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印刷2013/12/27 00:00

企画記事

Steamの時代が到来。PCゲーマーなら知ってて損はない,Steamのすべてをあなたに紹介

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ValveのSteamとはなんなのか?


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 「SteamOS」「Steam Machine」と,PCゲームの概念そのものさえ揺るがしかねない発表を次々に繰り出してくる北米のゲームメーカー,Valve。その中心にあるのが,2003年9月に正式サービスを開始したデジタル配信システム「Steam」だ。やや古い話になるが,サービス開始から10年1か月になる2013年10月30日,Valveはプレスリリースで,Steamの登録アカウント数が実に6500万に達し,PC,Mac,そしてLinux向けタイトルを含めて,ライブラリに登録されたゲームは3000作を超えたと発表している。

 アカウント数は,2012年10月から約12か月で30%増えており,この膨大な規模のユーザーと多数のタイトルにより,Steamは当初の“デジタル配信システム”という枠を超えた存在になりつつある。ゲームを始めるときにSteamを立ち上げ,Steamで最新情報を手に入れ,Steamでプレイヤー仲間とコミュニケーションするなど,一つのプラットフォームと呼んでもいいほどだ。

記事掲載時点のストア画面。いつもとちょっと違う,ホリデーセール仕様になっている
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「Steam」公式サイト


 個人的に,最初にSteamに触れたのは,サービス開始の翌年となる2004年に発売された,ValveのFPS「ハーフライフ 2」に同梱されていたものだった。ゲームをアクティベートするのに必須だったため,“仕方なく”インストールしたのだが,PCパワーをすべてゲームに振り向けるため,わざわざ余計なプロセスを終了させていた筆者としては,バックグラウンドでオンラインになっているソフトが好きになれず,「こんなのいらない!」と思ったことを記憶している(アクティベート後は,オフラインでも大丈夫だったが)。当時は,Steamで購入できるタイトルも少なかった。
 だがその後10年,想像を超える勢いでSteamは急成長を続けた。なんというか,第一印象とはあてにならないものだなぁ。

懐かしの「ハーフライフ 2」。ご存じのように,エピソード3はいまだにリリースされていない。頼むよ
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 前置きが長くなったが,そんなSteam,もちろんあなたも使ってますよね。えっ,使ってない? 名前は聞いたことはあるけど,興味がない? PCを持ってない? うーむ,それはいけない。というわけで年末年始の今日この頃,ここで改めてSteamをオススメしてしまおうというのがこの記事の趣旨なのだ。自分で言うのもなんだが,いい流れだと思う。PCを持ってない人はどうしようもないけど。

 もっとも,4Gamerは実はSteamのことが割と好きであり,2012年の年末にも「初心者向けSteamガイド連載 勇気を出して初めてのSteam」と題して,4回にわたりインストールから応用まで微に入り細を穿って紹介している。しかも,この12月からは週刊連載「ハロー! Steam広場」までスタートさせ,新作タイトルの紹介をメインに,最新の「GREENLIGHT」「アーリーアクセス」などの情報を載せているのだ。ホント,好きだなあ。



Steamを始めよう


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 というわけで,詳しいことはそれらの記事を参照しよう。終わり。で終わらせちゃうと筆者は楽でいいのだが,偉い人に怒られるので,とりあえず続けると,昨年の入門記事から1年,Steamはさらにソフィスティケートされ,ゲームメディアにとっても見過ごせないものになってきた。そういうことにしてほしい。

 筆者の予想はしばしば外れるので有名だが,そんなわけで,2014年はValve,なかんずくSteamが欧米のPCゲーム業界の台風の目になると断言してしまいたい。要するに,始めるなら今でしょ,というわけだ。ますますいい流れだ。

 さて,Steamとはなんなのか? Steam自体はソフトウェアであり,公式サイトから無料でダウンロード可能になっている。対応機種はPCのほか,Mac,Linuxで,日本語にも対応している。そんなSteamをあなたのPCにインストールすると,以下のようなことが可能になる。

(1)ゲームを購入できる
(2)コミュニティに参加できる
(3)MODを導入できる
(4)ほかにもいろいろできる


 残念ながら「合コンでモテモテになる」とか「身長がみるみる高くなる」といった機能は用意されていないので注意が必要だが,それ以外は割としっかりしているので,順番に見ていこう。


