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「Core i7-7700K」レビュー。最大クロック4.5GHzの倍率ロックフリー版Kaby Lake-Sはゲーマーに何をもたらすか?
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印刷2017/01/04 02:00

レビュー

最大クロック4.5GHzの倍率ロックフリー版Kaby Lake-Sはゲーマーに何をもたらすか?

Core i7-7700K

Text by 宮崎真一


 別途お伝えしているとおり,2017年1月4日2:00(北米太平洋時間3日9:00),Intelは,第7世代Coreプロセッサの4コアモデルなど30製品以上を一挙に発表した。

i7-7700K。性能評価用エンジニアリングサンプルなので,ヒートスプレッダ上の刻印は製品版とは異なる
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 開発コードネーム「Kaby Lake」(ケイビーレイク)として知られてきた第7世代Coreプロセッサは,Skylake世代の14nmプロセス技術を改良した「14nm+」プロセス技術を用いて製造され,より高い動作クロックと,より低い消費電力に注力した,事実上のSkylakeマイナーチェンジモデルということになるわけだが,果たしてゲーマーはこの新世代プロセッサをどう受け止めればいいのだろうか。
 4Gamerでは,デスクトップPC向け製品である「S-Series」(以下,Kaby Lake-S)の,発表時点における最上位モデル「Core i7-7700K」(以下,i7-7700K)の性能評価用エンジニアリングサンプルを独自に入手できたので,さっそく,ゲーム用途におけるKaby Lake-Sの可能性を探ってみたいと思う。

 なお,4Gamerでは別途,Kaby Lake-Sの特性,そして非ゲーム用途におけるKaby Lake-Sのポテンシャルを探るべく,基礎検証も行っている。Kaby Lake-Sでは消費電力の低減が重要なキーワードだということが分かるので,そちらもぜひチェックしてほしい。

Kaby Lake-S「Core i7-7700K」基礎検証レポート。注目すべきは絶対性能ではなく,電力対性能比だ



Skylake-Sとの物理的,電気的互換性を持つKaby Lake-S


 基本的なことを押さえておくと,Kaby Lake-Sは,Skylake-Sと同じLGA1151パッケージを採用するCPUだ。もちろん形状だけなく、Skylake-Sとの間では電気的互換性も保たれているため,Intel 100シリーズチップセット搭載マザーボードでも利用できる。
 ただし,BIOS(UEFI)のアップデートは必須で,たとえば4Gamerのハードウェアレビューでここ最近使ってきているASUSTeK Computer(以下,ASUS)製「Intel Z170」チップセット搭載マザーボード「Z170 PRO GAMING」の場合,バージョン3016以降でKaby Lake-Sをサポートする,といった具合だ。

左はi7-7700K,右はSkylake-Sベースである「Core i7-6700K」のそれぞれCPUパッケージ底面。後者は当時のレビュー記事から流用なので,微妙に縮尺が異なっていて申し訳ないが,一部でチップコンデンサの配置が変わっているものの,両者で大きく異なっているわけではないことは分かると思う
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 また,このあたりはニュース記事に詳しいが,Kaby Lake-Sに合わせてIntelは,「Intel Z270」や「Intel H270」といったIntel 200シリーズチップセットを発表しており,これらを搭載するマザーボードであれば,標準でKaby Lake-Sを利用できるようになっている。主要メーカーのラインナップを知りたい場合はIntel 200シリーズ採用マザーボードまとめ記事のほうを参照してもらえればと思う。

 なお,CPUパッケージが変わっていないので当たり前と言えば当たり前だが,Kaby Lake-S対応マザーボードであれば基本的に,Skylake-S対応のCPUクーラーを利用できる。

パッケージがLGA1151のままなので,CPUの取り付け方法はSkylake-S世代と何も変わらない。クーラーの互換性もそのままだ
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簡易液冷で5GHz超えをサクッと実現


ROG MAXIMUS IX FORMULA
ROGブランドのハイエンドZ170マザーボード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) info@tekwind.co.jp
メーカー想定売価:5万5000円(税込,2017年1月6日発売予定)
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 さっそくだが,テスト環境の話に入ろう。今回,比較対象には前段でも登場した「Core i7-6700K」(以下,i7-6700K)を用意した。テストに用いるマザーボードは,「Intel Z270」チップセット搭載のASUS製品で,ゲーマー向け製品ブランド「R.O.G.」あらため「ROG」のIntel 200シリーズ系フラグシップとなる「ROG MAXIMUS IX FORMULA」を,同社から貸し出してもらっている。ROG MAXIMUS IX FORMULAがどんなマザーボードかは,追ってお伝えするつもりだ。

