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光学センサー搭載の小型軽量マウス「Razer Abyssus」レビュー。“Salmosa後継”は買いか
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印刷2010/05/10 10:34

レビュー

小型軽量,左右対称デザイン採用,光学センサー搭載の最新モデル

Razer Abyssus

Text by fumio


Razer Abyssus
メーカー:Razer USA
問い合わせ先:MSY(販売代理店) http://jp.razerzone.com/
実勢価格:4700円前後(2010年5月10日現在)
Razer
 「Razer Salmosa」(以下,Salmosa)を憶えているだろうか。
 中国の「Warcraft III」プロゲーマーである,XiaoFeng “Sky” Li氏の協力を得て開発されたSalmosaは,小型軽量を志向した,光学センサー搭載のワイヤードマウスだった。そして,その後継として,市場から消えゆくSalmosaを置き換える格好で登場してきたのが,「Razer Abyssus」(以下,Abyssus)である。

 アリゾナ砂漠に棲息するガラガラヘビの一種「Crotalus Oreganus Abyssus」からその名が取られたと思われるAbyssus(アビサス)。その外観はSalmosaを踏襲しており,小型軽量,左右対称デザインといった基本仕様に違いはない。実勢価格も4700円前後と,Salmosaと同等の手頃さを維持している。
 一方,搭載するセンサーは,最大解像度1800DPIの「Razer 3G Infrared Sensor」から,同3500DPIの「Razer 3.5G Infrared Sensor」へと置き換えられた。最新世代の光学センサーを搭載してきたわけだが,それにより,使い勝手はどう変わったのか。今回は,Salmosaとの比較を交えつつ,Abyssusの実力を明らかにしてみたい。

左右対称の小型軽量デザインを採用したRazerブランドのマウスとして,Salmosa(右)を置き換える存在のAbyssus(左)。よく似ている部分とそうでない部分が同居しているが,「どう違うか」をチェックしていこう
Razer Razer


ゲーマー向けマウスとしては突出して小さく軽い

Salmosaと同様にクセは少なく,多くの持ち方に対応


Razer
 Abyssusのサイズは実測で63(W)×114(D)×39(H)mm。その小振りさから,基本的に「つまみ持ち」に適したマウスになっているといえる。指先を使った柔軟な動きを阻害されるようなことはない。
 また,重量もケーブル込みで実測108g,ケーブルを秤からどかした参考値で同72〜75gと,一般的なゲーマー向けマウスの中にあって,最軽量クラスである。ローセンシで激しく振り回しても疲れを感じづらいというのは,地味ながらもはっきりしたメリットだ。

4Gamerの比較用リファレンス「G5 Laser Mouse」と並べてみたところ。縦横が短いのはもちろん,背が際だって低いのもAbyssusの特徴だ。公称値でSalmosaと比較すると,高さはAbyssusが40mmに対してSamlosaが37mmなので,背は若干高いことになるが,実際のところ,その違いは感じ取れない程度。本体の盛り上がった部分が手のひらにぶつかるということはないので,つまみ持ち派には安心だ
Razer Razer Razer

真後ろ(=手首側)から撮影したカット。本体両サイドは斜め下方向に向かってほんのりと膨らんでいる
Razer
 親指や小指,人によっては薬指の当たる本体両サイドのデザインはほぼ平坦だが,わずかに膨らみを帯びているため,「指に吸い付くようなフィット感」というものは,残念ながらない。
 この形状と,つるつるした表面素材とが相まって,指で側面を力一杯挟み込む持ち方をした場合に滑ってしまう恐れがあるのは確かに心配のタネだが,ただ,よほど手に汗をかきやすい体質でなければ問題ない。また,軽くつまむ程度の力の入れ方をする人なら,フィット感の弱さと操作のしにくさは直結しないだろう。いずれにせよ,この形状が操作面で不利に働く印象までは受けない。

