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[TGS 2016]背負えるVR対応PC「VR One」のデモ機を体験。ケーブルレスに思える使い心地でVRファンならアリ
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印刷2016/09/20 18:24

テストレポート

[TGS 2016]背負えるVR対応PC「VR One」のデモ機を体験。ケーブルレスに思える使い心地でVRファンならアリ

G Series
 PC用VR HMDであるHTCの「Vive」は,価格が高いことやフル機能を生かすには広いスペースが必要など,さまざまな問題を抱えている。そうした問題の1つに,PCとHMDをつなぐケーブルが長くて邪魔になりがちというものがある。動き回って使えるデバイスであるにも関わらず,長いケーブルがプレイヤーの体に絡んだり,足を引っかけて転んだりしないように管理しなくてはならず,これが結構な手間なのだ(関連記事)。

 ケーブルにまつわるVR HMDの手間や使いにくさを解決するアイデアの1つとして,「バッテリー駆動可能な背負えるPCを作り,HMDやコントローラをつなぐケーブルを最小限まで短くしてしまう」というものがある。このアイデアに基づいたPCの開発に,PCメーカー各社が取り組んでいるが,中でもいち早くVR用バックパック型PC「VR One」の製品化にこぎ着けたのが,台湾のMSIだ(関連記事)。
 東京ゲームショウ2016(以下,TGS 2016)のMSIブースでは,そのVR One試作機によるデモが行われていたので,実際の使い心地はいかなるものか,実際に体験してきた。

VR Oneの試作機
G Series


モビルスーツのバックパックっぽい外観


こちらはTGSモデルの迷彩バージョン。これを発売するのかどうかは不明だが,FPSにはこちらのほうが似合いそう
G Series
 VR Oneの外観は,いうなれば「ジオニック製モビルスーツ(後期,およびMSV)のバックパック」のような印象を受けるもので,男児がわりと無条件で好きになりそうな雰囲気を醸し出している。会場では,ブラックの製品版に加えて,TGSモデルの迷彩バージョンという2種類を確認できた。

 “背負えるVR対応PC”という言葉からイメージすると,巨大なPCを背負うハメになる光景が思い浮かぶ人も多いだろうが,写真を見ても分かるように,VR Oneは意外にもコンパクトだ。
 本体のサイズは285(W)×430(D)×50〜63(H)mmとなっており,これだけであれば,厚さを除けば17〜18インチ級のノートPCに近い。重量は,3.6kgを目標値としている段階とのこと。あれこれとモノを詰め込んだバックパックよりは軽いので,平素からバックパックを背負っている人であれば,まず気にならない重さではないだろうか。

VR Oneの前面。赤いメッシュの部分は吸気孔だ。中央やや下に白いLEDが1つ点灯しているのが電源ボタンで,下側中央に並ぶLEDは,バッテリー残量を示すインジケータだ。インジケータの左右にあるスイッチは,バッテリーパックの取り外し用である
G Series

両側面に大きな排気口がある。前面吸気,側面排気という仕組みだ
G Series G Series

下側面の中央には電源コネクタがある(左)。吸気孔を覗いてみると,シロッコファンらしきものが見えた(右)
G Series G Series

 ショルダーベルト(ショルダーストラップ)の作りもしっかりしており,胸部固定用のベルト(チェストハーネス)もあるため,体にフィットさせると重量を感じにくい。MSIの本気度が分かる作りだ。

ハーネス類が取り付けられたフレームが,本体と背中の間に入るので,熱を持つPCが体と接触しない作りであることが分かる(左)。左側のショルダーストラップには,VR HMD用ケーブル止めも用意されていた(右)
G Series G Series

 PCとしてのスペックも見てみよう。
 CPUは,ノートPC用の4コア8スレッドCPUである「Core i7-6820HK」を採用。GPUはノートPC用の「GeForce GTX 1070」を採用するとのこと。メインメモリ容量は「検討中」とのことだが,主目的がVRコンテンツ用ということを考えれば,最低でも容量8GBになるだろうか。いずれにしても,VR向けとして十分な性能を確保している。

 インタフェース類は正面向かって上の側面に集中しており,miniDisplay Port×1,HDMI(バージョン不明)×1,USB 3.0 Type-A×4,USB Type-C(バージョン不明)×1,3.5mmミニピンのマイク入力とヘッドフォン出力,そしてDC12V出力のVive用電源コネクタが並んでいた。なるべくケーブルを短くすることで,邪魔になりにくい環境を作りやすくしている点が面白い。

