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恋もバトルもついに佳境へ。「放課後ライトノベル」第6回は『ゼロの使い魔19 始祖の円鏡』でくぎゅううううううう
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印刷2010/08/21 10:30

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恋もバトルもついに佳境へ。「放課後ライトノベル」第6回は『ゼロの使い魔19 始祖の円鏡』でくぎゅううううううう



 『ゼロの使い魔』といえば,MF文庫Jのみならず,ライトノベルを代表する大ヒット作だ。三度のアニメ化に加え,コミック,ゲーム,ドラマCD等多方面にわたってメディアミックスが展開。原作は未読だが,それらを通じて作品自体は知っている,という人も多いのではないだろうか。

 とくにアニメの影響は大きく,ヒロインのルイズは今やツンデレの代名詞的存在になっているほか,“釘宮病”の主な感染源としても知られている。釘宮病というのは,ルイズ役の声優・釘宮理恵さんの声に魅了されて何も手につかなくなり,釘宮ボイスを聴くと「くぎゅううううううう」としか言えなくなったりするとかしないとかとされる重い病のことだ。べ,別に自己紹介したわけじゃないんだからね!

 ……まあ,そんなわけでとにかく,アニメの放映が終わって久しい現在でもたびたび話題になる,ライトノベル史に残る作品なのだ。
 そんな『ゼロの使い魔』の原作小説が,今,非常に「燃える(≠萌える)」展開になっていることをご存じだろうか。そこで今回の「放課後ライトノベル」では,シリーズ最新巻『ゼロの使い魔19 始祖の円鏡』を紹介しよう。へぇ〜,アニメのあとにそんなことになってたんだ。

ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲
『ゼロの使い魔19 始祖の円鏡』

著者:ヤマグチノボル
イラストレーター:兎塚エイジ
出版社/レーベル:メディアファクトリー/MF文庫J
価格:609円(税込)
ISBN:978-4-8401-3454-5

→この書籍をAmazon.co.jpで購入する


●よくある,ただのハーレムラブコメじゃない!


 まずは『ゼロの使い魔』のストーリーを簡単におさらいしよう。
 主人公は17歳の少年・平賀才人(ひらがさいと)。彼はある日突然,異世界ハルケギニアに召喚されてしまう。そこは魔法を使える貴族たちによって統治される世界だった。彼を召喚した少女・ルイズは,魔法がちっとも成功しない(魔法の才能がゼロ)ことから,周囲から「ゼロのルイズ」と蔑まれていた。自分の意思と関係なく彼女の使い魔にさせられてしまった才人と,彼に不満を抱くルイズ。互いに望まぬ出会いだったが,さまざまな出来事を通して,二人は次第に距離を縮めていく。

 「ツンデレの中のツンデレ」とでもいうべきルイズのほかにも,作中ではたくさんの魅力的な少女たちが登場する。才人を一途に慕うメイド・シエスタや,ルイズたちの住むトリステイン王国の女王・アンリエッタ,無口で無表情だが,魔法の実力は随一のタバサ,そしてこの最新19巻で活躍を見せるハーフエルフのティファニアなどなど。彼女たちの多くが,それぞれのきっかけで才人に好意を寄せるようになるため,『ゼロの使い魔』はありがちなハーレムラブコメと見られることも少なくない。

 実際,ルイズと彼女たちによる,才人をめぐる恋愛模様が『ゼロの使い魔』の見どころの一つであるのは間違いない。だがそれ以上に『ゼロの使い魔』という作品は,平凡だった少年と,ゼロと呼ばれた少女による,世界をめぐる冒険活劇なのである。


●広がりゆく世界で描かれる,恋と戦いの物語


 ルイズの使い魔として召喚された才人だが,間もなくその正体が伝説に謳われる使い魔「ガンダールヴ」であることが判明する。ルイズの魔法が失敗続きだったのにも理由があり,あるとき彼女自身もまた,伝説の担い手であることが明らかになる。そうした背景もあり,二人は次第に国同士の,やがては世界の命運を左右する争いに巻き込まれていくことになる。

 1巻の時点ではルイズの通う魔法学院内で展開していた物語が,巻を追うごとにスケールアップしていく様はまさに圧巻。度重なる事件を通じて,ごく普通の高校生だった才人が戦士として成長していく姿は手に汗握るものがあり,中でもシリーズ序盤のクライマックスというべき7巻の激闘は,涙なくして読むことはできない。伏線の張り方も実に巧みで,1巻にさらりと登場したアイテムが,ずっとのちの巻になって重要な役割を果たすなんていうこともある。