 GPUは,それ自体がテストにおけるボトルネックとならないよう「GeForce GTX 1080」を選択。グラフィックスドライバは,テスト開始時点の公式最新版となる「GeForce 376.33 Driver」を用いている。
 それ以外のテスト環境はのとおりで,端的に述べると,CPUと,CPUの違いに起因するメモリアクセス方法の違いを除けば,環境は同一である。

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「CPU-Z」(Version 1.78.1)実行結果
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 テスト方法は,4Gamerのベンチマークレギュレーション19.0に準拠。ただし,今回はCPUの性能評価を行う都合上,「3DMark」(Version 2.2.3509)を除き,テストで用いるゲームタイトルにおけるグラフィックス設定プリセットは,より描画負荷の低いほうを用いる。また,同様の理由により,今回はテスト解像度を1600×900ドット,1920×1080ドット,2560×1440ドットの3パターンとした。
 CPUの評価を行うので,省電力技術である「Enhanced Intel SpeedStep Technology」や自動オーバークロック機能の「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)はもちろん有効のままだ。

 さて,テスト結果の考察に入る前に,筆者のCPUレビュー恒例,常用を前提とした簡単なオーバークロックを試してみたい。

※注意
 CPUのオーバークロック設定はメーカー保証外の行為です。最悪の場合,CPU本体やマザーボードなど,PCを構成する部品の製品寿命を著しく縮めたり,壊してしまったりする危険がありますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿を参考にしてオーバークロック動作を試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回のテスト結果は,あくまで入手した個体についてのものであり,すべての個体で同じ結果が得られると保証するものではありません。

TPU
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 今回は,ASUS独自のソフトウェアスイート「Ai Suite 3」に含まれるオーバークロックユーティリティ「Dual Intelligent Processor 5」の「TPU」(TurboV Processing Unit)を利用することにした。

 TPUを使うと,ベースクロック(BCLK)なら0.05MHz刻みで40〜1000MHzの範囲(※定格は100MHz),Turbo Boostの倍率なら1倍刻みで42〜83倍の範囲から設定できる。また,それらの設定を1/2/3/4コアの何コア分に対して適用するかといったことも指定可能だ。
 さらにCPUコア電圧は,「定格設定からのオフセット」という形をとり,0.001V刻みで−1.0〜+1.0Vの範囲から変更できるだけでなく,Turbo Boost適用時のみ0.01V刻みで0〜1.920Vの範囲から加圧する設定も行える。BIOS(UEFI)から行える,マニア向けの設定は弄れないものの,カジュアルにクロックを弄るなら十分な設定項目があると言っていいだろう。

 というわけで今回は,今回は「Ratio」からTurbo Boostの倍率を変更。さらに,必要に応じてCPUコア電圧も「CPU Core Voltage(Adaptive)」の「Offset Voltage」から0.05V刻みで引き上げるというやり方でオーバークロックを試みることにした。

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i7-7700Kの製品ボックス。最近の「K」型番プロセッサらしく,リテールクーラーは付属していない
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4Gamerで独自に用意したH100i GTX
 i7-7700Kの製品ボックスにはリテールCPUクーラーが付属していないことから,今回はまず,非「K」型番のCore i7-6000番台を購入したときに付属していたリテールクーラーを取り付けて限界を探り,その後,Corsair製の簡易液冷クーラー「Hydro Series H100i GTX Extreme Performance Liquid CPU Cooler」(以下,H100i GTX)に換装。さらに高いクロックを目指すというやり方で,ベンチマークレギュレーション19.0で採用するテストがすべて問題なく完走することをもって「安定動作」と判断することにしたが,結論から言うと,

  • 空冷時:コア電圧オフセット+0.10Vで全コア48倍(=4.8GHz)
  • 簡易液冷時:コア電圧オフセット+0.15Vで全コア50倍1(=5.0GHz)

で,安定動作を確認できた。オーバークロッカーがあれこれと弄るような,マザーボード上の細かな設定を行わずとも,あっさりと5GHzに達成したのは,なかなか感動的である。

空冷時は48倍の4.8GHz動作が限界だったが、簡易液冷に変更すると,あっさり5GHzで安定動作した
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空冷(左)と簡易液冷(右)のそれぞれイメージ
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i7-6700Kよりは確実に速いi7-7700K


 前段でオーバークロック動作に成功したので,今回は空冷で4.8GHz動作したほうを「i7-7700K@4.8GHz」,簡易液冷で5GHzに到達したほうを「i7-7700K@5.0GHz」とそれぞれ書き分けることにして,両条件を含むベンチマーク結果を見ていこう。

