
レビュー
1999年モデルの復刻版に,“コレクターズエディション”以上の価値はあるか
Razer Boomslang Collector's Edition 2007
» 普段は「選手」と呼ばれることの多いfumio氏が,全世界に10000個しか存在しない(が,2008年3月中旬時点では国内でもまだ購入可能な)限定版モデルのマウスを掘り下げる。現役の競技ゲーマーは,現代に蘇ったかつての話題作を,どのように評価するだろうか。
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国内での流通開始から1か月強が経過したが,世界に1万個しか存在しないこのマウス,果たして実際の使用感はどうなのか。
大きく平べったいBSCE2007
旧型と形状は同じだが,重量は増加
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メインボタンの形状も一般的なゲーマー向けマウスと比べてかなり幅広の作りになっており,中指をスクロールホイールに,薬指を右ボタンに乗せる筆者の持ち方だと,握ったときにボタンの凹みがちょうどいい位置に来てよくフィットする。握った感覚はゆったりとした印象だ。ただ,人差し指で左ボタンとスクロールホイールを操作し,中指を右ボタンに乗せる(より一般的な)持ち方では,おそらく少し手に余るだろう。
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冒頭で,旧Boomslangとの最大の違いはセンサーと表面加工だと述べたが,実際にはそれ以外でも,細かいところで仕様が変わっている。スクロールホイールのノッチが甘くなっているほか,重量が増えたり,ソールの形状が変わったりしているのだ。
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また,重量の増加に加えて,重心の位置が旧Boomslangより本体後方,つまりプレイヤーの手首側に寄っているせいか,持ち上げるときにマウスが手のひらからずり落ちてしまうことが何度もあったのが気になるところだ。
なお,ソールの変更による違和感はない。また,交換用ソールが製品ボックスに同梱されているから,とくに困ることはないだろう。
かなりピーキーな印象の使用感
ボタンの完成度は最近のRazer製品譲り
ここからはBSCE2007を使ってゲームをプレイした結果を語っていきたいが,その前に一つだけお断りを。筆者はマウスのドライバソフトウェアをインストールせず,OS標準ドライバで使うため,設定ツールの出来に関しては一切言及しない。あくまでハードウェアとしてのマウスについてのみ評価するので,この点はご容赦いただきたい。テスト環境は以下のとおりだ。
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テストには「Warsow」と「Crysis」の2タイトルを用い,いずれもオンラインプレイを行った。分類としてはどちらもFPSだが,前者は狭いマップ上を止まることなく高速で動き回るタイプで,後者は逆に広大なマップをクリアリングしながら進んでいくスローペースな展開となることが多く,aim(エイム)の質が異なるというのが,この2タイトルを選定した理由だ。
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これは,BSCE2007が持つ幅広形状が,持ち上げるときにホールドのための力を多く必要とすることと,重量が決して軽いわけではないことが影響していると思われ,全体として激しい操作は行いにくい。なんというか,小回りが利かないような感覚だ。逆に,目標があまり動かない場合,同じ方向にだけ動き続けている場合は普通に当てられる。マウスパッドを変えてみたりゲーム側のセンシティビティ設定を上げてみたりもしたが,この傾向にはあまり変化がなかった。
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いろいろ試行錯誤したところ,最終的にはサイドボタン前方(=手首から遠い側)の傾斜部分を親指と小指(と薬指)で挟み,手のひらの手首に近いところをマウスに乗せるようにくっつけて持つのが,最もしっくりきたことは付記しておきたい。
“3本指操作”時のフィット感は秀逸だが
ゲームで使うには人を選ぶ
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「Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0」の復刻とは異なり,あくまで限定モデルであって,プレミアム感を重視した製品であると言わざるを得ない。Razerファンや「限定品」に弱い人向けの,徹頭徹尾「コレクターズエディション」なのである。
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