まずゲームを買ってみる


 Steamを起動させると,デフォルトで「ストア」画面が立ち上がる(ただし,画面最上段のバーにある「表示」タブ→「設定」→「インターフェース」でデフォルト画面の変更が可能)。ここがSteamのメインと呼んで過言ではないパートであり,ごく個人的な意見だが,ゲームの購入さえ普通にできるようになればSteamの80%(推定値)は制圧したと思っていいだろう。

最初に立ち上がる画面(優先ウインドウ)は,設定画面で変更可能だ
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 大胆に省略しているが,Steamゲーム購入の前にはアカウント登録などが必要になるので,そのへんは以前掲載した記事を参照してほしい。なお,記事にあるようなSteamクライアントからではなく,公式サイトであらかじめアカウント登録し,そのIDとパスワードでアクセスすることも可能だ。まあ,どっちでも,いいんです。

 さて現在,ページ上部のタブには「おすすめアイテム」「ゲーム」「ソフトウェア」「デモ版」「おすすめ」,そして「LINUX」という項目が並んでいる。「おすすめアイテム」と「おすすめ」があるって,どんだけおすすめするんだ,と思う人もいるかもしれないが,後者はフレンド登録したほかのプレイヤーが「面白いから,やろう」と,あなたにおすすめするもの。フレンドと一緒にCo-op(協力プレイ)ゲームをやりたいときなど,いいから買っとけ,という感じで使えるものだ。

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「ゲーム」をオンマウスすると,ジャンルが表示される。日本とは微妙にジャンルの分け方が違っているのが面白いところ
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 また,タブの一つ「ゲーム」にオンマウスすると,「無料プレイ」「早期アクセス」「アクション」といったカテゴリが表示されるので,そこからプレイしたいジャンルを選んでもいい。なんか派手にぶっ放せるゲームがやりたいなあ,などというときに便利だ。さらに,中段に4つ並んだタブ,「ニューリリース」「売り上げ上位」「近日公開」「スペシャル」をクリックしてもゲームを選べる仕組みになっており,一読すればお分かりのように,どこをどう考えても難しくない。欲しいタイトルがハッキリしているなら,右上の「ストアを検索する」にタイトルを直接打ち込んでもいいのよ。

 要するに,ジャンルやリリース日,単語検索といったさまざまな方法でタイトルを探し出せるわけだ。個人的には「ニューリリース」をブラウジングして,お,これよさそうじゃん,ポチッ! という買い方をしているが,たまにライブラリを眺めると,あれ,オレこんなゲーム買ったっけという,まさにデジタル積みゲー状態になっている場合が少なくないので,注意が必要だ。ただし,同じゲームを二度買おうとすると,Steamが「持ってるだろ」(意訳)と教えてくれるので安心してほしい。

 さて,「これだ,これしかない!」と選んだゲームをクリックすると紹介ページにジャンプし,紹介ページなので当然だが,ゲームについての説明が読める。ムービーやスクリーンショットが掲載されているほか,対応言語やMetacriticのメタスコアなどが分かる仕組みなのだが,テキストがほとんど英語というのがハードルお高めかもしれない。日本語に対応しているタイトルの場合は日本語解説が付いていたりもするが,そうでないときも多く,まあ,海外ゲームを購入しようという以上,このあたりは仕方ないことだろう。

タイトル紹介ページ。「How to Survive」は日本語対応タイトルではないが,日本語によるゲーム紹介が用意されている
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 タイトルによっては,ここから公式サイトにアクセスできたり,マニュアルを見られたりもするので,個人的には「発売日いつだっけ」「デベロッパはどこだっけ」「オレ,何やってたんだっけ」などを調べるときに重宝している。
 意外なほどメタスコアが低かったり,ムービーがちょっとアレだったりして,決断がうっ,と鈍るときもあるけど,およろしいようでしたら「カートに入れる」を選択して購入ページへ飛び,Valve(およびゲームデベロッパ)に代金を払い,その代わりにゲームを受けとるという資本主義的なドラマを繰り広げることになる。

