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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」
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印刷2014/04/17 16:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」


著者近影
 こんにちは! 男色ディーノです。ゲイレスラーです。
 私はゲイレスラーということで,試合前,試合中,試合後に対戦相手はおろか,勢い余ってお客さんにキスをすることが許されているんだけど,これはある意味,男性とキスをするのがお仕事であると言えなくもないわけ。
 で,アマチュア時代を含めると,プロレスを始めて今年で19年め。キスをした男性の延べ人数と回数だけならば,アダルト業界で働いている人よりもよっぽど多いんじゃないかと自負していて,近々ギネスブックに申請しようかと半ば本気で思ってる昨今,皆様いかがお過ごしでしょうか。

 これだけ長年プロレスをヤっていると,もう分からなくなってしまうことがあるの。感覚がマヒしてしまうというか。何がって,初めて見る人の感覚が。私はスレてしまったのよ。もうあの頃の私はいない。でもそこで諦めちゃダメ。初めて見る人が私を見てどう思うのかというのは,分からないなりに考えていかなきゃいけないこと。
 ブシロードの代表取締役社長で,かつ新日本プロレスの元会長でもある木谷高明氏が,以前「週刊プロレス」のインタビューで語っていたことがあってね。これすなわち「すべてのジャンルはマニアが潰す」。私も同意なのよ。広い意味において,そのとおりだと思う。
 誤解のないよう先に言っておくと,ジャンルを支えるのもマニアなの。これに関しては間違いない。実際に多大なお金や労力を費やしてくれるのは,マニアだけだから。ただ,それは現状を維持する場合のみね。ビジネス,とくにエンターテイメントビジネスって,現状維持をしようという志だけでは,現状維持すらできないものが多いのね。なぜなら,生活に必ず必要なものとは違って,お客さんの入れ替わりが発生するから。
 エンターテイメントって,人生における優先順位が低いわけ。例えば1万円しか持っていないとき,食糧とエンターテイメントのどちらにお金を投じるかとなると,普通に考えたら食糧でしょう。もちろん,そこで食費を削ってエンターテイメントに投じる人もいるんだけど,それこそがマニアなわけで。一般的には娯楽の前にまずは生活ありき。
 で,入れ替わりなんだけど,お客さんの側にも娯楽にお金をかけられなくなる事情が出てくるケースもある。失業だったり,結婚だったり,出産だったり,もっとシンプルに,別の娯楽に心変わりしたり。だから,新規で入ってくる人と離れてしまう人,その足し算と引き算が常に行われている世界なのね。
 そこで現状維持を志すと,新規を増やすための方策を施さないことになるから,だいたいの場合は離れていく人のほうが多くなる。だから,大きくするために努力をして,ようやく現状維持っていうのが現実的に最も多いパターンなの。つまり,エンターテイメントビジネスは,どうしてもご新規さんを意識し続けなければならないというわけ。
 するとここで,マニアと新規の摩擦が問題になってくるの。マニアって,基本的には排他的なのよ。それこそ,よりマニアックな知識を持っているほうがランク上位とされる,よく分からないピラミッド世界でもあるから。
 もちろん,それ自体は構わないと思うのよ。実際のところ,深く知ることで楽しみ方もより深くなる面があるから。ただ,「○○を知らないくせに」「そんなことも知らないの?」的な空気が出ると,新規はもう入っていけない雰囲気になる。ここで足し算と引き算のバランスが崩れて,縮小していく。ここまでは,顧客レベルの話ね。
 提供する側に立ってみると,これもまたマニアがジャンルを潰す一面があるの。マニアが潰すというよりも,マニアに向けるっていう意味だけど。例えば,もうすでにみんなが知っている前提でそのエンターテイメントが披露されたとしましょう。マニアは知っているから,その出されたものを理解できますわな。でも,初めて見た人は当然知らないから,意味が分からなくて温度差を感じる。結果,新規がリピーターにならない。足し引きのバランスが崩れる。そういうこと。かといって,新規だけに向けたら,マニアが離れるのが加速してしまう。
 一番理想的なエンターテイメントは,マニアが去らずに新規が入って来やすい,それでいてリピートしてもらえるようなコンテンツなんだけど,それはまず不可能に近い。でも,それに近いものを目指す必要はあると思うの。もちろん,ビジネスとして考えた場合,の話よ。作家性だとか作品性だとかの志向の話ではなく。もちろんビジネスにも,その要素は含まれているんだけどね。
 で,結局のところ何が言いたいかというと,今いる顧客だけに向けたエンターテイメントは,先細るしかないっていう考え方が,私の根底にはあるってこと。それを踏まえて今週のタイトルを紹介しようかと。


