま誰の意見も聞かずに進んでいったらまずいかなと。だからこうしてデモを公開できて,皆さんにプレイしてもらえたことがうれしいです。

4Gamer:
 ゲームを届けられたということはもちろん,ゲームバランスを調整する意味でもゲームファンのプレイ結果が重要になると。そのあたりはINDIE Live Expo 2024.5.25での取材でもうかがっていますが,どこが特徴かをあらためて教えてほしいです。

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 2024年5月25日に配信されたインディーゲーム情報番組「INDIE Live Expo 2024.5.25」にて最新情報が公開された「ホテル・バルセロナ」。本稿では番組内で実況プレイに使用されたバージョンの試遊レポートと,開発者であるSWERY氏のミニインタビューをお届けする。

[2024/05/30 17:20]

SWERY氏:
 1番大事なものはバトルのアクションだと考えているんですが,その次のレイヤーで重要視しているのが,繰り返しプレイして何度も遊べるというところです。

 死んで戻って強化して,また続きに挑んでという,いわゆるローグ系に近いところはあるんですが,経験値や素材,お金を持って帰って,それで強化して……という感じではなくしたい。プレイした時間軸,時間そのものを持っていけるっていう概念で,ゲームを作れないかなと考えたんですね。

 それでできたのが,自分自身の過去のプレイを持ってくる,スラッシャーファントムという仕組みです。

画像はプレイレポート(関連記事)より
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4Gamer:
 レースゲームのゴーストみたいに,前のプレイヤー自身の動きが再現されるというアレですね。

SWERY氏:
 はい。やられるまでの動きが次の周回,また次の周回と増えていって,成長すると最大4体出てくるもので,ファントムの攻撃は敵に当たるし,いわゆるタゲ取りにもなるんですね。

 つまり過去の自分との共闘が楽しめるんですが,以前プレイしたときの自分の動きが,偶然いまの周回にハマって活躍することがあって,これが面白いんです。

4Gamer:
 ときには「これなら自分で戦わなくていいぜ」くらいに。

SWERY氏:
 そうですね。でもそうやってサボると,次の周回のときにサボって戦わないファントムが出てくるわけですよ。サボったぶん,それが次の自分に返ってくる。

4Gamer:
 ああ,なるほど! 確かに。それはそれで面白いですね。

SWERY氏:
 ですよね。そんなふうに,繰り返しのプレイが作業になっちゃわないようにというのは考えていて。それが面白さの担保になっていると思います。

 アクションゲームって成長させすぎると,プレイ自体が作業になってしまいがちです。だから,成長ではない何かを持ち越すというのは結構考えましたね。

画像はプレイレポート(関連記事)より
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4Gamer:
 White Owlsのゲームはもう1作,出展ではないですがステージイベントでVRゲームの「Death Game Hotel」(デス・ゲーム・ホテル)が紹介されましたね。先日リリースされたばかりですが,それほど情報展開されていなくて。あらためてどんなゲームかを教えていただけますか。

SWERY氏:
 VRで遊ぶテーブルゲームのようなもので,イカサマありのデスゲームに自らの肉体を賭けて挑むという作品です。

 開発のきっかけとなったのは,コロナ禍にVRで行っていたオンラインミーティングでした。White Owlsのスタッフ全員にMeta Questを配ってやっていたんですが,何か面白いことができそうだと。それでMetaに提案したら,やりましょうとなったというのが始まりですね。

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4Gamer:
 現段階では3つのデスゲームがありますが,どんなゲームにするかはどう決まったんですか?

SWERY氏:
  乱暴に思いつきでというのではなく,結構クレバーに考えていまして。フラットスクリーンのゲームと違って,VRは身体の細かな動作を再現できるのでブラフが効くんですね。それをゲーム中のイカサマとして活用し,失敗するとモニターとヘッドフォンとマイク,左右のコントローラで分かれている体の部位を失うというメカニクスを考えました。

4Gamer:
 なるほど,それらを分析してゲームに落とし込むとなると,なかなか大変そうです。

SWERY氏:
 それが,研究自体はそうでもなかったです。というのも開発メンバーがVRを使い慣れていたので,なにがどういう形でどの程度できるかみたいなところは,皆それぞれ理解をしていたんですね。

 絵的なところや動きを仕上げるのに時間はかかりましたが,ゲームデザイン自体はわりと早かったです。

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画像はプレスリリースより(関連記事
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4Gamer:
 これは今後も遊べるゲームが増えるんでしょうか。

SWERY氏:
 そうですね。ゲームを追加する予定ですし,あとは夏なら夏祭りとか,秋ならハロウィンとかいったようなシーズナルイベントの開催も予定しています。

 手に入るアイテムが,通常時はピザのところ,夏祭りイベントならそれが綿飴になるみたいな,そんなイメージですね。

4Gamer:
 ハロウィンならカボチャの被りものが,みたいな。

SWERY氏:
 ええ。もちろんデスゲームの遊びはメインなんですが,ソーシャルゲームとしての一面も大事だと考えています。みんなが集まる場所としての位置付けですね。

 現在も280人くらいがDiscordで集まっていて,コアなプレイヤーはその中の10%くらいだと思うんですが,待ち合わせをしたり,慣れない人をサポートしたりしているんですね。

 初めての人に椅子の高さの調整あたりからモデレーションしていて,微笑ましいなあなんて思うことがあります。

4Gamer:
 でも遊ぶのはデスゲームというところがまたいいですね(笑)。

SWERY氏:
 そうですね(笑)。僕も定期的に,月に1,2回は参加して手ほどきをしようと思っているんですが,すでにいろいろな人たちがやってくれていて,ソーシャルが活性化しています。

 VRはハードウェア的なところでハードルはありますが,すでにこうしてDiscord上でコミュニティが広がっていることはうれしいですね。同じゲームで集まった人たちが交流し,幸せになれる場所を提供できればと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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Meta Questストア「Death Game Hotel(デス・ゲーム・ホテル)」ページ

「BitSummit Drift」公式サイト

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