「PRO スチーマー」公式サイト
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 Steamの支払い方法については公式サイトにも詳しい記述があるが,基本はクレジットカード決済となり,銀行振り込みやコンビニ支払いなど,皆様おなじみの支払方法は用意されていない。さらにクレジットカードも,VISA,Master,American Express,JCB,Discoverというブランドに限られており,つまり,選択肢は非常に限られているわけだ。
 未成年だったり,諸般の事情でカードを持っていなかったり,あるいはカード番号の登録をしたくなかったりした場合,欲しくても購入できなかったため,昨年末の記事ではいくつかの代替案を提示していた。しかし,2013年11月21日にValve公認のユーザーサイト「PRO スチーマー」がオープンしたことで,飛び越えるべきハードルはグッと低くなった。

 デジカが販売している「Steam ウォレットコード」を使えば,Steamの仮想の財布であるウォレットに仮想の貨幣をチャージできる。銀行振り込みのほか,全国のコンビニエンスストアでの支払いにも対応しているため,お金さえあれば誰でも買えるのだ。
 使用方法などは公式サイトを参照してほしいが,基本的にSteamクライアントを立ち上げてキーナンバーを入力するだけの簡単設計だ。“スチーマー”と聞くと,なんだか服のシワがキレイにとれそうだが,現在のところ売れ行きは好調らしく,潜在需要の大きさを窺わせている。みんな,待ってたんだねえ。

 ちなみにクレジットカードを持っている人は,一度登録しておけば,あとは自動的に適用されるため,二回目以降は数クリックでゲームが買えるようになる。あまりにも簡単すぎて危険な香りがしてくるほどで,注意したい,オレ。

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 ゲームは自分でプレイするために購入できるほか,ギフトとしてメッセージを添えて,ほかの人にプレゼントすることも可能だ。Steamを使って直接ゲームを贈れるのは登録したフレンドだけだが,メールアドレスさえ知っていれば,誰にでも贈れる。個人的に,誰かが筆者にゲームをくれないかなあ,といつも思っているのだが,もらったことはない。

購入ボタンを押すと,支払い処理中にこのような表示が出る。ここで,「あんた,今ゲームを作ってるんかい?」と突っ込むのが通だ
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 以上,このようにしてゲームを購入すると,「ライブラリ」に登録されるので,あとはインストールして心ゆくまで遊べばいいだけだ。
 重要なポイントとして覚えておきたいのは,購入したゲームがPCではなくユーザーに紐付けられるということだろう。つまり,ディスク認証が不要である(そもそもディスクがない)ほか,どのPCであろうと,インストールしたSteamに自分のアカウントでアクセスすれば,購入したゲームのダウンロート&プレイが可能になるということだ。当たり前? ええ,最初はそんな気がしたけど,これはとくにPCゲームで深刻な問題である違法コピーに対する一つの解答であり,やっかいなDRM(Digital Rights Management)ソフトなどを使わない,エレガントな方法だといえるのではないだろうか(受け売り)。再インストールも随時できるが,複数のPCで同一アカウントに同時アクセスするといったことはできない。

「ライブラリ」では,購入タイトルをさまざまなスタイルで表示できる。タイトルをズラッとならべて悦に入るのが,Steamユーザーの正しい生き方だ
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 また,タイトルによっては,セーブデータをSteamサーバーに置くこともできる。これにより,自宅でプレイしていたゲームの続きを会社のPCでやるといったことが可能になるので,会社でゲームをやることの是非はともかくとして,大変便利だ。パッチなども自動的に当ててくれるので,PCゲーマーにはおなじみの,「急にマルチプレイに参加できなくなる」といった現象も大幅に減少される。


7割引きは当たり前のSteamセールと,
充実のアーリーアクセス


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 定期的に行われるセールの充実ぶりも,特筆すべきだろう。現在,Steamにアクセスすると「ホリデーセール」が2014年1月3日まで開催中であることが分かるが,「日替わりスペシャル」を見ると,2013年のリリースにもかかわらず75%オフとかのタイトルが並んでおり,思わずグッとくる。古いゲームになると,90%以上オフというのもあり,価格が1ドルを割り込んでいて,ちょっと笑っちゃう。

