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極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
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印刷2007/10/04 17:14

連載

極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」


» 今回の「極私的コンシューマゲームセレクション」は,ゲームのことより余談のほうが長い原稿を書くことにかけては定評のある松本隆一が,Wiiの「ぼくとシムのまち」を取り上げる。自称シムズマニアの目に,本作はいったいどのように映ったのだろうか。



次世代ゲーム機初のシリーズ最新作(?)
それが「ぼくとシムのまち」


画像(002)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
 「ぼくとシムのまち」(以下,ぼくシム)は,エレクトロニック・アーツが2007年9月27日に発売した,出来たてホヤホヤのタイトルだ。対応機種は任天堂のWiiで,その題名どおり,世界的に大ヒットした「シムピープル」とその続編「ザ・シムズ2」の新たなフランチャイズであり,次世代ゲーム機を対象に,今後さらにカジュアルな層を取り組んでいくという方向性を打ち出した,エレクトロニック・アーツ期待の一本である。さらに,日本市場向けの戦略を本気で展開することを強く示唆する内容で,同社の今後の展開を占ううえでも重要なタイトルとなっている……というような難しい話は気にすることなく,とりあえず遊んでみたのである。

 考えてみると,シム人達とずいぶん長く付き合ってきたが,「どんなゲーム?」と聞かれると,いつもちょっと悩んでしまうボクちゃん。たとえば「旧石器時代を舞台に“火の発見”を競うアドベンチャー」とか「第二次世界大戦をテーマにした落ちモノ系パズルゲーム」とかいう具合に,一言でずばっと説明できないのである。やや苦しまぎれに「人生シミュレーション」とか答えるものの,「なるほど,人生シミュレーションですね。オッケ」と納得してくれた人は,よく考えたらいなかったかもしれない。まあいいか。
 とにかく,シムピープルやザ・シムズ2(以下,シムズシリーズ)とは,それほどゲームらしくないゲームなのであり,天才ゲームクリエイターであるWill Wright(ウィル・ライト)氏の天才っぷりがよく分かる作品なのだ。そんなゲームを「Wiiで」「カジュアルで」「分かりやすく」作ったというのだから,それがどんなもんなのか自称シムズマニアの私が気にならないはずがないというものである。
 ちなみに,PC版のザ・シムズ2がそもそもどういうゲームなのかという話については,手前味噌で(しかも古くて)恐縮ですが「こちら」「こちら」の記事を参照してもらえれば感激の極みでございます。いやならいいですけど。

画像(003)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」 画像(004)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」 画像(005)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」

「街を発展させる」という明確な目標があるぼくシム


画像(009)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
キャラクターの豊富なカスタマイズ機能は,シムズシリーズゆずり。だがシム人とは思えない可愛さだ
 さて,ぼくシムにはストーリーがある。PC版のザ・シムズ2にも,それぞれの街にストーリーがあったけど,ありゃあ,あってもなくてもどっちでもかまわない感じ。だが,ぼくシムのストーリーはゲームの内容に関わってくるので重要なのだ。
 プレイヤーが生活することになる街は,かつて数多くのシム人達が住むハッピーな場所だったが,今はもう見る影もない。なぜなら“エッセンス使いの建築家”がいなくなってしまったからだ。この建築家が,エッセンスから家具や家などさまざまなアイテムを制作し,それらを目当てに人々が集まっていたのだが,突然彼が(彼女かもしれないが)街を去ってしまい,それから街はさびれてしまったというわけである。うーむ,相変わらずモノに釣られやすい奴らだ,シム人め。などと思ってはいけない。いなくなった建築家に代わり,プレイヤーが街を発展させていかなければならないのだ。
 なるほど,つまりぼくシムには「街を発展させる」という明確な目標が設定されているわけである。シムズシリーズの面白味は,好きなようにプレイして,何かとあわただしいシム人達の暮らしぶりをやや高みから眺めつつ,「ああ,人間ってそうだよねえ」と思うところにあった。新しい「ザ・シムズ ライフストーリー」や「ザ・シムズ ペットストーリー」など,最近は目的あり手段ありといった具合に,いわゆるゲームっぽさにもフォーカスしつつある。これは個人的には疑問符がつくところもあるのだが,自由度の高さがライトユーザー向けではないという判断なのかもしれない。ともあれ,ぼくシムもそのゲームっぽさにフォーカスした路線を取っているわけだ。

ロザリン市長があなたの街の来歴を詳しく説明してくれる。街の未来はプレイヤーの双肩にかかっているのである
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家やアイテムを作り出してキミの街を発展させよう


