「SQUARE ENIX JAZZ」は,スクウェア・エニックスのゲームタイトルの楽曲に本格的なジャズアレンジを施すという企画であり,今回のライブでは,これまでにCDとしてリリースされた「SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY-」および「SQUARE ENIX JAZZ Vol.2」の中から全10曲が生演奏された。
なお,“ジャズの聖地”とされるビルボードライブでゲームミュージックのライブ公演が行われるのは,2月9日にビルボードライブ大阪で開催された大阪公演も含め,史上初とのことである。
本稿では,2月23日に2回行われた公演のうち2ndステージの模様をレポートする。
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ジャズアレンジで綴られた名曲の数々
“本格的なジャズアレンジ”とはいっても,演奏された楽曲はいずれも原曲のメロディや特徴をしっかり残しており,ジャズに馴染みの薄いゲームミュージックファンでも楽しめる仕上がりだ。
例えばオープニングを飾った「FINAL FANTASY」シリーズのメインテーマは,ピアノとギターが交互に奏でるメロディをベースとドラムが支えるロック風の展開で始まり,中盤からトロンボーンとサックスが加わり一気にジャズらしい雰囲気になるといった次第である。
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続く「FINAL FANTASY VI」の「仲間を求めて」は,原曲の美しいメロディはもちろん,独特のベースの音をアダルトな雰囲気のジャズに落とし込んでいた。
そして“イトケン”こと伊藤賢治氏の代表曲の一つ,「ロマンシング サ・ガ2」の「七英雄バトル」は怒濤のドラムソロで始まり,トロンボーンとサックス,キーボードが原曲のように疾走感と緊張感を盛り上げていく。
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4曲めの「イニシエノウタ」は,「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」バージョンのリズミカルな部分を活かし,華やかな印象に。
「FINAL FANTASY XV」の「APOCALYPSIS NOCTIS」は,イントロのウッドベースソロが不穏な雰囲気を醸しだし,それをフルートとトロンボーンが引き継いでいく。
「NieR:Automata」の「遺サレタ場所」は,原曲同様にピアノをフィーチャー。こちらもフルートとトロンボーンがサポートし,物悲しくもアダルトな雰囲気を作り上げていた。
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「クロノ・トリガー」の「風の憧憬」は,原曲の印象的なメロディを再現する序盤のギターとフルートから,スピード感のあるトロンボーンとサックスへとバトンタッチするという展開に。
「聖剣伝説3」の「Swivel」は,スーパーファミコンの音源ならではの独特な原曲を,「最初からこういう曲だったのでは」と思わせるような,ピアノとトロンボーン,サックスが目立つアレンジで展開した。
ライブ本編の最後は,「FINAL FANTASY V」の「ビッグブリッヂの死闘」。ギターとトロンボーン,そしてSEを交えたドラムソロでバトルの緊張感が再現された。
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アンコールで演奏されたのは,「FINAL FANTASY VII」の「星降る峡谷」。奏者各自が代わる代わるソロを披露し,その都度客席からは大きな拍手が贈られた。
公演名に“-DEBUT-”と掲げられた本ライブ。デビュー公演だけで終わることなく,ぜひシリーズ化して,ゲームミュージックファンにはジャズの魅力を,ジャズファンにはゲームミュージックの魅力を伝えていってほしいところである。
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●Billboard Live presents SQUARE ENIX JAZZ -DEBUT-
<出演(敬称略)>
中川英二郎(Tb)
川村 竜(Bass)
髭白 健(Dr)
宮本貴奈(Piano)
鈴木直人(Gt)
庵原良司(Sax)
<セットリスト>
1.メイン・テーマ Jazz Arrangement(FINAL FANTASY SERIES)
2.仲間を求めて Jazz Arrangement(FINAL FANTASY VI)
3.七英雄バトル Jazz Arrangement(ロマンシング サ・ガ2)
4.イニシエノウタ Jazz Arrangement(NieR Gestalt & Replicant)
5.APOCALYPSIS NOCTIS Jazz Arrangement(FINAL FANTASY XV)
6.遺サレタ場所 Jazz Arrangement(NieR:Automata)
7.風の憧憬 Jazz Arrangement(クロノ・トリガー)
8.Swivel Jazz Arrangement(聖剣伝説3)
9.ビッグブリッヂの死闘 Jazz Arrangement(FINAL FANTASY V)
<アンコール>
10.星降る峡谷 Jazz Arrangement(FINAL FANTASY VII)
奏者コメント
●庵原良司氏(Sax)
ファミコンの頃から遊んでいたファイナルファンタジーやゲームボーイで遊んでいた聖剣伝説の音楽と,こういった形で携われるというのが幸せなことだと思っています。皆さんも同じように楽しんでいただけていたら嬉しいです。ありがとうございました。
●宮本貴奈氏(Piano)
ビルボードといったら,いつもジャズポップスもの・歌もので来ることが断然多いんですけど,今回はごりごりのインストものでゲーム音楽をやるということで,すごく異色の企画だと思ってます。それをド直球でやるという潔い感じをとても楽しんでいます。すごいメンバー達と本気でがつんとやるとこうなるんだなと。毎回,本当にげっそり消耗するんですよ。まれにみる高カロリーな公演です。アルバムにも参加させていただいたので,このスクエニジャズシリーズを続けていけたらいいなと思っています。たくさんのゲームファン,ジャズファン,ビルボードファンの方に来ていただけたらと思っています。
●鈴木直人氏(Gt)
楽しいです。最高です。小学生の時に,ドラゴンクエストのテーマ曲をピアノで弾いてめちゃくちゃ人気者になったことを思い出しました。
●髭白 健氏(Dr)
このシリーズは第一作から同じメンバーでレコーディングができて,今回もこうやって素敵な先輩方とライブができて嬉しい限りです。ありがとうございます。第10回まで呼んでいただけるように頑張ります!
●川村 竜氏(Bass)
人生でゲームに費やしてきた時間が,今日やっと報われたような気がします。本当にありがとうございました。Vol.4,5…そして10まで頑張って続けていきたいなと思っているので,よろしくお願いします。ありがとうございました。この人気ぶりだったら海外公演も間違いないなと思ってますので。皆様の声で,スクエニさんを動かしてください。よろしくお願いします。
●中川英二郎氏(Tb)
この企画は5年ほど温めてまいりまして,ついにコンサートまでこぎつけました。本当に毎回楽しいメンバー,そして曲達がいろんなところへ連れて行ってくれます,本当にありがとうございます。これまでに2枚作ったアルバムもすでに自分達が十分楽しんでおりますので,このほかにもいろいろな作品・ゲームから取り上げて,Vol.10まで頑張っていきたいと思います。
