ホリデーセール中,期間限定で「Left 4 Dead 2」の無料配布が行われた。思わず筆者も飛びついたが,すでに持っていた。ともあれ,こういうことがあるからチェックは怠りなく
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 ホリデーシーズンに限らず,Steamはこうしたセールを定期的に行っているので,これを狙うという買い方もあるだろう。ただし個人的な意見を言うと「諸刃の剣」という気もしないでもない。不要不急のタイトルの場合,セールまで待つか,という感じで旬を逃したりしているからだ。てへ。ともあれ,パッケージの場合,店頭から姿を消せばそれっきりだが,ダウンロード販売では,終わったはずのタイトルからも思いがけない利益を上げられることが明らかになった。これは,販路の弱い中小デベロッパにとっては嬉しい話であり,またValveにとってもセールは大きな収益源になっているという。安いとつい,「あれもいただくわ。これもいただくわ」と余計に買ったりするものなんですよ,奥さん。

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 “中小デベロッパ”つながりで書くと,「早期アクセスゲーム」も最近,Steamのウリの一つといえる。4Gamerでは通常「アーリーアクセス」という言葉を使っているが,つまり,β版を早めに販売して開発資金を得るというビジネスモデルだ。購入者は無料で製品版にアップデート可能で,デジタル販売ならではの,小回りを利かせたやり方だ。以前からあった手法ではあるようだが,「Minecraft」がアーリーアクセスで成功したことで,大手パブリッシャに頼らない開発手法として注目されるようになった。

 ある意味,ユーザーにとっては賭けになるのだが,フルプライスである場合はほとんどないので,気になるタイトルにトライしてみる価値はありそうだ。12月17日にリリースされたスタンドアロン版「DayZ」は,発売後24時間で17万2500本のセールスを記録したという(関連記事)。


買えないソフトがある,「おま国」問題


 以上,Steamのいいところばかり書いてきたが,光あるところに影がある,Steamも万能ではない。
 まずは,リージョン規制で日本から買えないタイトルがあるという,いわゆる「おま国」(「おまえの国には売らない」から由来したネットスラング)問題。これは,日本に支店や代理店がある欧米の大手メーカーのタイトルに見られることが多いが,必ずしもそればかりでなく,なぜ規制されているのかさっぱり分からない場合もあったりする。
 購入できるが,欧米に比べて価格が非常に高いというケースも「おま国」問題のバリエーションと言えるだろう。

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 日本語版パッケージとの競合を避けるための措置であるようだが,Steamの対応も良いとは言い難く,そのため「本編は買えるがDLCは買えない」「本編は買えないがDLCだけ買える」「予約だけできる」「買えたり買えなかったりする」といった珍妙な現象が発生したりしている。メーカーからの細かい依頼にValveが対応してくれないという話も聞くが,いずれにしろ,ほかのダウンロードサイトに比べてSteamのリージョン規制は,「過剰」という印象だ。

公式の「トレード機能の紹介ページ」にあるトレーディングポリシーでは,トレード詐欺について言及されている。フォーラムではトレード詐欺の被害も少なからず報告されており,使用はあくまでも自己責任で行おう
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 これに対して,例えば海外在住のフレンドに依頼し,Steamのギフトやトレード機能を使ってゲームを手に入れるという方法があるが,すべてのタイトルがトレードできるわけではないなど,かなり面倒だ。また,こうしたやりとりは現在,利用規約で明確に禁じられているわけではないが,地域規制違反に問われる可能性がないとはいえず,それなりのリスクは存在している。
 要するに,買えないものは買えないとあきらめるしかないような気がするが,改善の見込みがまったくないのかといえば,必ずしもそうではなく,オフレコだけど,上記の「PRO スチーマー」をオープンしたデジカが,この「おま国」について対応するとしており,問題が改善されていく可能性がある。解決に時間がかかることはたぶん間違いないので,気長に期待したいところだ。

 余談ながら,もしValveがSteamから撤退したらどうなるのか? 改めて言うまでもなくValveは北米の私企業であり,しかも株式を上場していないので経営の実際は外から分かりにくい。万が一倒産したりSteamから撤退したりしたら,当然ながらSteamのサポートは終了するだろう。もっとも,少なくないタイトルが,Steamがオフライン状態でも起動できるので,購入したゲームが即全滅ということはないはず。もちろん,サーバーが止まれば,未ダウンロードのタイトルはそれっきりになるだろうけど。