Razer
USBケーブルは(いい意味で)特筆すべき点がない印象。最初に軽くクセを付けてやれば,不満なく利用できる
Razer
本体底面。テフロン加工済みのソールは,ケーブル側に小型のものが二つ,手首側に大型のものが一つ用意される

ケーブル側から本体を見ると,両サイドにはかなりの角度が付けられている
Razer
 「かぶせ持ち」だと,背の低さもあって,手のひらへのフィット感が少々物足りなく感じられるが,それでも,本体を手首側へ思いっきり引き寄せるようにして握れば,手のひらにすっぽりと収まるので,十分操作可能だ。
 両サイドが奥側(=ケーブル側)に近づくにつれてねじれ,底面に向かって切れ込んでいくような形状になっているため,メインボタンの“下”に指を潜り込ませるような感じになって,結果,軽々と持ち上げられるのがうれしい。

“ねじりの効いた”側面デザインを採用するAbyssus。樹脂素材は,従来のRazer USA製品と同様,光沢のある仕上がりで,好みが分かれる
Razer Razer

 ただ,指がマウスパッドに触れて,摩擦が生じやすい状況になりがちなのが,気になる点ではあった。また,本体に人差し指と中指,薬指の3本を乗せるスタイルだと,メインボタン端の角張ったあたりに指が来てしまい,収まりが悪いというのもある。
 かぶせ持ちでも無難に使えるAbyssusだが,人によっては合わないと感じられるかもしれない。

Razer
かぶせ持ちしたイメージ。本体両サイドにおける指の収まりはよく,持ち上げやすさにも貢献しているのだが,背の低さもあって,指がマウスパッドと接触してしまいやすい。握り方と,感じ方にもよるので,全員が全員というわけではないが,かぶせ持ち前提の人は要注意だ
Razer
左右メインボタンに,「指の収まるへこみ」が設けられているのは,Razerブランドのマウス伝統。ここに指が乗る持ち方したときのフィット感はかなり良好だ。逆に,そうでない場合は悪くなりやすく,3本指スタイルのときは,メインボタン両サイドの角張りに指が当たって違和感がある


メインボタンとホイールの感触は満足できるレベル

サイドボタンがない点はやはり割り切りが必要


メインボタンと本体カバーは一体成形
Razer
 冒頭で写真を紹介したとおり,AbyssusとSalmosaとの間には,「左右メインボタンと本体カバーが一体化しているかいないか」という,大きな違いがある。Salmosaで,左右メインボタンは本体カバーから独立していたのが,Abyssusでは,ほとんどのゲーマー向けマウスと同様,本体カバーと一体成形のメインボタンを採用しているのだ。
 そのため,クリック感はSalmosa比で多少重くなっているのだが,今思えばSalmosaのメインボタンは軽すぎた感もある。むしろAbyssusで,ちょうどいい押し具合になったともいえるだろう。また,メインボタンを,最もケーブル寄りのところで押下したときと,スクロールホイールよりやや手前側の位置を押下したときとで,重さに大きな違いはなく,指先を立てて持つ場合でも,メインボタンの重さに悩まされたりせず済むのはいい。
 ちなみに,Salmosaのレビュー時にあった,クリック時に「キコキコ」と異音がする問題も,筆者が入手して試したAbyssus,計2台に関しては,一切ない。

Razer
 メインボタン以外では唯一のボタンとなるセンタークリック機能付きスクロールホイールの操作感は,Salmosaと完全に同一と述べて差し支えない印象だ。浅いストロークと,スクロールホイールにしては軽いクリック感により,センタークリックボタンとしての押しやすさは,かなり良いほうだと感じられる。上下スクロール時のノッチもはっきりしていて,ゲーム中に誤動作するような問題は見られない。

