［TGS 2013］AMDブースに「Androidタブレット上で動作する『艦これ』」が。 これはいったい？

　東京ゲームショウへの初出展を果たしたAMD。同社のブースに，「Nexus 7（2012）」上で60fpsの「艦隊これくしょん -艦これ-」（以下，艦これ）が動作するというデモが展示されている。これが噂される“モバイル版艦これ”なのか？　……と思いきや，これはクラウドゲームサービス向けGPU「Radeon Sky」のライブデモなのだった。

Nexus 7（2012）上で動作する艦これ。AMDブースに「Tegra 3」搭載タブレットがあるというのはなかなか味わい深い

島風のイラスト入りクリアファイルが貼られた，Supermicro製Radeon Skyサーバー機

Nexus 7には60fpsでビデオが配信され，Ubitusのクライアントからタッチ操作ができる。反応は上々。ビデオ配信なので，操作の後で音が遅れて鳴るといったこともない

　AMDブースで動作デモが展示されていたのは，「Radeon Sky 700」を搭載する，Supermicro製サーバーだ。LINEの子会社であるデータセンター運営会社（※以前のライブドア，インフラ部門）であるデータホテルが，クラウドゲームサービスシステムで知られる台湾Ubitusのミドルウェアを使ったクラウドゲームサーバー上でFlashを実行し，それをリアルタイムでH.264へエンコードしたうえで，ビデオストリームとしてクライアント――今回のデモではNexus 7（2012）――へ配信しているというわけである。

　ビデオストリームを受けて操作を可能にするUbitusのクライアントアプリケーションは，PCとAndroid，そしてiOSデバイスをサポートしているため，PC用のブラウザゲームである艦これを，PC以外の端末でも，リモートから操作できる。

三輪芳久氏（右から2番め）。氏の左にいる2名はデータホテルのスタッフ。右は日本AMDのエンタープライズ事業部 部長である林 淳二氏だ

　まあ，言ってしまえば，4Gamerで以前お伝えした「リモート艦これ」と同じようなものなのだが，違うのはその規模だ。
　データホテルでアライアンス戦略推進室のシニアマネージャー/室長を務める三輪芳久氏によると，現在，同社で運用しているクラウドゲームシステムは，「安価なGeForceを搭載し，1サーバーで20〜40人を捌ける」そうだが，Radeon Skyベースであれば，Ubitusのミドルウェアと組み合わせることで，さらに多くの人数を1サーバーで捌けるようになる見込みだという。現在はその数とコストの検証中とのことだった。

AMDブース

　「単に古いPCゲームをストリーミングでサービスしても面白くない」と語る三輪氏は，「変わったことをやっていく」ことの意思表示的な意味で，今回，DMM.comと角川ゲームスの協力を得て，艦これのリモート操作デモを展示したとも述べていた。なので，「将来的に，Radeon Skyベースのリモート艦これサービスが始まる！」と断言できるものではない。この点は注意が必要だろう。
　ただ，Radeon Skyベースのクラウドゲームサービスが登場するとして，それがリモート艦これだとすれば，ニーズはありそうな気配だ。島風のイラストがプリントされたクリアファイルを会場限定で配布していたあたり，可能性はゼロではないような気もするのだが，さて……。

※20：20頃追記
　一般公開日にぜかましクリアファイルを入手する方法が判明したのでお伝えしたい。具体的には（1）AMDブースでアンケートに答え，（2）その場でAMDマントを羽織ると，先着でもらえる。21日，22日とも，限定数が用意されるとのことだ。
　なお，AMDファンのために追加情報も書いておくと，過去に購入したAMD製CPUやAPU，あるいはAMD製GPU搭載グラフィックスカードなど，広義のAMD製品をブースへ持って行き，AMDのスタッフが見守るなかでツイートを行うと，けっこういいモノがもらえる。いいモノが何かは，行ってからのお楽しみだ。

※9月20日23：30頃追記
　AMDのスタッフにマントを羽織った状態で写真に写ってもらったので掲載しておきたい。なお，「AMD製品」は，CPUの箱や，AMD製プロセッサを搭載するノートPCなどでもOKとのことだ。

Radeon Sky製品情報ページ（英語）

AMD日本語公式Webページ