え,買えないの?
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 また,Steamに限った話ではないが,ハッキングが心配という人もいる。実際,2011年11月には公式フォーラムがハッキングによって改竄され,クレジットカード番号を含む個人情報が外部に流出した可能性があることが明らかになった(関連記事)。
 以降,ブラウザの公式サイトにログインするときにメールで認証コードが送られてくるといった措置がとられているが,こうしたハッキングが今後もないとは言い切れない。パスワードの定期的な変更や,「Steam ウォレットコード」「Paypal」の使用など,自己防衛策が必要になるのは,ネット社会の現実ですかね。

 このほか,「Steamの言語を英語にしないと,起動しないソフトがある」「リテール版とSteam版が異なるため,マルチプレイができない」などといった話を聞いたりもするが,これ以上は細目にわたるので,このへんにしておこう。


Steamで買えないタイトルがある? そんなときには


Electronic Artsの「Origin」
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 さて,ゲームのデジタル販売は何もSteamの専売特許ではなく,当然ながらライバルもたくさんいる。またリテーラーだけでなく,Electronic Artsの「Origin」など,パブリッシャが自ら運営するものも出てきた。
 というわけで,PCゲーマーが日頃お世話になっているサイトを以下に並べてみた。実はこれらのサイトの多くが,タイトルによって「Steam必須」だったりするのだ。つまり,サイトではキーコードのみの販売を行い,ダウンロードおよびアクティベートはSteamでやるというダンドリね。
 場合によっては,「おま国」問題を回避できる可能性もある(もちろんダメなときもある)ので,それぞれのサイトの使用方法については,公式サイトで各自調べてほしい。

・Amazon.co.jphttp://www.amazon.co.jp/
 Amazon.co.jpは毎週さまざまなPC向けタイトルをセール価格でダウンロード販売する,「PCゲームダウンロード週替わりセール」を行っている。詳しくは4Gamerの週刊連載「Weekly Amazon Sale」をチェック!

Amazon.co.jp「PCソフトダウンロードストア」週替わりセール


・GamersGatehttp://www.gamersgate.com/
 スウェーデンに本拠を置くダウンロードサイト。新作からインディーズ系まで,扱うタイトルは豊富。独自のダウンローダーを使うが,遅いようだ。その代わりというか,Steamにも負けない値引率のセールを頻繁に行っている。

・GamesPlanethttp://uk.gamesplanet.com/
 フランスのダウンロードサイト(日本からアクセスするとUK版にリダイレクトされる)で,価格はユーロ表記。サイトから直接ダウンロードするほか,ダウンローダーを使う方法もある。

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GamersGate
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GamesPlanet

・GOG.comhttp://www.gog.com/
 GOGとはGood Old Gamesの略で,その名のとおり,ほかでは手に入らないような古いゲームを多数販売している。オープンソースのエミュレータでそれらのゲームを動かすのだが,DRMなどは使われていない。運営しているのは「The Witcher」シリーズでおなじみのポーランドのパブリッシャ/デベロッパ,CD Projekt REDだ。

・Green Man Gaminghttp://www.greenmangaming.com/
 不要ゲームの下取りサービスも行っているイギリスのサイト。ものすごい割引率のセールだけでなく,ゲームの無料配布もときどき行っている。ダウンロードには,独自のクライアントソフト「Capsule」を使用する。

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GOG.com
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Green Man Gaming

・Impulse Driven(GameStop)http://www.impulsedriven.com/
Impulse Driven(GameStop)
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 北米のゲーム販売大手GameStopが運営するサイト。もともとはデベロッパのStardockが運営しており,全体の品揃えは,そこそこという印象。


 書ききれなかったが,このほかにも数多くのダウンロードサイトがネット上にあり,それぞれ個性的なので,Steamに慣れてきたら,こちらもチェックしてみよう。

 個人的には,SteamとAmazonを巡回していれば,ほぼ事足りるような気がするが,それらでは販売していないようなタイトルが見つかるかもしれないので,どんどん購入してどんどん積み上げるのだ!