 ボタン類に関して不満があるとすれば,それはサイドボタンやチルト機能がないため,割り当て可能なボタン数が少ないことくらいだろう。筆者個人は,サイドボタンやチルトに重要な機能を割り当てることはまずないので,ボタンが少ないこともとくに気にならないのだが,サイドボタンなどを積極的に使う人からすると,この点は大きなマイナスポイントだろう。Salmosa同様,サイドボタンは不要と言い切れる人向けのマウスであり,その点では割り切りが必要だと思われる。

左右両サイドから。ご覧のとおり,サイドボタンは用意されていない
Razer Razer


DPI設定にかかわらず追従性はほぼ完璧

ただし1000Hz時の挙動には一抹の不安も


 Abyssusは,「Razer DeathAdder 3500」とも呼ばれる新型「Razer DeathAdder」(以下,DeathAdder 3500)に続き,Razer 3.5G Infrared Sensorを搭載する二つめの製品になる。DeathAdder 3500のレビュー時には,特定のトラッキング解像度設定において追従性が低下する結果が得られたが,同じセンサーを搭載するAbyssusはどうなのか。
 ニュース記事でもお伝えしているように,Abyssusの場合,選べる選択肢が3500/1800/450DPIの三つだけなので,すべての設定で,ゲーマー向けマウスパッド上で動作させたときの挙動をチェックすることにした。

 テストに用いたPCは表1のとおり。その下には,テストに当たっての諸条件と方法をまとめてある。


●Abyssusの基本設定
  • ドライババージョン:v1.00
  • ファームウェアバージョン:未公開(※2010年5月10日時点でファームウェアに関する情報は公開されていない)
  • トラッキング解像度設定:3500/1800/450Hz
  • ポーリングレート:1000Hz(※選択肢が1000/125Hzのため)
  • Abyssus側設定「感度」:10(※デフォルト)
  • Windows側設定「マウスのプロパティ」内「速度」スライダー:中央
  • Windows側設定「ポインタの精度を高める」:オフ

●テスト方法
  1. ゲームを起動し,アイテムや壁の端など,目印となる点に照準を合わせる
  2. マウスパッドの左端にマウスを置く
  3. 右方向へ30cmほど,思いっきり腕を振って動かす「高速動作」,軽く一振りする感じである程度速く動かす「中速動作」,2秒程度かけてゆっくり動かす「低速動作」の3パターンでマウスを振る
  4. 振り切ったら,なるべくゆっくり,2.の位置に戻るようマウスを動かす
  5. 照準が1.の位置に戻れば正常と判断可能。一方,左にズレたらネガティブアクセル,右にズレたら加速が発生すると判定できる

センサーの左にあるのがポーリングレート切り替えの2段階スイッチで,右がトラッキング解像度切り替えの3段階スイッチ。Salmosaとは設定項目の並びが左右逆になっていて,それぞれ設定できる段数も逆転しているのは,いろいろ興味深い(※Salmosaは800/1800DPI,125/500/1000Hzだった)
Razer
 テストに用いたゲームタイトルは「Warsow 0.5」。本テストにおいて,ゲーム内の「Sensitivity」設定は,「180度ターンするのに,マウスを約30cm移動させる必要がある」という,マウスに厳しい条件,具体的には0.28(3500DPI時),0.55(1800DPI時),2.2(450DPI時)を指定し,読み取り異常の発生を分かりやすくさせている。

 なお,Abyssusの場合,トラッキング解像度とポーリングレートは,本体底面のスライド式スイッチで設定できるのだが,前者は先ほど述べたとおりの3段階,後者に至っては1000Hzまたは125Hzという,かなりざっくりした2段階からの選択式になっている。
 正直なところ,トラッキング解像度設定で,1800DPIの下が450DPIというのは,さすがにざっくりしすぎではないか。3段階しか選べないなら,3500/1800/900DPIでよかったのではないか。また,ポーリングレートについては,せめて500Hz設定は用意されてしかるべきではないかと,ツッコミどころは豊富なのだが,ともあれ,選択できないものは仕方がない。筆者のマウスレビューでは,ポーリングレート500Hz固定が基本なのだが,今回は1000Hzに設定しているので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

