イベント
小島秀夫監督が世界を回る! 「メタルギア」シリーズ最新作の発売を記念してスタートした「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER WORLD TOUR 2010」初日の模様をレポート
14:00 ヨドバシカメラ マルチメディア横浜
イベント第2弾は,神奈川県・横浜市のヨドバシカメラ マルチメディア横浜の一階エントランス前特設ステージで開催された。
このイベントには,小島監督と新川アートディレクターに加え,スネーク役の大塚明夫さん,カズヒラ・ミラー役の杉田智和さん,チコ役の井上喜久子さん,ストレンジラブ役の菊地由美さん,セシール役の小林ゆうさんが出演。さらには誰でも観覧できるということもあり,開演前から文字どおり黒山の人だかりとなっていた。
続いて,スペシャルゲストのキャスト陣が続々とステージに上がったのだが,大塚さんはまさかのバンダナに眼帯装備,杉田さんはティアドロップのサングラスをかけての登場。これには来場者達も大喜びだった。
大塚さんが「本当に待たせたな!」と第一声を発すると,会場からは大歓声が上がった。一度発売日が伸びてしまったがこの日を迎え,自分達の収録が一段落したあとも制作を続けてきたスタッフに,「ようやく『お疲れ様でした』といえます」と,ねぎらいの言葉を贈った |
杉田さんは「MSFという組織は新しいビジネスになる」と,挨拶がわりにミラーのセリフのあとに,「カズラジ」が発売日以後も続くことを告知。また「トークがすべると“フルトン回収”されます」とコメントし,会場を沸かせていた |
井上さんの自己紹介は,当然の如く「井上喜久子17歳です!」という“お約束”付き。間髪入れず会場から「オイオイ!」とのコールが入っていた |
菊地さんは数多くの来場者を目の前にして,多くのファンに待ち望まれている作品であることを実感したとコメント |
「メタルギア」シリーズ初出演となる小林さんは,「世界の『メタルギア』に出演できて本当に嬉しく思っております」と,緊張した面持ちで話していた |
その後はキャスト陣を交えてのトークセッションが開始。「MGS PW」の登場キャラクター達について小島監督が簡単に紹介したあと,キャスト陣がそれぞれのキャラクターに対する想いについて語った。
小島監督は,「ネイキッド・スネークはザ・ボスを失ってからどういう人生を歩んでいたのか,どう変わっていったのか,そこにスポットを当てており,かなり深い話になっています」と話す。
それについて大塚さんは,「スネークはボスを失ってから,色々な苦労と年を重ね,カズという相棒も得て……。そういう感じでやっていたら,いつの間にか自分自身のキャラと近くなっていました。今回のスネークは,シリーズで最も人間らしいスネークではないかと思います」とコメントした。
杉田さん曰く,「もう条件反射で,『カズ!』と呼ばれたら『ハイ!』と反応してしまいます。それくらい体に染み付いたこの役ですが,とりあえず花粉よけに買ったサングラスで形から入ってみました。あとは体を鍛えていこうかと考えています」と話していた。
井上さんは「チコは“少年そのもの”の純粋な気持や苦労をたくさん抱えています。子供らしいシーンもあり,悲しいシーンもあり,本当に思い出がいっぱいです」と語っていた。
なお井上さんは,チコの印象的なセリフとして「みんな僕を子供扱いするんだ! もう12なのに!」と熱演してくれたのだが,ここで大塚さんから「オイオイ」と茶々が入る。井上さんは「チコはちゃんと12歳ですから」と返し,会場を笑いに包んでいた。
菊地さんは「東京ゲームショウで『変態キャラ』と紹介されてしまってから,インターネットで大変なことになっていました(笑)。まだ詳しいことは話せないんですよね……早く言いたいです!」と,詳細を話せないのが悔しそうだった。
ここで大塚さんの「楽しませてもらったよ」というコメントが入り,小林さんは心底恐縮した様子で,「大塚さんに引っ張っていただいて,何とか演じきることができました!」と語っていた。
そのほか,チコがUMA(Unidentified Mysterious Animal,未確認生物)好きという設定だという話が出たのだが,これについて小島監督から,「モンスターハンターポータブル 2nd G」とのコラボレーションに繋がる伏線としての設定であることが明かされた。
まさにゲームキャラクターそのままといえるモデル体型で,パリジェンヌであるカミナンデス氏は,「イベントに呼んでいただけて嬉しいです。モデルに使ってもらえて光栄です」とコメント。
ゲーム内で小林さんが声を担当していることについて,「小林さんのような綺麗な方に声をあててもらえて嬉しい。彼女のように日本語を喋れるようになりたいです」と語っていた。
それを聞いた小林さんは妙なテンションになり,まるでどこかの女王様にするように片膝をついて「ははー! カミナンデス様!」と頭を下げたり,セシールさんを「ビューティフル・デリシャス・レディー」と称したりして,会場を沸かせていた。
そんなフリーダムさを持つ小林さんだからこそ(?),セリフは台本通りにいかなかったそうで,井上さん曰く「収録の合間にみんなで小林さんの面白セリフを聞いて息抜きしていた」という裏話も明かされた。
通常のゲームであれば,1人ずつ個別にブースで収録する“抜き録り”のところを,本作に関しては最大17人をスタジオに集め,掛け合いをさせながら収録したとのこと。
何度も突然の追加収録があったようで,「特にカズはゲーム序盤でチュートリアルを担当しているので,制作の都合上どうしても台本を直さなければいけないところが多々あった」とも語っていた。ちなみに,大塚さん曰く,「杉田ファンは絶対買い」というほど,序盤はカズがしゃべりっぱなしである。
また「MGS PW」では,ゲーム中に登場するAI兵器の音声に,ヤマハとの協力で作成したオリジナルのボーカロイド音源を使っている。
菊地さんがこのボーカロイド音源のサンプリングを担当したのだが,この収録時の裏話も話題に上った。ボーカロイド音源の収録はかなり特殊な方法だそうで,小島監督曰く「最初,僕もやろうと思っていたんですけど,収録を見てやめました」,菊地さん曰く「初日に倒れました」というほど。
ちなみに,「こちら」の記事で紹介したように,「MGS PW」では“ネットボーカロイド”システムにより,PSPからインターネット経由でサーバーに歌や言葉を送ると,「MGS PW」でそのとおりに再生されるという要素が盛り込まれている。音階と歌詞を入力して歌を作れるだけでなく,ミッション中の掛け声のようなものにも利用できるようだ。
小島監督は,「4年に一度しか出さないというわけではないですが,『メタルギア』は自分にとってオリンピックのようなものです。実は,“次のオリンピック”のこともすでに頭の中にあります。次回もまた,横浜でイベントをやりたい」と,早くも次回作の構想があることを明らかにして会場を沸かせた。
そしてイベント出演者のサイン入りポスターが当たる抽選会が行われたあと,最後に会場の全員で「セイ! ピース!」と合唱し,約1時間にわたったイベントは幕を閉じた。(マフィア梶田)
「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」公式サイト
- 関連タイトル:
METAL GEAR SOLID PEACE WALKER
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2010 Konami Digital Entertainment