Steamに紐づいていないところが残念なのだが,Valveのオンラインストア,その名も「Valve Store」では,さまざまなゲームグッズが購入できる。輸入代行サービスをしているところもあるようなので,探してみよう
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便利なコミュニティ機能


 さて,ゲームが普通に買えるようになったら,次はコミュニティに挑戦だ。筆者はほとんど友達がいないので,コミュニティ機能を使いこなしている気がまったくしないのだが,まずは自分のプロフィールを登録する必要がある。登録方法については昨年末の記事を参照してほしいところだが,自分のプロフィールを登録することで,フレンドがいるなら,チャットや,フレンドのステータス閲覧などができるようになる。

筆者のプロフィール画面。全然ゲームしてないじゃん,とか言わないこと
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フレンドリスト
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 チャットは所定のキーを押下することで,いつでも行えるため,プレイ中に戦い方を相談したり,プレイ後にゲームの感想を語り合ったり,コツを教えてもらったりなど,いろいろと使える。さらに,フレンドがどのゲームを遊んでいるのかを知らせてくれるので,マルチプレイだった場合,友達がプレイしているゲームに参加することも可能だ。
 登録時に自分の情報の公開範囲を決めることができるが,フレンド機能を十分に使いたいのであれば,ある程度オープンにしておいたほうがいいようだ。

 「野良ではそろそろ限界かな。そういえば,あのプレイヤーが上手だったから,フレンドになって一緒に戦おう」というのであれば,さっそくフレンド申請。ただ,必ずしも承諾してくれるとは限らないので,拒否されても怒らないことだ。また,承諾してもらうまでにかなり時間がかかることもある。

 個人的には,見ず知らずの人に友達になってくれと言うのはちょっと苦手なのだが,マルチプレイだけでなく,フレンドが多いほうがいろいろと楽しいことができるので,最初は簡単な機能から初めて,フレンドを作るのにも徐々に慣れていくとよさそうだ。


「Steamワークショップ」と「GREENLIGHT」


 PCゲームの特徴の一つに,豊富なMODの存在が挙げられる。MODとは「Modification」の略語で,キャラクターのテクスチャを交換したり能力を変更したりといったごく簡単なものから,システム変更に加えてシナリオやオブジェクトまで作ってしまう大規模なものまで,さまざまなMODが世の中にはある。日本ではいまいちという気もするが,欧米ではMODがゲームカルチャーの一つになっており,MOD制作者がプロのゲーム開発者になったというケースも少なくない。
 
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 このMODを手軽に適用できるのが,「Steamワークショップ」だ。またMODのほか,ゲームに用意されたシナリオエディタを使って作った「シナリオ」や「ミッション」なども数多くあるので,よりどりみどりだ。
 そんな「Steamワークショップ」は「コミュニティ」タブに紐付けられているが,対応タイトルの紹介ページからも当該ページに行くことができる。単にダウンロードして楽しむだけでなく,自分の制作したMODをアップロードすることも可能で,MOD開発者にとってもメリットは大きいのではないだろうか。
 
紹介ページにこのバナーがあれば,「Steamワークショップ」に対応したタイトルだ。クリックすると,ユーザーの作った様々なコンテンツがズラリと並ぶ
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 以前のように面白いMODを探してネット上をあっちこっち行ったり来たりする必要は減ったものの,まあ「MODを探し回る」という行為自体も面白いので,Steamワークショップが物足りないと思うようになれば,あちこちにあるMODまとめサイトみたなところをのぞいてみるのも悪くないかも。言うまでもないことだが,MODの使用はあくまでも自己責任でどうぞ。

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 もう一つの面白いコミュニティ機能が「GREENLIGHT」で,これは,Steamでの販売を希望する開発者が自分の作品をGREENLIGHTに登録し,それに対するユーザーの反応によってSteamでの販売の可否が決まるというシステムだ。パブリッシャやデベロッパが開発中のタイトルの情報やデモムービーなどを投稿し,それに対してユーザーが投票したり,コメントを付けたりできるわけで,こういう仕掛けは,ほかではちょっと見かけないと思う。

 当初は,組織票や声の大きい少数ユーザーのノイズなども懸念されたが,今のところちゃんと機能しているようで,現在,300以上のタイトルがゴーサインを待っている状況だ。制作者側にとっては,プレイヤーの意見をあらかじめゲームに取り入れることができるため効率的な開発が可能になるし,ユーザーにとっては,自分がゴーサインを出したタイトルがSteamで発売されるのは嬉しいもの。
 そんなわけで,あなたもぜひGREENLIGHTをチェックして,「うむ,これはいいね」とかなんとか,上から目線で判断してみよう。


