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ハロー!Steam広場 第251回:幼少期の虐待経験を元に作られたというホラーゲーム「Adam - Lost Memories」
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印刷2019/08/30 12:00

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ハロー!Steam広場 第251回:幼少期の虐待経験を元に作られたというホラーゲーム「Adam - Lost Memories」

画像集 No.009のサムネイル画像 / ハロー!Steam広場 第251回:幼少期の虐待経験を元に作られたというホラーゲーム「Adam - Lost Memories」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「Planet Zoo」の発売に備えて全国の動物園を視察して回る上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第251回は,海外のゲーム開発者Adam Dubi氏が,幼少期に受けた虐待の体験を元に作ったというホラーゲーム「Adam - Lost Memories」を紹介しよう。プレイヤーは,薄暗くて不気味な地下施設を一人称視点で進んでいくことになり,ジャンプスケアに頼らない,じわじわとくる恐怖と対峙することになる。

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幼少期の虐待経験を元に作られたというホラーゲーム「Adam - Lost Memories」


 アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,海外のゲーム開発者Adam Dubi氏が手掛ける「Adam - Lost Memories」を紹介しよう。

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 本作は,Dubi氏が幼少期に受けた虐待の体験を元に作られたホラーゲームだ。そのときのトラウマを克服できずにいたDubi氏が,その心情を何らかの形で表現すると良いという心理学者のアドバイスを受けたことをきっかけに制作されたのが,本作である。プレイヤーはDubi氏自身となり,彼の精神世界を探索することになるわけだ。
 なおメインテーマは,「崩壊した家庭の中で育った子供は,何を感じて生きているのか」であり,パニック障害を始めとする心の病気が独特の表現で描かれる,かなりメッセージ性の強いタイトルになっている。

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 ゲームは,地下施設のような場所からスタートする。そこは,薄暗く退廃的で重苦しい空気が漂っており,妙に美しいグラフィックスが,より恐怖を掻き立てる。耳を澄ませば,機械の錆びついた部品が擦れるような音や不気味なうめき声が聞こえてくるといった具合で,目と耳の両方から精神が削り取られていく。

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 ゲームプレイの核となるのは謎解きだ。ステージにはさまざまなキーアイテムが隠されており,それらを拾って適切な場所で使用すると先に進める。ゲーム的なヒントはまったくなく,ステージを隈なく探索していくことが大切だ。また,キーアイテムに限らず,ほとんどのオブジェクトは掴んだり投げたりでき,それが新しいヒントにつながることもある。
 ゲームの操作方法は,[W/A/S/D]キーで移動,[Shift]キーでダッシュ,[Ctrl]キーでしゃがむ,左クリックでインタラプトといった具合で,一般的なFPSと同じ感覚でプレイできる。特殊な操作もなければ,余計なBGMもUIも一切なく,没入感は高めだ。

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 本作では何かに追いかけられたり襲われたりといった要素がなく,突然大きな音と共に幽霊が出てくるといったジャンプスケア的な演出もほとんどない。どちらかというと,「今,何か見えた……」というリアルな恐怖体験を重視しており,プレイしていると頭の中がじわじわと恐怖に支配されるような感覚に陥るだろう。
 また,ホラーゲームの進め方ではないが,本作のテーマを踏まえてプレイしていくと,いろいろと考察しながら進められるので,一気に駆け抜けるよりも,腰を据えてじっくりと遊ぶことをオススメしたい。

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 現在実施されているアーリーアクセスは,2020年8月ごろまで行われる予定で,アップデートの状況によって価格も引き上げられていくようだ。正式リリース時には,完成された状態のシングルキャンペーンに加え,対応言語もいくつか追加されるとのこと。そこに日本語が加わるかどうかは不明だが,カットシーンやテキストよりもインタラクティブ性を重視したゲームなので,ローカライズがなくても,困るほどではないだろう。

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 プレイしていてどうしても拭えないのが,これは作者にとっての“実体験”なんだろうという気持ちだ。読者に対してハッキリと伝えておきたいのもこの部分で,ホラー好きだからという理由での紹介はどうしても気が引ける。ただ,このテーマだからこそ引き立つ,重みのある恐怖なのは間違いないので,そこに足を踏み込める人には,この言い表しにくい恐怖を共感してもらいたい。



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