インタフェースが上側面に集中している。短いケーブルでVR HMDを接続できる位置にあるわけだ
G Series

バッテリーパックを外しての撮影は許可されなかった。ホットスワップ対応はイベントやデモ用を狙ったものだろう
G Series
 バッテリーは本体下側の左右に装備されており,カタログスペックでは,容量93WHrのものが2基となっていた。2基のバッテリーで,VRコンテンツを1時間以上遊べることを前提にしているとのこと。ホットスワップにも対応するため,予備バッテリーを用意できれば,バッテリーを交換しながらの長時間利用も可能だ。
 とはいえ,一般のゲーマーが複数個の予備バッテリーを購入してVR Oneを使うというのはちょっと考えにくいので,基本的にはイベントやアミューズメント施設用の仕様といったところか。

 また,ACアダプターで給電しながらプレイする場合でも,気にすべきケーブルは1本で済むというのもポイント。動いている最中に電源ケーブルが抜けても,バッテリーがあるので某人型決戦兵器的な感じでプレイを継続できる。
 なお,ACアダプターは確認できなかったが,バッテリーパックのスペックからすると,相当ゴツいものであろう。


実際に装備してVRゲームをプレイしてみた

スペックは十分で取り回しも快適


 VR HMDとの接続を前提としたインタフェースの配置やVive用電源コネクタの標準装備など,VR Oneは,Viveを着用した状態で,ケーブルを気にすることなく動き回れる環境の実現に注力した製品であることがうかがえる。それでは実際に着用して,その実力を確かめてみようではないか。

G Series

この写真の角度だと、フレームが背中と接触しにくい構造だとわかる
G Series
 VR Oneの装着は,MSIスタッフのサポートを受けつつ行ったが,1人でも容易に身につけられる程度だ。
 プレイヤーの背中と本体の間にあるフレームは,ほとんど背中に接触しない作りになっているのだが,動き回っていると,腰に「ゴツ」っと当たる感覚が何度もあった。そのたびに,スッと現実に戻されるように感じたので,クッション周りは見直しをしてほしい。

 肝心の動きやすさだが,首を動かしてケーブルを邪魔に感じない人であれば,バックパックを背負っているだけに感じられるだろうが,邪魔に感じるようであれば,ケーブル+背中の本体で,むしろわずらわしいかもしれないと思えた。
 幸い,筆者はVR Oneを邪魔に感じなかったし,PCの熱で背中が熱くなることもなかったので,VRコンテンツに集中できるPCという狙いは達成されているようだ。

天井からケーブルを垂らすというのも解決策のひとつだが,設置環境をかなり選んでしまう
G Series
 TGS 2016では,VR HMDを身につけて動き回れるデモがいくつもあったが,
ケーブル問題の解決策として,天井からケーブルを垂らしているブースがいくつあった。そういったものに比べれば,より快適にゲームを楽しめた。
 ちなみに,MSIブースの構造上,派手に武器を振り回して遊ぶようなコンテンツは試せなかったのが,とても残念である。機会があったら,大きく動き回わるようなVRコンテンツで,あれこれチェックしてみたいところだ。

デモであることを忘れて,フツーに楽しんでいる筆者。派手に動けない環境だったのが惜しい
G Series
 今回プレイしたタイトルは,スター・ウォーズをテーマにしたアクションゲームの「Trials on Tatooine」。VR Oneは,このゲームを快適に動作させるだけのスペックを備えているので,素早く顔を左右に振ってみても,フレームレートが低下するような様子もなく,快適にプレイできた。
 むしろ気になったのは,筐体から出る熱だ。短時間のプレイだったにも関わらず,側面排気口から出る排気は,かなり熱を持っていた。短時間でこれだと,長時間プレイした場合に安定して動作し続けられるのだろうかと気になってしまう。製品版で改善できるのか,気になる部分だ。


なにかと需要が高まりそうな新カテゴリー“背負えるPC”


 体験前は,「これはイロモノの匂いがする。たまらないな!」と考えていたが,実際にはVRコンテンツ用PCとして十分な性能を持っていることもあって,いい意味で肩すかしを食らった感じだ。
 VRコンテンツに没入しやすい環境作りに,一役買いそうな印象を強く受けた。バッテリー駆動時間の問題や,長時間プレイ時の熱対策が十分なのかといった課題や懸念はいくつかあるものの,現時点でも十分遊べる機器なので,製品版の登場が楽しみである。

 価格は30万円台後半とのことなので,安価な製品ではまったくない。ただ,VRコンテンツをプレイしないときは,壁に掛けたり背面パネルを外したりして,据え置き型のPCとして使えるので,もう少し手の届きやすい値段にならば,「バックパック型としても使える可搬性に優れたゲームPC」として,意外に人気を呼ぶ可能性もあるのではないだろうか。
 ともあれ,いろいろな意味で遊べるPCの登場は歓迎したい。

関連記事:HTCがTGS 2016の出展内容を明らかに。MSIのバックパック型PC「VR One」が初披露された説明会レポート

MSIのVR One 製品情報ページ(英語)


4Gamer「東京ゲームショウ2016」特設サイト

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