Valve，完全無料のゲーマー向けOS「SteamOS」を発表。近日中に配布開始

　ソフトウェアのオンライン配信システム「Steam」を運営するValveは，同社独自のオペレーションシステム（以下，OS）となる「SteamOS」を，近日中に無償公開すると発表した。

SteamOSの公式Webページ。すでに日本語化されたページが用意されており，日本語版の早期リリースも期待できそうだ

　現在のところ，SteamOSの詳細は明らかになっていないが，Valveによれば，「グラフィックスやサウンドの処理に重点を置いた，LinuxベースのOS」であるとのこと。リビングルームにある大画面テレビと接続して，大画面テレビ用ユーザーインタフェース「Steam Big Picture」を使いながら，ゲームを楽しむような用途が想定されているという。

　対応ゲームは基本的にLinux版Steam対応タイトルになるが，「In-Home Streaming」機能を使えば，WindowsやMac OSベースのゲームを，SteamOSが動作しているマシンにストリーミングさせてプレイすることも可能とのことだ。

SteamOSのイメージ画像。リビングルームの大画面テレビに接続してゲームを楽しむのが前提となっている

　SteamOSは，サードパーティの参加を制限しないオープンプラットフォームになることも発表されている。そのため，SteamOSにネイティブ対応した新作ゲームタイトルや，SteamOS搭載のゲーマー向けPCが登場する見込みになっているとのこと。また，Valve自体も，音楽やビデオといったメディアサービスをサポートすべく，関係各所と交渉中だそうである。

　SteamOSの大きな魅力は，すでに5000万人を超えるユーザーベースを持つSteam上のフレンドリストを，そのまま継承していることにもある。また，家族や友人とゲームソフトを共有できるという，発表されたばかりの新機能「Steam Family Sharing」に加え，「Steam Cloud」や「Steam Workshop」といった，Steamで人気のある機能は，すべてそのまま利用できることも明らかになっている。

こちらは，2013年1月に発表されたXi3の超小型PC「X5A Modular Computer」。1月の時点では「これがSteam Boxか？」と騒がれたが，こんな感じの超小型PCとしてSteam Boxが登場する可能性はありそうだ

　なおValveは現在，「The Steam Universe is Expanding in 2014」と銘打った特設ページを，日本語を含む各国語版で公開しており，そのページによれば，2014年のSteamに関連するビッグニュースがさらに2つ，今週中に発表の予定となっている。ゲームファンの中には，SteamOS搭載の「Steam Box」や，SteamOSネイティブ対応となるHalf-Lifeシリーズ新作――「Half-Life 2: Episode 3」なのか，「Half-Life 3」なのかは分からないが――の発表に期待している人もいるだろう。続報にも注目しておきたいところだ。

SteamOS 公式Webサイト