 そして何より見逃せないのが,そうした数々の出来事を経て培われていく,才人とルイズの互いを想い合う気持ち。貴族と平民,主と使い魔,生まれた世界すらも違う二人の前には多数の障害が待ち受けているのだが,二人はそれらをことごとく乗り越え,絆を深め合っていく。「ツンデレだけじゃない!」――読み進めるうち,読者はきっと,ルイズの新たな魅力に気づくことだろう。


●完結も間近か!? 加速し続けるストーリー


 一見すると,異世界を舞台としたラブコメでありながら,本格ファンタジーとしての顔も併せ持つ『ゼロの使い魔』。その最新巻で,才人たちはいよいよ本格的に世界の危機と向かい合うことになる。

 宗教国家ロマリアの教皇・ヴィットーリオの口から,ハルケギニアに滅亡の危機が迫っていることを知らされた才人とルイズ。世界を救う手立てはあるが,それには強大な力を持つエルフとの対立が避けられない。エルフを打ち破るための「聖戦」の準備が進められる中,才人も迷いながら戦いを決意するが,その矢先,才人はエルフの襲撃者の手によって誘拐されてしまう。才人は無事,エルフの手から逃れることができるのか――というのが最新巻の見どころだ。

 ついに決戦,というときになって,主人公たる才人が敵方の手に落ちてしまうという驚きの展開。ルイズを思う一心で脱出を図る才人を軸に,救出に向かおうとするルイズたち,ヴィットーリオの思惑,エルフたちの住処の風景などが描かれる。複数の勢力がそれぞれの目的のために策をめぐらす展開は,間もなくそれらがぶつかり合うときが来ることを否応なく予感させる。

 当然,全体的にはシリアスな展開だが,ラブコメ成分が消えてなくなってしまったわけではない。冒頭では相変わらず才人をめぐる少女たちの恋の駆け引きが繰り広げられるし,終盤で危機に陥った才人が窮地を脱するくだりなどは実に『ゼロ使』的だ。ちなみにその終盤では,ここまでシリーズを追いかけてきた読者なら思わず拍手喝采するであろう「あるキャラクター」との再会も描かれる。そのキャラクターの口から語られる物語がまた,次巻への興味を駆り立てて止まない。
 恋も戦いも佳境に入ってきた『ゼロの使い魔』。いよいよ20巻の大台に突入する次巻もきっと,才人とルイズは我々読者をわくわくさせてくれるはずだ。

■みるみる分かる,ヤマグチノボル作品

『烈風(かぜ)の騎士姫』(著者:ヤマグチノボル,イラスト:兎塚エイジ/MF文庫J)
→Amazon.co.jpで購入する
ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲
 『ゼロの使い魔』著者のヤマグチノボルは1972年生まれ。シナリオライターとして複数の美少女ゲームに関わったのち,自身の手がけたゲームのノベライズ『カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜』(角川スニーカー文庫)で小説家デビュー。2004年からスタートした『ゼロの使い魔』が大ヒット,レーベルを代表する作品となる。
 『ゼロの使い魔』では王道的なラブコメ+ファンタジーで多くの読者を魅了した著者だが,それだけが作風のすべてではない。『描きかけのラブレター』『遠く6マイルの彼女』(共に富士見ミステリー文庫)では,等身大の少年少女による純粋なラブストーリーを描き,『魔法薬売りのマレア』(角川スニーカー文庫)は,コミカルさとシリアスさを兼ね備えた不思議なファンタジー作品に仕上がっている。本来非常に多様な作風の持ち主であり,『ゼロの使い魔』の後にどんな新作を送り出すのか,今から楽しみだ。
 なお2009年からは,『ゼロの使い魔』と並行して新シリーズ『烈風(かぜ)の騎士姫』をスタート。レーベルもイラストレーターも『ゼロ使』と同じだが,それもそのはず,本作はルイズの母親の若き頃を描いた作品なのだ。『ゼロ使』ファンは,ぜひこちらも合わせてチェック!

■■宇佐見尚也(ライター)■■
『このライトノベルがすごい!』(宝島社)などで活動中のライター。以前『ゼロの使い魔 Perfect Book』(宝島社)の制作に関わったこともあり,『ゼロ使』には何かと思い入れがあるという宇佐見氏。中でも,作中で一番印象に残っているセリフは「地球ナメんな。ファンタジー」とのこと。どんな状況で出たセリフなのかは,ぜひ本編で。
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    ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲

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