 グラフ1は3DMarkの「Fire Strike」における総合スコアをまとめたものだ。Fire Strikeでi7-7700Kはi7-6700Kに対して約5%高いスコアを示すものの,描画負荷が高まるFire Strike Extremeだと,そのギャップは約2%にまで縮まっている。
 i7-7700K@5.0GHzはi7-7700Kに対して,わずかに約1%高いだけで,オーバークロックの効果はほとんど認められない。

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 そこで,ソフトウェアベースの物理シミュレーションを行う,事実上のCPUベンチマークテストである「Physics test」の結果をグラフ2に抜き出してみた。
 すると,i7-7700Kはi7-6700Kに約19%ものスコア差を付けた。i7-7700Kとi7-6700Kの最大動作クロック差は約7%なので,基礎検証で明らかになっている「CPUコア周り以外」の改良が効いていると言ってよさそうだ。
 また,またi7-7700K@5.0GHzが,そんなi7-7700Kに対してさらに4〜5%程度高いスコアを示した点も注目に値しよう。

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 続いてグラフ3は3DMarkにおける「Time Spy」の総合スコアをまとめたものだ。
 Time Spyでi7-7700Kとi7-6700Kの間にあるスコア差は約2%で,また,i7-7700K@5.0GHzもi7-7700Kからスコアを伸ばしておらず,CPU性能にほとんど依存しない結果となった。
 そんなTime Spyでも,「CPU test」のスコアを抜き出してみると,i7-7700Kとi7-6700Kよりも約9%,i7-7700K@5.0GHzはi7-7700Kよりも約8%高いところにいるので(グラフ4),CPU性能差自体は出ているのだが,それが最終スコアにあまり反映されないのが,3D系ベンチマークらしいところとは言えそうだ。

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 グラフ5は「Far Cry Primal」の結果である。
 Far Cry Primalでは,1600×900ドットと1920×1080ドットでi7-7700Kはi7-6700Kに対して5%のスコア差を付けるものの,描画負荷が増す2560×1440ドットではほとんど横並びになってしまう。
 i7-7700K@5.0GHzも,1600×900ドットでこそi7-7700Kより約5%ほどスコアを伸ばしているが,1920×1080ドットではそれが約1%に縮まり,2560×1440ドットではやはり横並びになってしまった。

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 「ARK: Survival Evolved」(以下,ARK)の「Low」プリセットにおけるスコアをまとめたものがグラフ6だが,ARKのLowプリセットはレギュレーション19世代で扱っているテスト条件の中でも抜けて低い負荷であるため,CPU性能の違いが顕著に表れている。
 i7-7700Kとi7-6700Kの間には11〜17%程度ものスコア差がついただけでなく,i7-7700K@5.0GHzがi7-7700Kをテストした全解像度できっちり引き離しているのも目を惹くところだ。
 ただ,その観点で見ると,解像度が上がるに従ってスコアを落としていくi7-7700K@4.8GHzの挙動も気になる。

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 グラフ7は「DOOM」の結果だ。仕様上,フレームレートは200fpsで上限となるため,1600×900ドットと1920×1080ドットではまったく比較になっていない。そこで,2560×1440ドットを見ることになるが,i7-7700Kはi7-6700Kに約6%のスコア差を付けた。おおむね,動作クロックの違い分は伸びていると言っていいだろう。ただし,オーバークロックの2条件は,いずれも,i7-7700Kに対して目立った優位性を示せていない。

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 「Fallout 4」の結果がグラフ8だが,ここでi7-7700Kはi7-6700Kに対して1〜5%程度のスコア差を付けた。一方,オーバークロックの効果は限定的で,i7-7700K@5.0GHzでもi7-7700Kを最大で約2%引き離すのがやっとだ。

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 ARKほどではないものの,i7-7700Kの優位性が出ていると言えるのが,グラフ9に示した「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)のテスト結果だ。ここでi7-7700Kはi7-6700Kからスコアを8〜10%伸ばしているので,クロック差以上にi7-7700Kが検討していると言える。
 オーバークロックの効果も,低解像度帯を中心に確認できよう。

グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
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 グラフ10は「Forza Horizon 3」の結果となる。
 Forza Horizon 3は,Time Spyと同じDirectX 12世代のタイトルだが,レギュレーション19.0の解説で述べているように,それほど高度にはマルチスレッド処理に最適化されていない。それゆえ,描画負荷が相対的に低い「ミディアム」プリセットではCPU性能差が顕著に出るようで,i7-7700Kのスコアはi7-6700Kに対して10〜13%程度も高い。i7-7700K@5.0GHzもi7-7700Kから5〜7%程度高いスコアだ。

