COMPUTEX 2024の期間中に,Corsairは,台北市内のホテルに構えたプライベートブースにて,今後発売を予定する新製品を展示していた。本稿ではゲーマー向け製品を中心に展示の様子を紹介したい。
SCUF GamingのPC向けゲームパッドが国内にも登場?
まずはゲームパッドからだ。2024年5月にCorsairは,「SCUF Gaming」ブランドのiPhone用ゲームパッド「
SCUF Nomad」の国内発売を発表したばかりだ。
SCUF Nomad。iPhone向けのゲームパッドで7月頃の販売を予定する
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SCUF Nomadの背面。グリップ部分には,PC用ゲームパッドで培ったすべり止め加工を施す
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COMPUTEX 2024では,PC用ゲームパッドの発売も検討中であることが明らかになった。対象製品は,「
SCUF Envision」,または「
SCUF Envision Pro」で,2024年内の発売を見込むという。
日本での発売を検討するEnvision Pro。左右のアナログスティックが平行に並ぶPlayStation風レイアウトのほうが日本でのニーズが高いという
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SCUF Gamingのゲームパッドと言えば,豊富なカラーバリエーションに加えて,前面プレートの模様,アナログスティックの形状や長さなど,細かくカスタマイズできるのが特徴だ。日本市場でどの程度までカスタマイズできるのかについて,Corsairは,「慎重に検討を重ねている」と説明する。
米国では,PlayStation 5/4向けや,Xbox Series X|S向けの製品など幅広いラインナップをそろえる。個性的なカラーバリエーションにも注目だ
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また,会場には,Corsairが2023年に傘下に収めたキーボードメーカー「Drop」の製品も展示していた。こちらも多彩なカスタマイズが見どころの1つとなっている。展示していた製品はすべて英語配列だが,もし日本市場参入に参入する場合は,日本語配列の製品も用意したいとのことだった。
展示していたDrop製キーボード。「The Lord of the Rings」とのコラボモデルとなる。フロントパネルやキーキャップの種類が豊富で,細かなカスタマイズが可能だ
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こちらもThe Lord of the Ringsとのコラボキーボード
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「Elgato Gaming」ブランドの展示コーナーでは,配信者向けキーパッド「
Stream Deck+」をベースとした新製品のプロトタイプを展示した。新製品では,キーパッド部分の背面にUSBハブ機能を搭載したモデルや,XLRアナログ入力端子を備えたモデルなどをラインナップしていた。
Stream Deck+
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背面にUSBハブ機能を搭載したStream Deck+
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左側面にはSDカードとmicroSDカードスロットを備える
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マイク用のXLRアナログ入力端子を備えたモデルも展示していた
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このほかにも,Elgatoコーナーでは,「Fallout」シリーズとコラボしたStream Deckやオーディオインタフェース「
Wave XLR」,マイクアームなども紹介していた。
FalloutコラボモデルのStream Deck(左)とWave XLR(右)
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Falloutデザインのマイクアーム
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なお,日本でも2024年4月に発売した「
Elgato Neo」シリーズの紹介スペースには,ゲーマー向けディスプレイの新モデル「
XENEON 34WQHD240-C Gaming Monitor」も合わせて展示していた。
本製品は,34インチサイズで,解像度3440×1440ドット,アスペクト比21:9,最大リフレッシュレート240Hzの有機ELパネルを採用したディスプレイだ。日本国内での販売予定は未定だという。
Elgato Neoシリーズの展示スペース
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人気のピラーレスモデルを含めたPCケースの新製品も
PCケースでは,「
3500X」と「
9000D RGB AIRFLOW」という2つの新製品が登場した。
3500Xは,PCケースの前面と左側面にガラスパネルを組み込み,前面左側の支柱を省略して内部を見せやすくした流行の「ピラーレス」ケースとなる。ASUSTek Computerの「Back-To-the-Future」(BTF)や,MSIの「Back-Connect Design」といった裏配線仕様のマザーボードに搭載するのが特徴だ。PCケース内には,360mmサイズや240mmサイズのラジエーターを備えた簡易液冷クーラーを搭載できるという。
ピラーレスPCケースの3500X
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一方の9000D RGB AIRFLOWは,2018年に登場した「
Obsidian 1000D」以来という超大型PCケースだ。ATXマザーボードとMini-ITXマザーボードを同時に組み込めるのが見どころだ。冷却機構や電源ユニットも2系統分搭載可能で,1つのPCケースで2つのPCを構築できる。たとえば,ゲーム用PCと配信用PCを1つにまとめたいという場合に有効かもしれない。
2枚のマザーボードを搭載できる9000D RGB AIRFLOW
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ケース内部へは,右側面のドアからアクセスする。本製品も裏配線仕様のマザーボードに対応するという
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横幅もあり,前面には120mmサイズの空冷ファンを最大8基搭載できる
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9000D RGB AIRFLOWの背面
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簡易液冷クーラーでは,新たなフラグシップモデル「
iCUE LINK TITAN RX RGB」が登場した。液冷ブロック部分は,ツールレスでの交換が可能だという。標準搭載のブロックに加えて,液晶ディスプレイ付き,電源回路付近を冷却するファンを搭載したものなど計4種類をラインナップする。
簡易液冷クーラーのラインナップ。中央にあるのがiCUE LINK TITAN RX RGB
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液冷ブロックは4種類ラインナップしており,交換が可能だ
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なお,Corsairは,COMPUTEX 2024に合わせて,簡易液冷クーラーの製品名に関する命名規則の変更も発表した。これまで,240mmサイズのラジエーターを備えた液冷クーラーには「110」,360mmサイズには「150」,420mmサイズは「170」という3桁の数字が付けられていた。今後は,「240」や「360」といった形でラジエーターのサイズを製品名に付けて分かりやすくするという。