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[COMPUTEX]8086の40周年記念CPUだけじゃない? Intelのプライベートブースで同社の最新技術や搭載製品をチェック
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印刷2018/06/12 00:00

イベント

[COMPUTEX]8086の40周年記念CPUだけじゃない? Intelのプライベートブースで同社の最新技術や搭載製品をチェック

Intelの展示ブースでは,ここ8年間に登場したCoreプロセッサ採用製品をずらりと展示したコーナーがあった
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 COMPUTEX TAIPEI 2018の併設イベントでIntelが行った基調講演については,別途レポート済みであるが,同社は,講演で披露した新製品や関連技術のデモ展示を,台北市内のホテルに設けたプライベートブースで行っていた。本稿では,展示の内容を簡単にレポートしよう。


元祖8086比で動作クロックは1000倍!

Core i7-8086Kに注目集まる


画像集 No.005のサムネイル画像 / [COMPUTEX]8086の40周年記念CPUだけじゃない? Intelのプライベートブースで同社の最新技術や搭載製品をチェック
 今回のIntel基調講演で最も注目を編めていたのは,現在まで続くIntel製CPUの原点とも言える「Intel 8086」のリリース40周年を記念して限定モデルとして登場した「Core i7-8086K Limited Edition Processor」(関連記事,以下 Core i7-8086K)の展示コーナーだ。国内でも販売が始まっているので,すでに入手したという人もいるかもしれない。

 ブースでは,Core i7-8086KとIntel 8086の実物を並べて展示しており,近くにいた説明員が,「IntelのCPUは,40年で動作クロックが1000倍となった」「接続ピン数は約30倍に」といった8086トリビアを披露していた。

上が6コア12スレッド対応のCore i7-8086Kで,下はオリジナルの8086。8086は当然ながらシングルコアで,マルチスレッドには対応しない
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 Core i7-8086Kは,Coffee Lake-S世代の既存CPUである「Core i7-8700K」の選別品で,シングルコア動作時のブースト最大クロックは5GHzとなっている。オリジナル8086が5MHzからだったので,動作クロックは確かに1000倍だ。同様に,オリジナル8086はピン総数が40本だったのに対して,Core i7-8086Kは1151本と,こちらは約29倍である。
 実際のCore i7-8086Kは,クロックが向上しているだけでなく,内部構造はまるで別物になっているし,スーパースカラーの採用やマルチコア構造の導入,3階層のキャッシュメモリシステムなど,8086とは似ても似つかぬところだらけだ。性能差は1000倍どころではないだろう。

Core i7-8086Kの製品ボックス。CPUクーラーは付属していないので,意外に小さな箱だった(左)。右写真は,Core i7-8086K推奨CPUクーラーを装着したGIGA-BYTE TECHNOLOGY製のデモ機
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日本では見かけないKaby Lake-G搭載PCの展示もあり


 Intelブースでは,第8世代Coreプロセッサとセミカスタム版GPU「Radeon RX Vega」をMCM(Multi-Chip Module)でワンパッケージにした,開発コードネーム「Kaby Lake-G」こと「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」(関連記事,以下 コードネーム表記)を採用するノートPCや小型デスクトップPCの新製品も展示されていた。

Shuttle製のKaby Lake-G搭載ノートPC。いずれ日本でも,国内メーカーのバッジを付けて登場するかもしれない
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 すでに販売中のDell製「XPS 15」シリーズやHP「Spectre X360 15」シリーズといった製品に加えて,台湾や中国のPCメーカー製品が並んでいたのが,COMPUTEXらしいところ。会場では,製品名未定というShuttleのODM向けノートPCや,中国の小型PC専業メーカーWeibuのミニPC「H3V」といった,日本ではお目にかかれそうもない製品がデモを披露していた。
 ただ,残念ながらゲームを動かすデモはいっさいなしで,ゲームにおける実力は判断できていない。

中国Weibu製のKaby Lake-G搭載のゲーマー向け超小型PCであるH3V
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スティックPCサイズのAI用コンピュータは,既存システムにAI処理を加える用途を目指す


 Intel傘下のMovidiusは,デバイス側で動作する「エッジコンピューティング」用のAI用途向けプロセッサを開発している企業だ(関連リンク)。
 そのMovidiusが出展していたのは,いわゆるスティックPCサイズの深層学習用コンピュータ「Movidius Neural Compute Stick」(以下,NCS)という製品だ。ゲーマー向けどころか,PCユーザーが買うような製品ではないが,簡単に触れておこう。

NCSのデモ機。NUCにごついUSBメモリを接続しているように見えるが,これがNCSである
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 NCSは,大きめのUSBメモリに似たサイズの筐体内に,コンピュータビジョン処理を行う専用プロセッサ「Vision Processing Unit」(VPU)を搭載したデバイスだ。PCのUSB 3.0ポートに接続して,AI処理を担当させるという仕組みで,平均的なPCシステムよりも,高いコンピュータビジョン処理能力を実現できるという。1台のPCに複数台のNCSを接続して,処理性能を向上させることも可能だ。

 Intelブースでは,平均的なスペックを有するというNUCにNCSを1本接続して,動画の映像を解析し,人間と認識できる領域を矩形で囲むというリアルタイムのデモを披露していた。