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ゲーム用途だと,消費電力の大きな低減は確認できず。OCは温度対策がカギ


 基礎検証ではi7-6700Kに対してi7-7700Kで消費電力が大幅に低下していたが,CPUの利用率が相対的に低くなるゲーム用途ではどうだろうか。いつものように,ログの取得が可能な「Watts up? PRO」を用い,システム全体の消費電力を測定し,そこからCPUの消費電力を推し測ることにしよう。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。

 その結果はグラフ11だ。
 まず,アイドル時ではi7-7700Kとi7-6700Kともに動作クロックが800MHzまで下がるだけあって,違いは見られない。CPUコア電圧を引き上げたi7-7700K@5GHzとi7-7700K@4.8GHzは若干上がっているが,想定の範囲内だろう。
 続いて各アプリケーション実行時を見ていくと,i7-7700Kの消費電力は確かにi7-6700Kより低いものの,その違いは1〜5Wと,わずかだ。筆者の入手した個体が“外れ”だったということはなく,基礎検証で米田 聡氏が用いた個体と同じものなので,「GPUの存在が支配的になる3Dゲーム用途だと,CPUの消費電力はシステム全体の消費電力を大して左右しない」という理解が正解だろう。

 なお,i7-7700Kと比べて,i7-7700K@5.0GHzは18〜35W,i7-7700@4.8GHzでも15〜32W高く,オーバークロックの代償は小さくない印象を受ける。

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 アイドル時に加えて,3DMarkのFire StrikeにおいてPhysics testを30分間連続実行した時点を「高負荷時」として,Ai Suite 3のDual Intelligent Processor 5からCPUの温度を取得したものがグラフ12だ。
 テスト時の室温は24℃。システムはケースに組み込まない,いわゆるバラック状態で,テスト用となる机の上に置いている。

 i7-7700Kは,高負荷時でi7-6700Kより3℃高いものの,両者の間に大きな違いはないと言っていいだろう。というか,ここで最もインパクトがあるのは,i7-7700K@4.8GHzが高負荷時に100℃へ達してしまっていることだ。3D性能の検証時にi7-7700K@4.8GHzは不可解なスコアを示すことがあったが,これは温度が原因だった可能性が極めて高い。
 一方,i7-7700K@5.0GHzは,H100i GTXが持つ高い冷却性能のおかげで高負荷時でも80℃以下に収まっている。温度的にはまだ動作クロックを引き上げられる余地はありそうなので,オーバークロックにあたっては,CPUの温度対策が肝要ということになりそうだ。

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ゲーム用途ではあまりインパクトのないi7-7700K。5GHz常用を狙うためのCPUかも!?


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 i7-7700Kは,i7-6700Kと比べて,動作クロック分か,それ+α分の性能向上を期待できるCPUだ。ただし,3Dゲーム用途という前提で話をするなら,描画負荷が高まり,ゲームにおける体感を左右する要素としてGPUが支配的になったとたん,そのメリットはほぼ失われてしまう。同じ理由で,基礎検証において確認できた消費電力の低減も,3Dゲーム用途ではまず体感できない。その意味においてi7-7700Kは,PCゲーマー的にはあまりインパクトのないCPUだと結論付けざるを得ない。

 その一方で,温度対策さえしっかり行えば,最近のマザーボードメーカーがアピールしている「カジュアルなオーバークロック」でも簡単に動作クロック5GHzを狙えるというのは,かなり魅力的だ。
 Skylake-Sベースのシステムを所持している人が買い換えるまでの価値があるとは思えないが,Haswell――Haswell Refreshではなく,さらにその前――かそれより前の世代のゲームPCから乗り換えるとき,CPUとしてi7-7700Kを選んだうえ,5GHz動作を狙って“遊んでみる”のは,悪くないようにも思える。

Kaby Lake-S「Core i7-7700K」基礎検証レポート。注目すべきは絶対性能ではなく,電力対性能比だ

Intel,Kaby Lake世代のデスクトップ&ノートPC向けCPUを一斉発表。第7世代Coreプロセッサ時代が本格的に幕を開ける

Kaby Lake-S対応のIntel 200シリーズチップセット搭載マザーボードが各社から一斉に発表。販売は1月6日から

  • 関連タイトル:

    第7世代Core(Kaby Lake)

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