アイテム制作はこの作業小屋で行うことになる。金づちの看板がなかなかオシャレである
画像(010)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
 というわけで,街を発展させるためにプレイヤーは,エッセンスを使って家とかアイテムとか,いろいろなものを作ることになる。そのエッセンスだが,例えば「赤いリンゴ」とか「黄色い花」とか「紫色のクレヨン」とか,んまあ,メルヘンチックなものが多いこと。これらのエッセンスは,アイテム制作時にペイントとして使ったり,ブロックとして使用できたりするのである。
 プレイヤーキャラクターは,住民から「赤いリンゴ三つと青いリンゴ二つを使った椅子を作ってほしい」などといった要望を受け,それを実現して住民を幸せにしてあげるのだ。エッセンスの収集にはちょっと手間がかかるのだが,それがゲームの面白さとなっている。赤いリンゴは公園の木からもいでくればいいが,石とかビリヤードのボールとかは,地べたに埋まっているものを探知機で探し当てるというミニゲームをやって手に入れなければならない。リンゴも採りっぱなしでなく,たまには新しいリンゴの木を植えたり水や肥料をやったりしてやらなければ,そのうち枯れてしまうのだ。中には,どこにあるのかてんで見当がつかないエッセンスもある。
 作らなければならないアイテムがたった五つのパーツでできているのに,七つのエッセンスを使わなければならないとはどういうことだろう? とかいうのも考えどころ。

集めてきたエッセンスを使ってアイテムを制作する。エッセンスはアイテムを構成するブロックとしても,またペイント素材としても使える
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エッセンス集めは,公園の木からもいだり,池で釣りをしたり,探知機を使って探し回ったりなどいろいろな方法がある。ミニゲーム仕立てになっているので,息抜きにももってこいの一石二鳥だ
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サンドボックススタイルのゲームシステムに変更され,街を自由に歩き回れる。ひゃっほー
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 かくして,プレイヤーはエッセンスを手に入れるために街のあちこちを探すことになる。そう,ぼくシムは街中好きなところを好きなように走り回れるのだ。
 シムズシリーズでは,あくまでも一軒の家がゲームの舞台のホームドラマである。出勤にはお迎えの車(ときにはヘリコプター)が来るし,公共区画に行くにはタクシーを呼ばなければならない。だが,ときどき歩いて隣の家に行けたらなあと思うこともある。そんな望みがぼくシムでついに実現したわけである。もっとも,街はさほど広くはなく,ゲームの序盤では行けるところも限られているのだが。
 余談だが,筆者が一番悩んだのが「ハッピーエッセンス」である。ハッピー? ハッピーとはどこに落ちているのだろう? そういえば,筆者も「幸せ探して四十ン年」(もう言えない)をキャッチコピーにしてきたわけだが,幸せが地べたに落ちているわけないのは百も承知,二百も合点。うーん……。
 ネタを明かせば,ハッピーエッセンスはほかのシムに“やさしく”してあげることで,彼もしくは彼女からピョンピョン跳び出してくるのである。で,それを回収すればいいのだが,そんなの分かるかい! さらにネタを明かせば,あらかじめNPCがハッピーエッセンスの集め方を教えてくれていたというオチで,筆者が説明書も読まず,人(NPC)の話をちゃんと聞かないということだけが浮き彫りになる話である。ためになったでしょ?

最初のうちはいくつか行けないところがあるが,スターレベルが上がるにつれ,街も広がっていく。さあ,街をどんどん発展させよう,ってシムシティみたい
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 閑話休題。ぼくシムは街を回っていろいろな人の望みを聞き,エッセンスを集めてアイテムを制作し,それをプレゼントして人々の幸せを上げるというミッションコンプリート型のゲームシステムになっている。
 みんなが幸せになるにつれ,画面左上の“スターポイント”が上昇し,それが一杯になるとスターレベルが一つ上がるのだ。スターレベルが上がると「観光客」が街のホテルにやってくる。彼らの願望を聞いて街に居ついてもらうために,今度は新たに家を建てたりアイテムを作ってやったりする。それを繰り返しているうちに街は発展していくのだ。例えば著名シェフが街を訪れたときには,イタリアンレストランを制作してやり,冷蔵庫だの流し台だのを用意してやり,下にも置かぬ接待で街に居着いてもらい,気持ちよくお仕事に励んでもらうのだ。いやもう,なんでもかんでも人任せにしないでほしいと思うものの,これも街の発展のために仕方ないのである。

 ゲームの難度はかなり低めの親切設計なので,PC版のファンにはいささか物足りないかもしれない。たとえゲームに行き詰まっても,適当な誰かと会話すれば「花屋の子がなんだか困っているみたいよ」的な情報が聞ける。エッセンス採集のためのミニゲームもしかりで,筆者でもクリアできるくらいだから,失敗する人はそんなにいないのではないかという風情。ただし,やることは次々に発生し,ゲームのテンポは非常にいい。あっちへ走り,こっちへ走り,作業所でいろいろなものを作って届ける。家だのアイテムだのの制作はかなり自由度が高いので,いつの間にやら自分好みの街が出来上がっていくという寸法である。