Steamの今後


 長々と書いてきたが,いかがでした。いろいろな理由で右肩下がりな雰囲気の漂う欧米のPCゲーム市場にあって,孤軍奮闘という感のValveとSteam。PCゲーマーとしては,ぜひ応援したいところだ。やり方は簡単。Steamをダウンロードしてインストールするだけ。

画像集#036のサムネイル/Steamの時代が到来。PCゲーマーなら知ってて損はない,Steamのすべてをあなたに紹介

スマホ向けSteamのトップ画面
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 最後に,今後のSteamの動きなどについて,分かっている範囲でまとめておこう。

 まずは,配信中のスマートフォンアプリ。iOSおよびAndroid向けの無料アプリで,PCを立ち上げることなく,フレンドとのチャットやゲームの購入が可能になるというものだ。セール情報なども教えてくれるので,欲しいゲームが90%オフになっていて,しかもそのセールがあと30分で終わってしまうときなど,どこにいても買うことができるでの,ああ,またゲームが積み上がる。

 2013年の夏からは,「Steam Trading Cards」のサービスが始まっている。これは,Steamでトレーディングカードに対応したゲームをやっていると,ときどきカードがドロップされるというシステムで,このカードを集めることで「バッジ」が作成でき,これによってプロフィールの背景画面をカスタマイズしたり,クーポンが手に入ったりする。
 バッジ収集の指標としては「Steamレベル」が導入されており,レベルが上昇することでフレンドの登録上限数が増えていったりするのだ。
 正直な話,オマケ程度の機能のような感じだが,キラキラなレアカードなんかもあったりするので,ハマる人はハマってしまうかもしれない。

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 現在βテストが行われているのが,「Steam ファミリーシェアリング」。家族や親しいフレンドとの間でゲームがシェアが可能になる機能で,それぞれのプレイヤーが別個に実績を取得したり,セーブデータをSteamに保存したりできるというもの。厳密に言えば,よくはないことなのかもしれないが,コンシューマ機向けタイトルのディスクを家族間で融通することは,慣習的に行われており,それをPCゲームに拡大したサービスだといえそうだ。

 同じく現在,βテストが行われているのが「Steamレビュー」で,自分の所持しているタイトルのレビューを書いて投稿したり,他人のレビューを読んで購入の参考にできるという新機能。サムアップ/ダウンにより,レビューに対する評価も可能になっており,不快と感じるようなレビューに対してスパムフラグを立てたりもできる。
 しかも開発者自身もレビューを投稿でき,その場合「開発者コメント」であることを示すマークが付くというからユニークだ。

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 さらに現在,クローズドテストが行われているのが,「Steam In-Home Streaming」で,これは家庭内のPCで動作しているゲームを別のPCにストリーミングできるという機能だが,詳しいことはよく分からない(関連記事)。
 例えば,自分の部屋にあるハイエンドPCでスペック要求の高いゲームを動かし,そのグラフィックスをリビングルームのPCに配信。リビングの大型テレビでプレイすることなどが考えられるが,果たして? という感じだ。
 「Steam Big Picture」と同様,PCゲームのリビングルームへの進出を狙ったものだと思うが,詳しくは続報を待ちたい。

「Steam OS」にはホームストリーミング機能が用意される予定だが,「Steam In-Home Streaming」は,それに関連したものだろう。違ってたらごめんなさい
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 冒頭にも書いたように,「SteamOS」および「Steam Machine」を初め,2014年のPCゲームシーンではValveに大きな注目が集まるのは間違いない。2014年1月7日〜10日,ラスベガスで開催される家電製品の見本市「CES 2014」にValveが「Steam Machine」を引っさげて参加することも伝えられており,ここで何かの発表があるかもしれない,ないかもしれない。二つに一つだ。
 いずれにしろ,PCゲーマーとしてはこれからもSteamに熱い視線を注いでいく必要があるのは間違いないだろう。終わり……という感じで終わりにして,そろそろSteamのセール情報でも見に行こうかな。おお,欲しかったあのゲームが85%オフですって。買わなきゃ! 

「Steam」公式サイト

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    Steam

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