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[AGC 2006#05]MMORPG専用開発ツール「HeroEngine」がAGCでも展示
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印刷2006/09/08 19:47

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[AGC 2006#05]MMORPG専用開発ツール「HeroEngine」がAGCでも展示

 開発コストの上昇によって,ゲームエンジンや開発ツールセットなどミドルウェアのランスンスビジネスは,次世代ゲーム開発とは切っても切り離せない関係になっている。とくにMMORPGの開発には,ネットワークやアカウント・マネージメントなどといった,これまでのゲーム産業とは関連性の低かった分野での知識/技術に精通している必要もあり,ミドルウェアの需要も今後伸びていきそうに思える。
 そんな中で,ここ数年にわたってMMO専用ミドルウェア・プラットフォーム「HeroEngine」を開発してきたのが,Simutronicsというメーカーだ。Simutronicsと言えば,「DragonRealms」や「GemStone」など,テキストMUD時代から多くのオンラインゲームを開発していた老舗中の老舗。この時代から続いているメーカーといえば,ほかにはMythic Entertainment (現EA Mythic)くらいしかない。
 軽く同社の歴史を振り返ると,過去にPlay.netというゲームポータルを運営していたSimutronicsにとって,90年代後半にBattle.netの登場によって時間課金制というビジネスモデルが破壊されたのは,大きな契機であったといえる。
 その後,Sony Online Entertainmentに「Cyber-Strike 2」といったゲームを提供するなどしていたものの,3D MMORPGが台頭したここ数年間は,鳴かず飛ばずの時代が続いていたのである。つまり新作「Hero's Journey」は,そんな彼らが巻き返しを図る,渾身の一作だということもできよう。最近では,RPGの大手メーカーBioWareがHero's Journeyのライセンスを発表しており,さらに大きく注目を得ることになった。

 このHero's Journeyの根本をなすHeroEngineは,マップ製作からゲームシステム,インターフェイス部分や照明効果の調整まで,すべてリアルタイムにオンライン上で作業できるのが大きなウリ。マルチテクスチャ,シェーダ効果,水面反射,シャドウマッピング,ブルームなどなど,サポートしている機能を挙げればきりがなく,すでに300万ラインに及ぶコードが書き込まれているという。さらにAutodeskの3ds MAXやMaya,AgeiaのPhysX,そしてGranny 2やSpeedTreeRTなど,サポートしている他社のツールやプログラムも多い。

 またHeroEngineで地形レンダリングからキャラクターアニメーション,オーディオまでを手掛けるのは,HeroBladeという中核ソフトである。アーティストが制作した新しい素材などは,ネットワークを通してHeroBladeブラウザにアップロードされ,オフィス内外の開発者が瞬時に利用できるようになる。ミドルウェア外でコンパイルするなどといった面倒な手続きがないのは,開発者にとっては魅力だろう。
 加えて台詞のマネージメントなどを行うスクリプトエンジンHeroScriptについても,「Pythonより早く効果的に処理できるのが強み」と,Simutronicsの開発者は自信を覗かせる。さらには,何百人という規模のチームでも,個人レベルでのプロジェクトの進行具合をチェックできたり,異なる部署間での意思の伝達をスムースにさせたりする,DreamManagerという管理ソフトも同封。開発リファレンスとしては,HeroEngineで作成されたタイトルであるHero's Journeyそのものも公開するというから太っ腹だ。

 まだBioWare以外にまだ主だったライセンスの発表はないものの,日本語を含む各言語のローカライズにも柔軟に対応できるというHeroEngine。今のところはWindowsのみに対応しているとのことだったが,2007年中が予定されているHero's Journeyのリリースが近づくに連れ,ライセンシングの発表も増えることだろう。(奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Hero's Journey

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