映画予告編のような映像を再生し,そこに人間が出てくれば,その領域を囲んで示すというリアルタイムのデモ
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 デモで使用していたNCSは,まだプロトタイプであるそうだが,業務用途向けでの販売を狙っているという。たとえば,既存のPCをベースとしたセキュリティシステムを大きく変えることなく,コンピュータビジョンを利用したセキュリティソリューションにアップデートするといったサポートビジネスが視野にあるようだ。


Thunderbolt 3の利便性向上を目指すIntel


 Intelが以前から力を入れている高速インタフェース規格「Thunderbolt 3」の展示コーナーでは,「ごく普通のスリムノートPCで,メディアコンテンツのクリエイターがワークステーション並みの作業環境で創作活動を行うには?」というテーマをもとにした展示が行われていた。「それを実現する鍵となるのが,Thunderbolt 3ですよ」というわけだ。

Thunderbolt 3コーナーでは,写真右端に見える白いノートPCに,Thunderbolt 3経由で四角い箱型のデバイスを複数個と,液晶ディスプレイを2台つないでいる。ノートPCを持ち出すときには,Thunderbolt 3ケーブル1本を外すだけでいい
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 Thunderbolt 3は,複数のデバイスを数珠つなぎにして接続できるディジーチェーン接続に対応しており,種類の異なるデバイスを連結していくようにつないで使える分かりやすさがアピールポイントの1つである。
 デモ展示では,1台の薄型ノートPCにアスペクト比21:9の液晶ディスプレイを2台と,複数の外付けSSDなどを多数つないだ状態で,きちんと使える様子を披露していた。

Samsung Electronics製の液晶ディスプレイを裏から見たところ(左)。2本の黒いケーブルがThunderbolt 3ケーブルで,1本がPC側,もう1本がほかのThunderbolt 3デバイスにつながっている。右写真はDellの製品で,記憶容量1TBのThunderbolt 3接続型SSD。Thunderbolt 3ケーブルで液晶ディスプレイにつながっていた
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 ちなみにIntelは,2018年に新世代のThunderbolt 3コントローラである開発コードネーム「Titan Ridge」をリリースしており,USB 3.1よりもさらに高速な帯域幅が必要な機器を簡単に接続できるインタフェースとして,普及に力を入れていく方針のようである。
 とくにTitan Ridgeの特徴は,8K解像度で60Hz,4K解像度なら120Hzの映像伝送が可能なDisplayPort 1.4規格への対応であり,2018年後半から2019年にかけて,対応ディスプレイが市場に登場するそうだ。


M.2版Optane SSD 905PはCPUやGPUの本来の性能を引き出す


 基調講演で披露された3D XPointメモリを採用するストレージ「Optane SSD 905P」の性能を実演で示すコーナーもあった。

M.2タイプのOptane SSD 905P。写真の製品は容量380GBで,長さは約11cmとのこと
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 そのコーナーでは,M.2タイプのOptane SSD 905Pを4枚装着して,RAID 0のストレージデバイスとして使えるようにするPCI Express x16接続の拡張カードを2製品展示していた。

 1つはASRockの「Ultra Quad M.2 Card」で,もう1製品はMSI製「M.2 Xpander-Aero」。どちらもグラフィックスカードのように,6ピンのPCI Express電源コネクタで電力を供給する拡張カード型製品だ。最大転送速度は10GB/sec前後に達するという。

写真上がMSIのM.2 Xpander-Aeroで,下がASRockのUltra Quad M.2 Card。どちらもM.2 SSDを4基搭載可能で,PCとの接続はPCI Express 3.0 x16となる
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4Kビデオ映像のエンコード競争デモ。左がSSD 760P搭載PCで,右がOptane SSD 905P搭載PCとなっている
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 展示コーナーには,RAID 0構成ではないが,M.2版Optane SSD 905Pを搭載したPCと,既存のフラッシュメモリを使ったPCI Express接続型M.2 SSD「SSD 760P」を搭載したPCで,4K解像度の映像をエンコード完了するまでの時間を競わせるベンチマークデモも披露していた。結果は,SSD 760P搭載PCが65秒かかったのに対して,Optane SSD 905P搭載PCはわずか17秒と,約4倍もの速さを見せつけている。

SSD 760P搭載PCでは,エンコードに65秒かかった(左)。一方のOptane SSD 905P搭載PCは,たったの17秒だ(右)
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 SSDコーナーの担当者によると,最近はCPUやGPUの性能が高くなったことで,ビデオエンコードのようなデータ処理では,ストレージデバイスが性能向上におけるボトルネックになっていると述べる。M.2版Optane SSD 905Pのように,システムのストレージ性能を劇的に向上させるデバイスは,コンピュータの活用法を再定義するほど重要な存在なのだと,この担当者は力説していた。4K解像度や8K解像度のビデオ編集を快適に行うには,Optane SSDのような高速ストレージが必須の存在となるのかもしれない。

IntelのCOMPUTEX TAIPEI 2018特設Webページ(英語)


COMPUTEX TAIPEI 2018取材記事一覧

  • 関連タイトル:

    第8世代Core(Coffee Lake,Kaby Lake)

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