男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」
 まあ簡単に言うと,私はご新規さんだってことね。今井秋芳監督作品の。そう,今週紹介するのは「魔都紅色幽撃隊」PlayStation 3 / PlayStation Vita)。この作品は,完全新作なんだけど,“學園ジュヴナイル伝奇シリーズ”の一作でもあるわけで,「東京魔人學園伝奇」シリーズや「九龍妖魔學園紀」シリーズの延長線上にある作品なのかな? という先入観を抱いていたのよ。
 でも,何を隠そう,私は今井監督作品をこれまでプレイしたことがなくて。今回プレイしてみているのも,完全に偶然のことなのね。今,外出時にはPlayStation Vitaで「Winning Post 8」PC / PlayStation 3 / PlayStation Vita)をプレイしているんだけど,「龍が如く 維新!」PlayStation 4 / PlayStation 3)をクリアしてしまったもんだから,据え置き機に関してはゲイム迷子になっていたの。
 そこで,次のゲイムを探していたところ,ちょうど発売されたのが,この魔都紅色幽撃隊だった,と。「そういえば今井監督作品って,噂には聞いていたけど自分ではヤってなかったわ。いい機会だからやってみようかな」っていう,その程度。
 だから,本当の意味で今井監督作品にとってのご新規。だから正直な話,プレイ開始当初は,作品に対する期待はあっても愛はとくになかったのね。だったらいっそ,まったく無の状態でプレイして感じたことをお伝えしようと,そう思ったわけ。

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」

 まだクリアしてないからストーリーに関しては何も言えないわ。ただ,思ったよりも重くない。アドベンチャーゲイムって,文字を読むゲイムでもあるので,その辺の覚悟はしていたの。この手のゲイムって,設定だとか世界観だとかの特殊な情報をぶち込んできがちじゃない? でも,いざプレイしたら,そんなことはなかったわ。むしろフォントは大きくて,しかも一画面に表示されるのが2行だから読みやすい。情報が押し付けられないのって,快適なのよね。
 そして,雰囲気を伝えるのがうまい。これはまさにゲイムならではの手法なんだけど,音楽や効果音,そして背景とアニメーションがマッチしていて,そのシーンの雰囲気を丁寧に描いているのよ。で,これから霊と戦闘しますよっていう空気が分かりやすく伝わってくる。これは,見えないオシャレというか,無の状態でプレイしている私でも「除霊するゲイムなんだ」というのが自然と理解できたし,とっつきやすくて良かったわ。
 私は,プレイヤーに「こういうゲイムなんだ」というのを理解させることはとても重要で,それが成功してプレイヤーの心構えさえできれば,遊んでいるときにストレスを感じにくくなるんじゃないかと思っているのね。その点,このゲイムは理解しやすかった。
 もっとも,五感入力システムに関しては,自分がどうしたいのか,五感を選ぶだけではしっくりこない部分もあるけども。ただ,従来のアドベンチャーゲイムの選択肢より,幅広いリアクションが選べるっていうことは確かね。それこそまだストーリーを終えてないから私にとっての良し悪しまでは分からないんだけど。いずれにせよ,少なくともこのゲイムの特徴ではあるでしょうね。