AbyssusにはドライバROMが付属していないので,ドライバソフトウェアはサポートサイトから入手することになる。ただ,PC上から行える設定はボタン機能の割り当てなど,簡単なものだけだ。光るRazerロゴの消灯設定はなく,もちろん,設定内容をマウス側に保存できるような機能もない。なお,メニューは日本語化されているが,翻訳レベルはかなり怪しい。もう少しがんばりましょう,といったところか
Razer Razer Razer

 というわけで,テスト結果をまとめたのが表2である。トラッキング解像度設定にかかわらず,まったく同じ挙動を示したため,今回は表を一つにまとめた。

「相性の程度」は,高速/中速/低速操作において問題がなかったか,あったとすればどういう問題が生じたかを示した項目。○は「問題なし」,△は「基本的に問題ないが,まれにおかしな動作が見られる」,▲は「ポインタの移動中,異常な動作が高確率で見られる」,×は「使い物にならないレべルの異常が発生する」ことをそれぞれ示す。なお,ここでいう「異常」とは,「動作中にポインタが反応しなくなる」「ポインタがあらぬ方向へ飛んでしまうような動きをする」「動かす速度によってマウスの実際の移動距離と画面上でのポインタの移動距離が変化する」のいずれかをもってそう判断している

 ポーリングレート1000Hz環境下においては,いずれのトラッキング解像度設定でも,ほぼ完璧な追従性を発揮したといえる。一部の布系パッドと組み合わせたとき,腕を思い切り振って高速動作させた場合に限り,画面が一瞬逆方向へと動いてから止まることはあったので,高速動作時のテスト結果に△,▲,×が散見されるものの,より現実的なスピードで動かす限り問題はなかった。
 なお,「SteelSeries QcK mass」における高速動作時に,テスト環境1で△,テスト環境2で▲となったため,ここのみ「△/▲」と表記している。

 さて,ここで指摘しておきたいのは,1000Hzでの動作が安定しないことがあったことだ。
 二つのテスト環境で,「Direct Input Mouse Rate」からポーリングレートをチェックしてみた結果が下のスクリーンショットだが,低スペックのPCを想定したテスト環境2では,1000Hz前後のポーリングレートを維持できていない。
 表2で示したとおり,ゲーム中にこの事象を体感できたわけではないのだが,低スペックなPCでAbyssusを使用する場合、高ポーリングレートでの動作に不安が残るのも確かである。

DirectInputを用いたポーリングレート測定ツールの実行結果。テスト環境1(左)では安定的に1000Hz前後の値を示しているが,CPUが非力なテスト環境2(右)では平均700Hz強くらいしか出ない


追従性の良さと軽さは間違いなく魅力的

弱点は機能とカスタマイズ性の乏しさか


製品ボックス
Razer
 では,結論に入ろう。Abyssusが持つ一番の魅力は,なんといってもその小ささと軽さからくる操作性の高さだ。つまみ持ちユーザー向けだが,かぶせ持ち派でも操作しづらいわけではなく,むしろ鋭く左右へ切り返すような動きはかなりしやすい。ポーリングレートが1000/125Hzの二択である都合上,PCのスペック次第では高ポーリングレート時の挙動に100%の信頼がおけないのは残念であるものの,125Hz設定を行えばまったく問題なく,また,センサーの追従性自体は,ポーリングレート設定を問わず高い。

 もちろん,ボタンが左右メインボタンとスクロールホイールのみという点や,トラッキング解像度およびポーリング設定の選択肢が少ないなど,機能面で見劣りする部分は確かにある。ゲーマー向けマウスに,充実したカスタマイズ性を求めるならほかの製品を検討すべきだ。
 これら明らかなマイナスポイントにこだわらず,純粋に基本性能と小ささ,軽さ,操作のしやすさにこだわるのであれば,Abyssusは検討に値する存在である。
  • 関連タイトル:

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