画像(019)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
新たに街にやってきた観光客の望みを聞き,それを叶えてあげることで彼らが新たな住人として街に引っ越してくるというわけだ
画像(020)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
このエッセンスを何個,あのエッセンスをいくつ,と彼らの好みはなかなかうるさい。まあ,アイテム制作は比較的簡単なのだが
画像(021)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
次に何をしていいか分からなくなったら,ともかく人と会って話を聞くことだ。ただ聞くだけでなく,ちゃんと内容を覚えておこう>俺
画像(022)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」
家の制作は可愛い素材が多くて楽しい。魂のおもむくままアバンギャルドでポストモダンな家造りに励むのもアリだ

PCゲーマーには物足りないかもしれないが
一見の価値ありだ


 正直な話,自称シムズマニアの筆者にとって,最初はぼくシムに抵抗があった。なにしろキャラクターが可愛いのである。シムズといえばリアル系という固定観念があり,頭でっかちの二頭身キャラを操作するのはいささか妙な気分だ。また,PCの中で暮らしているシム人達と違い,彼らは空腹になったりトイレに行きたくなったり眠くなったりはしない。CEROレーティングAであることからも分かるように,結婚したり妊娠したりもしないし,寿命で死ぬこともない。ましてや,三角/四角/五角関係のドロドロや,仕事をしくじって会社をクビになったり,試験をしくじって学校を退学になったりもしないのである。
 換骨奪胎という言葉があるが,PC版から残るシムズ的要素といえば,プレイヤーキャラクターの豊富なカスタマイズと彼らが謎めいたシム語で会話することぐらいであり,ぼくシムの換骨奪胎ぶりはかなりものだ。

 PC版のザ・シムズ2がリリースされたのは今を去ること3年前(2004年)。以来,現在まで数多くのデータセットや追加パックが発売されて人気を維持しているが,そろそろ“次の一手”が欲しかったりもする。肝心のウィル・ライト氏が新作「Spore」にかかりっきりであることや,同氏が「続編ばかりのゲーム業界はよろしくない」旨の発言を繰り返しているところから,「ザ・シムズ3」の先行きは不透明だ(2008年度に発売されるかもしれないとのことだが)。
 そうこうする間にも,シムズワールドは広がり続け,プレイステーション 2やニンテンドーDS,さらにはPSPなどにも移植されることが決まり,独自といってもいいような進化を遂げつつある。次世代機初のシムズシリーズであるぼくシムが,ゲーム性もグラフィックスも大きく変化したのは,ある意味,時代のニーズでもあるのだろう。

 さらに正直に言えば,筆者はなんだかんだいいながら,ぼくシムをけっこう楽しんでいるのである。PC版のシムズはどうしても時間がかかってしまうが,ぼくシムはさくっと遊んでさくっと止められる。Wiiリモコンとヌンチャクの操作もなかなか新鮮で,できることが限られている半面,操作も簡単だ。適当に頭も使うし,ミッションドリブンなゲームではあるが,それがたとえささやかな問題だとしても,解決したときは気持ちがいい。そんなこと気にせず勝手に物作りに励んでもいいし,家の改造に熱を上げてもかまわない。

 筆者は,シムズシリーズが進化の果てにシムシティシリーズと融合するのではないかという妄想をかねてより抱いているのだが,ぼくシムはその野望を限定的な形ながら実現しているようにも思える。驚くほど変化したぼくシムは,来るべきシムズシリーズの進化形を内包しているのかもしれない……などと肯定も否定もできないようなこと言って読者を煙にまきつつ,さあ,家に帰って続きをやろうっと!

画像(023)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」 画像(024)極私的コンシューマゲームセレクション:第16回「ぼくとシムのまち」

■■松本隆一(4Gamer編集部)■■
コンシューマゲーム機との出会いは,1993年に発売されたATARIのJaguarだが,それ以来はPCゲーム一筋という頑固オヤジ。好きなPCゲームの続編がPCでは出ないという状況にいてもたってもいられず,コンシューマゲーム機にも手を出しはじめた。FPS/アクション/シミュレーション系の洋ゲーに造詣が深いが,話が脱線しがちなのが玉にキズ。


ぼくとシムのまち
対応機種:Wii
メーカー:エレクトロニック・アーツ
発売日:2007年9月27日
価格:6090円(税込)
CEROレーティング:A(全年齢対象)
公式サイト:http://boku-sim.jp/
  • 関連タイトル:

    ぼくとシムのまち

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Video Games
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