男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」

 あとは戦闘。これをどう捉えるかでご新規さんの印象は変わるでしょうね。正直,テンポは良くない。敵の動きを読まなければならないという戦略性はあるわ。最初は戸惑うわよ。思うように攻撃が当たらないイライラが募る。でも,慣れてくると,これも意図して作られた幽霊のわずらわしさなんだと思えるのよ。思えるんだけど……,外れると分かっている自分の攻撃で時間がかかってしまうのは,余計イライラしちゃうのよね。もうちょっとだけスピーディに戦闘ができると,そのイライラが軽減したかな,と感じたのは確か。ま,慣れれば面白いって事は確実に言えるんだけど。

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」


男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第275回「新規とマニア」
 で,さらにこのゲイムで秀逸なのは,ボードゲイム。簡単に説明すると,いつでもプレイできるミニゲイムなんだけど,ちゃんとこれがボードゲイムっぽい感じなのよ。このゲイムの世界観をボードゲイムにした感じ。勝てば経験値がもらえるから,ついついプレイしちゃうのよね。こういうところから作っている人の,ゲイムに対する愛とこだわりが伝わってくる。
 ウン,このボードゲイムがあるとないのとでは,全然印象が変わってくるわ。なぜなら,本編が難しければこのミニゲイムでキャラクターを成長させればいいわけだから。ミニゲイムであると同時に,難度を調整する役目も果たしているわけね。で,それが面白い,と。

 ケツ論を言うわね。この作品は完全新作ではあるけども,學園ジュヴナイル伝奇シリーズでもあるわけですよ。で,ここにきてシリーズ初挑戦の私がプレイしてみてどうだったか,というとですね。疎外感はまったくありませんでした。そう言い切っていいでしょうね。
 とりあえず,シリーズを知らなければ意味が分からないって部分は見当たらないの。本当はあったのかもしれないけど,少なくとも気付かなかった。だから,私はいろんな人にオススメしたいと思う。
 もちろん,好みはあるから全方位に……というわけではないけど,例えば「シリーズものはハードルが高い」という理由だけで避けているのであれば,それはもったいないと思うわ。クセのある戦闘に慣れる必要はあるけど,ゲイムとしてはとても面白い。だから,これを機にプレイしてみてはいかがでしょうか。

 というわけで,今週は初心者の気持ちでプレイすることができましたっていうお話でしたけども。結局はマニアも初心者も,そのエンターテイメントを楽しもうとする気持ちに差はないわけです。初心者はせっかくそのエンタメを体感するんだから精いっぱい楽しんで,マニアはそんな初心者に対して排除するではなくより楽しめるようにナビゲートしてあげる。こういう関係が出来上がったら,好きなジャンルがより楽しいものに昇華していくんじゃないでしょうか,という理想論をブチ上げてみました。
 もちろん,提供する側や管理,運営する側もそれ以上の努力が必要となるわけだけども。

 「すべてのジャンルはマニアが潰す」をベースに,そこからいかに足し算と引き算をうまくやってプラスに転がしていくか。エンターテイメントビジネスの需要と供給って,突き詰めるとそういうことなのかなと思っている今日この頃です。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く 維新!
PlayStation 3:「魔都紅色幽撃隊
PlayStation Vita:「Winning Post 8
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「The Wonderful 101
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「ヒーローバンク
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,4月18日に熊本流通情報会館大会「Road to Ryogoku in KUMAMOTO 〜ドラマティック・ドリーム・太平燕〜」,4月19日に北九州パレス大会「Road to Ryogoku in KOKURA 〜ドラマティック・ドリーム・鶏かしわめし〜」,そして4月20日にオロシティホール大会「Road to Ryogoku in KAGOSHIMA 〜ドラマティック・ドリーム・天文館〜」と,九州での三連戦を予定しています。ディーノ選手は「九州での試合のとき,『真面目にやれ!』ってお客さんから怒られることがあるから,今回は真面目にヤってやるわよ」と,意気込みを語っていました。
  • 関連タイトル:

    魔都紅色幽撃隊

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